千葉ロッテマリーンズは12月18日、アンドレ・ジャクソン投手の入団が決まったと発表した。12月2日に公示された契約保留選手名簿には載らずに自由契約となっていたジャクソンは、DeNAも残留交渉を行っていたが、新天地を選択することになった。
NPBならDeNAを選んでもらえず
正直言って、ジャクソンのNPB他球団への移籍はショック。前回の記事でも「デュプランティエがDeNAに移籍するのなら、ジャクソンがソフトバンクへ行っても不思議はない」とは書いたし、ここ最近の流れからは想定内ではあるが。
個人的には桑原の移籍よりもインパクトが大きい。ジャクソンは日本での生活をエンジョイしていたし、ベイスターズで非常に溶け込んでいた。MLBへの復帰を希望していると言われていたが、満足するオファーがなくNPBに残るならベイスターズを選んでくれると思っていた。
2年間ほぼフル回転で50試合に先発し、293.2イニングを投げた。2025年は球団の外国人投手最多タイの10勝を挙げ、前年よりも好成績を残した。ただ、三振が取れなくなり、ストレートで空振りを取るシーンが減って来たのは事実。データの上では指標も悪化している。それでも年間を通してローテーションを守り続けられるタフさも含めて評価すべき投手と思っていた。年齢的にも今年ベイスターズに在籍した外国人選手で最も残留を優先させるべきで、複数年契約を提示して良いと思っていた。
もちろん、ジャクソンがどういう考えで移籍を選択したのかは分からない。MLBはFAになったら最も良い条件を提示したチームへ移籍するのが普通であり、NPBほど同じチームでプレーし続けることに意識はない。単純にDeNAのオファーをロッテが上回ったというだけの話かも知れないし、移籍して新たな道を行くことで成長できるという、桑原にも似た向上心なのかも知れない。
ジャクソンは2025年、158万2千ドルで契約延長している。現状およそ2.5億円の選手であり、今季の活躍を踏まえても3億を超えるラインになるだろう。争奪戦になったということであれば250万ドル前後の契約とも考えられる。
このあたり、まだ報道されていないので注目したいが、250万ドルのラインまで到達しないとすれば、ベイスターズがそれほど強く残留を望まなかったということにもなる。MLB復帰も視野に入れていたとすれば、それに恥じないオファーをすべきだし、それができるチームのはずなので。
それでも、チームとして優勝を狙う上でも、自身が成長する上でも、ベイスターズが一番と思ってもらえなかったことは残念だし寂しい。本音は分かる術はないので、選手が離れて行くことに過度の心配や批判する意味はない。
ただ、これによりマルセリーノ以外の外国人選手は6名が総替えということになりそう。三浦監督の退任もあって、そういうタイミングということもあるのかも知れない。新外国人に期待はするものの、やはり計算はできない。そういった意味から、ジャクソンとの残留交渉が決裂して、デュプランティエに猛アタックしたということが、移籍先として急に有力になったことへ繋がるのだろう。
デュプランティエは、越年しても良い条件のところを選ぶ構えのようなので、正式に決まるのは年明けになるのではないか。そして、ベイスターズが有力という情報から他の球団がさらに上回るオファーを出す可能性も残されており、そうなればまたも急転で他のチームに決まることも十分にあり得る。元来、ベイスターズは過度なマネーゲームはしない方針なので、ここから釣り上がった場合は追従しないのではないか。
ジャクソンに代わる先発投手は、デュプランティエの動向も含めて今後も注目ポイントとなる。
記録にも記憶にも残る選手
2023年12月に新外国人選手として獲得を調査していると報じられたアンドレ・ジャクソン。年明けの1月12日に入団が正式発表された。同年に入団したケイ、ウィックよりも少し高い条件での入団。1996年生まれの当時27歳と若く、球威のある速球に期待が高まった。
キャンプの実戦、オープン戦ともにまずまずの結果を残し、開幕ローテーションに入った。2カード目の初戦、4月2日の京セラドームでの阪神戦で来日初登板。初回に投げる前から山本の3点タイムリー三塁打などで4点をもらい、6回1失点の好投で初勝利を挙げた。
しかしその後はローテーションで回るも3連敗。5月6日はイニング4四球、押し出しで先制点を与え、逆転してもらった後は四球で出したランナーをサンタナの2ランで還され再逆転を許した。5回1安打ながら6四球で3失点という内容で、二軍で再調整となった。
5月22日に復帰すると神宮で2勝目を挙げた。6月には防御率1点台をマークし2勝を挙げた。好投しても勝ち星が付かないケースも多かったが、最終的には8勝7敗と勝ち越し。143イニングを投げてギリギリ規定投球回にも達した。
CSではファーストステージの第2戦に先発し、大量援護もあって勝利を挙げた。ファイナルステージでは第4戦で黒星を喫したが、日本シリーズ第5戦で7回無失点の好投。26年ぶり日本一に大きく貢献した。
年俸は大幅増で契約延長し、2025年はさらなる活躍が期待された。2年目も2カード目の初戦、京セラドームの阪神戦でスタートを切り、2年連続の白星スタート。その後も順調に白星を積み重ねて6月18日の西武戦で7勝目を挙げた。東を上回り、最多勝争いに食い込んだ。
それ以降はやや調子を落とし7月は防御率5.23と苦戦。ハマスタで行われたオールスターゲームに出場してリフレッシュし、8月1日に9勝目を挙げた。しかし、8月も防御率3.23とやや苦戦し、2桁勝利を前に足踏みが続いた。9月12日のヤクルト戦でようやく10勝目を挙げ、ウィーランド、バウアーに続いて球団3人目となる外国人投手のシーズン最多勝利に並んだ。
更新も期待されたが、その後は勝ち星が付かずに10勝7敗。防御率は6月まで1点台だったが、最終的には2.33でリーグ6位だった。CSファーストステージでは、ハマスタでの第2戦に先発するも、初回にまさかの5失点。ファイナルステージではチームが3連敗で敗退し、登板機会がなかった。
8月29日には、ハマスタで柳から3ランを放った。大学では投手と外野手を兼任しており、バッティングの良さは見せていたが、ウィーランド以来のホームランをマークした。長髪にヒゲでモジャモジャの風貌に明るい性格でチームを盛り上げ、ヒーローインタビューでは日本語も話していた。「空振りサンシーン!」はファンの記憶に新しい。
個人的に好きな選手だっただけに移籍は非常に残念だが、もう決まったことでもあるし、パ・リーグということなので陰ながら活躍を祈りたいと思う。ベイスターズでの在籍は重なっていないが、ソトもいるので楽しくやれそうだと思う。2025年は最下位に終わり、新監督の下で再起を目指すチームなので、良い挑戦になると思うし、チームに戦力としても、キャラとしても明るさをもたらすと思う。Good luck!
東が3億円で更改、若手に苦言
契約更改が続々と進み、18日は東が9000万円アップの推定3億円で更改した。2023年に最多勝を獲得した際、3年続けなければエースとは言えないとコメントしていたが、16勝、13勝、14勝と見事な数字を残した。3年連続でこれだけの数字を残す投手となると、遠藤一彦氏まで遡らなければならないくらい、偉大な結果。頼りになるエースで、3億円プレーヤーも妥当かと思う。
深沢が支配下登録に伴う契約変更と公示がまだ行われていないが、これで全選手の更改が完了したかと思う。筒香、柴田らが若手に苦言を呈する場面もあったが、東も同様に厳しいコメントをした。
「気づいたら野球人生終わってるよと。準備をやれよとは自分から言わないですし、そういう選手にわざわざ頑張ってほしくもない」
野球はチームスポーツで、東自身ももちろんチームとしてのリーグ優勝を最も重視している。しかし、チーム内での競争もあり、個人事業主であるプロ野球選手はその競争を勝ち続けなければ、現役を続けることはできない。そういう意味ではチームメイトはライバルでもあり、そこには個人という要素もある。
だからこそ、東の「自分から言わない」「わざわざ頑張ってほしくもない」というのは尤もなことで、そういう厳しい世界であることを再認識させられる。契約更改の会見で言わずに直接言えば良いという指摘もあるが、そういうことでもないのだろう。会見では記者が質問で仕向けている部分もあるだろうし。
こうした声は当然、若手やキャプテンの牧の耳にも入ると思うので、来春のキャンプからどういった取り組みを見せるのか。個人的には野球で結果が出せているなら、最低限のことだけやってくれれば良いと思う。しかし、日々の過ごし方の積み重ねが結果として出て来る部分も多分にあるので、意識を変えて行く必要もあるだろう。
森唯斗も言っていたチームとして詰めが甘い部分をどれだけ突き詰められるか。相川新監督の手腕の見せ所でもあるし、キャプテン3年目を迎える牧を中心に、選手がどこまで向き合えるか注目したい。



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