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桑原、起死回生の3ラン 9回勝ち越しも逆転負け

09/04 広島東洋6x-5横浜DeNA(マツダ)

4回に牧の26号ソロで先制するも、その裏に坂本が坂倉のタイムリーなどで2失点。5回にも田中健が2失点し、3点ビハインドで終盤を迎える。8回に2安打でチャンスを作ると、桑原が起死回生の同点3ラン。9回は1アウト満塁から山本が押し出し四球を選んで勝ち越し。しかし、森原が2アウトから野間の内野安打で追い付かれると、10回に山崎が堂林にサヨナラ打を許して逆転負け。

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ポジ [Good]

1-4で敗色濃厚となりつつあった8回、リーグトップの35ホールドをマークしている島内から、大和と藤田が渋いヒット。2アウト1、2塁で桑原が打席に入った。初球の152キロストレートはファウル。2球ボールが浮いて外れ、2ボール1ストライク。

4球目はストレートが真ん中に入って来た。いつぞやの日テレ・蛯原アナの「そのストレートを待っていました!」が頭の中で再生されるような、狙い澄ました一打はレフトスタンドへ届く同点3ラン。

疲れもあるだろうが、この日の島内のストレートは本来のものではなかったかも知れない。ストレートに強い桑原とは言え、狙ってそれをホームランにすることは簡単ではない。見事な集中力とスイングだった。桑原の魅力が発揮された瞬間だった。

牧が、自己最多を更新する26号で92打点とした。これもストレートをきっちり捉えた打球だった。打った瞬間に行ったと思ったが、少し上がり過ぎたのか、スタンドへギリギリになって驚いた。3割30本100打点の超一流スラッガーの数字が見えて来ている。ケガに気を付けて最後まで走り切って欲しい。

3点ビハインドのシチュエーションだが、6月28日以来の登板となった中川が2イニングを無失点。ストレートで空振りが取れないのは苦しいが、野間に10球粘られても根負けせず、フォークだけではなくチェンジアップに加えて、ナックルカーブも使って目先を変えた。

160キロを目指せると小谷アドバイザーが太鼓判を押していただけに、まだまだストレートの球威は物足りないが、結果を積み重ねて行くことが重要。1軍にしがみついて行きたい。

8回表は桑原の3ランで一気に同点となった。5回に1-4となってそのまま8回まで来たので、ウェンデルケンは登板がないかなという状況だった。しかし、8回裏に登板すると8球で三者凡退に抑えた。リズムを作って味方の勝ち越しに繋げたあたり、さすがメジャーでリリーバーとしての実績がある投手。ベンチにとってはこれほど助かる投手はいないだろう。

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ヤジ [Bad]

課題の2巡目を克服できず

今季初先発のチャンスをもらった坂本は、初回に野間の内野安打でランナーを出したが、小園を併殺に取って無失点の立ち上がり。2回も先頭の菊池にヒットを打たれたが、後続を断った。3回は2アウトから堂林にヒットを許すも、野間を打ち取りここも無失点。

牧の一発で先制点をもらい、課題の2巡目。4回先頭の小園はスライダー3球で追い込む。4球目のアウトサイドのストレートが高めに浮き、センターへ弾き返された。球威があるわけではないので、この1球は間違えてはいけないのだが、結果的に雑だった。

菊池への4球目に、小園がスタート。坂本がモーションに入る前に走り出していたが、見ていなかった坂本はそのまま打者へ投げてしまった。上手い投手ならセットを外して挟殺できていたかも知れない。それが尾を引いたのか、先制点をもらったことで気持ちが変わってしまったのか。菊池を歩かせ、デビッドソンにも低めには行くも、ゾーンで勝負できず連続四球。

ノーアウト満塁の大ピンチで坂倉。2球目のカットボールが浮いたところをきっちりレフト前へ弾き返され、同点となってなおもノーアウト満塁。こうなると何点取られるのかという雰囲気になる。マクブルームにも高めの甘いストレートが行ったが、強い当たりながらサードの正面。宮崎がファンブルしてしまい、1点が入りアウトは二塁だけ。

苦しんでいるだけにきっちり併殺を取って欲しいところだが、当たりも強かったし焦ったか。これは厳しいなと思ったが、末包も同じようにサードゴロで、今度は併殺を完成させた。4回5安打2四球。よく2失点で済んだなという内容だった。5回表は、山本が併殺なら打席が回らない状況だったが、その時点で齋藤隆コーチから降板を告げられ、ヘルメットを脱いでいた。

リリーフで登板した時は、150キロのストレートをマークしていたが、先発になるとそうも行かないので、出力を下げて140キロ台前半。従って球威で押し込めるわけではない。ストレートの威力がない分、変化球の効きも弱い。コントロールもアバウト。

先発投手としてどういう投手になり、どう抑えるのかということは、ファームでもコーチらと相談して考えているとは思うが、そのビジョンが未だに見えない。こうも2巡目で捕まるのであれば、やはり先発はさせられないと思う。

今永や東、小笠原のようにストレートで押せる投手でないなら、コントロールやフォームで抑える投手にならなければならない。床田や伊藤将、大竹など参考になる投手はたくさんいる。現状だと石田と同じで少し中途半端な状態になってしまっている。

1回から5回、6回まで全てのボールを全力で投げられないにしても、要所でギアを上げるような投球であるとか、ストレートと全く同じ腕の振りで、ピッチトンネルを通す変化球があるとか、絶対に高めに浮かないとか、生きる道はあると思う。4年目だが、その工夫が1軍の試合で何も出せないのは非常に残念だ。

あと一押しできず流れが変わる

8回に桑原の起死回生の3ランで追い付き、ウェンデルケンが8球で三者凡退。ベイスターズの流れで9回表の攻撃に入り、先頭の牧がヒットで出塁。宮崎は止めたバットに当たってしまい、バントのような打球でピッチャーゴロだったが、矢崎の送球が低く、マクブルームが対応できずに弾いてしまった。

ソトの打順だったが、珍しくピンチバンターを送った。柴田が初球でバントを決め、大和は申告敬遠。1アウト満塁で山本。宮崎に代走、ソトに代打を出しており、絶対にここで決めたい場面。残っている最高の打者を送るべきだが、最近調子が良い山本の比較、次のウェンデルケンにも代打が必要なことを考えると、ここは山本に任せるしかない。

しかし、矢崎のボールは浮いて3ボール。ストレートでペイオフピッチまで持ち込み、6球目。ストレート以外は投げさせられないだろうと思ったが、フォークが高めに浮いて押し出し四球で勝ち越し。矢崎としては痛恨の1球で、流れはベイスターズに来ていた。

ウェンデルケンには楠本が代打で起用された。楠本は8月5日にスタメンでヒットを打って以来、1ヶ月ほどノーヒット。前にも何度か書いたが、打席の内容も悪く復調の気配が感じられない。代打で打つのは難しいので、そう簡単にヒットは出ない。内容が悪くなければ結果はある程度、度外視しても良いのだが、内容も伴っていない。

それでも、代打としての過去の実績で起用してしまう。最近の調子で言えば、ここは戸柱が適任だと思った。この時点で捕手は2人残っているが、野手は楠本と蝦名だけ。まだ9回に1点を勝ち越しただけで、延長戦も考えると野手の方を残しておくべきだった。ただ、ソトを代えただけに、最悪の場合に戸柱をファーストに入れることも考えたか。その最悪のケースなら、昨年ファーストでスタメン出場した伊藤も残っていたわけだが。

楠本は2球目のストレートに完全に詰まらされ、ショートフライ。7月までは、こういう場面で犠牲フライも打てていて打点を稼いでいたが、現状だとタイミングが取れない。関根もこの日はフライアウトが多く、ここは矢崎のストレートに完全に押され、キャッチャーファウルフライ。

押し出しで1点を勝ち越し、なおも1アウト満塁という状況だったが追加点が取れず、開き直った矢崎がその後を抑えたことで広島の方が行けるという雰囲気になってしまった。

2アウトからあと1つが取れず

9回裏は森原が8月30日以来のマウンドに上がった。先頭の代打・松山を2球ストレートで追い込むと、フォークをファウルした後、目線を変えるために高めのストレートを投じたが、これが中途半端な高さになり、高いバウンドのゴロがセンターへ抜けて行った。

Point: 9回表、2ストライクから松山がヒット

広島がまだ行けるという雰囲気になっている中、先頭を出してしまったことで勢いを付けてしまった。また、セットポジションになったことで、いつもに比べるとストレートのキレがなく、コントロールもバラついていた。2ストライクと追い込みながら、高めを狙ったボールを投げ損ねたのは勿体なかった。

当然、松山には代走の曽根が起用され、矢野がバントを決めた。1アウト2塁で堂林。ストレートに詰まった打球はセンターには抜けず、大和が捌くも、曽根が三塁へ進んだ。きっちりと転がして進塁打となったことが大きかった。

フォークを低めに投げづらくなるし、俊足の野間だと既に2本の内野安打を打っており、それが怖い。2球で追い込んだが、ファウルで粘られた。7球目のフォークはボールゾーンには投げられず、ピッチャーへ打ち返した打球は、牧が追い付くも投げられず内野安打。不安が的中してしまった。

いつもの森原のキレがないのでストレートで空振りを取れず、押し込めなかった。最後はフォークを選択したが、ワンバウンドになるようなボールは投げられなかった。先頭を出塁させ、進塁打で三塁まで進んだことが大きく響き、あと1つが取れなかった。

10回は山崎が登板。クローザーの森原を既に使っており、ビジターゲームなので勝ち越した後に投げる投手は残しておく必要がある。ホームではないから良い投手から出して行くわけにはいかない。こうなったらクローザー経験が豊富な山崎が最後を任されるものと思ったが、10回に登板した。

7月に痛恨の一発を浴びた坂倉から始まる上に、下位へ回って行くところ。そういう意味では山崎に対して信頼は薄かったと思う。広島戦の防御率が群を抜いて悪いことも影響しただろう。三浦監督も言っていたが、だからと言ってこの3連戦で投げないわけにも行かない。序列を変えて中川が投げた位置に置くのもできないだろう。

坂倉は浮いたスプリットを捉えたが、ライトの守備範囲。マクブルームには珍しく3球連続でカーブを投じ、タイミングが取れずにセカンドフライ。2アウトを簡単に取ったが、代走から入った12打数1安打の曽根を歩かせた。最後はアウトサイドからカーブを入れようとしたが、そこまで慎重になる必要があったのか。

続く矢野もピンチバンターとしての起用から守備に入っていた。追い込んだが勝負球が決まらず、結局連続四球となった。長打があまりない打者を連続四球で、わざわざ一打サヨナラの場面を作ってしまった。本人も分かっているだろうが、この日の登板は最悪の内容だ。

堂林には2ボール2ストライクからスプリットがゾーンに入り、センター前へ弾き返された。外野は前に来ていたが、曽根はホームへ突入。桑原の送球は僅かにファースト側に逸れ、山本がタッチに行ったが、曽根がうまくかわして間一髪ホームイン。リクエストしたが判定は変わらなかった。

普通のランナーだったら止まっているシチュエーションだが、このヒットで還れる足、コーチャーの判断は素晴らしい。この日、盗塁そのものは小園の1つだけだったが、内野安打も含めて足にやられた試合だった。ベイスターズではなかなかできないところだけに、余計に悔しさが募った。

日曜も終盤に2アウトランナーなしから失点し、逆転負けを喫したが、この日も2アウトまで来ていながら、あと1つが取れなかった。

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キジ [Other]

坂本が4回で降板し、田中健も失点を重ね、3点ビハインドで終盤を迎えた時点で敗色濃厚の試合ではあった。しかし、桑原の一発で追い付き、9回に勝ち越してクローザーを出した以上は、勝たなければならない試合だった。

今に始まったことではないが、こういう試合を勝ち切れないと貯金20のラインは見えて来ない。広島としては、阪神のマジックが減らないように全力で勝ちに来ているが、実際のところ2位争いを考えると、DeNAに3連敗だけは避けたいところだった。初戦を取るかどうかで、プレッシャーは大きく変わって来る。それだけに痛い逆転負けとなった。

打線は森を打てず、やはり読売の投手陣があまり良くないから前の3連戦は得点できていたのかと思ったが、疲れの見える島内から3ランで得点し、ミスに乗じて9回に勝ち越せた。チームとして7安打だったが、打線はそこまで悪くはない。

ただ、天敵の大瀬良に対してはどうか。前回136球を投げた今永が、本当に復調したのかどうかも気になる。残り2試合は、今永と東という現状トップの2人を投入する。ここで連勝できなければ、2位はかなり厳しくなり、3位も危うくなる。この日の負けは反省点も多いが、切り替えて勝ちに行って欲しい。

コメント

  1. まきちゃん より:

    もう応援するのに疲れました。

    どうしてこうも連続して歯がゆい負け方ばかりするのか
    今日の選手の顔を見る限り、もうCSすら厳しいと思います

    今は野球を考えるだけで、ああきょうも負けるんだなと嫌な気分になるので、しばらく離れたほうがいいのでしょうか

    • Rocky より:

      嫌な気分になるなら、もう観ない方が良い気がします。そこまでして観るものでもないかと。
      個人的には、いつも勝って欲しいし、勝ったら嬉しいですが、勝つと思って観ていないことが多いですね。なので、そこまで入れ込むことがなくなっています。
      できればCSに出て、勝ってくれたら嬉しいですが、本当に観たかったのはリーグ優勝なので、それがほぼ不可能な今、割とどうでも良くなっています。

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