06/29 横浜DeNA4-2阪神(ハマスタ)
ヒットの本数の割に得点が入っていないというのがいつものベイスターズのパターンだが、この試合は5安打で4得点。阪神に10安打を許しながらも2点に抑え、逃げ切った。初回に石田が佐藤輝のタイムリーで先制されたが、その裏佐野の2ランで逆転。しかし2回、山本にソロを浴び、リードをすぐに吐き出す。4回にノーアウト満塁のチャンスを作ると、ソトと嶺井が連続で犠飛を打ち上げ2点を勝ち越し。石田からクリスキー、エスコバー、伊勢、山崎と継投が決まった。
ポジ
佐野が初回に逆転の9号2ラン。死球で出塁した桑原を置いて、2球目の真ん中ストレートを捉えた。打った瞬間にこれは行くかなと思ったが、意外と着弾地点はギリギリだった。前日に続いて初回に先制されてしまった後だけに、貴重な一発だった。
4回は牧、宮崎、大和の3連打。しかし牧が還れずノーアウト満塁でソト。前日3安打3打点と活躍し、この日も最初の打席に詰まりながら外野へ運ぶヒットを放った。ノーアウト満塁は最初の打者が重要というところ、初球のツーシームに少し差し込まれたが、センターのフェンス近くまで運び、悠々と犠牲フライ。前日に続いてチームに決勝点をもたらした。
嶺井も初球のスライダーをセンターへ運び、宮崎が何とかホームへ還り、これも犠牲フライ。2者連続犠牲フライは、ベイスターズにとっては珍しい。しかもいずれも初球。得点の取り方は上手くないベイスターズだが、きっちりと2点を勝ち越した。
石田は、初回に先制点を許し、逆転したもらった後の2回には、アウトサイドへストレートが浮き、山本が叩いた打球は風の影響も受けて、ギリギリにスタンドへ届いた。コロナから復帰後は、得点した直後にリードを吐き出す展開が目立っていた。ここも同じ失敗をしてしまった。
しかし、3回のピンチを切り抜けると、4回は三者凡退で片付けた。このリズムが味方の攻撃に繋がって2点を勝ち越し。だが、6回は先頭の佐藤輝を歩かせ、大山は打ち取ったが糸原にライト前ヒットで繋がれた。ホームランを打たれている山本のところで、クリスキーと交代した。
5回1/3を2失点では及第点とは言えないかも知れないが、コロナから復帰してまだ勝利がなかったことを考えれば、まず一つ勝ってというところ。勝利投手の権利を手にした状態で代わり、リリーフに支えられて3月30日以来の2勝目。ヒーローインタビューで話していた通り、次は長いイニングを投げ、内容も見せて欲しい。
代わったクリスキーが好リリーフ。山本にはボールが先行したが最後はスプリットが高めからゾーンに決まり、見逃し三振。ロハスJr.も内野フライに打ち取った。クリスキーがこういった場面でも使えるとリリーフに厚みが出て来る。しっかりとホールドを挙げて貢献した。
エスコバーは島田にバントヒットを決められたが、近本を見逃し三振に取った。伊勢も大山にレフト線を破られたが、落ち着いて後続を断った。最後は、山崎が151キロをマークするストレートの強さを見せ、低めに集める投球で3人をいずれもゴロに打ち取った。山崎は15セーブ目を挙げた。
打線は、4回の3連打以降はノーヒット。5回から8回までは阪神のリリーフ陣にパーフェクトに抑えられたが、こちらのリリーフ陣も流れを渡さなかった。5安打ながら4得点を挙げ、倍の10安打を放った阪神を2点に抑えての勝利。らしくない攻撃の内容だったが、たまにはこういう勝ち方があっても良い。
ヤジ
5回以降にあと1点取りたい展開だったが、阪神のリリーフから出塁すらできなかった。流れが変わってしまいそうな展開で逃げ切れたのは、クリスキーも含めた勝ちパターンのリリーフ陣の賜物。だが、3戦目に向けて流れは掴み切れていない。
キジ
I☆YOKOHAMA Seriesは、阪神に連勝。これでハマスタでの阪神戦は、ナイターは5戦全勝。土日のデーゲームで2敗しているところが今季を物語るが、阪神のホームのようだったハマスタで、しっかりと戦えるようになっている。
横浜F・マリノスとのコラボも連勝によりイメージが良くなっているし、マスコットや選手、OBなどの来場もあって、来季以降も恒例化する希望も出ている。3戦目も勝ってスイープしたら、ユニフォームをこのコラボユニに変えちゃってもいいんじゃないの、というくらい。
この日、ヤクルトが広島に勝利し、広島の自力優勝が消えた。自力優勝って何なの?という方は、下記の記事を見てもらうとして、現状のセ・リーグについて解説。
自力優勝は日本特有の表現であって、首位チームから見た場合の「あと何勝すれば優勝決定」というマジックナンバーが点灯する条件になっている。
マジックを計算する上で、「相手のチームが残り試合全勝して来たとしても」自分のチームがこれだけ勝てば絶対に優勝という数字が必要になる。相手チームが全勝という条件なので、そのチームとの直接対決は全て負ける前提になる。直接対決の残り試合が、残りこれだけ勝てば優勝とした場合の負け数よりも少なくなると、それが現実的に可能となる。
下位チーム側から言うと、自分のチームが全勝しても首位チームがこれだけ勝ったら上回れないという残り試合の勝敗に対し、負け数より直接対決の残り試合が多い場合、自分のチームが全勝するだけでそれを阻止できる。そのため、自力優勝があることになる。逆に、直接対決の残り試合が少なくなった場合、自分のチームが全勝したとしても、首位チームがそれ以外を勝ってしまったら上回れない状況、これが自力優勝がない状態。
順 | 球団 | 試 | 勝 | 敗 | 分 | 残 | 直 | 全勝 | ヤ残 | V勝率 |
1 | ヤ | 73 | 49 | 23 | 1 | 70 | – | – | – | – |
2 | 読 | 78 | 40 | 38 | 0 | 65 | 13 | .734 | 56-14 | .739 |
3 | 広 | 75 | 35 | 37 | 3 | 68 | 14 | .736 | 56-14 | .739 |
4 | 阪 | 76 | 34 | 40 | 2 | 67 | 13 | .716 | 53-17 | .718 |
5 | De | 69 | 31 | 38 | 0 | 74 | 16 | .734 | 56-14 | .739 |
6 | 中 | 73 | 31 | 42 | 0 | 70 | 14 | .706 | 52-18 | .711 |
これが6/29終了時の順位表。各チームの残り試合数が「残」。「直」はヤクルトとの直接対決の試合数を表す。「全勝」は、それぞれ残り試合を全勝した場合の勝率。その勝率を上回るために必要となる、ヤクルトの残り70試合の成績が「ヤ残」で、その時の勝率が「V勝率」となっている。引き分けを加味するともう少し複雑になるので省略している。
まず2位の読売は、残り65試合を全勝すると105勝38敗の勝率.734となる。ヤクルトが残り70試合を56勝14敗で行った場合、105勝37敗1分となり、勝率.739で読売を上回る。従って、読売は残りを全勝したとしても、ヤクルトが56勝してしまったら、絶対に上回ることができない。読売とヤクルトの直接対決は13試合なので、ヤクルトは14敗することができるため、読売には自力優勝がない。
他のチームも同様に計算できる。広島も直接対決が14試合に減ったので、読売と同様に14敗したとしてもヤクルトは56勝すれば優勝できるので、この日に自力優勝がなくなった。
自力優勝が残っているのは、DeNAだけ。何故5位のチームだけ残っているかというと、直接対決が多いことと負け数が少ないことが理由。負け数が少ない、すなわち残り試合が多いので全勝と仮定した場合に勝率が高くなる。
DeNAは残り74試合に全勝すると、読売と同じく105勝38敗になる。ヤクルトがこれを上回るには、最低でも56勝14敗で乗り切る必要がある。しかし、直接対決が16試合あるので、DeNAが全勝した場合の仮定に対して、16敗はしてしまうので、他の試合を全て勝ってもDeNAを上回れない。このため、DeNAには自力優勝があるという状態になる。
30日にヤクルトが勝ち、DeNAが敗れても、直接対決は減らないので、DeNAの自力優勝は消滅しない。ヤクルトは54勝15敗が必要になるからだ。何とか史上初の6月中のマジック点灯は防ぐことができた。しかし、7月1日からはヤクルトとの直接対決で、試合を消化するだけで減ってしまう。ここで勝ち続けないとDeNAの自力優勝も消え、マジックが点灯する可能性がある。
自力優勝は一度消えても復活するもの。ただし、直接対決が減るとマジックも消えない。「自力」が消えているということは「他力」が必要ということなので、ヤクルトが他のチームに敗れ、自分のチームが勝って行けば復活する。
まだ試合数も半分の状況で「全勝」というありえない想定をするので、数字も大きいしピンと来ないとは思うが、自力優勝が消えるという状況は、マジック点灯に近づき、優勝へのカウントダウンが始まるということ。残り試合数の関係で5位DeNAがマジック点灯の最後の砦になっているが、週末の直接対決を前に、もう一つ勝利を重ねておきたい。ヤクルトが負けないからね。
前回、やっと今季初勝利を挙げた東が先発する。一つ勝ってどう変わるか。以前、紹介したが1999年の三浦監督も自身初の開幕投手を務めながら6連敗。6月下旬にやっと初勝利をし、そこから9勝を挙げている。東もそのようにV字回復ができるかどうか。
4月のハマスタ平日ナイターでは、阪神をスイープしている。あの時とは阪神のチーム状態は全く異なるが、その再現がなるかどうか。現地に行く予定だが、さすがに3つ行けないんじゃない?と弱気になっている。現地3勝12敗なもので、楽観的には捉えられない。マリノスとのコラボを楽しんで来ようと思う。できれば、マリノスのサポーターでハマスタは初めて来たという方々に良い姿を見せたい。(自分が勝ちゲーム観たいだけ)
頼むよ、勝利の女神マリン様。
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