2018年は、リーグトップの181本塁打をマークしながら、広島の721に対して大幅に少ない572得点。リーグワーストの得点力となった。30本塁打を狙える4人の打者を揃え、強力打線のイメージがあるが、実際はなかなか得点ができていなかった。
では、投手力はどうかと言うとこれも厳しく、リーグ5位の防御率4.18だった。規定投球回に到達したのもルーキーの東だけでは、投手力がないチームと思われるのは当然ではあった。
だが、「ベイスターズは打線は問題ないから投手次第」というコメントを見る度に、試合をちゃんと観てない人の意見だなと思っていた。打線にも問題は大アリで、むしろ将来を考えれば打線の方が深刻だ。
最近10年のベイスターズ打撃成績
年度 | 打率 | 得点 | 3割 | 規定 | 選手名 | 打率 | 順 | 打撃部門タイトル |
2010 | .255 | 521 | 1 | 6 | 内川 | .315 | 6 | |
2011 | .239 | 423 | 0 | 3 | 渡辺 | .266 | 14 | |
2012 | .233 | 422 | 1 | 4 | ラミレス | .300 | 5 | |
2013 | .262 | 630 | 1 | 4 | ブランコ | .333 | 1 | 首:ブランコ.333、点:ブランコ136 |
2014 | .253 | 568 | 1 | 4 | 筒香 | .300 | 12 | |
2015 | .249 | 508 | 1 | 4 | 筒香 | .317 | 3 | |
2016 | .249 | 572 | 1 | 5 | 筒香 | .322 | 3 | 本:筒香44、点:筒香110 |
2017 | .252 | 597 | 2 | 6 | 宮崎 | .323 | 1 | 首:宮崎.323、点:ロペス105、安:ロペス171 |
2018 | .250 | 572 | 2 | 4 | 宮崎 | .318 | 8 | 本:ソト41 |
2019 | .246 | 596 | 0 | 6 | 宮崎 | .284 | 12 | 本:ソト43、点:ソト108 |
この10年のチーム打率・得点と、3割打者・規定打席到達者の人数、さらにチームトップの打率をマークした打者の打率・順位、打撃部門のタイトルを記載した。
これを見てもらうと、2012年にスタートを切った横浜DeNAベイスターズで、初めて3割打者がいないシーズンとなった。2011年以来となるが、2011年と2012年は、いわゆる飛ばないボールで打低投高が顕著だったシーズン。チーム打率と得点が飛びぬけて悪い数字になっているが、これはリーグ平均的に下がっているもの。それにしても2011年は内川のFA移籍もあってアベレージを稼げる打者がいなくなり、最高が渡辺直人の.266というすごい数字。
DeNAとなってからは、ラミレス、ブランコの外国人、そして、筒香、宮崎とアベレージヒッターが登場してきた。2019年は、筒香も宮崎もいながら、彼らの不振もあって最高が.284というあまりにも低い数字にとどまった。チーム打率は.246と「飛ばないボール時代」を除けば最低の数字だった。
ホームラン頼みの打線
そうした中で昨年を上回る596得点に至ったのはソトの活躍が大きい。チームのホームランは163本に減ったが、彼が打点を13伸ばしている。ロペスも2年ぶりに30本に到達し、球団初の外国人選手2名が30本塁打をクリアという年になった。得点圏打率は高かったものの、打率を4分ほど下げたロペスは、やや一発頼みな部分があった。
前回のブログでも書いた通り、走力による攻撃は皆無、むしろマイナスだらけで、得点圏へ確実に走者を進めて還すというより、本塁打を待つだけというような攻撃がほとんどだった。
今年、ベストゲームに挙げられるであろう2試合。9/4阪神戦は、ロペス、ソトの本塁打で追い上げ、ジョンソンから佐野のソロで追い付き、筒香がサヨナラ2ランを放った。そして、9/19広島戦は、0-7からソトの3ラン、梶谷のグランドスラムで追い付き、ソトのサヨナラ3ランで勝利した。
うまくいいところで本塁打が出ている試合は勝てているが、そうでない試合の方が多い。もう少し確実性高く得点していかなければ、優勝には届かないだろう。
本塁打の魅力もあるし、ハマスタを本拠地にしている以上、ある程度、本塁打を念頭に入れた布陣を考えても良いが、確実性が求められる。
来年の打線の展望
そうした中で、4番候補として、まずソトが挙がっているが、ラミレス監督から佐野、細川、伊藤裕への期待のコメントがあった。もちろん、彼らには期待している。だが、4番に求めたいのは偶発性の本塁打ではなく、ここぞのチャンスで確実に走者を還す打撃だ。
打点王に輝いたソトも、当然本塁打によって挙げた打点が多い。ソトを差し置いて4番に入る打者が、ソトを上回る打点を挙げるような勝負強さを発揮してくれれば、チームの得点力は上がって来る。
そして、3割を打つようなリードオフマンの存在も必要だ。今、そこに一番近いのは神里だろう。今年のCSで掴んだものをリセットすることなく、来季につなげてくれれば。
複数の3割バッターを輩出し、繋がりのある打線で得点を重ねていく。走塁改革と併せて、一発頼みの打線からの脱却も大きなテーマとして取り組んで欲しい。筒香がいなくなって打線が変わるタイミングでもある。
コメント