横浜DeNAベイスターズの選手ごとに2026年の期待や展望を独断で書いて行くシリーズ。今回は捕手編。山本を軸に、一軍での出場を増やした松尾、ベテランの戸柱と3名が固まっているが、伊藤光が移籍し、古市が加入。九鬼らも含め、一軍を狙う4番手争いも注目される。
松尾汐恩
2025年は開幕一軍に入り、第3戦でスタメン出場するとプロ初ホームランを放った。春先はバッティングの状態も良く、スタメンの機会も増えた。なかなか勝てなかったバウアーと組み、完封勝利に導くなど、新たなバウアーの捕手として出番を増やした。5月には5番に入り、バッティングでも活躍。シーズン後半は状態を落としたが、キャリアハイの77試合で.250、4本塁打をマークした。
山本の存在もあり、内野手へのコンバートあるいはサブポジションという声もあるが、2025年は捕手としても大きく成長した。まだまだインサイドワークはこれからという面もあるかも知れないが、二塁への強いスローイングで盗塁阻止も見せるなど、徐々に投手陣の信頼も増してきている。
コミュニケーション能力が高く、外国人投手にも物怖じせず話せる点も捕手には向いている。あとは山本が好調だった場合に出番がないことをチームがどう捉えるか。2027年からはDHもあるが、宮崎や筒香などのベテランに使いたい枠でもあり、なかなか難しい。
個人的にはルーキーイヤーの時から、2026年あたりには松尾がショートを守っていると予想していた。松尾のバッティングが天才的で秀でているし、ショートがなかなか決まらないチーム事情もあって、松尾を捕手で育てることを待てないのではないかと思ったからだ。
だが、チームとしては現時点で捕手一本で育てており、その成果は出始めている。相川監督が松尾をどう評価し、山本らとの併用をどのように運用していくのか。チームとしては、高いレベルで二人が争ってくれれば良い効果があるはず。松尾がさらに成長して飛躍のシーズンにできるかどうか。
戸柱恭孝
2024年は、シーズン終盤の山本のケガがあり、日本シリーズでは全ての試合でスタメン出場し、日本一に導く大活躍を見せた。2025年は山本に加えて成長著しい松尾の台頭もあり、スタメン出場の機会は限られた。それでも前年とほぼ同じ45試合に出場し、毎日きっちりと準備した結果として出た時には役割をこなす、頼りになる存在だった。
戸柱の場合は、試合に出場していないとしても貢献が大きいことは明白。若い二人の捕手の相談役でもあり、投手陣にとっても大きな存在。とは言え、本人はプロ野球選手である限り、やはり試合に出たいという思いは強いだろう。それでも、それ以上にチームとして勝つことを最優先にしてくれている。筒香らとともにベテランとしてチームを導いてもらいたい。
2025年には2年ぶりの本塁打を放つなどOPSも.600と改善した。難しいのは承知だが、戸柱にはもう少し代打も含めたバッティングで勝負強さを発揮してくれると言うことなし。
山本祐大
2025年は、前年の死球による尺骨の骨折で、プレートが入ったままの状態で開幕を迎えた。本人としても違和感を抱えながらのシーズンとなった。春先は、バッティングで前年ほどの活躍ができず、好調な松尾にスタメンを奪われることもあった。
8月は月間打率が.382をマークし、9月は守備の要としてチームの快進撃を支えた。前年は出られなかったCSでもマスクを被った。前の2シーズンから数字は落としたものの捕手として.262は十分。守備面も含めれば、現状でレギュラー捕手として申し分ない。
高卒ルーキーの田内との会話で振り過ぎという部分に気づいて改善するなど、向上心も強い。オフにはプレートを除去する手術を受けた。春季キャンプでも宜野湾組に入っているので、その影響はなく、万全の状態でシーズンに入ってくれるだろう。
2024年の骨折でプレミア12の代表を逃し、侍ジャパンとして飛躍する機会を失ってしまった感はある。3月のWBCでも選出は難しそうだ。だが、リーグを代表する捕手になりうる実力を持っていることには変わりない。出番を一気に増やすキッカケとなったバッティングをさらに磨き、松尾とのレギュラー争いに勝ち残っていきたい。チームをさらなる高みへ押し上げる存在として期待は高い。
東妻純平
依然として捕手登録であり、2026年もそのまま行くようだ。しかし、試合でマスクを被ることはかなり少なく二軍でも3試合で、外野手としての出場がほとんど。2025年は一軍で6打席と、圧倒的にチャンスが少なかった。
二軍でも75試合で打率.244と結果を残せず、一軍へ良い形で推薦が来なかったものと思う。捕手も守れることから、あくまでベンチに置いておくための補充としての昇格が多かった。東妻がいることで松尾や戸柱を早い段階で代打として使えるという運用だった。
桑原がFA移籍したことで右打ちの外野手が減っている。両打のヒュンメルも加わっているが、右打ちの東妻にとっては外野でのチャンスは広がって来る。一方で、伊藤光が退団したことで捕手も減ったので、東妻がマスクを被る機会も増えるかと思ったが、古市の獲得でそれも微妙。
個人的にはバッティングを生かすためにも外野でチャンスを掴んでほしいと思っている。ただ、現状の二軍でも突き抜けていない成績では厳しい。石上は29試合で.324と数字を残し、一軍でもスタメンのチャンスを掴んでいる。神里の.302、関根の.294を上回ってこないと、一軍でスタメンのチャンスは得られにくい。代打の1打席で結果を出せるように、さらに磨きをかけたい。
九鬼隆平
ソフトバンクを戦力外となり、2024年に育成選手として入団。2025年3月14日に念願の支配下復帰を果たした。二軍では91試合で.250も、8本塁打と長打力を見せた。捕手としてももともと評価は高かったが、バッティングで頭角を現した。5月には一軍に上がり、ソフトバンク時代以来となる4年ぶりのヒットも放った。
山本、松尾、戸柱と一軍は3名の捕手が固定されている状況だが、ケガや不振で入れ替える際の筆頭候補となる4番手として、まずは立ち位置を確保したい。アピールポイントはバッティングになって来ると思うので、さらに向上させて右の代打としてもチャンスを得られるようにしたい。
春季キャンプは、前年に続いて宜野湾組に選出されているので、大きなチャンスとしてアピールして行きたい。東妻とも似た形になるが、ファーストなど他のポジションもできるので、そこも強みにできる。年齢は下だが古市も加入しており、一軍の3名を脅かすべき候補として激しい争いで勝ち残ってもらいたい。
捕手の展望
捕手出身の相川監督に代わったことで、捕手に対する考え方がどうなるのか注目される。それでも、まずは山本がメイン捕手であることは変わらないだろう。そこに松尾がどのくらい食い込んでくるか。チーム状態や先発投手によっては戸柱がスタメンを務めることも当然あるだろう。
基本的にこの3名が軸になるのは変わらないはず。問題はこの中からケガ人が出た時。前述のとおり、4番手として誰を置くか。この4番手のレベルが向上することで、不測の事態が起きてもチーム力を大きく下げずに済む。
現状ではバッティングなら九鬼、守備であれば古市か益子かといったところだろうか。右の代打も含め、捕手陣をどのように運用するかは相川監督の大きな注目点の一つ。
古市を獲得した際の考察でも書いたが、仮に松尾が球団の期待通りにレギュラーを獲得し、リーグを代表するようなレベルに到達したとして、山本もそれに近い実力を持っていれば出番を求めてFAを行使することも想定される。
戸柱もまだまだ元気ではあるが、2番手、3番手としてしっかりと支え、松尾のライバルになりうる捕手を育てておくことも重要。将来も含めてこれから捕手をどのように起用していくのか注目したい。
過去2回の投手の期待と展望は以下の記事。




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