埼玉西武ライオンズが11月25日、DeNAからFA宣言していた桑原将志外野手と契約合意に達したことを発表した。広池浩司球団本部長が明らかにしたもので、DeNAからの発表および桑原本人のコメントはないが、正式に移籍が決定したと言って良い状況となった。
桑原が望むものは分からず
この日、同じくFA宣言をしていた日本ハムの松本剛が、読売への移籍を決断と報じられた。長野が引退、丸もスタメンを続けることが難しくなって来ており、エルナンデスも退団が濃厚。浅野がまだレギュラーを獲れていない状況で外野手の補強に動くと見られていたが、松本の獲得で桑原の読売移籍という可能性はかなり低くなり、残留の線も出てきたのかという矢先、西武から獲得の発表。寝耳に水で、電撃発表だった。
昔はFAの交渉は選手本人と行っており、マスコミに交渉日時を知らせた上でその様子を取材させているところがあった。近年は代理人を立てる選手も多く、水面下での交渉が多くなった。伊藤光も何の情報もなく、部外者にはいきなり楽天移籍が決まったような印象だった。桑原についても何の情報もなく、先日はDOCKで言えることはないと答えたばかり。
23日に行われたBAY BLUE FESTIVALも直前まで参加予定だったが、前々日に急遽欠席となった。伊藤光のように既に移籍が決まっており、好意的に送り出されるなら参加しやすい。しかし、まだ決まっておらず迷っているなら、参加することでブレたり迷いが深くなる可能性があるので、そこを考慮しての欠席なのだろうと解釈していた。
しかし、そこから2日で移籍が正式発表。ギリギリまで迷ったことは想像できるが、このタイミングで結論を出せるなら、14年間プレーした古巣で、いつも桑原が感謝していたファンに姿を見せて欲しかったというのが率直なところ。
まだ本人からコメントが何も出ていないので、どういう思いでの決断なのかは分からないし、本音を語るとも限らない。FA宣言もかなり迷っていて、最終日に宣言したかどうかも不明確なまま締切を迎えるという今までにないパターンだった。本人の中で、宣言をする以上は熱意あるオファーを受けたら移籍するつもりだったのかも知れない。
DeNAがどういう残留交渉をして、西武がどんなオファーを提示したのかは分かるはずもないが、桑原が求めるものが今のDeNAにはなかったということなのだろう。それが契約年数なのか、金額なのか、ポジションなのか、逆にフェアな競争なのか。それは分からないが、残念で仕方がない。
高卒で早くから一軍で出場し、長い期間見て来た選手。勝手に桑原は引退まで横浜で応援できるのではないかと思っていただけにショックは大きい。
内野から転向、スーパーキャッチ連発
横浜ベイスターズの身売りが進行する中での2011年ドラフト会議。球団がかなり不安定な状況下、名門の社会人野球チームや大学生を指名しても入団拒否のリスクを考慮したのか、高校生ばかりを指名する形になった。
4位で指名された桑原は内野手として入団。同期には高城や乙坂らがいた。指名時点では横浜ベイスターズだったが、約1か月後にDeNAベイスターズとなった。高卒1年目でフレッシュオールスターに出場して活躍。一軍でもシーズン終盤に3試合出場ながら、山井からプロ初ヒットもマークした。
主にセカンドを守っていたが、イップスのような状況で近距離の強いスローイングができなくなり、外野手に転向。応援歌にもある通りのガッツマンで中畑監督に見いだされ、ラミレス監督の下でレギュラーに定着した。もともと外野手の選手には後逸を恐れてできないというダイビングキャッチを幾度となく見せ、ファンを沸かせてきた。
2017年には143試合にフル出場し、チームを日本シリーズに導いた。しかし、その後低迷。2019、2020年は打率1割台で、二軍で過ごす時間も増えた。2021年に自身初の3割をマークして復活。FA権の取得を前に4年契約を結んだ。
2024年は前半戦は不振も、後半に状態を上げた。2度目の出場となった日本シリーズではMVPを獲得した。2025年はオープン戦の最終戦で骨折して出遅れるも、夏場以降に本来の姿を見せた。チームでは佐野と二人だけしかいない規定打席に到達し、.284ながらリーグ4位の打率を残した。
前述の通り、守備ではスーパーキャッチを何度も見せ、バッティングではパンチ力も備えた勝負強さを見せた。そして、2024年の交流戦でのキツネダンスに代表されるように明るい性格でムードメーカーだった。一方で、2024年の日本シリーズでは筒香、柴田らとともに若手へ厳しい言葉で発破をかけるなどチームを引っ張る存在だった。
2026年に33歳になる桑原だが、まだまだ老け込む年齢ではない。ただFA再取得となると最短で3年後であり、最初で最後の行使となる可能性も高い。桑原が残りの現役生活で何を求めているのかは現時点で理解できないが、ここまでの貢献に感謝するとともに西武での成功を願いたい。
ただ、管理人が好きなのは「ベイスターズを勝たせてくれる選手」なので、そこからは外れてしまう。14年見て来ていきなりどうでも良いとはならないし、パ・リーグなので比較的心穏やかに「頑張っているな」と見ることができるかも知れない。
捕手、外野手の補強はあるのか
伊藤光と桑原の移籍が決まり、外国人選手を除く2026年の陣容は以下のようになった。外国人枠に該当しないビシエドは残留という仮定で加えているが、これは11月末で締め切られる契約保留者名簿に載るかどうかというところになる。
| 投手 | 29名 |
| 11 | 東 克樹 |
| 12 | 竹田 祐 |
| 13 | 伊勢 大夢 |
| 14 | 石田 健大 |
| 16 | 大貫 晋一 |
| 18 | 小園 健太 |
| 19 | 山﨑 康晃 |
| 20 | 坂本 裕哉 |
| 22 | 入江 大生 |
| 24 | 吉野 光樹 |
| 27 | 藤浪 晋太郎 |
| 30 | 篠木 健太郎 |
| 33 | 武田 陸玖 |
| 35 | 橋本 達弥 |
| 38 | 松本 凌人 |
| 39 | 若松 尚輝 |
| 41 | 佐々木 千隼 |
| 43 | 深沢 鳳介 |
| 45 | 森原 康平 |
| 46 | 坂口 翔颯 |
| 53 | 中川颯 |
| 54 | 石田 裕太郎 |
| 59 | 平良 拳太郎 |
| 64 | 中川 虎大 |
| 65 | 宮城 滝太 |
| 68 | 岩田 将貴 |
| 92 | 堀岡 隼人 |
| 島田 舜也 | |
| 片山 皓心 | |
| 捕手 | 6名 |
| 5 | 松尾 汐恩 |
| 10 | 戸柱 恭孝 |
| 32 | 益子 京右 |
| 50 | 山本 祐大 |
| 57 | 東妻 純平 |
| 95 | 九鬼 隆平 |
| 内野手 | 16名 |
| 00 | 林 琢真 |
| 2 | 牧 秀悟 |
| 6 | 森 敬斗 |
| 9 | 京田 陽太 |
| 26 | 三森 大貴 |
| 31 | 柴田 竜拓 |
| 37 | 加藤 響 |
| 44 | 石上 泰輝 |
| 51 | 宮﨑 敏郎 |
| 55 | 井上 絢登 |
| 56 | 田内 真翔 |
| 60 | 知野 直人 |
| 66 | ビシエド |
| 小田 康一郎 | |
| 宮下 朝陽 | |
| 成瀬 脩人 | |
| 外野手 | 8名 |
| 4 | 度会 隆輝 |
| 7 | 佐野 恵太 |
| 8 | 神里 和毅 |
| 25 | 筒香 嘉智 |
| 28 | 勝又 温史 |
| 58 | 梶原 昂希 |
| 61 | 蝦名 達夫 |
| 63 | 関根 大気 |
| 育成 | 15名 |
| 052 | 浜地 真澄 |
| 102 | 清水 麻成 |
| 103 | 金渕 光希 |
| 111 | 吉岡 暖 |
| 115 | 馬場 皐輔 |
| 122 | 庄司 陽斗 |
| 136 | 森下 瑠大 |
| 140 | 松本 隆之介 |
| 127 | 上甲 凌大 |
| 130 | 近藤 大雅 |
| 125 | 小笠原 蒼 |
| 129 | 西巻 賢二 |
| 193 | 高見澤 郁魅 |
| 清水 詩太 | |
| 155 | 小針 大輝 |
投手29名、捕手6名、内野手16名、外野手8名の59名となった。ここに外国人選手が加わって来る。まだ去就が明らかになっていないジャクソン、ケイ、ウィック、バウアー、マルセリーノが残留するかどうか、そして野手でも1~2名の獲得がありそうだ。
桑原はBランクなので、西武から人的補償を獲得することが可能。現役ドラフトは、2024年の広島のケースのように1減2増という可能性はありうるが、基本的には増減なしと考えた方が良いだろう。そうなると人的補償を加えた60名プラス外国人選手5名の65名程度になる。あと1名くらいは獲得があってもおかしくない。
まず伊藤光が抜けた捕手だが、2025年と同様に山本を軸に松尾が機会を窺い、戸柱が支える体制になるだろう。ケガや不振があった場合のバックアップとしては、九鬼が第一候補になる。バッティング面でかなりの成長が見えているので、状況次第で一軍に呼ばれるケースは増えるのではないか。
そして、近年は外野を守ることの方が多かった東妻は、右の外野手である桑原が抜けることでチャンスもあるが、捕手の人数面でもそちらを任せたい状況になる。二軍の公式戦で育成選手を起用する数に制限があることから、上甲を支配下登録して対応する可能性もある。近藤も二軍での出場が増えて来るかも知れない。
現役ドラフトで捕手が移籍したケースは、2024年ソフトバンクの吉田しかなく、これもどちらかと言うとDH含め強打の野手というイメージが強い。現役ドラフトで獲れる可能性は低いと見るべきだろう。とすると、西武からの人的補償も視野に入るか。古賀は確実にプロテクトされ、炭谷だと戸柱との兼ね合いもある。一軍での実績だと柘植になるが、打力的には厳しいものがある印象。
ドラフト1位で小島を指名しているだけに、若い捕手をベイスターズが評価しているようであれば本人にとってもチャンスかも知れない。
続いて桑原が抜ける外野手。ベイスターズは2025年に野手は一人も戦力外にしていない。FAで伊藤光と桑原が抜けただけになっている。外野は8名とやや少ないものの、森敬斗と井上を外野で計算しているのではないか。森は右肘手術の影響で、その後ショートに戻るのかまだ明確にはなっていない。
しかしながら、逆に佐野、筒香は内野手として起用されるシーンもあるし、度会もサードでの起用も想定されている。宮崎の状態次第にはなるが、内外野で補えば人数の面では足りるだろう。
オースティン、フォードにビシエドを加えてファーストだけしか守らない選手が多く、この点は起用の幅が狭かった。それもあるので、外国人野手は外野を守れる選手がベストではないか。桑原の代わりにセンターを守れる必要は全くないと思う。現状のNPBと、来日する外国人選手のレベルを考えれば、守備型の選手が打力で通用することは難しい。
センターは蝦名を中心に梶原、勝又にチャンスを与えたい。いざとなれば神里、関根も控えている。佐野と筒香がいるので、できればライトを守れる外国人選手が良いだろう。
現役ドラフトで外野手がいれば指名する可能性は高い。しかし、ベイスターズが自ら出してしまった細川のような例はあるが、多くは望めない。FA宣言している辰己の獲得も経緯を踏まえると現実的でないように思う。
西武の外野は渡部聖弥、西川、長谷川と揃っており、そこへ林安可を獲得し、さらに桑原を補強した。外野手のプロテクトは甘くなりそう。蛭間は伸び悩んでいるので、現役ドラフトの候補にもなりうるか。二軍で成績を残し支配下登録を勝ち取った仲三河も面白い存在かもしれないが、左を増やしてもという印象ではある。
投手でもドラフト時などに評価していた選手がいれば選択肢になって来るかも知れない。ベイスターズファン的な思考だと青山、杉山という名前が出るだろうが、リリーフでしっかり回れる投手が欲しい。今井、高橋がポスティングでMLBへ移籍する状況で、投手のプロテクトは厚めになりそうな気配だが、良い選手が漏れていれば。先発やってるけど上田とか。
前述の通り支配下登録の枠にもまだゆとりがあり、西武もポスティングを控えた今井、高橋をプロテクトするしかないので、獲得を検討すべき選手はいると思う。熟慮の上で金銭を選ぶ可能性はあるが、良い形で補えることを願いたい。


コメント
残念ですが、来年は最下位争いになると思います。
ここまで流出したチームがAクラスになることはまずありえません。
正直、2021年の三浦初年度より酷いことになるのではないか…(あの年もFAで2人流出、外国人が集まらないなどかなり今回と似ています)
そして一番の問題は、筒香をはじめとするベテラン組が揃って「チームの空気がよくない」と苦言を呈していることです。
桑原が出ていった理由もそれが原因の一つではないでしょうか。
毎度名前は変えられてますが、IPアドレス見えるから同じと分かるのですが。
一部のベイスターズファンにありがちな、ネガティブなことを言って自身の予防線でしょうか?シーズン中もBクラス間違いなし、CSファーストステージも敗退濃厚と書いていたかと。
あちこちでネガティブなことを書いて満足しているタイプでしょうから、どうせ返信は見ていないので意味はないですけど。
さすがに来年の陣容すら固まっていない段階での最下位争い発言は失笑ですね。11月で外国人が集まらないというのもストーブリーグのことを知らな過ぎで、よく書けるなと思います。ある意味すごい。