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ヤクルトにとって都合の良い相手 CSで反撃を

10/03 東京ヤクルト8-2横浜DeNA(神宮)

神宮の今季最終戦。村上の56号に注目が集まり、3選手の引退試合。ソトの2ランで先行するも、3回に坂本が内川に同点打を打たれた後、キブレハンに3ランを浴びる。その後も田中健が内山壮、長岡に連続ホームランを浴び、7回には入江が、村上に56号ソロを浴びた。引退する3選手にしっかりと花を持たせ、村上の56号まで打たれた。ヤクルトにとっては描いた通りの最終戦を見事に演出した。

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ポジ

佐野が最終戦で161本目のヒットを放ち、リーグトップの岡林に並んだ。ヤクルトが佐野シフトを敷き、ショートが一二塁間に守っていたが、三遊間を抜くクリーンヒットだった。速い当たりだったし、ショートがよほどサード寄りに守らない限り、シフトとは関係なくヒットだったかと思う。

8回の4打席目は、詰まらされたハーフライナー。単独での獲得にはならなかったが、2020年の首位打者に続くタイトル。チームでは2017年のロペス以来となり、左打者では2001年の石井琢朗以来ということだ。左打者ではあるが、足は遅い方で内野安打は少ない。打順もほとんど3番を打っていた中で、コロナの影響を大きく受けず、ケガによる10試合の欠場以外は、試合に出続けて3割を超えるアベレージをマークした。

打率、本塁打、打点、盗塁に比べると地味なタイトルではあるが、佐野が獲得するということには大きな意味があるのではないか。ポストシーズンでもそのバッティングでチームを勝利に導いて欲しい。

ソトがこの日もマルチヒット。最初の打席は、小川の真ん中に入った失投を見逃さず、打った瞬間という完璧な当たりで、レフトスタンドの深い位置まで叩き込んだ。これが17号は物足りない数字。右手首の違和感で開幕に間に合わず、半月ほど遅れて復帰。最初は打ちまくったが、5月と6月は全く打てず、ホームランからも遠ざかった。

7月に数字が上がって来たところでコロナの陽性判定を受け、離脱を余儀なくされた。そんな中で.266、17本塁打に終わった。期待が大きいが、これくらいの数字が現状の適正値なのかも知れない。2023年まで契約があるので、最終年でどれだけの数字を出せるか。

9回もバットの先ながら左中間に運んで二塁打。CSに向けてはソトが上り調子なのは心強い。今年は阪神戦の数字は良くないが、ロースコアが予想される中で長打の魅力はある。青柳を相手にスタメンを外すのかどうかも注目が集まる。

投手陣では京山が素晴らしいボールを投げていた。5回には村上と対戦し、高めのストレートでファーストゴロに打ち取った。打者5人をパーフェクトに抑え、CSのベンチ入りを強烈にアピールした。シーズン中も坂本と2段構えでリリーフを経験しており、CSの先発5人も固まっていることからリリーフでの登板が予想される。

そして、5回2アウトから東にスイッチ。連投とイニング途中の登板をテストした。丸山をセカンドゴロに打ち取ったが、前進した牧がグラブに入れられずお手玉。タイミングが微妙だったので記録はヒットとなった。キブレハンには真ん中のストレートをセンターのフェンス間際まで運ばれたが、何とか球威で押し込めた。リリーフに慣れて来て、出力も上がって来ている。田中健が今一つの状態なので、東に頼ることになりそうだ。

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ヤジ

期待もしていない選手は、そもそも触れもしないのだが、坂本はスルーできないだろう。CSに向けて見極めの機会をもらったが、残念な結果だった。引退試合ということもあり、坂口と内川に2打席ずつ対戦し、投げづらい面もあったかと思うが、それ以前の問題。

結局、どういう投手になって、どのように抑えて行くつもりなのか、ずっと見えない。1軍、2軍の投手コーチ、バッテリーコーチ、さらには小谷アドバイザーと相談しつつ考えてはいるのだろうが、どうにも中途半端な感じが否めない。

150キロのスピードがあるわけではないので、キレで勝負。その割には球威が物足りない。小柄なので角度は付かない。フォーム的にもオーソドックスなので、打者としてはタイミングも取りやすい。変化球もカット、ツーシーム、チェンジアップ、スライダーと種類はあるが、球速帯が全て130キロ台で、カーブも投げるが自信がないのか、割合が少ない。その為、緩急も使えていないので、さらに打者がタイミングを合わせやすくなる。

さすがにこの日の結果で、CSで使おうとは思えないので、登録抹消になると思う。というより、フェニックスリーグで投げつつ、秋季キャンプで自分の投球を見つめ直した方が良い。

現状だと球威もそれほどなく、かと言ってコントロールが良いわけでもなく、邪魔なボールもないしフォーム的なアドバンテージもない、中途半端な投手になってしまっており、先発でもリリーフでも難しい。球威を上げて行くのであれば、スピードよりも東のように回転数を意識して磨くべきだろうし、緩急を付けていくなら、カーブの精度を上げ、チェンジアップももっと抜けるような形に改良することが必要だろう。そして、パワーピッチャーではないのだから、アウトサイドの出し入れができるレベルのコントロールも必要となる。

この点、一番近いのは石田だと思うので、彼の投球を参考にして自身を高めてもらいたい。それでも上手く行かないなら、もっと打者からボールの出所が見づらい形にフォームをマイナーチェンジすることも考えなければならないだろうが、これは最終手段で、自らのピッチングを崩すリスクもある。なかなかここに踏み切るのは難しいだろうが、来季は大卒4年目でそれほどのんびりしている時間はない。

田中健は、ヤクルト若手のホープ、内山壮と長岡に連続ホームランを浴びた。内山壮にはアウトサイド低めのストレート、長岡にはアウトサイドのスライダーを持って行かれた。コース的にはそれ程悪くないことが余計に深刻だ。

肉離れを起こす前は本当に素晴らしいリリーフを見せていただけに、ケガの影響もあるだろう。週刊誌報道の影響はプロなのでないと思いたいが、人間なので全くないということもなさそうだ。エスコバーも含め、左腕リリーフがやや不安。中野、近本、佐藤輝、糸原、島田など左打者が多い阪神打線を相手に出番もありそうだが、残りの期間で調整して上げて来て欲しい。

入江は、代わり端の初球を捉えられ、村上に56号を献上した。55号からずっと足踏みが続き、この日の4打席目、展開的にはこれが最終打席というところで、仕留められた。入江だけに責任があるわけではなく、試合前まで首位打者を獲得するには3打席しか凡退できない状態で、2打席目に坂本がタイムリーを許したことで、4打席目に立つことができた。

さらに、3打席は京山が高めのストレートで押していたが、最後はインハイの速球を引っ張ることができて、ファーストへの強めのゴロだった。少しタイミング的にはアジャストして来ていて、打球が上がればあるいはという打席だった。ちょうど7回はバッテリーごと交代し、戸柱に代わっていた。

だからと言って、戸柱を責めるつもりはない。チームの方針通りにインハイの速球を要求し、入江もそれに従って投げているので、チームとして打たれたということ。だが、前の打席の最後のボールでの微妙な変化を嶺井が感じていたとしたら、入江の150キロ超えの速球とは言え、入り球は違っていたかも知れない。これは推測に過ぎないし、たらればに意味はない。ただ、村上も最後の打席と思って決め打ちして来るところ、真正直に行ってしまったなという感想。

これをきっかけに入江が、「球史に名を残せた」とか言って、来季クローザーに登り詰めるなら安いもんだけど。

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キジ

消化試合なので、勝っても負けてもという感じなのだが、最後の最後まで、ヤクルトにとっては都合のいい相手だったなという感じ。

史上最速のマジック点灯の日も負けてくれて、夏場に4ゲーム差まで迫っては来たが、3位に上がって来るチームを悉く叩く割には、直接対決では簡単に負けてくれる。またも直接対決でマジック11を再点灯させ、2年連続で目前胴上げを許してくれる。挙句の果てに、思い通りの引退試合、気持ちの良い最終戦になり、村上の56号で仕上げ。半ば諦めかけた新記録を見せてくれるのだから、対戦相手としてこの上ない。

高津監督も、エールとして2位のDeNAに「12日のファイナルステージで待ってます」と言っていたが、腹の中ではDeNAなら組み易しと思っているだろう。これほど都合のいい相手はいないのだから。はっきり言って情けない。何度、屈辱のシーンを作るつもりなのか。最終戦のムービーやBBBの映画を作るのに事欠かない。わざとやってるんじゃないかと言うくらい、見せ場を作るよね。

ここまでやられて、今年のうちに反撃せずに終わるつもりか。来年じゃなくて、今年のうちに反撃する機会は残されている。

はっきり言って、これでファーストステージで敗退しようものなら、個人的には2位は吹っ飛んで、Bクラスになったような屈辱感で今季を終えると思っている。これだけやられたヤクルトに反撃せずに終えるなんて、絶対あってはならない。

反撃の炎は、本当に燃えているのか?10月8日の14時になったら、戦う顔をしているのか?別に消化試合の最終戦でその姿を見せる必要はない。きっちりそこへ合わせてくれればいい。

この日の試合で、絶対にファイナルステージに進んでヤクルトに反撃すると強く誓って欲しい。56号を打たれた入江も、チームも、反撃の炎の火種にして欲しい。

ヤクルトは、移籍組のベテラン3選手が引退。内川、坂口、嶋と錚々たる面々だ。ファミリー球団と言われるだけあって、いわゆる外様の選手にも優しい。サプライズゲストとして、工藤氏、近藤氏、田中将大が登場した。特に田中将は前日、仙台でオリックス戦に先発し、逆転を許した後、ずっと自身を責めている姿をテレビで見ただけに、翌日にもう笑顔で花束を渡している姿に胸を打たれる思いだ。

しかし、考えて見ると、22歳の村上が主軸を務め、長岡ら若手も台頭している中で、1軍にはいられなかった選手も含めて、意外とベテランが多かったということだ。来季も現役を続行する石川と青木もいるわけで、若手の模範になるベテランが、試合に出場することだけでなくチームの力となり、それが連覇に繋がり、世代交代として役目を終えているというのが今のヤクルトなのだろう。

DeNAは、2年前にチーム最年長が大和になるほど、若い選手が多かった。だが、監督やコーチではなく、ライバルとして一緒にプレーするベテランが模範となるべき部分もあるのだろう。今年は藤田が加入し、CSでもベンチ入りすると見られている。大田は32歳だが、経験を考えればベテランの域。そうした選手が努力する姿、彼らからプレイヤーとしてもらうアドバイスは、チームが強くなる上で不可欠なのではないか。

だからと言って、宮崎よりも上の松田を獲れとは言わないが、大和や宮崎がそういう存在になって行き、重宝されるべきだと思う。これまでのDeNAは、パフォーマンスが出ないベテランをやや軽視して戦力外にして来た印象がある。模範となれるベテランを育てる、あるいは迎え入れつつ、若手を育てながら強いチームを作って欲しい。

引退セレモニーは、ヤクルトでの活躍度、在籍の長さから言えば坂口がダントツ。ファンもそういう気持ちだろう。内川は、対戦相手となったベイスターズ出身であるが、FAでの移籍後も含めていろいろあった中で、最後の場内一周でレフトスタンドを前に涙した姿。藤田と抱き合ったシーンはもらい泣きしてしまった。あのTBS時代、今のようにまともな球団だったらどうなっていたんだろうなという思いはある。

そして、嶋は多くの人に慕われていることを再認識させられた。田中将以外にも、松井裕樹を始め、多くの選手が来場していたし、DeNAのベンチに残っていたのも、チームメイトだった藤田、森原、国学院大の柴田、同じ時代でライバル捕手として凌ぎを削った伊藤光と、嶋の関連がほとんど。伊藤光は阪口とオリックスで同僚、藤田は内川と横浜時代に自主トレも一緒に過ごしていた。伊勢のストレートをなかなか前に飛ばせず、謝っているところも彼らしいし、最後の挨拶も見事だった。

内川は、もともと滑舌が悪いのだが、緊張もあって噛みまくっていた。思ったより話が長くて、そんなに尺あるんか?と思ったが、彼らしいスピーチだったか。坂口も真面目で筋の通った最後のあいさつになった。高津監督のスピーチも見事だったと思う。番長には彼の特色があるとは言え、マイクパフォーマンスでも負けてしまったかなと。

さて、2022年のレギュラーシーズンもこれで終了。今年はまだCSがあるので続くが一区切り。今年は143試合全てを投稿するつもりはなかったのだが、結局飲み会や旅行が気軽に行ける日がまだ来ておらず、数回は翌日の投稿になったが、ほとんど書くことができた。

ブログは一方的に管理人が思ったことを書いているだけなのだが、シーズンが終了したら感想などを聞かせていただけるとありがたいと思う。CSまでの4日間で、展望などを書ければと思っているが、ここをどう思ってる?とか、これを書いて欲しいというのがもしあれば、コメント欄が一番下にあるので、ぜひ。TwitterでもOK。

最後は9連戦、10連戦、7連戦で、強い雨の日もありながら、中止になることなく戦い切った。28日間で26試合を戦った選手たち、そしてコロナ禍で多くのことに気を遣いながら運営した全てのスタッフに拍手を送りたい。2022年、レギュラーシーズンお疲れ様でした。

コメント

  1. ヒデ より:

    普段は海外に住んでいるので、このブログはとても有り難いです。試合の内容や感想が的確にまとめられていて素晴らしい。構成はこれで良いと思うので、これからもこのスタイルで願います。日本シリーズまで読めますように!

    • Rocky より:

      いつもありがとうございます!なるほど、他にも海外の方に見ていただいているようなので、試合の様子を知るのにお役に立てているのですね。今後も同じ感じで継続していきますので、よろしくお願いします。

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