10/14 広島東洋5-3横浜DeNA(マツダ)
若手起用には当然リスクも付き纏う。経験をさせることと勝つことの両立は難しい。5、6回は守備が乱れて広島に大きなリードを許した。4回に柴田のタイムリーで先制したが、鈴木誠のソロですぐさま同点。5回、大瀬良のヒットから小園のタイムリーで勝ち越し、さらに小園がスタートを切ったと判断した山本が二塁へ悪送球。これを西川が還して余分な1点を与えた。6回は1アウト1塁から會澤のショートゴロを森がセカンドへ悪送球。2、3塁となり、松山の内野ゴロ間と小園のタイムリーでさらに2点を奪われた。ロメロは自責2だが5失点で連勝が4で止まった。
ポジ
この日も牧のバッティングが光った。4回に1アウトから大瀬良に対して粘りを見せ、7球目の高めに入ったストレートをキレイにライト前へ運んだ。この出塁で柴田の先制タイムリーを呼んだ。6回もカットボールを一二塁間へ球足の速いゴロ。菊池涼が素早く回り込んだが、土と芝生の間で少しイレギュラーバウンドになり弾いた。記録はエラー。菊池涼だから捕球できそうな体勢に入れているだけで、打球の強さ、コース、そして何よりイレギュラーしているのだから、どう考えてもヒット。この判断は公式記録員のセンスがなさ過ぎる。強襲ヒット1本を損した。
8回には島内のインサイド高め153キロをしっかりと弾き返し、レフト線への二塁打。ストレートに振り負けないスイングの速さと強さがある。これで安打数、塁打数、二塁打でまた新人記録の順位を上げた。本塁打も含め、多くの項目で歴代のベスト10からベスト5に入り始めた。もはや球団の記録の次元ではなく、プロ野球の歴代でも好成績のルーキーと言うことになり始めた。だが、この日もセーブを献上してしまった栗林も異次元の数字。ホントに2人とも受賞しないとおかしいくらいのレベルになって来た。
宮崎が猛打賞。2日で9-7という固め打ちで打率が3割に復帰した。4回は、初球高めに入ったスライダーに反応したが、バットを止めようとして当たってしまい、それがセンター前に落ちた。宮崎も苦笑いのラッキーヒット。さらに6回も牧を置いてランエンドヒットで、センターの右にポトリと落ちるヒット。打ち取られたような当たりでもヒットになってしまうあたり、乗っている。8回は島内からライト前へタイムリーヒット。10月に入って調子を落としていたが、この復調で昨年に続いての3割が見えて来た。
ロメロも決して悪くはなかった。ランナーを出しながらもゴロを打たせてという、いつものピッチング。4回は1点をもらった直後、鈴木誠にスライダーが甘く入って同点をソロを浴びてしまった。しかし、その後は2三振を奪って3人で片付けた。5回に大瀬良にヒットを打たれてしまったことが悔やまれる。宇草にゴロを打たせたが併殺崩れになってしまった。警戒はしていたのだろうが、宇草に完璧なスタートを切られて盗塁成功の後、小園にタイムリーを打たれるパターン。さらに小園もスタートの構えを見せ、山本の悪送球を誘い、さらに西川のタイムリーで追加点を奪われてしまった。
6回も森のエラーに足を引っ張られる形で途中降板となった。5失点だったが、自責点は2と気の毒なマウンドになった。来日初勝利から続いていた連勝は4で止まり、5月14日以来の3敗目。ファームでの再調整、オリンピック期間の中断はあるが、ちょうど5か月負けていなかった。後半戦はローテの柱として貢献したと思う。あと1回登板があるか分からないが、来季の残留も決定的で、キャンプからの参加でさらなる飛躍を期待したい。
ヤジ
中盤に守備のミスを連発し、ロメロの足を引っ張ってしまった。若い選手は失敗して上手くなるとは言え、若さだけでは済まされないミスの連続だった。
5回、1アウトから大瀬良がヒットを放ち、宇草は高いバウンドのセカンドゴロ。足の速さを考えれば併殺は難しい当たりではあったが、森の強肩であれば併殺を取れる可能性があった。だが、ワンバウンドの送球で牧が捕れず併殺崩れ。タイミング的にはボールの方が早かったように見えた。エラーは付かないが、ここできっちりとストライク送球できれば、森の肩という魅力が最大限に発揮されるところだった。そういう意味での球際の強さも養って欲しい。
宇草が残り、ロメロが牽制をしていたが、山本がセカンドへ送球できないくらいに盗まれていた。3度目の牽制は来ないという確信なのか、癖が出ているのか。2アウト2塁となってインサイドの高めにカットボールを投じたが、詰まらせ切れずにセンター前へ落ちるタイムリー。
西川にボールが2球先行し、3球目で小園がスタートをしたが、途中で止まった。山本はそれが見えていなかったのか、セカンドへ送球。森も小園が止まったためにセカンドへ入り切れていなかった。山本が少し躊躇した分、送球がセカンドよりも左でバウンドし、森が後逸。その間に小園がセカンドへ進んだ。山本に悪送球が付いた。ここで西川にもタイムリーを打たれ、守備の乱れが余計な1点を許してしまった。
6回は先頭の菊池涼にヒットを打たれ、林には3ボール。4球目の高めの速球に詰まり、ファウルフライで助かった。會澤は速球に押されて三遊間深いところへのゴロ。森が逆シングルで捕って、セカンドへ送球したが、これが大きく逸れてライト線のファウルグラウンドを転々。1アウト2、3塁にしてしまった。
會澤の足を考えると併殺が取れる可能性があるし、前の回に併殺崩れから失点を重ねたので、併殺を取りたいという気持ちは分かる。だが、打順を考えればアウト一つを確実に取るべき場面。結果的に松山が代打で起用されたが、2アウト1塁だったら他の代打になっていたかも知れない。慌てて雑に投げてしまったようにも見えるので、確実な送球ができるように技術面を磨いて行く他ない。
松山の強烈なセカンドゴロは、柴田がファインプレーでキャッチ。しかし、菊池涼のスタートもプロのプレーだった。ダイビングで捕りすぐさまホームへ送球しようとしたが、間に合わなかった。打球が速かったし、すぐ起き上がったので、ちょっとでもスタートが遅れていれば、ホームでアウトになっていたかも知れない。
上手過ぎて牧の当たりもエラーが付けられてしまう程だが、5回の佐野の一二塁間へのゴロも、普通のセカンドなら内野安打かライト前ヒットだろう。それを追い付き、見事な送球でアウトにするのだから、佐野も苦笑いするしかない。
マツダスタジアムで守るという機会は1軍の試合でないと難しいし、森は代打の1打席で勝負するタイプでもないから、どうしてもスタメンで守備に就きながらの起用になる。この日も広島のエース級である大瀬良に対して、あえて打席に立たせた側面もある。しかし、打つ方でも5タコと散々な結果に終わった。
ポジションは違えど、同じフィールドに立ち同じ条件で好守を見せた柴田、菊池涼の守備を間近で見て、自分の守備力をどう感じたか。ファームで守っていても何となくミスをした、うまく守れたという感覚はあるだろう。菊池涼の守備は映像などで見て上手いことは分かっているはずだが、やはり試合の中で差を見せつけられたというのは、大きなインパクトがあるだろう。この挫折を力に変えられるか。1軍の試合が敗戦に至るという代償を払っている
キジ
大瀬良がプロ8年目にして、マツダでのDeNA戦でプロ初勝利ということになった。先制点を奪うことができたが、中盤に守備が乱れて勝利を献上してしまった。6回までに106球を投げさせ、攻略の一歩手前までは行っていたが、崩し切れなかった。エラーで余分な点を与えた分、反撃も届かなかった。8回に1点を返して2アウト満塁と攻めたが、ここもあと1本が出なかった。
今週からフェニックスリーグが開幕しており、この日は伊藤裕が2ランを含む3安打と結果を残した。このまま1軍で中途半端に使うのか、結果を残した選手と入れ替えを行うのか。育成と勝利という1軍では相反する2つを求められるが、どのような決断を下すか。
15、16日はもともと試合の予定がなく、次は17日のハマスタでのヤクルト戦となり、2日間空くことになる。フェニックスリーグも15日は試合がなく、このタイミングで入れ替えが行われるのか。1軍の試合は残り7試合で、予備日も含めて少し飛び飛びでの試合になって来る。実戦の数をこなすのか、1軍の投手との対戦を経験させるか。悩ましいところではあるが、方針を決めて徹底して欲しい。
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