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石田がFA行使 戸柱らは行使せず残留

NPBは11月15日、2023年度のフリーエージェント宣言選手を公示した。FA有資格選手106名のうち7名が宣言。ベイスターズでは石田が宣言に踏み切った。注目された戸柱は、FAを行使せずに残留することを発表した。また、合同トライアウトも行われ、ベイスターズから6選手が出場した。

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Cランク左腕の行方に注目

FA宣言を行ったのは以下の7選手。

◆国内FA
西川(広島)
石田(DeNA)
山﨑福(オリックス)
平井(西武)
山川(西武)

◆海外FA
田村(ロッテ)
松井(楽天)

基本的にFAは選手の権利なので、行使するのは全く問題ないと思う。長いようで短い現役生活の中で悔いのない決断を下すべきだ。

石田は、昨年の契約更改で複数年契約を提示されながらも固辞した経緯からも、FAを行使する前提だったと思う。とは言え、ベストの成績が出せていなかったので、今オフの行使を見送る選択肢もあったはず。需要も含めて悩んだ末に残留も含めて、他球団の評価を聞くことにした。

今永がポスティングでのMLB移籍を決断した中で、今季118イニングと前年を上回った開幕投手が不要ということはありえないが、勝敗やQS率を考えると6300万円から微減か、FAで複数年契約として現状維持程度のものになるだろう。そうした条件も含めて石田が判断すること。

ベイスターズはマネーゲームは基本的にしないので、石田がFA宣言し、他球団から条件提示を受けてもそれほど条件を見直すとは思えないが、今永の移籍は影響するかも知れない。こちらは今後の推移を見守って行きたい。

西川は、最終日に宣言の手続きを行い、「他の野球がしてみたい」と異例の決別宣言。ケンカ別れとか、広島が嫌で出るわけではなく、パ・リーグの野球を経験したいという。オリックスが獲得に乗り出す見込みで、これは既に出来レースか。

山﨑福は、DeNAも含めて争奪戦になりそう。FAを取得する年にキャリアハイの成績を残し、Cランクということも併せて好条件を獲得しそうだ。こちらの争奪戦が注目される。

平井は残留が基本線だが、何があるかは分からない。そして、注目された山川は宣言に踏み切った。もともとソフトバンク移籍が既定路線のような状況ではあったが、そういうことになりそうだ。これについては賛同はしないが、環境を変えたいというのは実際のところあるだろう。

田村は宣言残留が発表されており、松井はMLB移籍を進めることになる。

注目された中田翔はFA宣言せず。締め切り時間を過ぎてスポーツ紙がWEBニュースで残留と報じた中で、2023年からの3年契約に対してオプトアウトを求め、自由契約となることが明らかになった。宣言しなかったから残留という安易な記事を書いたスポーツ紙を欺くかのような展開。これによりFAのBランクの補償や年俸のルールに左右されず、移籍先を決めることができる。中日などが獲得に乗り出すようだ。

戸柱もFA行使を最終日まで熟考していたが、Instagramでファンへのメッセージを公開し、残留を決めた。野球人として他球団の評価を聞いたり、もっと必要とされるチームでのプレーも考えたのだろうが、最終的にはファンの声とベイスターズで優勝したいという思いから残留を決めた。

伊藤が残留を決め、山本が台頭し、ファームでの松尾が順調に成長しているが、ベテランキャッチャーの存在は大きい。チームにとっては嶺井に続いて2年連続でキャッチャーが流出することだけは避けたかったので、朗報だった。

戸柱としてみれば、山本が成長して出場機会が減り、チームとしてはこの数年で松尾を正捕手に据えることを考えている状況。打力のある上甲もいる。キャッチャーというポジションで考えるとベイスターズは今後、ベテランの出場機会が縮小して行くチームなので、他球団に移ることを考えてもおかしくない。

ただ、プロ野球は競争の世界。ベイスターズ以外のチームでもこういったことは起こる。一番は、戸柱自身が使ってもらえるような状態になること。結局、どのチームでもスタメンを任せられるパフォーマンスを出す以外にない。試合に出場しない分は、これまで通りグラウンドの外でチームを支えてもらいたい。

柴田、西浦もFAを行使せず残留。既に契約更改している伊藤、大田や複数年契約の選手も行使はなく、石田だけという状況。石田との残留交渉を進めつつ、山﨑福の獲得に動いて行く。ベイスターズとしてはCランクの左腕2人に注目が集まる。

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ベイスターズが調査中の選手は出場せず

15日に、鎌ケ谷で12球団合同トライアウトが行われた。59選手が出場し、ベイスターズからは笠原、平田、田中健、田中俊、池谷、加藤が出場した。

笠原は持ち味のコントロールが安定せず、先頭を歩かせ、3人目の元ヤクルト・中山に低めを弾き返されて2ランを浴びた。ちょっと内容的には厳しいか。田中健もゾーンに投げ込んで行ったが、ロッテの西川僚に一発を浴びた。どうしても年齢がネックになりがちだが、声がかかるかどうか。

平田は、ベースボールユナイテッドのドラフトで指名されていたが、合同トライアウトにも参加。体調を崩していたようで、最初の打者は三振に取ったが、ヒットと四球で出塁を許して終了。ベースボールユナイテッドで再びその姿が見られるか。

加藤はストレートの力はある程度感じさせ、変化球で三振も奪ったが、2四球とコントロールに課題を露呈した。一方、池谷はコントロールの不安を感じさせず、球速はないものの変則フォームを生かして打ち取った。一番はNPBだろうが、既に受験しているハヤテ223には加わって来そうな感じだ。来季はウエスタンでその姿を見ることになるか。

田中俊はマルチヒットと結果を残した。走攻守である程度のレベルにある選手だが、突き抜けるものがなく、ベイスターズでは出場機会が減って行ってしまった。フィットするチームがあれば良いのだが。

野手では、注目を一番集めた高山が、長打を含むマルチヒットと結果を残した。ドラフトの抽選となると出て来る真中監督のアレだが、あの時意中のヤクルトに入っていたらどうだったんだろうと思う。ベイスターズは、ここから左打の外野手はないと思う。上林の方が先に声がかかり、トライアウトには出場していなかったが、高山に声をかける球団があるだろうか。

投手では、目を引いた投手はいたが、今季のファームの成績を見ると、確かに戦力外になっても不思議はないかと思うケースが多かった。この1試合だけで判断するものではないので、今やどのチームも置いているプロスカウトが判断していると思う。

六花亭のユニフォームで登場した多和田は、状態が戻れば最多勝投手なので期待はできそうだが、30歳でまずは育成契約といった形で声をかけるチームがあるかどうか。

最初に投げたオリックスの西濱がキレのあるボールを投げていた。85キロの登録になっているが、凄く線が細いという印象で、体が小さく見えた。Wikipedia情報だが、体重が15キロ落ちているとか。それもあってかウエスタンで3試合の登板しかなく1年で戦力外。まだ若いので育成で獲得するチームはあるかも知れない。

読売の太田は3者連続三振だったが、本人がインタビューで言っていた通り、ストレートの威力がもっと欲しかった。楽天の高田萌は、スピードが出ていたが、イースタンの成績を見ると、うーんとなってしまう。

環境が変わり、別の指導者と出会うことで大きく化けることもある。ヤクルトの連覇はそうした投手が一端を担った。しかし、この参加者でNPBの契約を得られるのはごく一部というのが現実。

合同トライアウトが終了し、戦力外通告を受けた選手の獲得も解禁となる。ベイスターズは、ソフトバンクの森唯斗、九鬼、オリックスの中川颯、読売の堀岡を調査中という報道が出ている。この4選手は、いずれも合同トライアウトには出場しなかった。

一般的に、既に契約の話が来ている選手、トライアウトでアピールする必要がない選手は出場しない。現在のところ、報道ではヤクルト、中日も戦力外となった選手を積極的に獲得するようだが、翌日以降の動きがどうなっていくか、注目したい。

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台湾ウィンターリーグに4選手

11月25日から12月17日まで台湾で行われる2023アジアウィンターベースボールリーグに、ベイスターズから小園、松本隆、高田、蓮の4選手が派遣される。来季から1軍の投手コーチを務める小杉コーチも参加する。

小園は既に報道されていたが、横浜高の同級生である度会が入団する見込みで気合の入る松本隆も参加し、レベルアップを期す。昨オフの手術で育成選手となり、今季途中で支配下に復帰した。先発として長いイニングを投げて行くのか、リリーフになるのかまだ分からないが、この実戦の中で課題に取り組み、来春のキャンプまでに2回りくらい成長して欲しい投手。

高田については、彼には悪いが正直なところ今季で終わりかなと思っていた。フェニックスリーグにも行っていないし、少なくとも育成選手にはなると思っていたが、ウィンターリーグで実戦の場に。今年はファームで後半少し良くなったという声もあるが、この実戦を通して来季、1軍の戦力になりうるところを見せて欲しい。

野手では蓮が参加する。高卒1年目だと実戦の前にまだやることがたくさんあるのが普通だが、体もできていて、実戦でバッティングを強化する段階にあるということか。フェニックスリーグでは外野守備にも就いていたが、特長のバッティングを伸ばし、出場機会を増やして行きたい。高校生の育成野手を2名ドラフトで指名したので、支配下枠を巡る競争になる。この機会を有意義に使って欲しい。

コロナが収束し、ウィンターリーグも4年ぶりに戻って来た。今年はかなり多くの選手がこの時期に各地で経験を積む。手配してくれたスタッフ、通訳など同行してくれるスタッフに報いるためにも、この期間を来季以降のプレーに生かして欲しい。

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