09/15 横浜DeNA3-0読売(ハマスタ)
ケイと田中将の投げ合いで、序盤は両チーム無得点。ケイは4回表に1アウト2、3塁のピンチを招いたが、中山とリチャードを連続三振に取って切り抜けた。田中将に4回まで1安打の打線は、5回に2アウト満塁のチャンスを作るも、度会のレフト線への打球を丸がスーパーキャッチ。6回は2アウト1、2塁から石上のライト方向の打球を中山が捕り切れず2点タイムリー二塁打となり、均衡が破れた。7回には度会が2試合連続のホームランを放ち、3点をリード。ケイは100球を超えた9回もマウンドに上がり、岡本に二塁打を打たれながらも凌ぎ、来日初完封。
ポジ [Good]
田中将大との投げ合いに勝つ
ニューヨーク出身でヤンキースのファンだったというケイは、田中将大がMLBへ移籍して来た時のことを覚えていると話し、2019年には自身がブルージェイズに所属している時に、田中将とのマッチアップも経験している。その田中将とNPBで再び対戦することになったのも何かの運命なのかも知れない。日米通算200勝をかけての登板になることはチームから聞いていただろう。
9月に入って2連勝。8月は寝違えから来る腰の違和感で10日間登録抹消の期間があったが、それが体のメンテナンスをする時間に充てられ、状態が上がって来た。最後に負けが付いたのはオールスター明け初戦、チームが完封負けを喫した試合のみ。交流戦前後は負けが込んでいたが、2桁勝利が見える位置に来ていた。相手の先発が誰であれ、ゼロを並べることに集中していた。
初回は三者凡退で立ち上がり、2回は岸田とリチャードにヒットを許すも、アウトは全て三振で取った。3回も2三振を奪って三者凡退。この日も良いスタートを切った。
4回、先頭の泉口をヒットで出塁させると、岡本は警戒して歩かせてしまった。岸田は追い込んだが、インサイドへの厳しいカットボールを上手く当てて、ファーストゴロで進塁打。このバッティングはさすがだと思った。1アウト2、3塁と大きなピンチを迎えた。
中山は前の打席と同様に、スライダーに合っておらず空振り三振。2アウトとなって、リチャードには一発もあるので歩かせるだろうと思ったが、大原コーチがマウンドに行った結果、勝負することになった。正直、これには反対だった。次の浦田は前日に藤浪が2点タイムリーを打たれているとは言え、前の打席を見る限り打ち取れる可能性が高いように思えた。リチャードも穴のある打者だが、何よりランナーが溜まったところでの一発が怖い。
ケイは右打者の方が抑えている投手で、満塁だと押し出しのリスクもあるので、リチャードで勝負したかったのかも知れないし、何よりケイの闘争心だろう。リチャードに対して臆せずインサイドへ投げ込み、最後はカットボールがやや真ん中高めに行ってしまったが、空振り三振に取った。この投球は見事だった。
5回裏に丸の好守でチャンスが潰えて無得点。6回表はキャベッジがバントヒットを決めた。泉口と岡本は打ち取ってランナーを進ませなかったが、岸田は2球で追い込んでから勝負球が決まらず歩かせた。さらにサイン違いなのか中山への初球を山本がパスボール。2アウト2、3塁となり、失点してしまいそうな流れだったが、合っていなかった中山に代打はなく、セカンドゴロに打ち取って切り抜けた。
6回裏にようやく援護をもらうと、7回、8回はともに三者凡退で抑えた。今季最長の8回を投げ終えて105球。中5日ということを考えると、普通なら最後は伊勢で行くところだっただろうが、この日の内容とケイの気持ちを考慮し、9回も託した。
ベイスターズファンからの大声援を背に受けて9回のマウンドに上がったケイだが、岡本にインサイドのカットボールを上手く運ばれレフト線への二塁打。ここは読まれていたかも知れない。それでも岸田はインサイドのカットボールで完全に詰まらせてショートゴロ。代打の坂本は追い込んでからスライダーで空振り三振に取り、2アウト。
リチャードにはインサイドのカットボールを三遊間に運ばれて2アウト1、3塁。ここで代打はオコエ。ベイスターズ戦では昨年からかなり打っている印象で、一発同点の場面で怖さはあった。120球を超えて来た中で渾身のストレートを投げ込み、二遊間へ打ち返されたが、林が回り込んで二塁へトスするファインプレー。味方の守備にも助けられて来日初完封を成し遂げた。
これで9勝目となった。先日、ジャクソンが球団の外国人投手では史上3人目の2桁勝利をマークしたが、ケイも残り2回の登板が見込まれ、可能性がかなり出てきた。この日の9イニングでシーズン通算147イニングとなり、来日2年目で初の規定投球回にも達した。
防御率も1.71となり、1位の才木の1.60を追う。才木は最多勝も懸かっているので先発して来るはず。中6日なら21日の神宮だが、甲子園で投げるなら20日のDeNA戦となる。山崎伊織も1.74でタイトルを狙っている。このあたりも注目して行きたい。
2年目の二人がケイをアシスト
石上が6回、2アウト1、2塁から田中将のスプリットがやや浮いたところを捉え、ライトの後方を襲う鋭い当たりを放った。中山が背走し、ジャンピングキャッチに行ったが、グラブに当てて弾いてしまった。記録は当然二塁打で、殊勲の2点タイムリーとなった。
5回にはアウトサイド低めのスプリットをレフト方向へ強く打ち返してヒットにしていて、同じようなボールを6回は引っ張っての長打だった。前日も見事なレフト線へのタイムリー二塁打があったが、この日のマルチヒットも非常に価値があった。
前日、自身初の代打ホームランを放ち、スタメン起用された度会。5回は2アウト2、3塁で蝦名が歩かされ、度会との勝負。ファウルで粘った後、アウトサイド低めに落ちるスプリットを上手く拾いレフト線へ運んだが、丸がスーパーキャッチ。度会にはかなり悔しい結果となった。
次の打席は7回。代わった船迫の初球、インサイドに食い込んで来るカットボールを上手く捉え、打球はライトスタンドへ一直線。2試合連続となるホームランは、試合展開の上でも非常に重要な追加点となった。
ベンチに戻るとバットにキスをして感謝していた。8回表の守備に就き、ベンチに戻って来た8回裏の攻撃中もバットを抱きかかえていた。それだけ嬉しい一打だったのだと思う。
バットは折れてしまうのでグラブのようにずっと使い続けることはできない。それでも、打者はバットにこれだけの愛着を持っている。それを理解せずに蹴り飛ばしたヤツに言ってやったらいい。オマエの和牛JBのグラブも蹴ってやるぞと。
苦労をともにしている2年目の石上と度会が、ケイの完封をアシストする援護点をもたらし、ともにヒーローインタビューに上がった。ルーキーイヤーのオープン戦でともに成績を残し、開幕スタメンに名を連ね、ともにプロ初ヒットを放つスタートを切った。しかし、甘い世界ではなく二人とも一軍になかなか定着できずに苦しんで来た。この日のようなヒーローインタビューを何度も見せられるように、今後も切磋琢磨して欲しい。
田中将大との対戦に特別なものを感じていたのはケイだけではないだろう。オースティンは、4月はケガで離脱しており、対戦がなかった。
2016年8月13日、オースティンはヤンキースでメジャーデビューを飾った。ヤンキースタジアムで行われたレイズ戦で、7番ファーストでスタメン出場したオースティンは、2回にメジャー初打席でホームランを放った。そして、同じくこの試合でメジャーデビューとなったジャッジが8番ライトでスタメン出場しており、2者連続ホームランをマークした。
メジャー初打席でホームランが2人続いたのは史上初だったという。そして、この試合の先発投手が当時ヤンキースに所属していた田中将大で、9勝目を挙げている。
楽天に復帰した後の田中将大と交流戦では対戦しているが、日米通算200勝がかかった中で、同じリーグとして重要な試合での対戦。最初の打席はバットの先でセンターフライ、2打席目は筒香がエラーで出塁したが併殺打に倒れた。3打席目でストレートをセンター前へ運び、ヒット。結果的に決勝点のホームを踏むことになった。
この日のマルチヒットで9月は打率.412、OPSは1.239という驚異的な数字。チームの快進撃を支えている。牧と宮崎を欠く中、オースティンの打棒は不可欠。全試合スタメンとは行かないかも知れないが、良いコンディションでパフォーマンスを出してもらいたい。
ヤジ [Bad]
4月の対戦では序盤に6点を奪ってKOした田中将だが、この日はストレートに力があった。スプリットは時折甘く入って来るボールもあったが、全体的には低めに決めることができていた。同じように攻略できるような出来ではなく、読売の好守にも阻まれて無得点が続いた。
そんな中でケイが無失点で我慢し、ようやく6回に石上の一打で2点を取り、度会のホームランで追加点も取れた。ケイが最後まで投げてくれて、言うことなしの試合になった。
キジ [Other]
日米通算200勝を狙う田中将大を盛り立てるように、読売がファインプレーを連発。ケイも素晴らしい投球を見せて、プロらしい締まった好ゲームとなり見ごたえがあった。レフトの丸、センターのキャベッジが素晴らしいプレーを見せ、ライトの礼都も捕る流れだったが僅かに及ばず、グラブに当てながら落としてしまった。記録は二塁打だし獲ればスーパーキャッチだが、紙一重のプレーが勝負を分けた。
ハマスタで読売にも連勝し、7連戦は6勝1敗と素晴らしい結果になった。8月末に今季最大の借金7を数えたが、9月10勝3敗の好成績で7月3日以来となる貯金1。この日の時点で2位に立ったことも喜ばしいが、それよりも重要なのは貯金を持ってシーズンを終えること。連勝の反動は当然来るものなので、そこでいかに耐えるかどうか。
2位争いは、26、27日に再びハマスタで読売との2連戦があるので、そこまでは分からないだろう。いかに貯金を増やして迎えられるか。ひとまず今季最後の長期連戦である7連戦を乗り切ったので、休養して残り11試合に臨んで欲しい。17日はバンテリンドームの中日戦で、最多勝を狙う東が先発すると予想されるので、そこでまず一つ勝つこと。そこに集中して欲しい。


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