横浜DeNAベイスターズの選手ごとに2026年の期待や展望を独断で書いて行くシリーズ。今回は外野手編。主にセンターを守った桑原がFA移籍。新外国人選手のヒュンメルが加わったが競争は激化。誰がレギュラーを掴むのか注目される。
度会隆輝
ルーキーイヤーは華々しいデビューから尻すぼみで終わり、2年目はレギュラー獲りを期待されたが、86試合301打席にとどまった。ホームランは倍増の6本だったが、打率を落とした。一方で二軍では36試合156打席ながら打率.384をマークした。
バットコントロールは非凡でチームトップクラス。当てるのが上手いが故に若いカウントから手を出してしまって凡打になることが多かった。一軍の投手はカウント球のコントロールが良いし、変化球にもキレがあるので、捉えたと思ったコースからさらに変化して行く。度会の場合は技術的な部分ではなく、選球に尽きる。
度会のバットコントロールだと捉えられるコースだとしても、ヒットになる確率の低いゾーンは選ぶべき。当たってしまってファウルになれば良いが、技術があるだけにフェアゾーン内に入ってしまう。振り回す必要はないが、特に2ストライクを取られるまではもう少し絞った上で、ハードヒットするようにして欲しい。場面によるが初球からレフトに合わせるようなバッティングは要らないと思う。
その上でより高みを目指すとすれば、ストレートに対する打率が低いので、速球をきっちり捉えられるようにしたい。変化球を拾うのが上手い反面、速球に遅れがち。難しいが両立させたい。あとは左打者の共通の課題として左腕への対応。右の.269に対して.194だった。レギュラーであれば左腕に対しても.250前後は欲しいところ。OPS.662も寂しい数字なので、.700台後半は目指して欲しい。
守備に関してルーキーイヤーはかなり酷かったが、かなり改善されている。フェニックスリーグではサードに入って起用の幅を広げる取り組みを見せた。高校時代は内野手だったし、いろいろなオプションの中でサード起用もありうる。まずは外野でレギュラーを獲ることを目標にやって行くべきだろう。
宮崎、筒香、佐野、牧と野手の中心選手が揃っているが、世代的にもやはり度会がレギュラーに定着し、チームの中心になって行くのが望ましい。その一歩となるシーズンにして欲しいし、しなければならない。
佐野恵太
2025年は開幕スタメンから外れたが、オースティンのベンチスタートや筒香の不振などで、ファースト、レフトで出場機会を得た。最終的にはチームで桑原と2人だけの規定打席に到達した。前年とほぼ同じ数字で、ホームランは倍増近い15本を放った。
2026年は筒香が内野手登録に変わったが、佐野は外野手のまま。ファーストで筒香を使う構想があり、ビシエドも残留しているので、佐野は基本的にはレフトでの起用を想定しているものと思う。しかし、長いシーズンで離脱や不振は当然あるので、佐野がファーストで出場する場面もありそうだ。
3年連続で3割を打った時期もあるが、投高打低のNPBで.270台をしっかりキープしているのはさすが。2025年は得点圏打率が.359でリーグ2位。打点もチームトップでリーグ5位とチャンスでランナーを還すバッティングができていた。多くの左打者が苦労する左腕に対して、右腕を上回る.288をマークしたことも素晴らしいポイント。
リーグでダントツトップの防御率を誇る阪神戦では.154と封じ込まれ、他のカードよりも1割以上低かった。連覇が予想される阪神に勝つには、佐野が阪神の投手陣を打ち砕かなければならない。ストレートに強い分、少し食い込んでくるカットボール、タイミングが狂うカーブを苦手にしている。それらの球種をうまく逃げてストレートを投げざるを得ない状況へ持ち込みたい。
32歳を迎えるシーズンになるが、リーグを代表する打者として引き続き期待がかかる。キャプテンは筒香になるが、元キャプテンとして協力し、チームをリーグ優勝に導いてもらいたい。
勝又温史
投手として入団したが、2022年から外野手に転向。2023年オフに支配下へ復帰したが、一軍での出場がないまま迎えた2025年。本人も相当な覚悟で春季キャンプに臨み、奄美のB班スタートだったが、オープン戦でチャンスをもらい結果を残した。開幕一軍はならなかったが、5月に初めての一軍昇格。
5月4日はハマスタでの読売戦でプロ初スタメン。2打席目でセンターへプロ初ヒットを放った。その後も代打で2打席続けて内野安打を放ち、帯同を続けていたが30日に登録抹消となった。結局、それ以降はお呼びがかからず7試合9打席の出場に終わった。
二軍では71試合259打席で打率.263、3本塁打。盗塁ができる足があるわけではないし、長打力もそれほどではない。強肩と守備力はあるので、安定感のあるバッティングが必要になる。他の選手を見ていると、やはり二軍でも3割を超えてくるような精度で捉えて行かないと一軍ではなかなか戦力にならない。
それでもプロ8年目の契約はもらえた。本当に最後のシーズンという気持ちで悔いなく過ごして欲しい。外野手のライバルはたくさんいるが、桑原が出場した分は確実に空きが出るので、そこを貪欲に取りに行くしかない。2026年の春季キャンプは宜野湾メンバーに入ったので、アピールを続けて欲しい。
井上絢登
2025年は、開幕一軍入りを果たすも出番はなく、先発投手を登録する際に抹消となった。その後は二軍で出場を続け、7月にようやくチャンスを得た。7月2日に登録即スタメンで出場すると、最初の打席でなんとプロ初ホームランはグランドスラム。ヒーローインタビューでは自身のニックネームでもある「宇宙~!」を披露し、ここに井上ありをアピールした。
翌日も2号ソロを放って活躍。その後7試合連続スタメンで出場したが、次第に結果が出なくなり、代打に回った。結局、7月29日に登録抹消となり、その後は呼ばれなかった。一軍のレベルを改めて体感し、プロ初ホームランという結果に手応えを得つつも、結果を残し続ける難しさも学んだ。
二軍では100試合412打席に立った。打率は.237と低いが10本塁打をマーク。やはりフルスイングと長打力が魅力。それでもある程度精度が出てこないと一軍のベンチに生き残れない。そのあたりの相反する部分にどうバランスを取って行くか。
大卒で独立リーグに入り、3年目となる2026年。同期の度会ら外野手でもライバルは多いが、一軍での立ち位置を作らないと厳しい。代打の1打席で結果を出すのは並大抵のことではないが、それを成さなければ先はない。二軍ではスタメンで4打席与えられるが、全ての打席に代打のつもりで立つくらいの集中力で準備しなければ、2026年もまた一軍に定着できずに終わるだろう。勝又と同様に宜野湾メンバーに選ばれた春季キャンプからしっかりとアピールしたい。
梶原昂希
森敬斗ともに、2024年シーズン後半とポストシーズンで活躍し、2025年はレギュラーとして期待されていた。開幕から1番センターでスタメン出場を続けていたが、結果を残せず控えに回った。バッティングの不振は続き、5月に二軍で再調整。その後も昇格と降格を繰り返した。
結局、61試合170打席で打率.245、盗塁は前年の半分以下の6と大きく期待を裏切った。自主トレを伴にした師匠の柳田からは20本塁打をクリアするように言われていたが、遠く及ばなかった。
2024年は8月から突然爆発し、連日の固め打ちを見せ、そのままの勢いで日本シリーズまで駆け抜けた。ただ、梶原の中で何が良くなった打てたのか、そこを自身で理解しきれていなかったのではないか。チェックポイントとして、自分がこうなっていれば打てるというものを掴めていないからこそ、よく言われる経験値のリセットが起こる。
もともと落ちるボールの見極めは非常に悪く、三振率は異常に高い打者ではあった。2024年は早いカウントで仕掛けることで捉えられていたが、相手も当然研究してくるので、若いカウントからでも変化球などボール球で誘ってくるようになり、それに手を出して追い込まれてという印象だった。
一時期は2ストライクを取られるとほぼ確実に三振という感じで、見ていても三振だろうなと思うことが多々あった印象。現状のバッティングスタイルだと、代打の1打席で結果を出すのはかなり厳しい。守備範囲の広さ、俊足など身体能力を考えてもスタメンで出場し続けて欲しいのだが、長く結果を出し続けるには、打てている根拠がないと調子が落ちた時に不振が長引く。それではレギュラーを守れない。
個人的に期待している選手なので厳しくなるが、打ち始めた時の爆発力と盗塁を決めきれる足はチームでの有数のタレント。2025年はリーグを代表し、侍ジャパン常連になるトップクラスの選手になるチャンスだったが逸した。このまま消えていく選手になるのか、レギュラーを獲るのか。2026年は梶原にとって勝負のシーズンになる。仲の良い森と馴れ合いではなく切磋琢磨して返り咲いて欲しい。
蝦名達夫
2025年に最もブレイクした選手。開幕スタメンを勝ち取るも3試合ノーヒットで控えに回る。その後は時折スタメンのチャンスをもらい、一軍ベンチに食らいついた。
7月27日から19試合連続出塁、ノーヒットは1試合だけという活躍でレギュラーに定着。8月21日だけ出塁がなかったが、その後はレギュラーシーズン最終戦まで33試合連続出塁で終えた。CSまで1番として役割を果たし続けた。8月は.441、9月は.421という出塁率で、チームの2位浮上に大きく貢献した。
2026年は桑原が移籍し、蝦名にはセンターラインとしての期待がかかる。梶原がいわゆる経験値リセットのように打てなくなったが、蝦名はどうだろうか。2025年までにいろいろと試行錯誤の上、選球眼を磨いた末に身に着けて来た現在のバッティング。大卒で8年目、確固たるものが出来上がっていると信じている。
2025年の8、9月は良すぎるにしても、多少の不振の時期はあっても大きく崩れないと見ているが、どうだろうか。蝦名が年間を通してしっかりとレギュラーとして活躍し、出塁してくれれば桑原の穴をそれほど感じることはないかも知れない。相川監督は1番に牧を入れる構想を持っており、蝦名がどういう打順でどんな活躍をするのか注目したい。
ヒュンメル
175cmと外国人選手としては小柄な方だと思うが、もともとキャッチャーとしてプロ入りし、その後外野手に転向した。パンチ力はあるが、彼がウリにしているのは選球眼。出塁することに重点が置かれており、足もある程度あって実戦向きのマルチツールプレイヤー。
2022年にメジャーデビューを果たし、66試合出場で打率.176、3本塁打、17打点の成績で、それ以降はなかなかメジャーに定着できず、これが現時点ではキャリアハイになっている。マイナーのAAAでは、2025年3チーム合計で44試合出場、打率.297、13本塁打、35打点、OPS 1.074。最後に所属したレイズ傘下では28試合で11本塁打を放ち、OPS 1.202とかなり調子を上げていた。
2002年から2004年まで、父親の仕事の影響で代官山に住んでいたそうで、武蔵府中リトルリーグでもプレーした。日本にいた時にNPBの松井秀喜氏も観ていたし、イチローにも憧れていたという。来日後のファンへのメッセージでは、初年度の外国人選手ではなかなかないレベルで流暢な日本語の挨拶をしていた。
日本が好きで、プレーするチャンスを待っている選手はたくさんいるが、これだけ日本にフィットする選手はそうそういないだろう。あとはプレースタイルもNPBにフィットしてくれればというところ。
オースティンのように大砲で4番を打つようなタイプではないが、相川監督の1番牧の構想からすると、いわゆる古来からの日本の4番という意味ではなく、打順の巡り合わせ的に4番に入ることはあるかも知れない。両打であり、選球眼も良いことから単に打つだけではなく戦力になってくれそうな感じはある。守備も悪くないし、マイナーではあるがシーズン26盗塁の実績もあり、決して遅くはない。
NPBにアジャストするのは誰でも苦労するし、選球眼が良いだけに何年も馴染んできたアメリカのストライクゾーンとの違いに戸惑うかも知れない。ただ、癖があって隙だらけというタイプでもないので、うまくアジャストしてくれるのではないかと期待している。
ヒュンメルが外野の一角でレギュラーとして出場するかどうかは、2026年のベイスターズのポイント。レフトに佐野が入るならヒュンメルがライト。そうなると度会や梶原との争いになるだろう。固定できればベストだが、それぞれの状態を見ながらさまざまなオプションを使い分けて行く形になるか。初年度から相川監督の腕の見せ所になるかも知れない。
外野手の展望
レフト:佐野、度会、ヒュンメル、井上
センター:蝦名、梶原、神里
ライト:度会、ヒュンメル、蝦名
桑原が西武へ移籍し、筒香が内野手登録に変わったため外野で出場する可能性は低くなった。代わって井上が外野手登録になったが、昨年も一軍では全て外野手で出場していたので大きな変化ではない。なかなか一軍で試合に出られなかった度会、梶原あたりにはチャンスだろう。
佐野は外野手登録のままなので、基本的にはレフトになると思うが、内野の宮崎、筒香、ビシエドの不振や不在があれば佐野がファーストに回ることも想定される。あとは新外国人選手のヒュンメルがどこまでやるかだろう。
佐野がレフト、ヒュンメルがライトで固定されるとセンターしか残らなくなる。現状で桑原に代わってセンターに入るのは蝦名が最有力だろう。2025年は期待を大きく裏切った梶原がどこまで成長できるか。梶原が良ければセンターに入り、蝦名はライトに回せる。ヒュンメルをレフトに回し、佐野がファーストへという形で押し出して行ければ外野手としてベスト。
もちろん度会もその中へ割って入る実力は持っている。ヒュンメルを押しのけて度会がレギュラーに座れるかどうかは大きな注目ポイント。2025年にプロ初ホームランをマークした井上も外野手登録に変わり、レギュラー争いを狙う。もう後がない勝又、関根らも必死に狙って来るだろうし、守備固めと代走が主な役割の神里も、現役である以上はレギュラーを狙うのは当然。
現役ドラフトで獲得した濱は、守備力なら一軍も狙える。あとはバッティングがどこまで伸びて来るか。守備という意味では桑原が抜けて低下しているので、濱が守れる外野手として台頭すれば神里らの居場所も競争が激化する。
現状、まだ打順は見えてこないが、相川監督の構想の一部と管理人の妄想を混ぜるとこんな感じか。春季キャンプを注目して行きたい。
4 牧
3 筒香
5 宮﨑
9 ヒュンメル
7 佐野
8 蝦名
6 石上
2 山本
P
4 牧
7 ヒュンメル
8 蝦名
5 筒香
3 佐野
2 山本
9 度会
6 林
P
内野手編はこちら。



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