スポンサーリンク

筒香は読売が決定的?報道と筒香の意向を考える

先週から筒香のNPB復帰が報じられていたが、4月8日にスポニチが「筒香 巨人入り決定的に!」と報じた。真夜中の2:00にWeb記事もリリースされ、ネットをざわつかせた。そして、この日は日本時間3:20から今永がMLB2戦目の先発登板。それに合わせて起きた多くのベイスターズファンも、この記事にさまざな思いを抱くことになった。

通常はこの類の話題には正式発表があるまで触れないのだが、今回は報道の背景と、筒香はどう思っているのかを敢えて考察してみる。当然ながら当事者ではないし、この件については読売が調査をしているという事実があるだけで、筒香も代理人も、DeNAも何もコメントしていないので、全ては想像に過ぎない。

スポンサーリンク

このタイミングでの日本復帰はなぜ?

管理人もそうだが、2010年代以前からのベイスターズファンにとって、筒香という選手は本当に思い入れの強い選手だと思う。

いわゆる暗黒時代と言われる、5年連続最下位の真っ只中の2009年ドラフト1位で入団。投手陣の崩壊が止まらない中、高卒野手を入札指名することには、賛否両論があった。地元・横浜高のスター選手を逃してはならないという意思が働いたとも言われる。

大きな期待を背負って入団した筒香だが、高卒野手でもあり、すぐには活躍できなかった。しかし、高卒1年目にしてプロ1号を放ち、将来を感じさせた。2012年シーズンからDeNAに変わり、中畑監督から次代を担う選手として指名された。しかし、なかなか1軍で結果を出せず、2013年は23試合出場にとどまった。

2014年にようやく1軍に定着し、打率.300、22本塁打をマーク。その後、石川からキャプテンを引き継ぎ、チームの中心として球団初のCS進出に導き、日本球界を代表する選手となった。ベイスターズファンにとっては、低迷していた時代の光であり、2016年以降にCSや日本シリーズに進出するチームになるまでに、苦楽を共にした感覚がある。ベイスターズが優勝することがあれば、できればその輪の中にいて欲しい選手だと思う。

2019年オフにポスティングでMLBに移籍する際も、寂しいという気持ちもありながら、MLBに挑戦できる選手が現れた喜びもあり、応援したい気持ちで送り出したという人も多いだろう。

MLBで苦しみ、なかなか活躍できない日々が続いて来た。NPBに復帰すればいいのにという声もある中で、諦めずに挑戦し続けている。昨年は独立リーグでのプレーも経験しながら、サンフランシスコで復帰し、MLBまであと一歩というところで怪我をしてシーズンが終わった。

今年はスプリングトレーニングに招待選手として参加したが、ケガもあって開幕はマイナーとなった。個人的には、昨年のプレーに手応えを得ているなら、ここでMLBを諦めることはないと思っていた。むしろ、NPBにもう戻る気さえないのではないかと思っていたほどだ。

NPBのベイスターズ以外に入団するかも知れないという話よりも、このタイミングでNPBに復帰することの方が違和感があるし、残念な思い。もちろん、家族やそれ以外の事情もあるかと思う。本当に復帰するなら、どういった思いなのか彼の言葉で聞いてみたいなと思う。

スポンサーリンク

スポニチ報道の背景を考察

筒香 巨人入り決定的に!V奪還へ「左の強打者」補強  5年ぶり日本復帰決断も古巣DeNAではなく… - スポニチ Sponichi Annex 野球
巨人が、ジャイアンツを退団した筒香嘉智内野手(32)を獲得することが7日、決定的になった。すでに水面下で条件面を提示しており今後、交渉を詰めて正式決定する。レイズ、ドジャース、独立リーグなど米11球団を渡り歩いた強打者はこの日までに国内復帰...

まず、記事の内容としては、前述の通り筒香本人やその代理人のコメントはなく、読売側が7日の試合後に筒香の獲得調査をしていることを阿部監督が明言したことからの推察。

そして、裏が取れているなら「獲得することが分かった。近日中に発表される」という記述になるが、「決定的」「秒読み段階」と若干弱い表現になっている。

おそらく、この内容はDeNA担当の記者ではなく、読売担当が主導して書いているのだろう。ほとんどが筒香の読売入団を決定的にする内容ではなく、単に読売が高い評価をしていることと、現在のチーム事情にマッチしているというだけ。ただ、一つだけ踏み込んでいるのが「交渉をすでに終えた古巣・DeNA復帰には至らない方向」という点。

DeNAに復帰しないという情報をどのように入手し、判断したのか根拠が分からない。近年の報道を考えるとDeNA側から漏れたとは考えにくい。スポニチは毎日新聞のグループで、TBSの系列。TBSがオーナーだった時代に筒香は入団しており、その時代はスポニチとの結び付きが強かった。だから、昔から懇意にしている記者がいて、そのルートで入手したのだとしたら信憑性はあるのかも知れない。

既にDeNAに戻る選択肢がなくなっているなら、スポニチが推測している通り、阿部監督との関係性、高い評価をしている読売入りが秒読みという結論に達するのは理解できなくもない。この点に関しては、サンスポは8日の記事で読売もDeNAも調査としており、既に交渉が終わったというニュアンスはない。

スポニチの記事は、信頼度が高いものではないし、決定的と言ったに過ぎない。DeNAとの交渉がまだ終わっていないとすれば、スポニチの記事の根拠がなくなり、飛ばし記事ということになる。古くは三浦監督が阪神決定というところから残留が決まったし、それ以外でもこういった記事が真実でなかった例は数えきれないほどある。

結果は分からないが、スポニチの記事を鵜呑みにして、筒香に怒りをぶつけるのは早合点だろう。落ち着いて行く末を見るべきだと思う。

スポンサーリンク

筒香はどう考えているのか?

ベイスターズファンとしては、筒香はNPBならベイスターズに戻って来ると信じていると思う。ベイスターズ以外を選ぶことになると仮定すれば、それはどういうことなのか。もちろん実際のところは当事者にしか分からないことなのだが、いくつか考えてみたい。

待遇の差

プロの選手であり、代理人も入っているので、所属先を選ぶうえで年俸を中心とした待遇は、大きな要素となるだろう。実際にどのようなオファーをしたのかは、われわれには知り得ないことだが、ここに他球団との大きな開きがあれば、ベイスターズを選ばないという可能性は高まる。

少なくともベイスターズ以外の球団と交渉することは間違いなさそうなので、何が何でもベイスターズに戻るというつもりはないということになる。そうなると愛着といった要素ではなく、純粋に一番の待遇を用意したチームに入団するというのは不自然ではない。

ベイスターズファンとしては、感情的には受け入れがたいが、NPBに戻る際にベイスターズで復帰することを約束したわけではない。戻ると思ったのに裏切られたと一方的に責めるのは、気持ちは分かるが違うのではないかと思う。

出場機会

ベイスターズは現在、ファーストがオースティン、サードは宮﨑、レフトは佐野となっている。ケガや休養という話はあるが、基本的にはレギュラーの選手がいる状態になっている。DHのないセ・リーグなので、この3ポジション以外は考えづらく、レギュラーとして出場するにはポジションが空いていないということになる。

ファースト岡本和、サード坂本で埋まっている読売だが、レフトはまだ固定できておらず、オドーアの退団や丸、長野の故障と高齢化があり、レフトには入り込む余地が大きいように思われる。パ・リーグであればDHもあるので、より出場機会には恵まれるだろう。

バックアップでも、代打でも、ベイスターズに戻って貢献して欲しいというのは、ファンの勝手なエゴだと思う。プロの選手として、特にアメリカではトップレベルのリーグでの出場があまりできていない筒香にとっては、重要視するポイントかも知れない。

影響力

筒香がベイスターズを離れて5シーズン目に入るところで、彼がいた頃のチームとは当然違っている。筒香もベイスターズにおける自分自身の影響が分かった上で、復帰したらどうなるかは考えているだろう。

これは管理人も懸念しているところだが、こういったシーズン途中で復帰すると、筒香という名前でファンも期待するし、周りも期待するので、使わざるを得ない状況になる。しかし、日本へのアジャストがすぐにできるかは未知数。開幕してすでに戦っているチームに悪い影響を与えるリスクもある。実力のあるFA選手が他球団に移籍するのとは、全く違う影響力になる。

だからこそ個人的には、5シーズンをアメリカでやり切って、今オフに復帰してキャンプからチームに合流して欲しいと思っていた。

今ベイスターズに所属している選手への配慮から、あえてベイスターズを選ばないというのもあるのではないか。MLBからNPBに復帰する際、野手は別のチームに入団するケースが多いという。もちろんオファーがなかった、より良いオファーを選んだということもあるだろう。こういった配慮というべきか、入りづらさというべきか、それも影響があるのではないかと思う。

向上心

これもよくあるパターンかも知れないが、NPBで元いた場所に戻るというのは現状維持にしかならず、前に進むために環境を変えたいという思い。建前として使われることもあるかも知れないが、新たな環境に身を置くことでさらに成長したいという向上心。日本にいた時から向上心の強い選手なので、そういう発想になる可能性も考えられる。

前述の影響力にも関連するが、「ベイスターズの筒香」として配慮されるのではなく、異なる環境でフラットな状態からスタートしたいという気持ちがあるかも知れない。

ベイスターズでまだ実現していない優勝という夢に向かうことも成長でしょうと言いたいところだが、これは本人の思い、感じ方なので周りがどうこう言える部分でもない。

その他

スポニチほどでないにせよ、多くの報道が読売入団を有力としている。ベイスターズファンは、戻って来てくれると思っていたし、同じリーグであり一番避けたいチームへの入団となれば、黙っていられない気持ちも分かる。エスコバーも「Why not BayStars?」とXでポストしていたように、なぜなのか?という思いが強いだろう。これは、実際に決まった時に本人の口から聞くしかない。

読売であれば、梶谷の存在もあるのかも知れないし、スポニチが書いているように阿部監督との関係もあるのかも知れない。過去も事あるごとに読売が筒香の獲得を狙うというような報道があった。実際にオファーをしていたのかまでは分からないが、水面下でこれまでも読売との関係はあったのかも知れない。もともと入りたい球団だったと言われると、お手上げかなと思う。

最終的に筒香がどんな結論を下すのか。今後の行方に注目したい。

コメント

  1. ハマオカ より:

    移籍先は選手の自由です。古巣に戻らない選択をしても仕方ないでしょう。

    ただ、ポスティングは球団の権利なので、今後DeNAを始め各球団がポスティング容認を渋ってしまう可能性がありますね。
    特に昨オフに佐々木朗希とポスティングを巡って揉めたロッテは、ソフトバンクのようにポスティングを一切認めない方針に転換するのでは、と噂されています。
    他にも髙橋光成が優勝してないよ、という理由で昨オフポスティングを断念した西武、と容認を渋る動きが増えてきました。
    確かに戻ってきた時にライバル球団に入られたら、と考えるとフロントが渋るのは当然です。

    このままではポスティングシステムが機能しなくなってしまいそうなので、出戻りは古巣が最優先、かつ古巣には戻らないと本人が発表ひて始めて他球団が交渉できる「優先交渉権」、など、出戻りに関する何からかの補償制度を作る必要があると思います。
    (ちなみに、KBOではポスティングからの出戻りは古巣復帰が義務付けられています)

    • Rocky より:

      コメントありがとうございます。

      確かに制度としてNPBの方で検討すべきとは思いますが、難しいでしょうね。
      ポスティングをした球団は、譲渡金を得るわけですから、その時点でFAという考え方もあると思います。
      ただ、1年でNPBに戻って他球団移籍というのは、確かに球団にとっても、ファンにとっても、なかなか受け入れがたい抜け道のような形になっているので、ポスティング移籍後3年程度は何らかの縛りがあっても良いのかなと思います。

      ポスティングを認めなくても、海外FAで球団に何の補償もなく移籍できるわけですから、それは球団個別の判断でも良いのではないかと思いますが、選手にとってはドラフトで指名された球団によってポスティングの可否が変わってしまうのは、公平感に欠けますね。難しいところです。

タイトルとURLをコピーしました