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東が投打に準備万全 桑原がオープン戦1号

03/18 北海道日本ハム1-6横浜DeNA(札幌ドーム)

開幕投手に指名された東が、オープン戦最後の登板で7回93球1失点と素晴らしい投球を見せた。打席でもセーフティスクイズを決め、開幕に向けて準備万全。打線は宮崎が3安打、牧、楠本もマルチヒットで中軸がしっかりと得点に絡んだ。打率が0割台になっていた桑原が、オープン戦1号を含むマルチヒットで開幕に向けて上昇ムード。

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ポジ

まだ余力を残しての好投

沖縄から戻った後、ハマスタでの登板がなく調整遅れが心配された東だったが、それを払拭する最終登板だった。投げては7回1失点、打っても11球の粘りとセーフティスクイズを成功させた。

この日もストレートは140キロ前後。昨年のことを考えても、もう少しスピードガン表示は出ても良い気がするが、新たに中日の笠原から習得したというカサチェが冴え、もともとのアズチェも含めたコンビネーションで的を絞らせなかった。

全体的にボールが少し高めではあった。ここからさらに低めに集まり、ストレートの強さも増せば、エースとしてチームを引っ張ってくれるに違いない。まだ調整の余力を残してのこのピッチングは期待しかない。阪神の青柳が新型コロナ陽性となって開幕投手を回避したように、まだまだ予断を許さない。開幕まで1週間、万全に整えて初の晴れ舞台を踏んで欲しい。

この日から開幕に備え、DHを外して投手も打席に入った。最初の打席は、伊藤のボールに食らい付き、5球連続ファウルで、バットが折れるシーンもあった。最後は11球目の高めストレートに空振りしたが、打席も無駄にしない意欲が見えた。

そして、2打席目は1点を追加してなお1アウト1、3塁という場面で、一塁線に見事なセーフティスクイズ。一塁もギリギリでアウトという絶妙なバントで追加点を奪った。セ・リーグの先発投手である以上、9人目の野手として打席も重要。そういった意味でも開幕に向けて準備は万全だ。

桑原がマルチヒットで開幕に向け上昇

16日のヤクルト戦で打率が1割を切っていた桑原。一部から批判の声も挙がっていたようだが、当ブログでは最初から書いていた通り、内容も悪くないしオープン戦の結果で判断する選手じゃない。実績も経験もある昨年の3割打者なので、体調と内容に問題がなければ1年間を見据えて開幕スタメンに使うのが基本線。

三浦監督も「俺は心配していないから。いい内容で来てるから」と声をかけていたという。そうだろう。右方向へ打つべき時にはしっかりとできていたし、良い当たりが正面を突いたり、好捕されたりしていた。結果の数字だけを見ている人には分からない部分だと思う。

最初の打席、しっかりとボールを見極め、ファウルでカットして四球を取った。チームに流れを引き寄せる初回の出塁。柴田の打席では盗塁を仕掛けたが、柴田のバットが捕手の送球を妨害し、守備妨害となって戻された。しかし、宮崎のタイムリーでホームに還った。

3回は、真ん中に入って来たスライダーを打ち返し、センター前ヒット。3月6日以来のヒットに少し安心したような表情だった。オープン戦は調整とまわりは言うが、やはり本人としてはヒットが出ないというのは気分も良くないし、焦りも出て来る。ノーヒットが続く打者が、1本出ると変わるなんてことはざらにある話だ。

7回には、代わった吉田に対し、2-1のカウントから真ん中のストレートを完璧に捉え、広い札幌ドームのレフトスタンドまで運んだ。打ち出すと、どこまでも打つのが桑原の特徴。これで乗って行けるかなという感じはする。走、攻、守で考えると現状はセンター桑原を外せないと思う。

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ヤジ

3回は1番からの打順で4連打だったが、盗塁失敗、本塁憤死、盗塁失敗と3アウトが全て走塁死だった。盗塁は試したり隙を突いたが良い送球をされたりという部分もあるが、楠本のヒットで柴田を回したのはよく分からなかった。

詰まった当たりがレフトの松本剛の直前でポトリと落ちたので、送球しづらいと判断して、ギャンブル的に回したのかも知れないが、止まっても1アウト1、3塁で牧という場面。序盤の1点リードで無理をする展開ではなかったのかなと思う。松本剛も上手く捕球して、良い送球を投げたとは思うが勿体なかった。

それ以外は言うことのない完璧な試合だった。ただ、心配なのはオースティンとソト。神宮では、それぞれ張りがあった為に大事を取ったという説明で、札幌にも帯同しているが移動日含めて2日経ったこの日も試合に出場しなかった。

無理をする必要は全くない時期だし、ケガに繋がって離脱が長期になるのが最悪のパターン。とは言え先週の土曜に出場してから丸一週間、試合に出場していないことになる。オープン戦終盤のこの時期に実戦に出られないというのは、実戦勘や最終仕上げにおいて影響がないとは思えない。

桑原の打率が1割を切って、開幕スタメンから外せだのファーム行きだのと一部で言われているようだが、それよりもこの時期に試合に出ることすらできていない選手の開幕スタメンが安泰なのはどうなのか。もちろん、二人の実力は分かっているし、不可欠な選手ではある。昨年、来日が遅れて実戦を経ずにぶっつけで1軍の試合に出たことよりはマシではあるが、開幕後に彼らの調整期間を取る余裕があるのか。

桑原のように体調にも問題なく、単に結果としてヒットになっていないだけで、内容も悪くない選手は、オープン戦の結果はそれほど重視する必要はないと思うが、体に不安があって実戦勘もない選手を無条件に開幕スタメンに持って行けば、昨年の二の舞になるのではないか。

神宮で大事を取ったので、札幌では試合終盤まで出られるくらいなら問題ないかなと思っていたが、初戦で出場すらしないというのは問題視せざるを得ない。特にバッティング練習すらしていなかったというのだから、ちょっとした張りのレベルではないと思う。

この日、二人を欠いた打線で13安打6点の攻撃ができた。もちろん、本番で開幕カードを任せられる投手から同じように打てるとは思っていないが、楠本も知野も非常に良い状態なので、この日のスタメンで開幕を迎え、オースティン、ソトを開幕スタメンから外すことを真剣に考え始めた方が良いのではないか。もちろん、土日でフルに近い形で出場し、バッティングの内容も伴っていれば杞憂だが。

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キジ

まだBIG BOSSは開幕投手を発表していないが、金曜に先発した伊藤は最有力候補。その伊藤から6回までに10安打を浴びせて4点を取った打線は、非常に良い状態。走塁死などで少し得点効率に欠ける部分はあったが、オースティン、ソトを欠いたなりに繋がりで得点できたことは評価できる。

3番ライトのオースティンを想定しているポジションに入った楠本が、この日もマルチヒット。今週は4試合連続ヒットで、14打数6安打。それまでもヒットが出ていたため、むしろオープン戦の打率は少し落としたくらいだが、バッティングの好調さが目立つ。この日も、5回に伊藤の超スローカーブに対してタイミングを合わせてセンター前へ弾き返す、天才的なバッティングを披露。凡退した7回も痛烈なファーストライナーだった。

前述した通り、桑原が体調に問題がなければセンターで開幕スタメンになるはずだ。そして、オースティンに不安があるのなら、このまま楠本が3番ライトで開幕スタメンに入っても良いと思う。迫力は少し落ちるかも知れないが安定感は楠本の方が上だろう。

同様に、ヒットが続き数字を上げてきている知野が、開幕スタメンでファーストということを想定しても良いと思う。佐野のファーストはあくまでもオプションなので、佐野を動かしてというのは考えづらい。であれば、オースティンとソトに無理をさせずにこの日のオーダーを開幕スタメンにしても良いと思う。

キャッチャーも、伊藤光が復帰してアピールし、山本にも期待したいが、この日に東とバッテリーを組んだ戸柱で決まりだろう。8回にレフト線へタイムリー二塁打を放ち、記録はエラーとなったが4回のセカンドへのライナーも、しっかりと捉えた打球だった。盗塁阻止率も悪くない戸柱なので、バッティング好調であれば、それを覆すほど守備力を持ったキャッチャーは現状いないので、一番手になるだろう。先発投手によっては他のキャッチャーにも出番があるだろう。ロメロと組むのは山本かも知れない。

余談だが、報道ステーションを見ていて、この試合については日本ハムの北山の好投しか触れられなかった。大洋時代から注目のなさは慣れているが、いくら尺が数十秒でもこの試合内容でこれというのは、オープン戦とは言えさすがにないなと思った。

2戦目は大貫が最終登板での調整。東に続き、良い形で開幕を迎えたい。そして、オースティンとソトの出場があるかどうか。ここでもないようだと、開幕スタメンからは外すべきと個人的には思う。その決断に至るためにも、楠本と知野はさらなるアピールができるか。

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