横浜DeNAベイスターズは、2020年限りで退団した石川雄洋の引退会見を行った。NPBでの現役続行を目指して、練習を続けて来たが開幕まで1週間というこの時期までに声はかからず、引退を決断した。
DeNAを既に退団し、他球団への移籍を模索していた選手ではあるが、16年間の在籍でDeNA初代キャプテンを務めるなど功績は大きい。当然ながらDeNAとして引退会見を用意してくれた。
球団では引退セレモニーは予定しているが、現在は新型コロナウィルスの感染拡大で収容人数を制限している段階。なるべく多くのファンに石川雄洋の引退セレモニーに立ち会ってもらうべく、時期は検討中とのこと。ただ、今年やるとしたらなかなか難しいと思う。ただ、日が決まればその試合のチケットは争奪戦になるだろう。
彼も一番印象に残ったこととして、2016年に球団史上初のクライマックスシリーズ進出となった、東京ドームのファーストステージを挙げていた。1998年、2017年の日本シリーズもあるが、あの試合はやはりインパクトとしてはそれを上回るかのような、凄い光景と声援だった。
TBS時代の末期に、地元横浜高から入団した期待の選手として、時には実力と伴わない状態でも起用され、批判されることもあった。3年連続90敗以上、6年連続最下位という中で、必死にチームのために奔走してきた。DeNAに変わってチームが強くなり始め、キャプテンを降りたところで、自らも競争に飲まれ、出番が少なくなった。CSの舞台で戦うチームを見ながら、複雑な思いもあったと思う。
2019年に10連敗中のチームに合流。その日の試合で宮國から打った試合を決める2ラン。そして、夏には1000安打を達成したことも記憶に新しい。優勝は叶わなかったが、初めてと言ってもいい優勝争い、史上初のハマスタでのCS開催に貢献した。
昔から石川はファンのヤジを受けやすい選手だった。見た目、特にファッションセンスが独特で、言動も含めてチャラチャラした印象を持たれ、弱いチームにあって真面目にやっていない、練習をしていないと決めつけられることも多かった。
DeNAとなった2012年に、中畑監督がキャプテンを決めた際も反対意見が多かった。選手たちから推す声が多かったために石川に決めた中畑監督だったが、シーズン中もぶつかることがあり、当時の映像作品「ダグアウトの向こう」にも一部が収録されている。
そして今、この会見の姿を見ても、「お前、本気でNPB復帰目指してたのか?」と言われそうな髪型である。でも、これこそが石川雄洋なんだと今だから思える。
昨年、それまで石川雄洋の引退はベイスターズで見るものと当然のように思っていたから、退団となった時は非常に淋しい思いがあった。結果としてベイスターズ一筋16年という形で終わることは、複雑ではあるが、嬉しい気持ちもある。
今後について「まだ(指導者などを務める)人材だと思っていない。そのレベルに達しなければ戻るべきではないと思うので、野球のことを勉強して、戻ってこれるように準備したい」と語った。
SANSPO.COM (https://www.sanspo.com/baseball/news/20210321/den21032112290003-n1.html)
多くの選手から慕われ人望も厚い石川が、いつの日か何らかの形でチームに携わることを待っている。本人もしっかりと自覚しているように、足りない部分を勉強して、戻って来て欲しい。
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