スポンサーリンク

平良が来季リハビリで育成契約に FA参戦と関連か

横浜DeNAベイスターズの平良が来季、育成契約となる見込みであることが報道された。球団からの正式発表ではないが、6月7日にトミージョン手術を受け、来季はほぼ1年間リハビリと想定される為の措置。一方で、FAを行使することになった中日の又吉の獲得に参戦する見込みで、人的補償にも関連した動きという見方もある。

スポンサーリンク

育成選手は人的補償の対象外

FA移籍の場合、所属球団での年俸のランキングにより、A、B、Cの3ランクがあり、AとBは人的補償が発生する。又吉はBランクと見られており、獲得に至った場合は人的補償を選択される可能性がある。

又吉はソフトバンクやオリックス、阪神も獲得に乗り出すと見られ、年俸が比較的低めであることと、今年はほぼキャリアハイという成績を残したことから争奪戦が予想される。どのチームもこれだけ安定したリリーバーは欲しいだろう。

DeNAにとっても正に補強ポイントというところだが、ライバルは資金的にも優勝を経験できるという点でも強力だ。よほどのことがない限り、獲得には至らないのではないか。

そしてもう一人、FAを行使するか注目されている梅野は、現在まだ熟考中ということだ。梅野については獲得調査という報道もないし、伊藤光の契約更改では三原球団代表から高い評価の言葉をもらっていた。だからと言って捕手の獲得に動かないとは限らないが、FAを行使したとして、参戦するかどうかは不透明だ。

こうしたFAへの参戦と、平良の育成契約という話が同じタイミングで出てきたのも、契約更改のタイミングということはありつつも、人的補償を考慮したものと思われる。違うとしても、このタイミングだとそう思われてしまう。

例年、FAで選手を獲得し、人的補償を伴っている読売も、シーズンオフにケガや手術の為と称して、育成契約への切り替えを行って来た。育成契約の選手は、FAの人的補償の対象外となっている為、プロテクトしたい選手を育成契約に変更すれば、その分他の選手のプロテクトに使える。28人しかプロテクトできないので、こうした裏技を使ってでも選手を確保したいということだろう。

ここ数年、この問題はさまざまなところで指摘されているが、一向に変更する気配もない。FAで即戦力の選手を獲得する見返りに28人のプロテクトから漏れた選手を獲得する制度なのだから、育成契約の選手を除外する意味もない。

「通常は」まだ未知の育成選手よりも、支配下で28人からギリギリ漏れた選手の方が指名されやすいはずだが、このルールがあるせいで、別に育成契約に切り替えなくても良い程度の選手でもプロテクト枠を広げる為に逃がすことができてしまう。それができないように、育成契約の選手も対象としておけばいい。誰を獲るかは人的補償を受ける球団の自由であるはずだ。

スポンサーリンク

東は育成契約に切り替えずに復帰

FA参戦の報道と、平良の育成契約が重なってしまった時期的な問題に加えて、同じトミージョン手術を受けた東は育成契約に切り替えることなく、今年の9月に復帰した。それだけに、平良を育成契約にするのはFAの人的補償対策だと言われるかも知れない。

ただ、東がトミージョン手術を受けたのは2020年2月20日。既に2020年は支配下として契約更改されており、このタイミングですぐに育成に変更することは契約上難しい。本人が承諾すれば別だが、年俸等条件面の減額は契約違反になるし、そこを変えないのであれば、支配下の枠に余裕があったDeNAがわざわざ育成契約に変更する必要もない。もちろん、東の早期復帰を願った思いも込められていただろう。

そして、2021年に向けた契約更改になるのだが、今度は2021年の後半戦には1軍での復帰が見込まれるタイミング。ここでも育成契約に変更する選択肢は取らなかった。一旦育成にして7月末(オリンピック開催で2021年は8月末に変更)までに支配下契約に戻す選択肢はあったが、ここも早期の復帰に期待したことと、2018年の新人王への配慮があっただろう。

東の場合には、手術を受けたタイミングにより、育成契約に変更できないタイミングだったということと、必然性が薄かった。

一方、同じく今季トミージョン手術から復帰した田中健は育成契約に切り替えている。2019年8月15日に手術を受けたので、一般的に1軍復帰まで1年半と言われることから、2020年は全てリハビリ期間と想定された。そのため2020年は育成契約に移行し、2021年も継続して前半戦に支配下へ戻ることを期待した。

平良は今年の6月7日に手術を受けているので、同じく1年半と考えた場合、2022年シーズンでの1軍登板の可能性はほとんどないと言っても良い。そうした状況下、今年はドラフトで野手3人を育成指名し、外国人のディアス、スターリンも育成で残っており、支配下の空き枠を広げる意味でも、平良の育成契約は妥当と言える。

本来の「育成契約」とこうした手術による長期リハビリは別物であり、FAの人的補償の対象についてもそうだが、DL(故障者リスト)をしっかりと制度化すべきなのだろう。

日付選手内容
6月7日平良右肘トミージョン手術
6月29日田中俊左母指基節骨 ピンニング手術
8月2日齋藤右肘クリーニング手術
8月2日飯塚右肘クリーニング手術
8月2日高田左肩クリーニング手術
8月16日入江右肘クリーニング手術
9月9日阪口右肘クリーニング手術
9月27日嶺井右肘クリーニング手術
10月11日伊藤光右肩クリーニング手術
10月11日蝦名右足関節クリーニング手術
11月1日関根右肩の烏口突起移行術
11月4日平田右肘クリーニング手術
11月25日宮城右肘クリーニング手術
ベイスターズ今季の主な手術

ベイスターズは今年、非常に多くの選手が手術を受けた。それだけリハビリのノウハウが蓄積されているし、一昔前ほどメスを入れることに抵抗感もなくなっているのだろう。人的補償の為にもっと悪質になるのであれば、最近手術を受けた平田、伊藤光、嶺井、蝦名、関根らも全て育成契約に移行すれば良いのだから、平良だけということであれば、2022年に1軍で登板することが困難だからということで説明は付くし、それほど問題のあることとは思わない。

背番号059を背負い苦しいリハビリになるだろう。トミージョン手術から復帰した田中健、東を参考に、そして希望にしつつ、2023年にローテーションへ復帰することを待ち望んでいる。これを機に、さらに進化した強い平良拳太郎が見られる日を楽しみにしたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました