MLBのオーナー会議で、7月開幕に向けたスケジュールが承認され、準備に動き出そうという中、2021年3月に予定されている第5回World Baseball Classic(WBC)が、2023年へ延期か中止になるという報道が出てきた。
これまでのWBCと優勝国
2021年大会の予選が中断
日本やドミニカ共和国、アメリカなど16チームは予選を免除されて、本選出場が決まっている。残り4チームの出場枠を懸けて、12か国が予選を行う予定だった。
3月13日から2組に分けて、アメリカのアリゾナ州ツーツンで実施されるはずだった予選は、新型コロナウィルスの影響で無期限の延期となっている。現時点での予選の再開の目途は立っておらず、開催できるとしても今秋以降になるだろう。2021年3月に本大会を実施するには、時間が足りない。
本選出場が決まっているチームにおいても、2020年の各国のリーグ戦も大幅な遅れで始まり、スケジュール的にも後ろ倒しになっていくことが予想される。11月末くらいまでプレーした選手が、WBCがあることにより2021年も早く仕上げなければならないのは、さまざまなリスクもあるだろう。
2023年以降に延期となる理由
2022年ではなく2023年に延期というのは、万全を期してということではなく、MLBの労使協定が関係している。
現在の労使協定が2021年12月までとなっており、第5回WBCついては、この中に盛り込まれている。2022年以降は、今後の協議となる。新たな労使協定が明確になっていない中、すぐの2022年3月の開催は難しいということだろう。WBCはMLBの主催で行われるし、選手や各球団の補償など、細かい取り決めがある。そのため、1年スライドでは交渉などの準備期間が不足する。
最短で2023年への延期だが、実質第5回は中止となり、本来第6回であった2025年まで延期される可能性もある。2023年に開催されたとしても、オリンピックが再びスライドする可能性もあるが、8月オリンピック→翌年3月WBCという日程は、一旦離れた形になる。しかし、プレミア12の次回大会が2023年となっており、今のままだと3月と11月に開催される可能性がある。
盛り上がっているのはアジアだけという感じもあるプレミア12だが、次回大会はプレミア20にする構想もあるようで、WBCの動きにより今後、検討されていくだろう。
まずは各国でリーグ戦をいかにして開催し、無観客などによる損害から立ち直り、選手の雇用を守るかに注力することになるだろう。世界的にはマイナースポーツである野球が、これらの影響で国際大会を縮小していくことがないよう、来年以降に検討を進めてもらいたいと思う。
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