横浜DeNAベイスターズは、2022年から初めての試みとして、横浜スタジアムのNISSAN STAR SUITESをワーキングスペースとして利用する企画を開催している。平日ナイターの開門16:00より前の時間で、NISSAN STAR SUITESを有効活用している。
ワーキングハマスタの概要
- ハマスタでのベイスターズの主催試合が行われる平日のみ開催
- 時間は9:30~15:30
- 予約はPeatixというイベントを管理する外部システムで行う
- 個人利用は1日3,300円、団体は4名22,000円で1室貸切。8名部屋もアリ
- 個人利用は、NISSAN STAR SUITESの個室を数名で相部屋として使う
- バルコニーにあるソファ、カウンターと室内のテーブル、イスが利用可能
- 電源タップは、バルコニーまで届くように数本無償で利用可能
- ネットワークは、ハマスタのFree Wifi(パスなし)を利用、専用のものはなし
- 持ち込みはペットボトルの飲料のみで、食事は室内やバルコニーでは不可
- 入退室はいつでも可能、食事は外で食べることになる
- バルコニーでの電話の通話は可能、Webミーティングはイヤホン利用
- 選手への声掛け、練習中の選手の写真等をSNSにアップするのはNG
- 服装は一般的なものであれば特に問題なし
- ルール上では、練習見学や応援などワークスペースとしての利用を逸脱したらNG
- 15:30以降は、THE BAYSのワークスペースを18時まで特価で利用可
ハマスタに通勤する非日常
コロナ禍で、テレワークが今まで以上に進んでいる。それまでは限られた人が行っているというイメージだったが、これをきっかけに恒常的にテレワークを行う人が増えたのではないかと思う。自宅にいながら仕事ができるわけだが、わざわざ仕事をするのにハマスタに行くというのも変な感じがするが、自社へ出社するのとはまた違った、非日常感がある。
自宅での勤務ならまだ起きてもいない時間に家を出て、平日のハマスタへ向かう。いつも乗り慣れた京浜東北線も、ラッシュアワーで比較的人の少ない南行に乗るのも少し違和感を覚える。横浜、桜木町、関内にも企業はたくさんあるので、いわゆる下りというほど空いているわけではない。
ハマスタでの試合を観に行く時であれば、極端に早くから来ない限り、関内駅南口には、ベイスターズと対戦相手のユニフォームを着た人たちがたくさんいて、待ち合わせをしている。そして、交差点を渡ってSTAR SIDEのウィング席の入口の前に立てば、たくさんの野球ファンがいる。
しかし、通勤時間には会社勤めの人がそのまま横浜公園を素通りして、オフィスに向かって行く。Yデッキにもほとんど人がいない。
試合が開催されない日に来れば普通の光景なのだろうが、それほど近所でもないので、試合がない日にここに来ることもそう多くない。いつもと違う静かなハマスタを通り、BAY STORE HOMEの脇の階段を降り、旧ホテル横浜ガーデンの向かいにあるSUITES ENTRANCEで開場の9:30を待つ。
時間になって案内され、受付を行う。PeatixにはQRコードのチケットはあるが、それは使わずに氏名を名乗り、係員が紙の予約者のリストで確認するというアナログ。まだサービス開始したばかりで実験的な側面もあるからインフラを準備していないのかも知れない。
部屋を割り当てられ、入館証を受け取ると目に飛び込んできたのが、日産リーフのリリーフカー。NISSAN STAR SUITESということで、日産の展示が並んでいる。
エントランスを入ると、奥にエレベータが4基ある。以前にベイディスカバリーBOXシート(バックネット裏の屋上にある開放型のシート)には何度か行ったので、このエレベータには乗っているが、3Fと4Fは通過しているので、初めて降りる。
廊下を通り、指定された部屋に入るとこのような感じ。試合の時には8名部屋として使われている。コロナ禍で個人利用ということもあり、4名での相席利用となる。この写真の手前側にも試合では食事を食べるスペースとしてテーブルとイスがある。
バルコニー席は、このような感じ。選手の練習の撮影はNGだが、これはまだ練習前。映っているのはdiana。
ベイディスカバリーBOXシートの下の階なので、それほど景色に変化はない。8名部屋にカウンターが左右に2席ずつあり、その前に2人掛けのソファがある。コロナ禍なので、バルコニーのカウンターは左右1名ずつが利用し、ソファもしくは室内の席を残りの人が使うような形になる。
仕事を始めると、こんな感じで少し視線をずらすだけで、ハマスタやみなとみらいの景色が目に入る(この日は天候が悪く少し残念)。グラウンドの様子も視界に入って来る。
9:30に仕事を始めると、眼下ではオフィシャルパフォーマンスチームのdianaが練習を行っていた。この日はナイターが行われるので、試合後まで活動があるのに、こんなに早くから練習をしているとは驚きだ。ちょうど、翌日からGirls Festival 2022が行われるため、イベントのパフォーマンスを練習するために早出をしていたのかも知れない。
Girls Festivalのユニフォームを着た状態で、ダンスや動きの確認を行っていたようだ。その後、通常の衣装に着替えての練習も行っていた。
11時ごろから徐々に練習着の選手たちがグラウンドでアップを始めた。どうやら早出練習のようだ。やがて、牧や細川、宮本、関根らがバッティング練習など一通りのメニューを行っていた。ロングティーはスタンドに向けて打ち込んでおり、ポール際付近のスタンドに打球が当たる音が響き渡った。
そして、ティーバッティングを行う選手も「シュッ!」という声を出していて、すぐ真下で打っているのでよく聞こえる。キャンプ中継で観ていた光景が見られた。ルールに従って、選手の練習する様子は写真なし。
スコアボードは試合に向けてリハーサル中。これは、前々日に新潟で行われた読売戦の内容を表示して行っていた。ハマスタでは表示されることのなかったもので、少しレアな感じ。得点の部分は実際とは違っていたが。
早出練習が終わり、しばらくしてから通常のホーム練習が始まった。ハマスタの開門はナイターで16時となっており、その時間にはビジター練習となる。何かイベントがない限りホームの練習は見られない。仕事をしながらではあるが、少し目が行ってしまった。
途中、昼食に出ることも考えていたが、このレア空間を離れるのは勿体ないと思い、結局15:30までそのまま働いてしまった。ちょっとした休憩というか、手を休める時間にハマスタの景色と選手たちの姿が見られるというのは新鮮だし、刺激にもなる。
雨が降っていたので、ホームの練習が終わったところでアンツーカにはシートが被せられた。これからビジターの練習というタイミングで終了時間の15:30を迎えたため、電源コードなどを片付けて退室した。
ハマスタで仕事をしてみての感想
ベイスターズのニュースリリースにも利用者の声が載っていたが、やはり貴重な経験ができるという部分が一番大きい。コロナになるまではテレワークもあまり想像できなかった中、ハマスタで仕事をすることがあるとは想像もしていなかった。この空間にいるだけでテンションが上がる。
当ブログを愛読されている方はご存じかと思うが、今年は那覇での試合もテレワークをしながら現地観戦しているが、さらに球場でテレワークをしているというのはまた違った意味で新鮮だった。
一応記載しておくと、ワーキングハマスタを利用した日は、タスクを調整して作業中心で行った。おそらく同僚から自宅で仕事しているのと変化が分からなかったと思う。時間休の制度があるので、9:30-15:30の勤務にしてそれ以降は時間休を使っている。サボっているわけではないので、悪しからず。
なお、冒頭に書いたように、THE BAYSにあるCreative Sports LABのワークスペースも使えるので、移動の時間は発生してしまうが18時くらいまで仕事をすることは可能。
dianaの練習での音楽、選手が練習する際の声、打球音、音楽など、けっこう音がする時間が多い。そして、ベイスターズファンとしては、やはり選手が練習していると、どうしても目が行きがち。集中するような作業はあまり向いていないかも知れない。どちらかと言うと、企画書を作ったり、アイデアを出すようなクリエイティブな仕事の方が、いつもと違う空間で新たなものが生まれやすいのかなと思った。
毎日ここで仕事というわけには行かないが月に1回くらい、気分転換や刺激を得るのに使っても良いかなと言う印象だった。テレワークができない業種の方もいらっしゃると思うが、「仕事」に限定しておらず「ワークスペース」なので、書き物とか、編集作業とか、仕事以外でもワークがあるようだったら、使って見ても良いかも知れない。ずっと練習を見てるのはNGのようなので要注意。
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