10/12 広島東洋3-0横浜DeNA(マツダ)
前日のドラフトで指名した2位の徳山と4位の三浦が神宮で直接対決し、お互いに無失点の好投。その零封がマツダにも来てしまったのか、DeNA打線は最多勝を狙う九里の前に7回で僅か1安打。リリーフも崩せずに完封負け。東は7回1失点の好投だが、先発した試合が2試合連続の完封負け。106球を投げ切れたことが好材料。
ポジ
東が復帰2戦目で素晴らしい投球を見せた。初回、宇草をストレートで見逃し三振。小園も2球で追い込み、ファウルで粘られたがチェンジアップで空振り三振。西川はチェンジアップでタイミングを外してセカンドゴロ。三者凡退と上々の立ち上がりを見せると、3回までパーフェクトに抑えて5三振を奪った。
1巡目は完璧だったが、2巡目に入って少しボールが浮き出した。4回は宇草を再び見逃し三振に取った後、小園はアウトサイド低めのスライダーに泳いで当てただけだったが、セカンド牧が追い付くのがやっとで送球できず。続く西川には初球、カットボールが浮いたところをライト前へ運ばれた。
1アウト1、3塁で鈴木誠。初球はカーブでストライクを取り、2球目は高めのストレートでファウル。ここまではバッテリーの思惑通り進められたが、簡単に打ち取れないのが今の鈴木。4球目にチェンジアップで勝負に出たが、高めに浮いてファウル。ここから低めのチェンジアップ、ストレートともに見極められてフルカウント。バッテリーの方が苦しくなった。
最後はチェンジアップを持って来たが、見透かされていたし、高めに甘く入ってしまった。これは見逃してくれない。レフト線へのタイムリー二塁打。ホームランにならなくて良かったという甘いボールだった。ここから踏ん張れたことは好材料。前回は満塁にしてしまい、青木にホームランを打たれて、ビッグイニングにしてしまった。坂倉をストレートで詰まらせてファウルフライ、菊池涼はストレートを続けた後でチェンジアップを泳がせて、こちらもファウルフライ。最少失点で切り抜けた。
その後はランナーを出しながらも要所を締めて、7回まで投げた。ファームでは100球を超える投球はあったが、1軍のマウンドでしっかりと106球を投げ、7回1失点のHQSをマークできたことは、本人としても手応えがあっただろう。まだまだ球威や終盤のスタミナなど課題はあるが、11勝を挙げた投手なので、完璧な出来ではなくても投球術もある。頼もしい先発投手が帰って来た。
この後、再び登録抹消となり、肘などの経過を見ることになるかと思うが、残り試合で登板はあるのかどうか。何とか一つ勝ってもらいたいし、ハマスタのマウンドに立ってもらいたい気持ちもある。どうだろうか。
ヤジ
リーグトップの12勝で最多勝を狙う投手なので、そう簡単に打てるものではない。そもそも九里は苦手にしている投手。だからこそ、動いて行ったのだと思うが、前日の小園健太のクジで全ての運を使い果たしたかのように、冴えずにツキもなかった。
初回、桑原に死球を与え、楠本にも3ボールとなった。誰もが難しいという立ち上がり、九里はコントロールが乱れていた。2球ストライクを取ってフルカウント。ここでランエンドヒットを敢行した。低めのチェンジアップを空振りし、盗塁は失敗。バットに当てるということではチーム随一の楠本なので、ランエンドヒットのサインを出したと思うが、良いところから落とされると見極めも難しいし、さすがにバットにも当たらない。
これは完全に結果論になるが、フルカウントになって動かすのは、監督の立場からは動かしやすいと思うが、打者側からは難しくなる。3ボール1ストライクで、投手がストライクを取りに来るところで仕掛けた方が成功率は上がると思う。失敗するリスクも高くなるので、サインを出す方は勇気が要るが、それくらい思い切って行かないと攻略できない相手ではないか。
佐野も歩かせたが、牧がツーシームを空振り三振で無得点。かなりコントロールが乱れていたので、捕まえたいところだったが、楠本と牧にフルカウントからしっかりとツーシームを投げ切ったところは、さすが最多勝を狙おうという投手。ここぞで投げ切れるような投手をDeNAも揃えて行きたい。
2回もソトを歩かせたが、後続が断たれた。3回あたりからコントロールも落ち着いて来て、チャンスらしいチャンスも得られなかった。4回は2アウトから宮崎がカーブを巧くすくって二塁打し、ソトが膝元のツーシームを打ち返したが、レフトの守備範囲だった。
5回は先頭の柴田が小園のエラーで出塁。戸柱の打席で再びランエンドヒットを仕掛けたが、セカンドライナーで併殺。低めのコース一杯のボールで、バットが折られ力のないライナーになった。ツキもないが、九里がコースに投げ切った結果でもある。
結局、九里には宮崎の二塁打1本しか打てず、7回まで投げられてしまった。チャンスで打席が回ったため代打が出たが、もう1イニングは抑えられそうな投球だった。
8回に島内から四球と内野安打で2アウト1、3塁とこの日最大のチャンスを迎えたが、代わったバードに対し、楠本がストレートを見逃し三振。スライダーを続けられ、何とか見極めていたが、最後にストレートが来て、しかもアウトサイドを狙ったのがやや逆球になり、インサイド低め一杯に決まった。これは手が出ないのもやむを得ないか。
その裏、エスコバーを出して行ったが、鈴木誠に2ランを浴びトドメを刺された。ここは1アウト2塁で3ボール1ストライクになったところで、坂倉も首位打者を争う怖い打者だが、左対左ということも含めて無理に勝負する必要もないところ。栗林が出て来るのだから、1点でもどうかというところで、2点が3点になっても大差ない。
インサイド低めの簡単ではないボールをレフトスタンドまで運んだ鈴木誠が素晴らし過ぎるが、インサイドで勝負に行ったことが間違い。外野が前進しているから力で詰まらせようというのは、鈴木誠には通用しないだろう。9月、10月とホームランを量産して好調な打者に対する勝負手ではない。このあたりの采配にも大いに問題はある。
キジ
この日は打てなかったというだけの試合。東の登板試合がいずれも1点すら取れないというのは気の毒。週初めの火曜に先発しているので、相手も好投手を出してくる。東自身はチームの期待に応える内容を見せてくれたと思う。彼のピッチングをプラス材料に捉えるしかない試合だった。
それよりも昼間の六大学野球で、法政大と早稲田大のカードでいずれもDeNAが前日に指名した投手が先発した。翌日にこれからチームメイトになる投手が直接対決するというのも珍しい。そして、お互いに意識しまくった中で、しっかりと結果を出して無失点の投球をしてくれたのは何とも頼もしい。
大学日本代表の合宿でも同部屋だったこともあるという徳山と三浦。もともと親交がある二人がエースとして投げ合い、白熱の投手戦を繰り広げた。三浦が9回107球4安打7奪三振、徳山は7回114球2安打8奪三振。
DeNAの試合が不甲斐ないので、まだ指名挨拶もしていないドラフト指名選手の活躍でポジるしかないという情けなさはあるが、この日、指名挨拶で三浦監督とオンラインで対面した小園も含め、どうしても来季に気持ちが向かってしまう。
この日でCS出場も数字上で完全に消滅した。7連敗した時点で絶望的なのだが、読売が貯金1まで急降下してきたので、もう少し借金1桁で粘れていればという思いはどうしてもあるが、これが現状のチーム力なのだろう。残り試合でもう少し来季への希望や手応えを見たいが、どのように立て直して行くか。投手も課題だが、攻撃面で今年も全く変化、成長が見られないことが不安だ。明るい材料が欲しい。
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