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1997年10月の横浜ベイスターズ 振り返り

7月末でちょうど5割、首位と10.5ゲーム差というところから、奇跡的な快進撃で首位のヤクルトに迫った。初めての優勝争い、夏場の首位攻防戦に沸いた横浜だったが、9月に入って石井一のノーヒットノーランという形で希望の炎は消えて行った。10月に入って興味はタイトル争いに移ったが、意外な辞任発表が待っていた。

4月のレビュー

最初から読む場合は、こちらの記事からどうぞ。

18年ぶり2位が確定

佐々木がプロ野球新の38セーブ

5日のハマスタでの中日戦で、三浦が8回途中まで10三振を奪って1失点の好投。7月15日に2勝目を挙げてから9連勝で、自身初の2桁勝利を達成した。

8回途中からマウンドに上がった佐々木が、9回に2アウト2、3塁のピンチを招きながら、後続を断って38セーブ目。当時のプロ野球新記録を樹立した。翌年、佐々木自身が45セーブで大きく更新。現在は2017年サファテの54セーブというとんでもない数が日本記録となっている。

この試合で18年ぶりとなる2位が確定したが、首位打者を争う鈴木尚は代打での登場。駒田もスタメンを外れるなど、消化試合という雰囲気が漂った。ローズも7日の広島戦に代打で出場したが、順位が決まっているため、残りの4試合には出場せずに帰国した。

ルーキー川村も最終戦で10勝目

ルーキーの川村がシーズンの最終戦となる12日の阪神戦に先発。7回1失点の好投で10勝目を挙げた。2桁勝利4名は、1970年以来。その頃とは先発の登板間隔や年間の試合数が異なるので、非常に価値のある先発投手陣が形成できたと言える。

最終戦には石井琢、進藤、駒田、鈴木尚といった主力を出場させ、川村の2桁勝利をアシストした。この時点では、レギュラーと控えの差が非常に大きく、打数は少ないが3割をマークした川端が代役を務められるかなというくらいだった。

大矢監督の退団を発表

会談わずか15分で双方合意

6日、ハマスタでの今季最終戦が行われる前に、球団から大矢監督の退団が発表された。当時の大堀球団社長と会談はわずかに15分。契約期間満了に伴い、契約の延長はしないというのが双方の合意事項として発表された。

1993年の横浜ベイスターズ誕生でバッテリーコーチとして入団。1996年から監督を務め、5年間ベイスターズの成長を支えてきた。そして、このシーズンは、横浜移転後初めてと言っても良い優勝争いに加わり、18年ぶり2位という好成績を収めた。読売や当時の西武など常勝チームでは2位に終わった、となることもあるが、万年Bクラスのチームにあって、成績としては結果を出したと言える。

それでも球団は大矢監督との再契約を選ばなかった。当然、ファンからは何故だという声が多数挙がった。ハマスタ最終戦で敗れた後、胴上げされた大矢監督の目には涙が溢れていた。「クビになっちゃったよ」と声をかけられた選手もいたという。

背景に森祇晶氏の招聘

後日談も含むが、この「解任」の背景には、球団が目指していた西武の前監督である、森祇晶氏の招聘が関連していた。1994年限りで西武を退団した森氏を次期監督に考えていた球団だったが、当時の森氏は読売の監督就任を希望していたとされ、就任には至らなかった。

それにより困った球団は、権藤バッテリーチーフコーチに打診し、受諾された。1998年に就任1年目で日本一となった権藤さんが、3年間監督を務めることになるのは球団も想定外だっただろう。それでも、森氏を招聘して常勝チームを作りたいという思いだけが残り、権藤さんの方針とは真逆に近い存在の森氏を最悪のタイミングで招聘し、暗黒時代に突入することになる。これについては、当時の社長だった大堀氏も認めている。

1997年時点では、個人的には解任も仕方ないかなと思っていた。ここまでのベイスターズを育成したのは、近藤前監督を始め、大矢監督ももちろん、高木由一コーチなどのメンバー。80年代後半からのドラフトで活躍できる選手が指名でき、ドラフト外で石井や進藤が入団して育成できたのが大きかった。

ただ、前年から大矢監督の采配には疑問な部分が大きかったし、優勝を狙う上では勝負ができる監督が必要ではないかと感じていた。ただ、代わりに誰がいたのかという答えは出ない。権藤さんはまさか!という感じだったが、結果として優勝できたし、その時点のチームカラーに最適な人物ではあったのだろう。権藤さんでの優勝をする前のこの時点で森氏が就任していたら、またちょっと違っていたかも知れない。

タイトル確定しストーブリーグへ

セ・リーグ個人タイトル

12日に全日程を終了し、各タイトルが決定した。

タイトル選手球団成績受賞数
最優秀防御率大野 豊広島2.852
最多勝利山本 昌広中日18勝3
最多奪三振山本 昌広中日159
最優秀救援佐々木 主浩横浜41SP4
首位打者鈴木 尚典横浜.335
最多本塁打ホージーヤクルト38
最多打点ロペス広島1122
最多安打ロペス広島170
最高出塁率ローズ横浜.444

各チームの観客動員

横浜は観客動員が当時の史上最多を記録。優勝したヤクルトも7.8%増。中日は最下位に終わったが、ナゴヤドームの開場に伴い、大幅な増加となった。

チームホーム観客動員数1試合平均前年比
ヤクルト682,117,00031,132+7.8%
横浜671,683,00025,119+9.8%
広島681,163,00017,103-10.1%
読売683,645,00055,603+4.3%
阪神672,268,00033,851+21.9%
中日692,607,50033,129+25.4%

谷繁がFA宣言

最終戦後、谷繁が「FAを行使します。球団への不信感ではなく、みんなで手に入れた権利だから、使わせてもらいます」と話した。この年、FA権取得が10年から9年に短縮され、手にした権利の行使を表明した。

他球団の移籍など、いろいろと噂も出たが、最終的には「このチームで優勝したい」と残留を決めた。

記録集

月別成績

4月は、前年の防御率4.67よりも悪い5.34となり、借金8で最下位に低迷する要因となった。5月は打率.294をマークして、打線が引っ張った。7月、8月の好成績を支えたのは、紛れもなく投手陣。20勝6敗の8月は2.49という素晴らしい数字。一方、得点は試合数が少ない4月と同じに留まった。打率.273はヤクルトと遜色はないが、得点が100点も少なかった。ホームランが少ない打線で、いかに得点を効率良く取るかが課題となった。

勝率打率防御率
48140.364.2825.3410513030
51180.579.2943.67907716
68130.381.2744.508510315
71350.722.2882.85825710
82060.769.2632.491056722
99110.450.2643.48827512
10360.333.2253.5523390
72630.533.2733.70572548105

球場別勝敗

ハマスタでは6つの貯金を作った。やはりというべきか、防御率は通算よりも悪く4点台となり、打率は.293をマークした。この頃は、地方ゲームが非常に多く、トータル9試合で5勝4敗だった。仙台の1試合が中止で、ハマスタでの振替となった。

ビジターは分かりやすく、途中カード11連勝があった中日に対して、ナゴヤドームでは無類の強さを見せた。13試合で1点台の防御率は素晴らしい。一方、8連敗もあった阪神に対しては、甲子園でも3勝9敗だった。広島にも16勝11敗と勝ち越したが、広島市民球場では8勝3敗。しかし、広島主催の福山、秋田で3敗している。

球場勝率打率防御率
横浜32260.552.2934.0548
盛岡010.000.1383.000
旭川010.000.2736.000
札幌010.000.1727.001
平塚1001.000.3750.000
釧路1001.000.2701.801
帯広010.000.2814.000
静岡1001.000.3235.003
ひたちなか1001.000.2500.000
いわき1001.000.3332.000
ホーム計37300.552.2903.9053
ナゴヤドーム1120.846.2521.785
神宮570.417.2394.8117
東京ドーム580.385.2404.348
甲子園390.250.2272.993
大阪ドーム010.000.3145.592
広島830.727.2763.2511
山形1001.000.4723.004
福島1001.000.2942.000
福山010.000.3645.630
岐阜1001.000.3142.000
秋田020.000.3086.192
ビジター計35330.515.2563.5052
72630.533.2733.70105

先発投手別成績

打率や防御率、平均得点は先発投手が投げている間のものではなく、先発した試合全体の数字になっている。森中、関口は比較的援護が得られたにも関わらず、自身の結果が奮わずに先発ローテーションに定着できなかった。

10勝を挙げた4人では、10勝8敗の野村が貯金5となったのに対し、三浦は5割だった。本人は10勝3敗なのだが、後続の投手がひっくり返されることが多かった。本人の成績とは逆の結果になっているところが面白い。

投手勝率打率防御率平均得点
盛田140.200.2365.363.4
野村15100.600.2763.504.2
川村14120.538.2533.163.9
関口650.545.2853.935.2
森中120.333.3918.315.7
三浦11110.500.2854.144.8
戸叶1290.571.2843.654.8
福盛730.700.2582.082.7
河原110.500.3096.884.5
マホームズ450.444.2463.383.4
横山010.000.1614.002.0
72630.533.2733.704.2

得点差別勝敗

佐々木を中心として、島田、五十嵐、西、河原、関口らでリードを守り抜く展開も多く、1点差で6つ勝ち越しているほか、3点差以内のゲームで強さを見せた。特に1点差の試合数が48試合と群を抜いており、翌年の強さに繋がっていく。

点差勝率
127210.563
212110.522
3940.692
4490.308
5540.556
66100.375
7~940.692
72630.533

曜日別勝敗

最後はオマケ。当ブログで恒例の曜日別の勝敗。試合数の少ない月曜はさておき、金曜の悪さが目立つ。カードの初戦になることが多いだけに、ここが取れずに苦戦した部分はありそうだ。数字から、土曜は乱打戦が繰り広げられ、水曜は締まった投手戦となっていた傾向が見える。

勝率打率防御率
310.750.3243.7526155
1490.609.2693.47998016
1190.550.2572.88807019
1280.600.3053.71978016
4110.267.2244.4346737
12140.462.2834.5410913719
16110.593.2743.301159323
72630.533.2733.70572548105

参考文献

  • 神奈川新聞紙面
  • 97スポニチプロ野球手帳(スポーツニッポン新聞社)
  • 98プロ野球プレイヤーズ名鑑(スポーツニッポン新聞社)
  • 1997横浜ベイスターズ ファンブック

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