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佐野、右有鉤骨骨折で今季絶望 外野手不足の懸念も

9月30日のヤクルト戦(神宮)で途中交代し、10月1日に出場選手登録を抹消されていた佐野が、右有鉤骨骨折の診断を受けたことが発表された。最終戦に2位を懸け、10月14日からのクライマックスシリーズ(CS)に進むチームは、キャプテンなしでの戦いを強いられることになった。

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宮崎、森も有鉤骨の骨折を経験

有鉤骨の骨折は、過去にも多くの打者が経験している。ベイスターズでは、2019年8月に宮崎が左有鉤骨を骨折している。8月9日に折れた有鉤骨を摘出する手術を受け、そこからリハビリに取り組み、9月12日に1軍へ復帰している。

そのあたりのことが、FOR REAL -in progress-に書かれている。球団公式のコラムだが、公式サイトには見当たらず、週刊ベースボールONLINEに転載されたものが残っている。

頼もしき男たちの帰還。/FOR REAL - in progress - | 野球コラム - 週刊ベースボールONLINE
優勝を目指して戦う横浜DeNAベイスターズ。その裏側では何が起こっているのか。“in progress”=“現在進行形”の名の通り、チームの真実の姿をリアルタイムで描く、もう一つ…。野球専門誌「週刊ベースボール」がプロ野球・高校野球・大学野...

有鉤骨骨折からの復帰は、患部の状態や選手の特性などさまざまな条件により期間は異なる。宮崎は1ヶ月強で1軍の試合に戻り、CSに出場するという驚異的な回復を見せた。

森は、今年の8月1日に有鉤骨摘出術を受けたが、イースタンの試合には戻れなかった。フェニックスリーグに間に合うかどうかも分からない。過去には日本ハムの清宮も有鉤骨を骨折し、実戦復帰まで3ヶ月という情報もある。

宮崎は右投右打で、左有鉤骨を骨折したので利き腕ではない。森も清宮も右投で右有鉤骨を骨折しており、そこが大きく異なる。だから、佐野も復帰まではある程度時間がかかるものと思う。残念ながら、CSそして突破したその先にある日本シリーズも出場はできない。

現時点では有鉤骨骨折と診断されたという状況なので、これから折れた有鉤骨を摘出する手術を受けることになるのだろう。そこから来春のキャンプに万全で臨めるように、復帰プランを立ててこなして行く。

宮崎が、左手を使えなくなったことによる気付きがあったようにレギュラー定着後、初めてと言っていい不振の中で、バッティングを練り直す良い機会になるかも知れない。

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1番で開幕、代打を出される屈辱も

2022年、横浜反撃で2位となったが、ハマスタでのCSファーストステージで敗退。その後、10月31日に佐野は右肘クリーニング手術を受けた。スローイング、バッティングに影響を及ぼしていたと思われる障壁をクリアにし、2023年シーズンの活躍を期した。

春季キャンプは、キャプテンとして1軍の宜野湾で迎え、チームを引っ張った。オープン戦は初戦に3番で出場し、犠牲フライと二塁打を放つ順調なスタートを切った。ハマスタでの最初のオープン戦には2番に入った。

3月11日のオープン戦では1番佐野、2番宮崎のオーダー。当初は、途中で交代する二人に早く打席を回す為と思われていたが、オープン戦終盤でもこのオーダーが続いた。

3月31日の開幕戦、佐野は1番ファーストでスタメン出場。阪神の開幕投手が青柳ということで、宮崎はベンチスタートとなった。2戦目から1番佐野、2番宮崎というオーダーを組んだ。ところがチームは開幕4連敗。5戦目で1番佐野はそのままに、宮崎を3番に変更。連敗を止めてすぐさま借金を返し、4月は快進撃を見せた。

解説者によっては、ベイスターズの好調の要因に佐野の1番起用を挙げていた。しかし、3年連続で3割を打って来た佐野だが、5月まで打率は.250前後。交流戦に入って打線が停滞すると、1番に関根を入れ、佐野は3番に戻る形になった。

6月は佐野も.322をマーク。しかし、本塁打は0でOPSも.760と単打が多かった。それでも復調のきっかけを掴み、夏場以降に3番で本来のバッティングを見せてくれると期待された。

だが、7月は打線全体が低調となり、記録的な貧打で好投する先発投手を見殺しにした。佐野は7月、打率.224と苦しみ、OPSは.527で3番としてはあまりにも物足りない数字になった。そうした中で、8月に入り、6日の阪神戦では7回のチャンスで代打の楠本が起用された。悔しさで目を赤くしながらも、ベンチで声を出す姿が痛々しかった。

そういった苦しい時期を乗り越え、8月15日には5月以来、約3ヶ月ぶりとなるホームランも出て、復調。9月は打率.286と少しずつ上げて来ていた。

手術明けのシーズンで慣れない1番に入り、自分自身の成績が上がらない中で、交流戦に優勝しながらも失速するチームをキャプテンとして盛り立てて行かなければならなかった。3年連続で3割をマークし、3割を打つのが当たり前の選手という評価の中で打撃不振に陥り、代打を出される屈辱も味わった。

何とかチームはCS進出を決め、2位に向けて頂戦を続けている中で、無念の離脱となってしまった。苦しみ抜いたシーズンの最後がこれとはやるせない。

年度打率OPS得点圏
2017.095182120153.351.167
2018.2307312629514263.627.139
2019.29589200595333913.764.367
2020.32810640213220695842.927.315
2021.30314354516517727361.842.287
2022.30613352616122725743.853.279
2023.26414156014813657746.711.267
通算.292703238069682326335211.806.283

ドラフト9位で入団したが、打力をラミレス監督に買われ、代打として出番を増やした。筒香がMLBへ移籍すると、4番キャプテンの重責を与えられたが、首位打者を獲得する活躍で見事に応えた。昨年も最多安打のタイトルを獲得し、アベレージヒッターとしての地位を確立した。

レギュラー定着後は初めてと言っていい壁に当たったシーズンになった。素晴らしい打者であることは言うまでもないが、長期離脱となるケガをせず、しっかりとチームの中軸を担っていることが一番評価されるべきポイント。今季も残り2試合まで全試合に出場しており、数字以上の貢献もある。

佐野の通算打率から見れば、今年の.264は不本意な成績だろう。だが、投手のレベルが著しく上がり、リーグで3割打者が2人程度しかいない中で、リーグ4位の148安打をマークした。

前述の通り、このアクシデントによって生まれた時間、気付きをポジティブに使い、来季再び佐野が進化したバッティングを見せてくれることを期待したい。

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外野手不足の懸念

佐野の有鉤骨骨折で、支配下登録の外野手10名のうち、4名がケガで離脱したことになる。蝦名は、9月29日の阪神戦で、守備の際に関根と交錯して途中交代。登録は抹消されていないが、顔を負傷したという情報もあり、どのくらい出場できるかは分からない。

選手状況
大田
桑原
オースティン帰国し、右肩手術済
佐野有鉤骨骨折
神里右肘手術後、リハビリ中
楠本
アンバギー
梶原右足関節靱帯の損傷
蝦名9/29に関根と交錯
関根

大和は外野でゴールデングラブを獲得しているが、かなり昔のことで最近は外野を守ることはない。ソトも来日当初は外野も守っていたが、現状ではファーストをしっかり任せるのが現実的。知野もファームでは守ったことがあるが、そう多くはないだろう。林もオープン戦では外野に出場機会を求めて練習していた。だが、いずれも緊急事態では守ることはあっても、スタメンで出るということは考えづらい。

登録されている6名で何とか戦って行くしかない。終盤にここまで外野手にケガが相次ぐことは想定外だろうし、たらればを言っても仕方ないが、育成の外野手3名のうち、1名でも支配下登録しておくべきだった。特にイースタンで盗塁王に輝いた村川は、代走としても期待できた。

これ以上、外野手にケガ人が出ないことを祈りつつ、レギュラーシーズンの最終戦、そしてCSに臨む。大田の状態が良くなっているので、彼を軸にしつつ、関根と楠本の復調を期待したい。蝦名もケガの影響がなければ、このあたりでブレイクしてくれると助かるのだが。アンバギーが、マラベのような一時的な輝きでもいいのでゾーンに入ってくれたら言うことはないが、難しいか。

ファーストはソト、知野で回し、レフトに関根や楠本が入って守備力が少し上がる分、守り勝つ野球をするしかない。バントや進塁打を着実に決めて、少ないチャンスで還すような野球が必要だ。凡事徹底がチームの課題ではあるが、大舞台でそれができるか。いずれにしても、代わりに出る選手は貴重な経験にはなるだろう。

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