アメリカの記者が、バウアーの代理人がMLBのチームと会談し、復帰を模索していると発信した。その為、日本でもバウアーがMLB復帰かという報道があった。MLBもストーブリーグに突入し、どういう動きになるか。また、バウアーとバッテリーを組んだ伊藤が、FAを行使せずに残留を発表した。
MLBはGMミーティング中
MLBでは、7日(日本時間8日)からGMミーティングが始まっている。MLB各チームのGMを始めとしたフロント陣とFA選手の代理人などが集まる会議で、MLBのリーグ運営の改善点などを話し合う目的ではあるが、代理人も集まる為、選手の契約に関連する話もあるようだ。
その中で、アメリカのニューヨークポストの野球記者であるヘイマン氏が、Xで以下のポストをしている。
バウアーは、レイチェル・ルーバ氏とジョン・フェターロフ氏の2人が共同代理人を務めている。その2人が、MLBへの復帰を模索し、複数のチームと会談したとポスト。明記されていないが、このタイミングなのでGMミーティングに参加しているということだろうか。
バウアーは、今年の10月に訴訟が金銭の支払いなく和解しており、MLBに復帰する道筋は開けている。だが、MLBとの関係が悪く復帰は厳しいという見方もある。それでも、将来的なMLB復帰を考えれば、このGMミーティングに代理人が参加することは不思議ではない。その復帰が2024年なのか、その先なのかはまだ分からない。
MLBに詳しくないので、素人の楽観的な憶測だが、まずはGMミーティングで代理人が会談したという情報が発信されただけだと思う。バウアーほどの実力者であれば、MLBのチームが獲得を決めればすぐにオファーが来るだろうから、すぐに決まる可能性もあるだろう。だが、他のFA選手や日本からポスティングで移籍する山本や今永などの選手が優先されるのではないか。代理人が会談をしたことがオファーに直結するとは限らない。
そうなると、12月に行われるウィンターミーティングまでは何も決まらない可能性もある。そして、そこまでにMLBのオファーがなければ越年する可能性もあるのではないか。日本で見せたパフォーマンスは文句なしだが、ケガをして実戦での復帰が出来なかった。ライブBPなどでは投げていたとは言え、MLBのチームも慎重になる部分はあるように思う。
本気で沢村賞を狙っていたバウアー。彼が2024年に「したいこと」は、沢村賞の獲得なのか、MLB復帰なのか。MLBのファンからも復帰を要望する声もあるだろうし、日本が好きとは言え、半年あまり離れていたアメリカで元の生活をしたい部分もあるだろう。来年も日本で観たいが、戻れる時に戻った方がいいだろうなという思いもある。
結局は、条件面も含めてバウアーがどこを重視し、何をしたいのか。彼の行く道をわれわれは見守るしかない。前から書いている通り、始めからバウアーは今年1年だけと思っているので、彼がMLB復帰を決断することは当然だと思うし、もしも2024年になって彼がいたら、驚きを持って全力応援するだけ。ベイスターズに残るとしたら、まだ決まるまでに結構かかるのではないかと思っている。
伊藤光は制限超え減額で残留
バウアーのキャッチャーとして19試合の先発のうち18試合でバッテリーを組んだ伊藤光が、FA権を行使せずに残留を発表した。2020年から4年契約を結び、今年で満了。推定1億1000万円から4500万円ダウンの6500万円の2年契約となった。
伊藤も「移籍したいとか他球団の評価を聞いてみたいとかはなかった」と語り、「このチームで優勝したい」と残留を決めていた。山本の台頭はあるが、経験豊富なベテランの存在はチームにも大きい。40%の減額制限を僅かに超える減俸となったが、チームの評価には納得しているようだ。
4年前に三原代表から「お前に救われたんだ」という言葉をもらい、FAを封印して4年契約を結んだ。伊藤自身も移籍して救われた部分もあり、ベイスターズへの愛着は深まった。だが、この4年はケガなどの離脱が相次ぎ、思ったような活躍はできなかった。
2023年は、山本の出番が増える中で、バウアーを中心にガゼルマンや大貫ら右投手とバッテリーを組み、61試合の出場ではあったが、年間を通してベンチ入りした。これは2019年の84試合以来の数字で、4年契約の中では最多だった。
伊藤としても、4年契約をしてもらいながら欠場が相次ぎ、満足の行く数字が出せなかったという思いが強いのだろう。だからこそ年俸としては大きなダウンではあるが、それでも存在に対する評価はされていると受け取れたのだと思う。
バウアーについても、「またバッテリーを組みたい」と残留を熱望した。シーズン終了後に食事に行くはずが、すぐにレイチェルとオーストラリアに行ってしまい、2週間待たされたエピソードを披露。アメリカへ戻る前に二人で焼き鳥店に行ったそうだ。
できればまた二人のバッテリーを見たいが、もし移籍となったら、大貫や平良がしっかりとローテーションに定着するよう導き、小園や深沢などまだ経験の浅い投手が1軍で輝けるように、試合以外も含めてサポートして欲しいと思う。戸柱はまだFAを熟考中だが、まずは伊藤の残留が決まったことは大きな一歩になった。
筒香はMLBジャイアンツの招待選手に
筒香は、MLBのジャイアンツで来春のキャンプに招待選手として参加し、メジャー入りを懸けることになりそうだ。今年の8月に独立リーグからジャイアンツに移籍して2A、3Aと実戦を重ねていたが、死球を受けて骨折したこともあってメジャー復帰には至らなかった。
ジャイアンツと交渉を続ける代理人が招待選手としての契約に自信を見せている。筒香も今年はメジャーへ昇格できなかったが、手応えを掴んでいた。独立リーグではあるが、筒香らしさが戻って結果を残した。すぐにジャイアンツからオファーがあり、プレーオフでの昇格も視野にマイナーリーグで調整した。そこでも一定の数字を残しており、ジャイアンツとしても招待選手に呼ぶことを検討している状況。
骨折がどの程度影響を与えるかは分からないが、今年はもがいて手応えを掴んだ。日本で読売に復帰という声もあり、実際過去にオファーも出しているようだが、今オフの日本復帰はないと思っていた。やっと見えて来たのに、ここで日本に戻るとしたら、それこそ意味が分からない。少なくとも今掴んだ手応えを失わないうちは、帰って来ないと思う。
当然ながら再びベイスターズのユニフォームを着てくれることを願っているが、納得するまでアメリカでやってくれれば良いと思う。家族の理解も得られているのなら。正直、松井やイチローとは違うが日本でプレーせずに引退する可能性すらあると思っている。お金や出場機会ではなく、アメリカで成功することにここまで強い意志を貫くことは、賛否両論あろうが尊敬できることだと思う。
度会が日本選手権でいきなり一発
その筒香の横浜高の後輩にあたる、ドラフト1位指名を受けた度会。所属するENEOSが、社会人野球日本選手権2023に出場。11月8日に初戦を迎えた。
5番ライトでスタメン出場した度会は、2回の最初の打席でいきなり先制ホームランを放った。
150キロを超える佐藤投手の際どいボールを見極め、3ボール1ストライクから低めのストレートを捉えると、打球はライナー性で右中間のフェンスを越えて行った。今年の社会人ナンバーワンスラッガーと言われるが、やはりこれを見ると期待が高まる。
まだ21歳で大学3年生と同じ世代。これからどんな選手になっていくのか非常に楽しみだ。現状だと逆方向にも打てる中距離打者というイメージもあるが、この先30本を超えるスラッガーになる素質もある。金本もデビューした頃は非常に細く、俊足打者の割にはパンチ力があると思っていたら、やがて40発を放つ強打者に成長した。西川や近藤のように、アベレージを稼ぎながら一発もあるという打者も魅力的。いろいろな可能性があって非常に楽しみだ。
ENEOSで背番号25を付けている度会は、高校の先輩の背番号を継承するのか、それとも現在空き番になっていて、父親もヤクルトで付けていた背番号4になるのか。こちらも気になるが、日本選手権が終わるまでは仮契約などの動きはない。24日に新入団選手発表が行われるが、どんな数字を背負って登場することになるか注目される。
初戦を取ったENEOSは、13日14時から三菱自動車岡崎と対戦する。社会人最後の大会で、度会がどんな活躍を見せる。ENEOSは横浜市のチームでもあるので、今後の試合も注目したい。
ENEOSが勝ち進んだ場合の試合日程 11月16日(木) 14:00 11月18日(土) 10:00 準決勝 11月19日(日) 13:00 決勝
毎日新聞の特集サイトでは動画配信もあるので、時間の合う方はチェックを。
コメント