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再び4月のように輝けるか 2023年も終盤戦

早いもので9月に入った。最初の3連戦は、宮崎が復帰した打線が爆発し、連勝スタート。3戦目も2回に知野の代打逆転満塁ホームランなどで3点をリードするも、その後は追加点が奪えず、守備も乱れて逆転負けを喫した。

阪神が3連勝スタートだったことで、数字上優勝するのは極めて難しくなった。だが、2年連続のCS進出、そしてハマスタ開催はまだ狙える位置にいる。CSで勝ち抜くためにも、9月と10月は、4月のような快進撃を見せたい。

バウアーが離脱したことは非常に大きいが、4月の快進撃は彼がまだファームで調整中だった。4月の戦いを振り返りつつ、今のメンバーでどうすべきか考えてみる。試合のこと以外の内容を書くのは久しぶりになるが、特集記事として書いてみようかと思う。

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4月の成績

バウアーの登録抹消が決まった後のポストだが、その後もジワリといいねが増えているので、それに関連した記事を書いてみようかなと。9/1の試合の投稿でも同じ内容を書いた。宮崎、関根の活躍はその4月を思い起こさせるとも書いている。

3月は31日の開幕戦の1試合だけだが、それを除く4月という区切りで書いて行きたい。4月は16勝6敗で貯金10という好成績を収めたが、ポストにも書いているように別段メンバーが揃っていたわけでもない。4月はどのようにして勝ったのか、メンバーと成績を振り返ってみる。

打線

選手打率OPS
1佐野.25328.694
2京田.19102.431
3宮崎.4264101.245
4.235313.703
5桑原.30415.722
6関根.35317.876
7ソト.17006.469
8戸柱.292251.018
9.10001.200
伊藤.24002.589
山本.33302.947
.16702.392
大和.12501.347
柴田.200011.029
楠本.17418.588
神里.15800.431
大田.20812.542
ベイスターズ主な打者の4月成績

開幕から4試合、佐野と宮崎で1、2番を組むという予想外のオーダーだったが、結果が出ずに5試合目から1番佐野、3番宮崎に変更して機能した。こうして見ると1、2番は決して良いとは言えず、3番宮崎の爆発的な打力から牧や桑原が繋いで関根や戸柱で還すというパターンも多かった。

牧もWBC出場による調整不足が否めず、ソトは1割台でホームランなしの不振だった。キャッチャーは戸柱を筆頭に3人ともまずまずの成績を残したが、野手の控えは軒並み1割台といった感じで、楠本が代打では打っていたが、それほど好調な選手が揃っている感じはなかった。それでもリーグ全体とすれば、得点率はトップを争う数字だった。

投手陣

位置選手防率HSWHIP
先発石田0.00320000.70
先発ガゼルマン3.10430001.43
先発笠原9.00101003.00
先発濵口7.88303001.81
先発平良2.65320000.82
先発0.64430000.57
先発今永0.00220000.67
先発大貫4.82201001.18
救援上茶谷1.80400001.80
救援石川0.00300000.50
救援森原0.00500201.00
救援三嶋0.00830101.20
救援入江1.08900501.20
救援ウェンデルケン3.00600200.67
救援エスコバー11.37800402.05
救援伊勢0.001110710.73
救援山崎1.541201180.86
ベイスターズ主な投手の4月成績

4月のセ・リーグは、チーム防御率は5チームが2点台後半だった。全体的に投高打低の傾向だったが、ベイスターズのチーム防御率2.63はトップの阪神に迫る2位の数字。先発、救援ともにほぼ同じ数字だった。これを見る限りは、投手力で2桁の貯金を作り上げたと言える。

先発は、濵口が独りで半分の3敗を喫し、一度だけの先発に終わった笠原と復帰したばかりの大貫が1つずつ負け、リリーフは山崎の1敗だけだった。前年は1勝に終わった東が、開幕前のフォーム変更が奏功し、4試合で3勝、防御率0.64と月間MVP級の活躍で引っ張った。

投げ抹消を繰り返す平良も2勝を挙げ、開幕投手を務めた石田も4月に入っては自責ゼロ。ガゼルマンも3勝を挙げた。今永がWBCの決勝で先発し、半月あまり調整を行ったが、復帰してから2試合で失点することなく2勝している。まだバウアーが加わっていない陣容だが、この時期の先発はここ数十年で一番充実していた。

そして、それ以上に強固だったのがリリーフ。森原が2年目で調子を上げ、新加入のウェンデルケンも存在感を見せた。三嶋が復帰し、リリーフながら3勝。入江、伊勢も前年以上の投球を見せており、山崎も8セーブをマーク。エスコバーだけが不振で苦しんだが、先発投手が保ったリードを守り切る強さがあった。

こうして見ると、宮崎や関根の活躍による打線の印象もあるが、実情としては投手陣で勝っていることが分かる。

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今をどうするか

今季の月別成績を見てみると、奇数月は負け越している。5月は先発投手を中心として投手陣が不調だった。東も5月にだけ2敗を喫している。バウアーもデビュー戦では勝ったが、その後1ヶ月ほど苦しんだ。

勝率打率防御率
4231670.696.2502.63816515
5239131.409.2734.4910110628
62313100.565.2562.9894749
7228131.381.2082.86547610
82613121.520.2553.02978620
93210.667.3364.6729157
12061563.521.2513.2245642289
4月には3月31日の開幕戦も含む

9月はまだ3試合。出だしとしては打線が活発で、投手陣が心配という数字になっている。読売との3試合は、打力はあるが投手陣に課題がある相手なので差し引きして考える必要がある。

好調だった月を見ると、現在のチーム防御率で3.22よりも良い数字になっている。7月もそこはクリアしているのだが、打線があまりにも得点を取れな過ぎた。22試合で54得点はかなり厳しい数字だった。

優勝ラインを見てみると、阪神は5割程度で83勝できる。DeNAは現状引き分けが一つ少ないので、勝数が同じだと負数が1つ多くなってしまい、勝率で下回る。引き分けがない限りは1つ多く勝たなければならない。そうなると、84勝するには残り23試合全て勝つしかない。

勝数阪神広島DeNA
8412-1118-223-0
8311-1217-322-1
8210-1316-421-2
819-1415-520-3
808-1514-619-4
797-1613-718-5
786-1712-617-6

逆転するには阪神がここから10個くらい負け越して80勝に届かないケースになるだろうが、それでも19勝4敗といったペースが必要になる。最後まで諦めずに戦うことは大事かも知れないが、実際のところは2位も含めたCS争いになって来る。

CSクリンチは残り23試合で19.5。日曜に勝てなかったことが大きく、まだCS進出を決めるまでの道のりは長い。広島が6月、7月のような好調さを取り戻すと厳しいが、実は広島は3・4月から8月まで月間の負け越しがなく、非常に安定している。そのため、ここから大きく負けが込むことは考えづらい。

2年連続の2位を掴むには、DeNAが広島の位置まで上がって行く必要がある。その為には9月だけで2桁の貯金を作るくらいのペースが求められる。

打線については、宮崎がシーズン最後まで完走してくれることが必須条件。4月とまで行かなくとも、.350前後の打率を残し、5番として打点を増やすことが期待される。そして、1番に入っている関根の復調も必要だろう。佐野が3番である程度、自分のバッティングを取り戻しつつあるので、それ以外の選手となると桑原か関根かという選択になるが、本当の意味で足が使え、ムラが少ないのは関根になると思う。

6番に入るソトが8月に見せたバッティングを維持することも必要だろう。牧と宮崎が出た時に還す役割が必要になる。7番にはバッティングが好調な山本に期待するとともに、先発投手次第では戸柱のバッティングも悪くない。8番でショートを大和、京田、林でうまく回せればというところ。

9 関根
8 桑原/大田/蝦名
7 佐野
4 牧
5 宮崎
3 ソト
2 山本/戸柱/伊藤
6 林/大和/京田
P

宮崎も規定打席のことはあるが、ずっとフル出場というわけにも行かないだろうから、そこは林や京田が入ってカバーするしかない。佐野はファースト兼務を中止している様子なので、ソトが不振の場合は他の選手を入れる必要がある。知野も候補になるし、戸柱もファーストの練習をしているようだが、守備を考えるとなかなか代えられないだろう。

投手陣は、リリーフが苦しい。三嶋は1軍に戻るメドが立たず、入江も登録を外れた後はファームで投げていない。故障があったのだろう。伊勢も昨年の状態ではなく、エスコバーも完全復調とまでは言えない。森原とウェンデルケンに頼る構図で、上茶谷や田中健がフォローしている。

若手の宮城や中川が一時的にでも覚醒して、リリーフで無双という状況になれば違って来るが、現状使う勇気もなさそうなので、4月のような強固さは築けそうにない。

先発は、坂本がどれだけ投げられるか。4月の濵口になってしまうと苦しい。その濵口も8月には好投を見せたが、9月最初の登板は不安さを露呈した。平良が4月のような調子を取り戻し、大貫が昨年までの勝ち頭としての投球ができれば、4月に近いものは出せるメンバーは揃っている。

投手陣に不安要素が大きい分、9月は打線が引っ張るしかない。打ち勝つ試合、終盤のリードを1点でも広げるような戦い方でリリーフをカバーして行きたい。

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今週のローテーション

奇数月である9月を大きく勝ち越す月にできるかどうかは、今週の戦いに懸かって来る。打線の繋がりと投手陣の充実を図れるか。

東がマツダで練習を行っていたので、3戦目は中5日で東を投入することになる。週末は流動的だが、前回の登板から中10日以上空けて平良が先発し、引き続き石田が土曜に先発することになりそうだ。濵口は、日曜の内容が悪かったので、ファームで調整している大貫やガゼルマンとの比較になるだろう。

日付相手球場先発
5(火)広島マツダ坂本
6(水)広島マツダ今永
7(木)広島マツダ
8(金)ヤクルト横浜平良
9(土)ヤクルト横浜石田
10(日)ヤクルト横浜濵口

今永は前回136球を投げたことも考慮されたかも知れないが、5日(火)に先発すれば、中6日での12日(火)を経て、中5日で甲子園での阪神戦に当てることができる。だが、水曜にズラしたことで、13日(水)の次は中6日で再びマツダでの広島戦に当てることになる。

このあたり、どこまで意図しているかは分からないが、プランBとして広島を上回っての2位狙いに切り替えたということが透けて見える。5日からの3連戦が全て消化できれば、20日が中止になっても翌日に開催される。来週の7連戦を終えた後は少し間が空く日程となる。

坂本は5日の投球次第で翌週の先発を任せるかどうか決まるだろう。22日からの6連戦でバウアーが投げられるとベストだが、どのような状態かはまだ情報がない。このあたりは坂本、大貫、ガゼルマンも含めて補って行くしかない。

4月のように勝てるかどうかは、先発投手を含めた投手陣にかかっている。

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