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三上、倉本ら7人と来季の契約を結ばないことを発表

横浜DeNAベイスターズは16日、三上、浅田、有吉、高城、倉本、山下、宮本の7選手へ2023年シーズンの契約を結ばない旨通知したことを発表した。いわゆる戦力外通告は、第一次期間が10月1日から7日まで、第二次期間がCS終了翌日から日本シリーズ終了翌日までとなっており、15日にパ・リーグのCSも終了したため、この日に発表となった。

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戦力外通告を受けた選手の一覧

7選手の年齢、年数、2022年の推定年俸、1軍の成績は以下の通り。

選手推定年俸2022年1軍成績
三上(33)96,500万19試0勝0敗0H0S 3.65
浅田(21)3510万1軍登板なし
有吉(31)62,700万1試0勝1敗0H0S 6.75
高城(29)111,200万1軍出場なし
倉本(31)84,120万44試52打9安2点1本 .173
山下(29)81,380万12試12打1安1点0本 .083
宮本(26)5865万29試36打5安2点1本 .139

20日のドラフト会議での指名を行う上で、支配下登録70人という枠を空ける必要があり、毎年この時期が来てしまう。今年は、ポストシーズンのリスクヘッジもあったのか、第一次では発表されず、第二次でこの7名が発表となった。

2022年の成績はもちろんだが、前年以前の状況、ポジションが重なる選手との比較、年俸面などいろいろな要素で編成部門で決定されるかと思う。

今回は、DeNAベイスターズとして初のCS進出を担った、在籍の長い選手も含まれており、ファンにとっては辛い発表となった。それらの選手には引退であればセレモニーもあったと思うので、現時点で引退を決断しておらず、現役続行の道を探るのではないかと思われる。

2021年は10月5日に10選手が戦力外通告を受けており、そのうち勝又とは野手転向で育成契約を結んだが、今年は枠が埋まっているところから7名ということで、ドラフトでの支配下選手の指名数は少なくなる可能性がある。

2022年シーズン 選手契約について | 横浜DeNAベイスターズ
横浜DeNAベイスターズ オフィシャルホームページ

各選手の思い出などを振り返ってみる。

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三上 朋也

通算成績:346試10勝15敗114H23S 3.15

2013年ドラフト4位で入団。身長190cmながら、ドラフト直前にサイドハンドに変更したという異色の投手。社会人出身ということで、特に投手陣が崩壊していたチームで即戦力として期待された。

ルーキーイヤーはリリーバーとして1軍に食い込み、途中からクローザーを任され、65試合登板で21セーブの好成績を挙げた。しかし、2年目はその影響からか右肘の炎症で開幕は不在。その間にルーキーの山崎がクローザーに定着し、当時の新人セーブ記録を更新した。三上は8月から登板し、21試合で防御率0.81と存在感を見せた。

2016年は、山崎の前に投げるセットアッパーとしてフル回転。59試合で34HPをマークし、山崎が不振の時期にはクローザーもこなし、2セーブを挙げた。2017年は61試合登板、前年と同じ34HPをマークしたが、防御率5.12と不安定だった。2018年はキャリアハイに並ぶ65試合登板、26HPだったが防御率3.05に改善した。

ベイスターズの史上初のCS進出に大きく貢献し、CSでもチームのピンチを断つ好投を何度も見せた。1億円プレイヤーとなったが、オフには提携するオーストラリアのキャンベラへの派遣を希望するなど、向上心も高かった。

2019年は右肘のクリーニング手術を受けたため6試合の登板に終わり、翌2020年は三嶋、国吉、伊勢、平田らが好調ということもあり、10試合の登板に留まった。2021年に40試合と久しぶりに年間を通して1軍で登板を重ねたが、2022年はいわゆる敗戦処理の登板のみに終わった。

ブルペンの兄貴分として、山崎を始めとしたリリーバーから慕われる存在。ブルペンにいるだけで無形の力を発揮していたと思う。だが、ハマスタ17連勝をマークするなど、8月に18勝6敗と大きく勝ち越す中、三上は7月19日の登板の次が、8月25日だったことが全てを物語っている。

オールスターやコロナによる離脱、試合延期もあったが、結局競ったゲームでは使えないという首脳陣の判断になっていた。8月26日は、ヤクルトとの直接対決の第1戦で、3-5と差を詰めたところで村上に2打席連続ホームランを許した。これがベイスターズの三上として、最後の登板となってしまった。

厳しい場面で度胸良く投げ込む姿が今でも目に焼き付いている。これだけの存在なので、引退まで応援できるものと思っていた。今後、どのような道を選ぶか分からないが、いずれはブルペンを取り仕切るコーチとしてその姿を見たい。

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浅田 将汰

2019年ドラフト7位で入団。下位指名だったが、高校時代は日本代表にも選ばれていたということで、大化けを期待していた。ルーキーイヤーの後半にファームで登板し3勝を挙げ、将来性に期待が持てる内容だった。

だが、2年目は故障もあって5試合登板に留まり、0勝3敗、防御率14.73と苦しんだ。今年はファームで22試合に登板したが、0勝6敗、25回2/3で43四球、34自責点の防御率11.92。ファームの首脳陣も、我慢強く使い続けたが、なかなか投球が改善しなかった。

高卒3年目ということで少し早い見切りという印象もあるが、本人の意向もあるのだろうか。なかなか万全な身体で投げることが叶わないという状況。枠の関係から育成契約もあるのかなと思っていた。昨年も戦力外通告となってから勝又と育成契約をしているので、今後の動向を見守りたい。

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有吉 優樹

通算成績:89試9勝15敗18H1S 3.97

2016年ドラフト5位でロッテに入団。ルーキーイヤーはリリーバーとして53試合に登板。18HPを挙げる順調なスタートを切った。2年目の途中で先発に回り、6勝を挙げた。しかし、2019、2020年はファーム暮らしが長く1勝しか挙げられなかった。

2021年のシーズン途中で、国吉とのトレードでDeNAに加入。先発の駒不足に苦しむチームで期待された。オールスター直前に1軍登録され、バンテリンドームで移籍後初先発。7回途中で2失点と好投したが、打線の援護がなく敗戦投手となった。

オリンピックの中断期間に、打球を足に受けて離脱。復帰後もファームで結果を出せず、1軍昇格の機会はなかった。移籍2年目の2022年は、キャンプから終始ファームとなった。イースタンで結果を残し、5月22日のヤクルト戦で先発の機会を得たが、4回3失点でKO。

その後、ファームでは気持ちが切れてしまったかのように打ち込まれることが増えた。夏場以降は再び安定感を取り戻したが、1軍での出場チャンスは得られなかった。2022年のファーム成績は、6勝1敗で防御率2.45。もう少し1軍でチャンスを得られても良かった。

先発投手を必要として獲得しながら、現場ではあまり使われないという不遇な面があった。トレードの真の背景は分からないが、客観的に見て失敗だったと言わざるを得ない。現役続行を希望するのであれば、どこかでチャンスを得て欲しいと思う。

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高城 俊人

347試685打118安38点4本 .172

2011年ドラフト2位で入団。横浜ベイスターズの球団売却が注目される中、TBSの体制として最後のドラフトでの指名。DeNAベイスターズ初年度に、高卒ルーキーのキャッチャーとしては谷繁以来の果たすなど、45試合に出場。将来の正捕手として期待された。

2年目は打率.136とバッティング面で苦しみ、51試合出場に留まった。2014年も48試合と伸び悩んだが、2015年はキャリアハイの64試合に出場。プロ初ホームランをマークするなど26安打で、やっと打率が2割に乗った。

2016年からラミレス監督が就任し、戸柱をメインに使ったため、再び出場機会が減少。2017年はルーキーの濵口が先発する試合に専属という形でスタメン出場した。日本シリーズでもバッテリーを組み、8回途中までノーヒットという快投をアシスト。高城自身もホームランを含む3安打と活躍した。

2018年は濵口が不振だったこともあり出場機会を減らしていた。その中、7月に伊藤光らとのトレードが成立してオリックスへ移籍。チーム関係者との別れの挨拶では涙を見せていた。オリックスでは1軍で5試合の出場にとどまり、2019年オフに戦力外となった。

2020年からベイスターズに復帰。伊藤光とラミレス監督の相性もあり、1軍の3番手捕手としてベンチ入り。キャリアハイとなる3本塁打もマークした。2021年は山本の台頭もあって1軍にはなかなか呼ばれず、7試合出場に終わった。

2022年はコロナの影響で多くの選手が入れ替わる中、1軍の出場なしに終わった。多くの人から慕われる人柄、若手投手の良き相談役として、来季以降も現役としてマスクを被りながらチームに貢献するかと思っていたが、後進の捕手をドラフト指名し育てていく必要もある。枠の関係からも戦力外はやむを得ないか。

2018年のオリックス移籍時は、ファンの多くが反対しFOR REALで涙した。もう少し打てれば違っていたと思う。2020年にDeNAへ復帰する際には、伊藤光、戸柱、嶺井と揃っている中で1軍に食い込むのは難しいと思っていた。それでも、ベイスターズ愛で戻って来てくれた高城。やはり日本シリーズでの活躍が一番思い出深い。

きっと誰からも愛される高城。現役を続けるかどうか分からないが、そのベイスターズ愛で、これからもチームに関わってもらいたいというのがファンの願い。現役として果たせなかった優勝を、何らかの形で携わって成し遂げて欲しい。

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倉本 寿彦

通算成績:667試1870打477安149点8本 .255

2014年ドラフト3位で入団。神奈川県茅ケ崎市出身、横浜高校出身ということで、フランチャイズプレイヤーとしても人気を博した選手。ショートにレギュラー不在というチーム事情で、ルーキーながら開幕スタメンを勝ち取り、102試合に出場。打率は.208と苦しんだがショートで100試合出場も守備率.980と良いスタートを切った。

2年目の2016年は、ラミレス監督から信頼され、ショートのレギュラーとして定着。打率.294とバッティングも大きく改善した。2017年は、ラミレス監督が投手を8番に起用し、9番に倉本を置いた。投手がバントで送ったランナーを倉本が還す形を理想とし、勝負強さも評価されていた。打率は.262と落としたが50打点をマークし、143試合フルイニング出場を果たした。日本シリーズでは落球する痛いミスもあったが、チームの躍進に大きく貢献した。

2018年に大和がFA移籍すると、セカンドへコンバートされたが守備での戸惑いがバッティングにも影響。相性の良い広島戦を中心とした起用で85試合出場に激減。打率も.232と大きく数字を落とした。

2019年はショートでのレギュラー争いを直訴したが、オープン戦で32打数1安打の.031と不振に陥り、シーズンでも調子は上向かず。自身最少の24試合、打率も.121と低迷した。しかし、2020年は左腕を相手に数字を残し、出場機会を得た。82試合出場で.276と復調のシーズンとなった。

2021年はヘッドスライディングで骨折し、プロ入り初めて大きなケガで離脱した。46試合で打率.208と再び低迷し、2022年はコロナの影響や宮崎のケガで、ファースト、サードで出場機会を得たが、打率.173と不振を極めた。後半はファームでの出場が多くなったが、29試合で.189と結果が出なかった。

地元出身で、石井琢朗に憧れ、背番号5を付けた。応援歌の継承も願っていたが十分活躍してからということで実現はしなかった。今年から憧れの石井琢朗がコーチに就任。「背番号が泣いているぞ」と檄を飛ばされていたが、その期待に応えることができなかった。

フランチャイズプレイヤーであり、ベイスターズのCS進出に大きく貢献した選手で人気も高い。今年の成績が良くなかったので、どうなるのかと思っていたが、残念ながら来季の構想を外れてしまった。牧がセカンドのレギュラーとなり、ショートには森を構想する中で、今年は2月に森がケガで離脱、ソトが出遅れて宮崎も一時離脱するなど、内野にチャンスはあったが生かせなかった。

現役続行の意志があるのか分からないが、人気もある選手なので今後も何らかの形でベイスターズに関わってくれたらと思う。

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山下 幸輝

通算成績:224試329打69安18点1本 .210

2014年ドラフト5位で入団。倉本と同期で、内野の層を厚くする存在として期待された。ルーキーイヤーは、23試合に出場。2年目に62試合と出場機会を増やして行った。

だが、同じ国学院大から入団した柴田の存在や大和の移籍もあり、内野で入り込む隙があまりなく、ファーム暮らしが続いた。2018年は、楽天戦でプロ初のサヨナラ打を放ち、涙のヒーローインタビューがファンの心を打った。この年、プロ初ホームランもマークした。

2019年は1軍出場がなく、背水の陣として臨んだ2020年は、ファームで結果を残し、1軍で代打として出場機会を得た。代打で思い切りの良いバッティングを見せ、高い代打率を誇った。

2022年は、開幕1軍は逃したが4月1日に昇格。しかし、コロナの陽性判定を受けて4月7日に登録抹消。その後、復帰したが10打数1安打と結果が残せずにファーム落ち。ファームでは結果を残し、オールスター直前に再び昇格したが、2打席ノーヒット。8月に入った再び登録抹消となった。

2022年のファームは、53試合で.308をマークしており、夏場はファームで一番良いバッティングをしていたので、もっとチャンスがあっても良かったと感じた。気になるのは、8月の降格以降に試合や練習での目撃がないということ。ケガをしているという情報もないし、気掛かりだ。

「ムシキング」という愛称で親しまれ、近年はインパクトの瞬間に大きな声を出すことでもファンを楽しませた。涙のサヨナラ打もあり、記録よりも記憶に残る選手だろう。次の道をどのように踏み出すか、見守りたい。

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宮本 秀明

通算成績:92試76打13安4点3本 .171

2017年ドラフト7位で入団。下位指名だったが、俊足の内野手としてチームにない走力に期待がかかった。ルーキーイヤーでいきなり開幕1軍を勝ち取り、代打、代走要員として起用された。代打でプロ初ホームランをマークし、スタメン起用され2試合連続ホームランを放つなど、意外なパンチ力に注目が集まった。

一方で内野の守備には課題があり、ファームでは外野を守ることが多くなった。2年目から外野手に転向。打撃が伸び悩み、2019年は1試合、2020年は6試合の出場に終わった。

三浦監督が就任し、2021年は代走のスペシャリストとして期待されたが、1軍では盗塁を決め切れず、定着できなかった。2022年は4月にコロナの陽性者が多数発生したタイミングで昇格し、その後はスタメン出場などの機会を得た。6月に登録抹消となり、その後ファームでバッティング面で結果を残し、8月に再昇格したが、守備でのミスもありすぐに登録抹消。

2022年のファームは52試合で打率.347と好成績だっただけに、バッティングの成長をもう1年見ても良いと思っていたが、戦力外通告となった。もう少し守備力、走力で存在感を示せるレベルに到達したかったし、バッティングも1軍の壁に苦しんだ。どうしても年齢が近い関根、楠本、神里との比較になるし、梶原の存在、勝又が支配下を狙う状況で、左打ちの外野手という中で溢れてしまった形か。

戦力外からの移籍はかなり狭き門だが、今年のファームでのバッティングを見ると、ここで引退してしまうのは勿体ない。現役続行であれば、移籍先が見つかることを祈りたい。

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さいごに

簡単ではあるが、来歴と想い出について書かせてもらった。所属年数と出場試合数を考えると、ファンとしてはどうしても三上、高城、倉本への思い入れが強くなる。このニュースを聞いて、ショックを受けたファンも多いだろう。

選手個人を応援する場合にはどうしても訪れてしまう瞬間で、分かってはいたことだとしても、やるせない気持ちになるのではないか。個人的にはベイスターズに所属し、ベイスターズのために頑張ってくれる選手はみんな好きで、その中でもさらに好きなのはベイスターズを勝たせてくれる選手。

それが適わなくなった選手との別れは、毎年寂しいものだ。引退試合で送り出せる選手はほんの僅か。今年の7人は今後どのような道を進むのか分からないが、どこかでセレモニーがあるのなら、これまでのチームへの貢献に感謝し、最後の姿を見届けたい。

昨年は10人の選手に戦力外通告がされたが、勝又が育成契約となっただけで、それ以外の選手は引退もしくは独立リーグ等のプレーとなり、NPBで移籍した選手はいなかった。2020年の7人も同様で、戦力外通告からの移籍は狭き門。ベイスターズはそこまで選手層が厚いチームではないので、ここで構想から外れてしまうとかなり厳しいのが現実だ。

まだ発表されたばかりで情報がなく、現役続行か引退かは分からないが、ひとまずベイスターズでのプレーは今季で終了となる。それに対してはお疲れ様でしたという声をかけてあげたい。次の道での活躍を祈りたい。

CSが終わった翌日から第二次期間だが、月曜だと思っていたので、不意を突かれた感じ。平良が先発したフェニックスリーグの記事を書こうと思っていたが、予定を変更した。明日以降、またタイミングが合えばフェニックスリーグについても書いて行ければと思う。

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