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大谷がトラウトを三振に取り、日本が14年ぶり世界一

03/22 WBC 2023 決勝 日本3-2アメリカ(ローンデポ・パーク)

先発の今永が2回にターナーのソロで先制を許したが、その裏に村上がすぐさまソロを放って同点。さらに満塁からヌートバーの内野ゴロ間に勝ち越した。4回に岡本のソロで追加点を奪い、戸郷、高橋宏、伊藤、大勢と継投し、8回はダルビッシュが登板。シュワーバーにソロを浴びるが、1点リードで大谷に繋ぐ。大谷は2アウトからトラウトを空振り三振に取り、日本が14年ぶり3度目の世界一に輝いた。

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ポジ [Good]

台本があるかのような幕切れ

決勝まで行けば、大谷が9回に胴上げ投手になるのではないかと言われていた。アメリカ戦となれば、大谷の同僚でもあるトラウトと対戦する可能性もあるという話は出ていたが、「そうなるといいね」くらいのテンション。

それが、日本が1点リードした9回表の2アウトで実現する。あまりに出来過ぎたストーリーで、マンガでもこんなベタな展開にしないだろうという対戦。ホントに誰か操作してないよね?

ダルビッシュにとっては不本意だと思うが、シュワーバーのソロとターナーのヒットによって、そういう巡りになった。そして、9回先頭のマクニールを歩かせてしまったが、ベッツが真正面のセカンドゴロで併殺。このラストシーンに向けて全てが動いていたかのようだ。

チームメイトであるトラウトは、大谷の100マイルのストレートを打席で見るのは初めて。他の打者よりむしろ不利だったかも知れない。ストレートに2つ空振りし、3ボール2ストライクのペイオフピッチ。最後は力と力の激突だ!というのはマンガの世界であって、中村と大谷のバッテリーはスライダーを選択。ストライクからボールになる完璧なコースに決めて、空振り三振。

アメリカの野球ファンにとっては見たくないトラウトの姿だったかも知れないが、ある意味、大谷が優勝するなら仕方ないと思ってくれるのでは。優勝チームである日本の最初と最後の投手を務め、打者としても.435をマークし、打線を引っ張った。MVPが大谷になるのは納得。

大谷が何を成し遂げても、もう凄いとは思わないようにしているが、彼の元には何でも集まって来てしまうのだろうか。念願のWBC出場で、いきなり優勝とMVPを手にしてしまった。さらにトラウトとの伝説の勝負というオマケ付き。終わってみれば、本当に彼の大会だったと思う。

MLB移籍初年度でも参加した吉田正尚

MVPは大谷となったが、ベストナインには吉田正尚も選ばれた。大谷は二刀流で投打ともに貢献したが、打の貢献は吉田正尚が大きかった。本当によく参加してくれたと思う。

4番に入った村上がなかなか結果を出せない中、1~3番の出塁をしっかりと還し、得点力を低下させなかった。準々決勝からは4番に入り、準決勝では起死回生の同点3ラン。レッドソックスから高い評価を得て大型契約を結んだが、それが理解できる活躍ぶりだった。

吉田正尚が打線を支えていたからこそ、栗山監督も村上が打つのを待つことができた。準決勝で逆転サヨナラ打を放ち、決勝では先制点を奪われた直後に同点ソロを放った。MLBの各チームのクローザーやセットアッパーが集まっている中、リードを許す展開になると苦しくなる為、すぐさま同点にできたのは大きかった。メジャーリーガーばりの強烈な一撃だった。村上のWBCはこれが待望の1号だったが、最後にインパクトを残せたと思う。

前日はアロサレーナにホームランを捕られた岡本だが、この日は文句なしの飛距離で貴重な追加点をもたらした。結果的に決勝点となったこの1点は勝敗を分ける非常に大きな得点だった。岡本も日本を代表する打者として、世界にその存在を見せ付けた。投手の良さが目立つ日本だが、村上とともに日本の打線を引っ張って行く存在になって欲しい。

世界に誇る投手陣、今永が勝利投手

決勝の先発という大役を果たした今永。今大会5号となるターナーのソロを浴びてしまったが、臆せずインサイドへストレートを投げ込み、ストライクを先行させる投球は、メジャーリーガーたちに簡単には得点できないという意識を植え付け、ロースコアの試合展開を方向づけたと思う。後続の投手にも勇気を与える投球だったと感じた。

ターナーへのストレートはインサイドを狙ったのが真ん中に入り、腕が伸びて捉えられるコースに行ってしまった。それだけが心残りだろう。だが、その後のピンチを断ち切り、2回を投げ切った。あまり重要でないかも知れないが、決勝での勝利投手というなかなか掴めないものを手にし、歴史に名を刻んだ。無事に戻り、ベイスターズの投手としても名を刻んで欲しい。

今永以降は、短く6人の投手を継投した。一般的には、たくさんの投手を使うと中には調子の悪い投手が含まれる可能性が上がり、リスクもある作戦。だが、侍ジャパンに選出されている投手のクオリティが非常に高く、間違いは起こらなかった。

危ない場面ももちろんあったが、戸郷にしても、高橋宏にしても、自分の勝負球をきっちりと投げ切った。大勢も大きなピンチで動揺を見せず、併殺に仕留めた。本当に日本の投手はレベルが高い。日本の投手力が抜群に高いので突破できると大会の当初から予想していたが、決勝戦でもそれを見せ付けた。

普段ボールを受けることのない投手をリードし、情報が十分ではない他国の打者と対戦したキャッチャー陣、コーチやスタッフも含めてバッテリーとして称賛しておきたい。決勝戦での中村は、連覇したチームのレギュラーキャッチャーに相応しいと感じた。

ダルビッシュはシュワーバーに悔しい被弾があった。しかし、前にも書いた通りダルビッシュなくしてこのチームはなかった。実戦に出場できないと知りながら、宮崎での合宿初日から参加し、実戦で投げられない中での調整。さまざまな制約がありながらもベストを尽くした。

ダルビッシュがいたからこそ、今回のチームの雰囲気が生まれたと思う。自身の投球では本来の実力を見せることができなかったかも知れないが、彼からアドバイスを受けたり、一緒に練習したりという貴重な体験をした他の投手たちが、実力以上のものを出して優勝に導いてくれた。不本意な部分も多々あったかも知れないが、彼にとっても14年ぶりに再び手にしたWBCの優勝が全てだと思う。

1次ラウンドのプールのバラつき、日程など不公平な部分もあったかも知れない。しかし、決められたルールの中で7連勝という最高の結果を出した日本。文句の付けようのない優勝だったと思う。

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ヤジ [Bad]

もう何も言うことはない。栗山監督のこうありたい、こうあって欲しいという信念と、選手を信じることを貫き通すことで、理想を現実にした。それができるだけのメンバーも揃っていた。見事な決勝戦、そして優勝だったと思う。

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キジ [Bad]

6年ぶりの開催となったWBC。MLB主催の大会ながら、MLBで辞退する選手が多くなっていたが、コロナを経て野球興行への危機感も生まれ、サッカーワールドカップによる世界的な盛り上がりもあった。有力なMLBの選手が積極的な参加表明をしたことで、第5回大会は過去になく盛り上がったと思う。

その大会のラストシーンが大谷VSトラウトとは、何度考えても出来過ぎで、将来にわたって語り継がれる伝説のシーンになるのではないか。少なくとも我々は3年後までこのシーンをモチベーションビデオとして使うことができそうだ。

コロナ2019の影響で大会が延期された為、次回は変則的に3年後となる。2026年の第6回WBCも、今回敗退した国々が本気になってメンバーを揃え、打倒日本で立ち向かってくれれば盛り上がるだろう。

今回、栗山監督が勝ちながらも育てるという難しいミッションの中、佐々木朗希を次の日本の主軸として経験を積ませ、高橋宏斗など若い投手も呼んで決勝戦のマウンドに立たせた。次の侍ジャパンの監督に次世代を託す形になったが、まだ若い村上や岡本らが中心となり、連覇を目指すチームを作ってくれるはずだ。

夢だったWBC出場、さらには世界一まで既に手にしてしまった大谷がどう考えるかだが、3年後も中心選手としてさらなる進化を見せてくれるか。トラウトあたりが勝ち逃げは許さんと言ってくれれば良いが。ヌートバーも3年後の侍ジャパン入りを望むコメントを出していた。また会えれば楽しみだ。

ベイスターズのブログなので、ベイスターズのことを書いておくと、牧は次回こそセカンドのレギュラーとして中心になって欲しい。既にそれくらいの力はあるが、今回に関してはバッティングの調子をベストに持って行けなかった。今回はさまざまな経験をしたと思うので、3年後の大会で進化を見せて欲しい。

今永は、今回の投球でMLBからの注目がさらに高まったと思うので、本人が望むならMLBに移籍した後に迎えることになるだろう。

3年後に侍ジャパンに選出されるような選手を輩出して行きたい。森や小園、松尾と原石はいるし、伊勢や入江も今後の活躍では候補に入って来るはずだ。

本当に楽しそうに、少年のようにプレーしながらも、しっかりと優勝という結果も残した2023年のWBCメンバー。このチームの試合をもう観られないのは残念だが、本当に楽しい時間だった。ありがとう、侍ジャパン。

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