マイナビオールスターゲーム2023は、第1戦が19日にバンテリンドームナゴヤ、第2戦が20日にMAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島で開催された。8名が出場したベイスターズの選手では、宮崎が第1戦に敢闘選手賞を獲得。さらにホームランダービーでは日産EV No.1賞も受賞した。注目されたバウアーは、球種を予告して万波にホームランを浴びるなど2失点も、NPBのオールスターを楽しんだ様子だった。
ベイスターズ出場選手の成績
打撃成績
選手 | 打 | 安 | 点 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
宮崎 | 5 | 1 | 1 | 右本 | 二飛 | 投ゴ | 三併 | 三ゴ |
牧 | 3 | 1 | 1 | 中飛 | 三振 | 中安 | ||
佐野 | 3 | 0 | 0 | 一直 | 一ゴ | 右飛 | ||
関根 | 5 | 0 | 0 | 二ゴ | 中飛 | 中飛 | 捕ゴ | 二ゴ |
第1戦は、4選手とも途中出場。宮崎がこの試合セ・リーグ唯一の得点となるソロを放った。テレビ朝日の中継では、ちょうど放送席にバウアーがゲストとして来ている中、ストレートをライトポール際へ運ぶ宮崎らしい一発。バウアーも喜びを表し、逆方向へそこまで飛ばすのは信じられないとコメントした。関根はオールスター初打席はセカンドゴロに終わり、佐野と牧も凡退した。
第2戦は関根が1番ライトでスタメン。オールスター初ヒットを打ってこいということなのか、フル出場した。しかし、残念ながらヒットは出なかった。8回にはマルティネスのライト線への打球へ果敢に飛び込んだが、あと僅かに及ばなかった。捕っていればスーパーキャッチだった。
宮崎は試合前のホームランダービーに出場し、6本をスタンドに打ち込み、パ・リーグのホームラントップの万波を破った。2日間で最多の6本をマークし、マツダで日産EV No.1賞を受賞することになった。7番DHでスタメン出場し、こちらもフル出場という形になった。連夜の活躍とはいかず、併殺打を含む3打数ノーヒットだった。
佐野は2番レフトでスタメン出場。2打席目は、ライトスタンドまであと少し届かずライトフライ。打った瞬間は行くかなと思ったが失速した。隣の岡山県出身で高校は広島の広陵高校。地元で良いところを見せたかったが、今年のオールスターはノーヒットで終わった。
牧は5番セカンドでスタメン。2打席目に二塁打の岡本和をセンター前タイムリーで還した。本人はホームランを狙っていたそうだが、詰まって右中間に落ちるヒットになった。
セ・リーグは2試合で2点しか取れず、いずれもベイスターズ勢の打点となった。
投手成績
選手 | 回 | 球 | 打 | 安 | 責 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
東 | 1 | 15 | 4 | 1 | 0 | 三振 | 二安 | 右飛 | 遊ゴ | ||
山崎 | 1 | 6 | 4 | 1 | 0 | 三邪 | 三ゴ | 右安 | 二ゴ | ||
今永 | 1 | 10 | 3 | 0 | 0 | 遊ゴ | 左飛 | 三振 | |||
バウアー | 1 | 24 | 6 | 3 | 0 | 左本 | 二ゴ | 中安 | 左安 | 三ゴ | 一飛 |
東は第1戦、愛工大名電高時代に過ごした名古屋で登板。先頭の外崎に3球連続ストレートの後、チェンジアップで空振り三振。近藤にはセカンドのグラブを弾く内野安打を打たれたが、松本剛をチェンジアップでライトフライ、柳田をストレートでショートごとに打ち取った。先発から中2日ということもあり1イニング。無失点で終えられてホッとしたようだ。
山崎は第1戦の8回に登板。6球で打者4人と対戦し、全てナックルを投げた。これまではナックルも交えて投げていたが、ナックルしか投げないとは思わなかった。マルティネスにライト前ヒットを打たれたが、他の打者はタイミングが取れず、捉えられなかった。レギュラーシーズンでもナックルを投げてはどうかという声も出そうだが、指にかけないボールなので、他の球種の間隔がズレるので投げないそうだ。
今永は第2戦の2番手で3回に登板。こちらは10球全てがストレート。杉本、中村晃を押し込んで打ち取ると、近藤から空振り三振を奪った。貫禄の投球だった。怪我をしていたり、選ばれなかったりで、これが2度目の出場となった。後半戦はチームの優勝に向けて貢献するとともに、初のタイトルにも挑戦して欲しい。
続けてバウアーが4回に登板。公表していた通り、打者に球種を伝えてから投げていたが、万波にソロを浴びるなど3安打2失点。それでもオールスターを存分に楽しんでいる様子だった。
宣言通り全球で球種を予告
プラスワン投票で約36万票を集め、滑り込みで最後にオールスター出場を決めたバウアーだが、そこはサイヤング賞投手。大きな注目を集め、中継でも主役の扱いだった。
当然ながら自身のVLOG用に、常にカメラを持っての行動。第1戦は登板の予定がなかったため、多くの選手とも交流し、テレビ朝日の中継では放送席に招かれた。隣には解説の松坂氏が座っており、バウアーはインディアンスのマイナーリーグ時代に松坂氏とプレーしていたようで、再会を喜ぶとともに、野球界は意外と狭いと感慨にふけった。
18日の個人ファンクラブのトークイベントで公表した通り、打者に球種を予告してからの勝負をしていた。「何が来るかがわかっていれば、それに合わせた一番強いスイングをしてくると思う。自分のベストと相手のベストがぶつかることが一番面白い野球の勝負なんじゃないかと思った」と意図を説明。
先頭の万波には、最初は予告した球種がうまく伝わっていないようだった。4球目のストレートに詰まり、打球はキャッチャー右後方へのファウルフライ。バウアーが球種を予告しての三振を狙っていることを知っていた大城が、これをわざと捕球しなかったと思った。だが、本当に落球したようで、バウアーにナイスキャッチャーと声をかけられた。公式戦なら怒られていたかも。
7球目のスライダーは肩口から真ん中高めに入り、これを万波が見事に左中間スタンドへ運んだ。交流戦でも万波に一発を浴びていたが、パ・リーグのホームラン王争いのトップに立つ実力を前に、バウアーも笑顔で拍手を送っていた。
柳田は155キロのストレートで押し込み、セカンドゴロに打ち取った。紅林には3ボールとなり、4球目のストレートがアウトサイドに決まったが、バットの先に当たった打球はセンターの前に落ちた。続く安田にもストレートをレフト前に運ばれ、ランエンドヒットで1、3塁となった。
若月はアウトサイドへのスライダーを引っ掛けさせてサードゴロ。この間に紅林が還って2点目。小深田は153キロのストレートでファーストフライに打ち取った。
111球の登板から中2日だったが、24球を要してしまった。だが、大城のエラーで自責点はゼロということなった。ファウルフライがエラーとなり、継続された打者が得点しても自責点ではなく、2アウトになってエラーがなければ3アウトだった場面なので、そこから先の失点も自責点にならない。
佐々木朗希や山本由伸、平良海馬など多くの投手に投げ方などを聞きに行ったバウアー。もちろん戸郷らに聞かれるシチュエーションも多かったが、特に山本のほとんど足を上げないフォームは第2戦の登板で試してみるなど、本当に好奇心旺盛で向上心が強い。
ファンにとってはバウアーに投票して良かったと思えるような、楽しんでいる様子が見えた。だが、約束したオールスターの舞台裏を見せるVLOGはこれから。日曜のVLOGが楽しみだ。
バウアーに限らず出場した8人が非常に楽しんでいる様子が見られて良かった。フィジカル的にはなかなか休めなかったかも知れないが、メンタル的には野球を楽しめたと思うので、1日しか休みがないが、後半戦はリフレッシュし優勝に向けて戦って欲しい。
バウアーとの交流もあったし、同じ歳の牧との交流もあって、ベイスターズ関連の写真や映像で登場することが多かった細川。ホームランダービーでも決勝に進出するなど、非常に存在感を見せていた。試合では結果が出なかったが、ベイスターズファン、細川ファンとしては複雑な気持ちにもなる活躍だったが、ここまでの選手に成長してくれて感慨深いものもある。あと、小笠原くんもベイスターズとの絡みが多かった。FAで待ってるよ。
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