02/10 紅白戦 白組3-8紅組(ユニオンですから宜野湾)
横浜DeNAベイスターズの春季キャンプは、10日から第3クールに入った。初日は12:30から紅白戦が行われた。7回制の特別ルールで行われた試合は、初回に度会、石上の連打から井上の犠牲フライとルーキー3人で先制。4回には3人がいずれもヒットを放ち、一挙6点を挙げた。西巻も3安打を放ち、好守にアピールした。
紅白戦の結果詳細
スコア
紅 110 600 0 | 8 白 000 111 0 | 3 盗塁:西巻(3回)、京田(3回)、京田(4回)、松尾(6回) 走塁死:度会(6回) 暴投:宮城(4回)、ディアス(5回) 失策:西浦(5回)、度会(6回)、井上(7回)
打撃成績
紅 | 紅組 | 打 | 安 | 点 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | |
[9] | 度会 | 4 | 3 | 2 | 右安 | 中安(1) | 左飛 | 右2(1) | 四球 | |||
[4]6 | 石上 | 5 | 3 | 0 | 右安 | 一ゴロ | 右中2 | 見三振 | 右安 | |||
[5] | 井上 | 3 | 1 | 1 | 右犠(1) | 四球 | 左安 | 左飛 | 空三振 | |||
[7] | 東妻 | 5 | 1 | 1 | 三飛 | 中飛 | 右安(1) | 一失 | 左飛 | |||
[8] | 梶原 | 4 | 0 | 0 | 四球 | 空三振 | 一ゴロ | 空三振 | 左飛 | |||
[3]4 | 西巻 | 5 | 3 | 1 | 一邪飛 | 中安 | 中安(1) | 右安 | 空三振 | |||
[2] | 益子 | 2 | 2 | 1 | 中安 | 四球 | 中安(1) | 四球 | ||||
[6]3 | 京田 | 4 | 2 | 2 | 中安 | 二ゴロ | 右安(2) | 左飛 | ||||
[D] | 山本 | 3 | 0 | 0 | 遊飛 | 四球 | 空三振 | 捕邪飛 | ||||
35 | 15 | 8 |
白 | 白組 | 打 | 安 | 点 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
[D] | 佐野 | 2 | 2 | 0 | 右安 | 右安 | – | – | |||
[6] | 林 | 4 | 1 | 0 | 左飛 | 空三振 | 中安 | 空三振 | |||
[7] | 勝又 | 4 | 1 | 0 | 左安 | 投ゴロ | 遊ゴ併 | 遊ゴロ | |||
[8] | 蝦名 | 3 | 1 | 0 | 三直 | 左安 | 空三振 | 中飛 | |||
[3]5 | 知野 | 3 | 0 | 0 | 二飛 | 四球 | 見三振 | 三失 | |||
[2] | 松尾 | 3 | 0 | 0 | 投ゴロ | 三ゴロ | 四球 | 二ゴロ | |||
[9] | 関根 | 3 | 1 | 1 | 二飛 | 二ゴ(1) | 中安 | ||||
[5]3 | 西浦 | 3 | 1 | 1 | 一飛 | 一邪飛 | 中安(1) | ||||
[4] | 柴田 | 3 | 1 | 0 | 投ゴロ | 右中2 | 空三振 | ||||
28 | 8 | 2 |
投手成績
紅 | 紅組 | 回 | 打 | 安 | 振 | 球 | 失 |
○ | 中川颯 | 2 | 8 | 2 | 0 | 0 | 0 |
宮城 | 2 | 9 | 2 | 1 | 1 | 1 | |
マルセリーノ | 2 | 10 | 4 | 4 | 1 | 2 | |
石川 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 |
白 | 白組 | 回 | 打 | 安 | 振 | 球 | 失 |
● | 小園 | 2 | 13 | 5 | 0 | 2 | 2 |
徳山 | 2 | 16 | 8 | 2 | 2 | 6 | |
ディアス | 2 | 10 | 2 | 2 | 2 | 0 | |
中川虎 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 |
ルーキー3人が並ぶ打線が機能
A班に参加している野手のルーキー3人が、紅組の1番から3番に並ぶことが試合前からの注目ポイントだった。白組の先発は2年連続で小園。試合開始後、いきなりルーキーたちが魅せた。
先頭の度会は、追い込まれながらコンパクトに打ち返してライト前ヒット。注目が集まる期待のドラ1ルーキーがいきなり結果を残して見せた。続く石上も変化球をライト前へ運んでノーアウト1、3塁。2023年は1、2番の出塁率がリーグ最低で、こういった野球が見られなかったが、最高のチャンスメイクだった。
ここで井上はライトへ運び、犠牲フライで先制点を挙げた。タイムリーとは行かなかったが、フルスイングが持ち味の井上が追い込まれてからは、きっちりとミートして最低限の外野フライを打てたことは評価できる。
度会は、2回も1アウト1、3塁で小園の横を抜くセンター前タイムリーヒット。きっちりと打点も挙げた。
4回は、先頭の石上がセンターとライトの間に落ちるヒットで、蝦名が弾く間に二塁打とした。井上は高めを巧くレフトへ運ぶヒット。ノーアウト1、3塁とチャンスを拡大した。ルーキーの活躍に刺激されたか、東妻、西巻、益子、京田がタイムリーを放って5点を追加。
そして、度会に4回にして4打席目が回って来る。徳山の低めのストレートを捉えると、打球は逆風に負けずフェンスに直撃。タイムリー二塁打となった。
度会の5打席目は四球、石上がライトへ鋭い当たりのヒットを放ち、度会に続いて3安打猛打賞。ルーキーの活躍で紅組が8-3の大勝となった。
度会は、多くの人が期待する中で、しっかりと結果を残したことは流石だし、スター性があると思う。2ストライクと追い込まれたらコンパクトに振れており、4打席目のように若いカウントから得意のコースに来れば長打も打てる。風の影響を受けなければスタンドインという打球だった。あとは、左腕からどれくらい打てるか。対外試合でもそのポイントを見て行きたい。
石上は、ライブBPで石川からレフトへ柵越えを放っており、プロ入り前から評価のあるパンチ力をここでも発揮した。3本のヒットはいずれも鋭く打ち返せており、軸のブレないフォームから力強い打球を打てることは、現状でショートを争うメンバーの中でもストロングポイントになる。
左の牧と言うとさすがに言い過ぎかも知れないが、それくらいの強さがあると思う。牧もルーキーイヤーにこの紅白戦でホームランを放ち、開幕1軍、スタメンに弾みを付けたので、3安打という結果をそのような形に結び付けたい。ファーストがオースティン、セカンド牧、サード宮崎とすると、出られるのはショートしかない。守備が課題になると思うが、キャンプから実戦の中で成長させ、レギュラー争いに加わりたい。
井上は、フルスイングが持ち味だが、ケースバッティングができている。2打席目でも四球を選んでおり、とにかく振るだけという感じではない。今後の試合の中で、彼の魅力である長打力も見せて欲しいが、1軍で結果を出すための要素は持ち合わせていると思う。こちらも守備が課題になる。サードは宮崎がいるが、全試合スタメンで出られるわけではない。サードのバックアップと代打で開幕1軍を勝ち取るために、今後の試合でも結果を残して行きたい。
西巻が投打に活躍
ルーキーたちの活躍に、先輩たちも刺激を受けないはずがない。もちろん、結果が出た選手と出なかった選手もいるが、中でも目立ったのは西巻だろう。
バッティングではセンターから右方向へ打ち返して3安打。4回にはタイムリーも放った。そして、ファーストの守備では後方の小フライを巧く捕り、フェンス際のファウルフライもしっかりとグラブに収めた。セカンドに回った後、最後の松尾の打球もよく追いついて、一塁をアウトにする良い送球だったと思う。
若いが既に3球団目。育成選手で入団し、2023年に支配下登録されて2年目ということで、猶予はあまりなく今年に懸けるしかない選手。A班に選出され、こうした実戦でも生き残りを懸ける。力み過ぎることなく結果を出せたことは、まず大きな一歩。今後の対外試合でもチャンスを得て、結果を残して行きたい。右打者で内野のユーティリティということだと知野との争いになる。バッティングでもアピールが必要になる。
減量してキャンプに臨んだ京田も、2点タイムリーを含むマルチヒット。昨年はポイントを手前にし過ぎて、強い打球を打てていなかった。データ上は、今永の方が打球速度が速かったという。この日は思ったようなバッティングができたのではないか。2盗塁とチームに足りない走力も見せた。石上の活躍を刺激にしつつ、レギュラー争いに勝ち抜きたい。
白組では佐野がマルチヒット。本来であればこの時期の実戦には出場しない選手だが、フォーム変更と有鉤骨骨折からの復帰という面で、バッティングの感覚を掴みたかったのだろう。バッティングとしてもある程度納得できるものだったかと思う。DHとして2打席立ったところで交代したため、白組はその後8人で打順を回した。
投手では中川虎が7回に登板し、フライアウトを2つ奪った後、3安打の西巻から空振り三振を奪った。今年は開幕からリリーフとして1軍に定着したいところ。ストレートの強さを磨き、落ちるボールで空振りを取って行きたい。ライブBPでは不安もあった石川は、ゴロを打たせて打ち取った。
中川颯も、しっかりと持ち味を出して無失点の抑え、先発ローテーション争いの一歩を踏み出した。ただ、やはり左打者への対策が鍵になって来る。次回以降の登板で左打者との対戦を注目したい。
結果が出なかった選手は、次のチャンスで挽回したい。小園は、ライブBPではストレートで押せている感じがあったが、この日は押し切れなかった。ストレートで押し込めればもっと変化球が生きて来るはずだ。何球か低めに落ちるボールで空振りを取れていたので、あとは精度を上げる必要があるだろう。
徳山は、期待していたが結果としては打ち込まれてしまった。最初のイニング、先頭の梶原を三振にとって良いスタートかと思ったが、西巻にセンター前へ運ばれると2つの四球で満塁。ここは度会が打ち上げてしまい、無失点で切り抜けた。
しかし、2イニング目の4回は甘く入ったところをことごとくヒットにされた。カウントをどう作り、勝負球を精度良く投げ込めるかが課題。この日打ち込まれた原因を探り、今後の登板にどう生かすか。開幕1軍を争うためにも、次の登板では内容と結果が求められるだろう。
ディアスとマルセリーノは、荒れ球も持ち味の一つ。現時点でこれくらい投げられれば十分。特にマルセリーノは失点はしたが、三振を取れていたので、今後もっと精度を上げて行けると結果が残せそうだ。
結果が出た選手、出なかった選手がいるが、まだ最初の実戦が終わったところなので、今後の対外試合で取り返すチャンスはある。ちなみに、昨年の紅白戦がどうだったのか覚えている人も少ないだろう。
WBC日本代表に選出された牧が、早めの仕上げで出場し、タイムリーを放ったが、全体的に投手の仕上がりが良く、紅組は僅か2安打だった。森敬斗が坂本から頭部に死球を受けたのはインパクトとして残っているかも知れない。
2024年は対照的に、特に紅組の打線の活発さが目立った試合となった。ファンとしては、この紅白戦の結果で一喜一憂するのも楽しみ方の一つだとは思うが、当然ながら対外試合でもない最初の実戦に過ぎない。この試合で開幕スタメンや開幕1軍が決まることはない。ただ、結果を残した選手には今後のチャンスが増えて来ると思う。開幕1軍の争いはまさに今、始まったところ。今後も注目して行きたい。
11日は通常の練習となる。12:00からのランチ打では、ジャクソン、森唯斗、平良、上茶谷、松本凌の5投手が、それぞれ20球前後を投げる。実戦ではないが、打者に投げるという点でジャクソンと松本凌は注目したい。
12日には今季初の対外試合となる中日戦が、12:30からユニオンですからスタジアム宜野湾で行われる予定。紅白戦で活躍した選手がチャンスをもらえると思うが、結果が出なかった選手も切り替えてアピールの場にして行きたい。
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