NPBは10日、三井ゴールデン・グラブ賞の受賞者を発表した。セ・リーグでは投手で東、三塁手で宮崎、外野手で桑原とベイスターズから3名が受賞した。優勝した阪神からは5名が選出された。パ・リーグでは投手で山本が圧倒的な得票。全体の最多得票は近本の287票だった。
投手では球団初の受賞
2019年に一塁手でロペスが受賞して以来、ゴールデングラブは誰も獲れていなかった。2022年は桑原が獲れるだろうと思っていたが選ばれなかった。それだけに、今年も誰も獲れないだろうと思っていたが、まさか3名とは。3名が受賞するのは、5名だった1998年以来となる。
その1998年は内野で谷繁、駒田、ローズ、進藤、石井と5ポジションを占めたが、投手は読売の桑田が受賞し、そこだけは獲れていなかった。今回、東が受賞したが、投手では球団初。最多勝を獲ったことも大きく影響しているとは思うが、確かに好守で自らを助けたシーンも多かった。得票でも2位の伊藤将の60票に倍以上の差を付ける126票を獲得し、文句なしの受賞となった。
宮崎もやはり首位打者を獲得し、攻守に活躍した点が評価された。岡本和と一騎打ちという感じだったが、岡本和は途中からファーストに回っていたことも影響したか。ファーストとしても8票が入っていた。首位打者に続いて、2018年以来となる2度目の受賞となった。
桑原は外野で87票。広島の秋山と4票差での受賞となった。正直言って昨年の方がゴールデングラブに相応しいと思うが、今年も素晴らしいプレーを見せてくれたし、常にこの賞を獲ってもおかしくない選手。得票は昨年の143票から大きく減っており、近本に票が偏ったことが奏功したか。
優勝した阪神から多数選ばれるのは例年通りだが、10年連続で受賞していた菊池に3票差で中野が受賞した。セカンドは、個人的には読売の吉川と思っていたが、優勝効果は大きい。2024年は、ベイスターズも好成績を収め、さらに受賞者を増やしたい。
齋藤隆コーチは本部長付アドバイザーに
チーフ投手コーチを退任した齋藤隆氏が、本部長付アドバイザーに就任することが明らかになった。萩原チーム統括本部長付きで編成を担当。外国人選手の獲得や国内のアマチュアのスカウティングにアドバイスを送る。パドレスでフロントに携わっていた経験もある齋藤隆氏が、編成部門の強化で配転となった。
さらに同じく投手コーチだった木塚氏、ファームでコーチを務めていた永池氏もスカウトになる見込み。スカウトが増員になるのか、スカウトから異動や退団があるのか分からないが、現場でコーチを務めた経験から伸びしろのある選手の獲得が期待される。
木塚氏はアナリストかなと思っていたが、2015年に経験のあるスカウトになった。自ら獲得し、やがて投手コーチに戻って育て上げるという流れなのか。いずれにしても投手コーチの経験を生かして、良い選手を発掘して欲しい。
楽天で1軍野手総合兼外野守備走塁コーチを務めていた佐竹学氏が、アナリストに就任する見込み。走塁部分のアナリストとして、チーム力の強化に期待がかかる。
コーチは陣容が固まったが、チームスタッフも来季に向けて強化が図られている。
小園が台湾でのウィンターリーグへ
メキシコ、プエルトリコのウィンターリーグ、そしてオーストラリアのキャンベラに選手を派遣することが発表され、既に始まっているが、台湾で行われる2023アジアウィンターベースボールリーグに小園が派遣される予定となっている。
高卒2年目の今年は、ファームで17試合に登板し83.1回を投げたが、1軍デビューは実現しなかった。先月行われたフェニックスリーグでは、無四球完投勝利を挙げた。来年に向け飛躍が期待される中、かつて佐野も出場し、読売の岡本和やヤクルトの村上も経験を積んだリーグ。コロナの影響で中止されていたが4年ぶりに開催される。
秋季トレーニングではライブBPに登板し、ストレートで押し込んだ。そのストレートは回転数2400超えをマーク。ホップ成分も最大60センチを記録したという。スピードガンは140キロ中盤だが、フェニックスリーグでもストレートで押し込めていた。
150キロを投げても打たれては意味がない。質の良いストレートをコントロール良く投げられるようになって来ている。台湾のウィンターリーグでいつもと違った環境でのプレーを通して、さらに成長してくれれば来季が楽しみになる。先発投手が駒不足なら、ローテーションに入って来てもらいたい投手だ。
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