2022年のプロ野球は、3月25日に開幕し、各チーム3カードが終了した。セ・リーグでは阪神がワーストの開幕9連敗。一方で読売は6連勝中で8勝1敗のロケットスタート。広島は開幕6連勝をマークしたが、3連敗中。ヤクルトは開幕3連勝、DeNAは開幕3連敗でスタートしたが、ちょうど逆の勝ち星となり、4連敗と4連勝があり5割となっている。
スイープが目立つ
今年は同一カード3連戦3連勝、いわゆるスイープが非常に多い。昨年は最初の3カードでは、開幕のヤクルト-阪神(神宮)で阪神がスイープしただけだった。開幕8戦6敗2分だったDeNAは、実はスイープされておらず、2敗1分が2カード、最後のカードは連敗から一つ勝って9戦目での初勝利だった。
今年は、計9カード中の7カードまでがスイープとなっており、極端な星取りになっている。広島はDeNAをスイープし、DeNAは中日をスイープ、そして中日が広島をスイープと、じゃんけんのように三つ巴の関係になっている。ひとつ勝つと勢いで押し切るような展開になっている。
9試合時点の2021年と2022年の勝敗表は下記の通り。2022年はヤクルト-DeNA戦が1試合中止となったため、8試合となっている。
順 | チーム | 試 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 | 差 |
1 | 阪神 | 9 | 6 | 3 | 0 | .667 | – |
1 | 読売 | 9 | 4 | 2 | 3 | .667 | 0.5 |
3 | 広島 | 9 | 5 | 3 | 1 | .625 | 0.0 |
4 | 中日 | 9 | 3 | 4 | 2 | .429 | 1.5 |
4 | ヤクルト | 9 | 3 | 4 | 2 | .429 | 0.0 |
6 | DeNA | 9 | 1 | 6 | 2 | .143 | 2.0 |
順 | チーム | 試 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 | 差 |
1 | 読売 | 9 | 8 | 1 | 0 | .889 | – |
2 | 広島 | 9 | 6 | 3 | 0 | .667 | 2.0 |
3 | ヤクルト | 8 | 4 | 4 | 0 | .500 | 1.5 |
3 | DeNA | 8 | 4 | 4 | 0 | .500 | 0.0 |
5 | 中日 | 9 | 4 | 5 | 0 | .444 | 0.5 |
6 | 阪神 | 9 | 0 | 9 | 0 | .000 | 4.0 |
2021年はDeNAが8戦6敗2分と勝利がなかったが、9試合目に初勝利。それ以外のチームは比較的横一線のスタートになっていた。2022年は阪神がまさかの9連敗ということと、前述の通りスイープが多かったため、バラついたスタートとなった。
2021年は、読売が9試合で既に3分を記録していたように延長戦がなかった為、引き分けが多かった。2022年は3試合が延長戦に入ったが、いずれも延長戦で勝敗が付いている。終盤での逆転やサヨナラ勝ちも多く、少なからず延長戦の復活が影響しているかも知れない。
DeNAにとっては、昨年大きく躓いた開幕で3連敗はあったが5割に戻せたことは大きい。以前、投稿した通り故障者の復帰までの15試合がカギを握るが、ソトの復帰は見えて来たものの、今永は実戦復帰するが当初より遅れそうで、オースティンは目途が立っていない。
中日とは二度対戦するが、13日の読売戦までの一巡目で5割近辺を維持し、3・4月を無難にスタートできるかがまず最初のポイントとなりそうだ。
開幕3連敗からの反撃は、先発投手の安定
開幕3連戦は、打撃好調の広島打線の餌食となり、3試合で28失点と投手陣が崩壊した。開幕投手の東は4失点(自責2)で、指の皮がめくれるアクシデントで降板。大貫は5回を投げ切れず、坂本は7回まで投げたものの4失点だった。そして、リリーフも失点を重ねた。
週が明け、バンテリンドームに移ると先発投手陣が安定した。裏ローテとも言われる2カード目の先発だが、バンテリンドーム、中日戦の相性が抜群のロメロを満を持して先発させ、同じく相性が良い石田が続き、昨年の開幕投手の濵口が6試合目の先発を務めた。
東がアクシデントにより登録抹消された代わりは、7番目で開幕ローテーションを外れてリリーフ待機していた上茶谷が務めた。この4試合が全てHQS(ハイクオリティスタート:先発投手が7イニング以上を投げ自責点2以内で抑えること)をマークし、それが4連勝に繋がった。
僅か9試合(2022年は8試合)という時点だが、下記のように先発の内容が非常に良くなっている。
試 | 先発 | 回 | 責 | メモ |
1 | 濵口 | 3 | 5 | |
2 | 京山 | 4 | 3 | |
3 | 平良 | 5 | 0 | |
4 | 大貫 | 7 | 1 | HQS |
5 | 入江 | 5 | 5 | |
6 | 上茶谷 | 2 | 5 | |
7 | 濵口 | 6 | 2 | QS |
8 | 京山 | 5 | 6 | |
9 | 阪口 | 5 | 0 |
試 | 先発 | 回 | 責 | メモ |
1 | 東 | 5 | 2 | |
2 | 大貫 | 4 | 6 | |
3 | 坂本 | 7 | 4 | |
4 | ロメロ | 8 | 0 | HQS |
5 | 石田 | 7 | 2 | HQS |
6 | 濵口 | 8 | 0 | HQS |
7 | 上茶谷 | 7 | 1 | HQS |
8 | 大貫 | 6 | 2 | QS |
5回持たなかったのは大貫の最初の登板だけで、東もアクシデントがなければ6回まで投げてQSはマークできたかも知れない。開幕投手の筆頭候補だった今永が今年も不在、開幕投手を務めた東もアクシデントで2巡目には不在だった。それを考えれば、非常に健闘していると思う。特に、上茶谷が復活して来たことは大きいし、濵口も開幕投手から6番手に回り、まず一つ勝てたということが今後に繋がって来るだろう。
とは言え、東も含めてロメロ以降はまだ一度しか先発していないので、今後の内容が重要になって来る。昨日の投稿でも書いたが、開幕9連敗の阪神に対して、どんな投球を見せるか。ここで虎を一気に起こしてしまうのか、眠らせたままにできるのか、大きな分かれ目になるだろう。
東の復帰タイミングは?
東は、指の皮がめくれたため登録抹消となり、ローテーションを一回飛ばす形になった。一回飛ばしただけで復帰できるかどうかは分からないが、「無理させないだけで、次の登板の予定には間に合わない感じなので抹消しただけです」と三浦監督が言っていたので、その時点では一回だけというイメージではあっただろう。
代役の上茶谷が7回1失点の好投を見せ、日曜が雨天中止となったため、坂本も余っている状態。東が今週復帰する前提とするなら、7人のローテーション投手がいる状態。誰を外すのかという贅沢な悩みになっている。さらに、来週は前半が那覇での2連戦となっているので、先発は5人でも足りる。
考え方としては、7人の中から1人か2人をリリーフ待機させる、もう一つは間隔を空けて7人を投げさせるというもの。序盤、ナイターは少し肌寒い中、オープン戦でもそれほど長いイニングを投げる試合を作れなかったので、中6日よりさらに間隔を空けて先発させるのもひとつの手段だろう。
05火 ロメロ 06水 石田 07木 濵口 08金 東 09土 大貫 10日 坂本
05火 ロメロ 06水 石田 07木 濵口 08金 上茶谷 09土 坂本 10日 東 12火 大貫 13水 ロメロ 15金 石田 16土 濵口 17日 上茶谷
前者が中6日で回すパターンで、当初の開幕ローテーションを重視して上茶谷をリリーフに回す。後者は、金曜まで先週と同じ4人で回し、雨で流れた坂本、復帰の東を入れて後ろにズラすパターン。内容が良くない先発投手がいれば、その投手をスキップして好調の投手を前に持って来れば良い。
日曜が雨で流れた坂本をどこに持っているかというのも焦点になる。三浦監督は帯同について明かさず、日曜のブルペンでの球数さえも秘密とした。予告先発で前日には分かるものの、ジョーカーとして阪神戦での先発もあるぞというポーズを見せている。坂本に関しては、甲子園の阪神戦、ハマスタの中日戦、どちらも良いイメージがあるので、他の投手との関連で登板日が決まるだろう。
上茶谷の活躍で、東を急いで復帰させる必要はない状況ではあるが、やはり開幕投手に指名し、1年間軸として回ってもらう期待があるので、指の状態が問題なければ今週復帰することになるだろう。そのまま金曜に収まるのか、少し変えて来るか。
昨年は早々に平良が離脱し、京山、上茶谷、入江も結果が出なかった。誰をローテーションに入れるかという悩みだったが、誰を外すかを考えているだけでも格段の進歩。まだ数週間かかるものの今永の復帰も見込める。今週を終えた時点で、2度目の先発がどういう結果になっているか、東が復帰しているか。ひとまず勝負の15試合目まで、先発投手がゲームを作ることは不可欠だ。
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