06/12 北海道日本ハム4-3横浜DeNA(札幌ドーム)
2回に先頭のオースティンが二塁打を放つも、後続を断たれ無得点。先発の池田の威力あるストレートに苦しみ、5回まで2安打。一方、京山は3回まで毎回2アウトからヒットを打たれるも無失点で切り抜けた。しかし、4回はベースカバーが遅れて満塁のピンチを招き、暴投で先制点を献上。さらに石川亮にもタイムリーで追加点を許した。5回に高濱の二塁打で3点目を奪われたところで降板。打線が7回に牧の内野安打などで1点差に迫ったが、終盤はB.ロドリゲスから杉浦のリレーに沈黙して惜敗。この日勝ったオリックスの11年ぶり交流戦優勝が決まり、球団初の優勝はならなかった。
ポジ
前日に濵口が完封し、打線が1点差に追い上げた為、7回から勝ちパターンを注ぎ込んだ。交流戦では失点が続いていたエスコバーが、古巣の本拠地で素晴らしい投球を見せた。9球で2つの三振を奪って三者凡退で片付けた。山崎もストライク先行の投球。ストレートの威力も感じさせる内容で三者凡退。味方の逆転に繋がらなかったが、期待通りの投球を見せてくれた。
足の状態は気になるが、オースティンが最初の打席でショートの頭を鋭く越える二塁打。やはり全力疾走は無理なようで、彼にしては珍しく速度を落とした走塁だった。7回、四球で歩き、同点のランナーとなったため、宮本が代走で送られた。もう1打席ある可能性が高かったが、この起用はやむを得ない。万全になるまではこういった形も想定しなければならないだろう。
宮崎が7回にタイムリーを放った。B.ロドリゲスの球威に押されていたが、高めのツーシームをセンターへ打ち返した。6回にもチャンスを広げるヒットを打っておりマルチヒット。大和はこの日も得点圏で活躍。6回に反撃の狼煙となるタイムリーを放った。
ヤジ
濵口が先発投手陣として意地を見せて完封したが、なかなか若い投手に波及しない。京山も5回のマウンドには上がったものの1アウトも取れずに降板した。今週は先発で4投手が5回持たず。これでは打線も生かせないし、救援陣も苦しい。
京山は、153キロをマークするストレートと、スプリットやスライダーなどの変化球で3回までは好投。ただ、時折甘いコースに入るなどストライク、ボールがはっきりしている面もあった。4回は1アウトから王柏融に高めをレフトに運ばれ、渡邉には初球をヒットされて1、2塁。打順が下位に向かうことを考えれば慌てる必要はなかった。
最初の打席でヒットを打たれている平沼にボールが先行し、ストレートでストライクを取りに行ったが、きっちり捉えられ、一塁線への強烈な当たり。これがベースに当たって跳ね、ソトがキャッチ。一塁へトスしてアウト、と思ったが京山が来ていない。抜けていればホームのカバーに行かなければならないところだが、抜けたのを確認してからでいい。ベースに当たるという稀なことが起こったにせよ、ベースカバーを怠ったとしか言いようがない。
3回に、石川亮の打球が右脚を直撃した。かなり速い打球なので、これを捕るのは無理だと思うが、投げた後の体勢が良くないので変な避け方になった。幸いにも無事に続投できたことは良かったのだが、ケガをするリスクがある。2回に王柏融の打球に対して変な反応をしていたし、投げた後に捕球体勢に入るなど、守備への意識が少し不足しているように思う。
そして、平沼の内野安打で満塁となってから、石井への3球目のストレートを引っ掛けてしまい、暴投で先制点を献上。キャッチャーも低めへの変化球なら準備も出来ているが、ストレートをここまで引っ掛けてしまうと難しい。力の入る場面なのは分かり切っているので、そこでいかにきっちり投げられるか。ピンチでない場面で153キロの素晴らしいボールを投げても、こういう場面で投げられなければ失点は防げず勝てない。
日本ハムは3ボール1ストライクになってから、スクイズを敢行した。これは完全に予想していない奇襲で、しっかり転がっていれば成功していただろう。しかしボールはホームベースのすぐそばで止まってしまった。これで2アウトとなり、最少失点で切り抜ける道筋が見えて来た。
ところが、石川亮の初球は、ど真ん中へのスライダー。しっかりと弾き返され、2点目を献上。初球に投げるようなコースではない。ここぞという場面での集中力を疑うような入り球。打ち気に来るところで空振りを奪うのであれば、もっと低めに投げる必要があるし、様子見ならボール球にしなければならない。
単に打ち込まれて5回持たなかったというよりも、内容的にあまりにも勿体なさが目立った。投げているボールが良いだけに余計に悔やまれる。
まだ高卒5年目で、今年の大卒ルーキーと同じ歳。まだまだこれからの投手で、ポテンシャルも大きく既にボールだけを見れば素晴らしいものを持っているだけに、歯がゆい気持ちが大きい。厳しいことを言うのも期待があるからこそ。今年一番期待している投手に京山を挙げただけに、この時点でまだ未勝利、しかも内容がこのレベルというのは非常に残念だし悔しい。
投手はただ速いボール、キレのあるボールを投げるだけではない。シチュエーションに応じて打者と駆け引きをし、慎重に行くところ、大胆に行くところのメリハリが必要。そして、投げ終わった後は野手として守備をし、ベースカバーにも走らなければならない。本人も分かっているとは思うのだが、見ていてもまだそこに意識が感じられない。投げることで精一杯なのかも知れないが、そういうことも含めてピッチングであり、ファームでやってきて欲しいのはその部分。153キロ投げてきました、で1軍に上がれるような層の薄さが招いていることだが、彼が真の先発投手になることでチームの投手力は大きくプラスになるはずだ。毎回失望させられているが、辛抱強く待ちたい。
キジ
7回、牧のラッキーな内野安打もあって1点差に詰め寄り、なおも2アウト満塁で大和という場面だったが、さすがに勝負強い大和でもここで打てなかった。一気に行けず、B.ロドリゲスが回跨ぎで好投し、今年はクローザーとなっている杉浦も非常に良かった。一歩届かず、オリックスの交流戦優勝が決まってしまった。
交流戦に入る前は、どれだけ勝てるのかという感じだった。各チームに1勝はして欲しいという思いだったが、最初のオリックス戦で打線が爆発して勝ち越し。結果的に優勝のオリックスに勝ち越したのはDeNAだけだった。その代わり、打線に火を付けてしまったけどね。
オリックスと並ぶ87得点の打線が勝ち越しをもたらした。一方で先発投手陣が壊滅的で防御率5.13は交流戦最下位の広島と並んでワースト。さすがにこれでは優勝は難しい。よくぞここまで戦ったと思うし、讃えたい。その甲斐あってセ・リーグが45勝43敗とリード。中止になった3カードが月曜以降に組まれているが、4勝すれば16年目にして2度目のセ・リーグ勝ち越しとなる。
DeNAとしても、最終戦に勝って締めたいところ。日本ハムは先週日曜に投げた伊藤ではなく、5月29日以来となるバーヘイゲンが先発する。今年は1勝4敗、防御率6.30と苦戦している。池田に抑え込まれた打線が、今永を援護できるか。先週は勝利投手の権利を持って降板したが、リリーフが同点に追いつかれてしまったので、交流戦のうちに今季初勝利を手にして、再開されるリーグ戦に入って行きたい。
これは知らなかったが、日本ハムはこの試合の後は、札幌ドームがオリンピックのサッカーの試合で使われるため、8/20まで試合がない。ホームゲームは静岡、那覇、そして道内の旭川、帯広などで組まれている。ハマスタ、神宮は認識があったが、札幌ドームも同様だった。DeNAもそうだったように、当分の間空けることになるホームでの試合に勝ちに来るはずなので、心して戦って欲しい。
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