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牧が大谷の代打で2号! 3.11に佐々木朗希が好投

03/11 WBC 2023 第1ラウンドB組 日本10-2チェコ(東京ドーム)

初回、2アウトからクラップが二塁打。セルヴェンカのショートゴロを中野が悪送球し、先制を許した。チェコの先発、サトリアに苦しんでいた打線は、3回に吉田の2点タイムリーで逆転。4回にもヌートバー、近藤、大谷の3連続タイムリーなどで4点を追加し、主導権を握った。先発の佐々木は3回2/3を1失点、第二先発の宮城が5回からの5イニングを投げ切った。

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ポジ [Good]

3月11日。日本人であればあの日のことを思い出すだろう。12年が経ち、震災を経験していない子供たちも増えて来たが、毎年この時期になると報道されているし、避難訓練も行われるようになっているので、誰もが知っている出来事。

奇しくもこの日、WBCという世界大会が東京で行われた。そして、先発のマウンドに立ったのが佐々木朗希。2022年に松川とのバッテリーで史上最年少となるパーフェクトゲームを達成した。WBCに召集された時から栗山監督の中で、この3月11日の試合に佐々木を先発させるというのは頭にあったと思う。それに向けて順調に調整してきて実現したマウンド。

立ち上がり少し力みはあったが、気負い過ぎることもなく冷静に投げた。2アウトから163キロのインサイド低めのストレートをレフト線に弾き返された。これは打ったクラップが素晴らしかった。続くセルヴェンカはショート正面のゴロ。ランナーが目の前をよぎったが、これも当たり前のこと。中野の送球がワンバウンドになり、山川が後逸する間に先制点を与えてしまった。それでも続くM.メンシクを三振に取った。

2回以降はスライダーも使いながら、チェコ打線を力で押し、フォークを空振りさせた。四球などでランナーを背負っても冷静さは変わらず、淡々と打ち取った。4回、1アウトからストレートが引っ掛かってエスカラの足に当ててしまった。エスカラは激痛に倒れ込んだが、痛みに耐えて一塁へ向かった。足の状態を確認するかのようにファウルグラウンドを走るエスカラに、東京ドームの観衆から大きな拍手が送られた。

続くスモーラからフォークで空振り三振を奪ったところで66球。球数制限に達したため、宇田川に交代した。マウンドを降りる際、一旦ベンチに戻るエスカラとすれ違い、帽子を取って謝罪した佐々木。お互いの思いが心地よい光景だった。

打線は、チェコ先発のサトリアに手を焼いた。右のオーバースローだが、ストレートは125キロ前後で沈むような軌道で動く。115キロ前後のチェンジアップのコントロールが良く、カーブも織り交ぜて来る。アンダースローだとスピードガン表示が130キロを割ることもあるが、オーバースローでこういうボールを投げる投手は、MLBやNPBにはほぼいないだろう。

佐々木が164キロのストレートを投げ込んでいるのに対して、40キロも差があるコントラスト。侍ジャパンの打者も韓国戦で速球を見た翌日なので、なかなかこの遅いボールに合わせることができなかった。思っている以上にボールが手元まで来ないのだろう。

大谷も2打席目は、かなり手前でワンバウンドするチェンジアップに対し完全に体勢を崩されての空振りだった。あまり見られないような3球三振を喫し、ダメだこりゃというような感じでベンチへ戻った。

だが、3回に2アウト1、2塁で頼れる男・吉田正尚がレフト線へ運んで逆転の2点タイムリー。さらにこの日はスタメンの山田にもタイムリーが飛び出した。この回でサトリアは65球に達して降板。

4回は代わったフラウチからヌートバーがタイムリーを放ち、日本の打線にまたも火を付けた。近藤、大谷も連続タイムリー二塁打で続き、リードを広げた。大谷の打球速度は181キロと表示される、火の出るようなライナーだった。吉田の犠牲フライでこの回4点目を奪い、6点リードとなった。

5回に牧原のWBC初打席がタイムリーとなって1点を追加、6回に1アウト満塁と一気に決めるチャンスとなったが、山川が併殺打。7回は無得点に終わり、コールドには持ち込めなかった。

8回には大谷に代打の牧が起用され、カプカの高めに浮いたスライダーをレフトスタンドへ2号ソロ。4連戦という日程の中、点差が開いたことでヌートバーを始め、近藤や吉田も交代しており、大谷も同じく代わったのだが、球場のほとんどのファンが大谷の打席を観たいと思っていただろう。そんな中で登場し、あっさりとホームランを放ち、2度目となる世界へのデスターシャで観客を沸かせた牧。これはさすがとしか言いようがない。

その後、村上にも待望の初ヒットが生まれた。犠牲フライを放ち、四球もしっかり選んでいたが、やはり初出場となるWBCで一本が出ない苦しみはあっただろう。これで解放され、オーストラリア戦では昨秋の強化試合のようにホームランを打ってくれることだろう。

佐々木が4回2アウトで降板した後、三振を奪って役割を果たした宇田川、5回からの5イニングを68球で投げ切った宮城の投球も見事だった。宮城は最初のイニングでいきなり連打を浴び、内野ゴロ間に失点したが、その後はパーフェクトピッチングだった。今永とはタイプは異なるが、日本にとっては大きなカードの1枚になりうる好投だった。

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ヤジ [Bad]

細かいミスは出たが、言うことのない試合。このまま良い状態で1次ラウンドを通過し、勝負の準々決勝に臨んで欲しい。

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キジ [Other]

国内リーグはあるが、野球だけで生活していける状況にはなく、ほとんどの選手が他の職に就きながらプレーしているチェコ。東京ドームの満員の観衆の中、MLBの大谷らとプレーできることを楽しみに来日した。前日の中国戦では9回表に1点ビハインドをはね返し、歴史的な初勝利をマークした。

今回、予選からの初出場でよく分からないところもあり、普通にやれば勝てるだろうと思っていた。だが、中国戦で見せた打力は決して侮ることができないものだった。それでも、今大会の侍ジャパンの陣容と比較すれば、実力差は明らかだった。何が起こるか分からない一発勝負ではあるが、油断せず手を抜かず大勝できたことは非常に良かった。

チェコにとっては大敗となったが、野球そして日本を楽しんでくれただろうか。残り2試合あると思うので、思う存分野球を楽しんで帰ってもらえればと思う。チェコの人が少しでも野球に興味を持ってくれたら、彼らにとっても嬉しいことだろう。

1次ラウンドのプールBは、これで日本が3勝0敗、オーストラリアが2勝0敗、チェコが1勝1敗となった。韓国は0勝2敗で残り2試合を勝ち、チェコがオーストラリアに勝つと2勝2敗で3チームが並ぶため、直接対決での成績次第で準々決勝進出の可能性が残る。この日、3敗目となった中国は1次ラウンドでの敗退が決まった。

12日はまず12:00から韓国とチェコの試合があり、ここでチェコが敗れると2敗目となり、日本の準々決勝進出が決まる。

日本としてはそれと関係なく4連勝を目指して、12日のオーストラリア戦を戦う。先発は山本由伸で、打線も村上に待望の初ヒットが生まれて、全員で攻撃して行ける雰囲気が出てきた。昨年秋の強化試合では圧勝した相手だが、今大会は打線がよく打っているので要注意。日本の投手陣のレベルであれば、抑えられると思うが、きっちりと自分のボールを投げて欲しいと思う。リリーフは全員使える状況なので、ワンポイントはルール上できないが、総動員して抑え込みたい。

仮にチェコが勝ち、日本が敗れると準々決勝進出の行方は最終日の13日に持ち越される。13日のオーストラリア対チェコで、チェコが勝つと3勝1敗で日本も含めた3チームが並ぶため、対戦成績の内容次第となる。チェコには10-2で勝利しているので、オーストラリア戦で僅差に持ち込めば、準々決勝進出は堅いだろう。

日本が準々決勝へ進出する場合、1位通過でも2位通過でも16日(木)19時の試合となることが決定している。無事に全勝で1位通過し、16日に備えてもらいたい。その対戦相手となる1次ラウンドのプールAは混戦になっている。

1日早く開幕しているプールAは、既にパナマが2勝2敗で日程を終えたが、最終日の12日の勝敗では全チームが2勝2敗で並ぶ可能性があり、注目される。どこが相手でも16日の試合に自分たちのベストを出すだけだが、東京に来るのはどのチームになるだろうか。

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