05/06 広島東洋3-4横浜DeNA(マツダ)
大瀬良と今永というエース同士の先発にも関わらず、初回から両軍合わせて5点という点の取り合いでスタートした試合は、その後立ち直った両投手が投げ合い、3-3のままリリーフ勝負。延長11回に神里がタイムリー三塁打で均衡を破り、山崎が締めた。開幕6連敗だった広島戦で今季初勝利となった。
ポジ
初回、大瀬良の立ち上がりを捉え、2番の大田がレフトスタンドへの先制ソロ。高めに浮いたカットボールを豪快に運ぶ、大田らしい思い切りの良いバッティングだった。楠本がヒットで出塁した後、牧が真ん中に入ったフォークを左中間のスタンドまで運び、3試合連続の8号2ラン。
落ちないフォークだったが、上から叩くように捉え、打球が思いの外伸びて行った。前の2本とはまた異なる形でのホームラン。甘かったとは言え、この形でもスタンドまで打ち込んでいるので、右方向への長打も併せると、今年はホームラン数もかなり伸ばして来そうな気配だ。
その後は、チャンスを作りながらも、大瀬良のエースらしい落ち着いた投球の前に決定打が出なかった。初回に3失点してしまったが、7回までその3点でまとめ、悪いなりに投げられるというのがまさにエース。
9回は栗林ではなく、打順との兼ね合いもあってターリーが登板した。1アウト1、2塁のチャンスを掴んだが得点には至らず。大田の打球は打った瞬間はセンターの頭を越えると思ったが、上がり過ぎたためか失速して追いつかれてしまった。
11回は戸柱がヒットで出塁し、倉本のバントは打球が上がってしまったが、島内がセカンドへ投げられずにバント成功。ここで神里が、狙っていたボールではなかったと言っていたが、真ん中付近に入って来たチェンジアップをきっちり捉え、右中間を完全に破った。代走の関根が還り、神里も三塁まで到達した。
前日は、2番でスタメン起用されたが、得点には絡めず。しかし、終盤に内野安打で今季初ヒットをマーク。今後に繋がる収穫と書いたが、まさにそれがすぐ次の試合にやって来た。前日に一本出ていなければ、この殊勲打はなかったかも知れない。
得点には至らなかったが、9回は代走で盗塁も決めた。佐野が離脱してしまった中、同じ歳の外野手としてスタメンのチャンスを得て、カバーして行きたいところ。走攻守にアピールをして、宮本や関根らとの競争にも勝って、出番を増やしたいところ。楠本も調子が落ちて来ているし、神里の活躍が期待される。
この勝利を呼んだのは、今永の後を繋いだリリーフ陣の功績が大きい。伊勢は15試合連続無失点。この日も長野、堂林と連続三振を奪い、完璧な内容だった。エスコバーもストレートの力を感じさせる内容で2三振。この日の投球を見る限りはかなり状態が上がって来ているように思う。
9回はサヨナラ負けのプレッシャーがかかる中、田中健が苦しみながらも抑え切った。牧のエラーからピンチを招いたが、決して甘いボールは投げず、歩かせても次の打者というベテランらしい落ち着きがあった。會澤にカウントを悪くしたが、最後は低めにカットを決め、詰まらせた。
三嶋は前回のマツダでの3戦目に逆転サヨナラを許していた。この日は、ボールが暴れ過ぎることもなく、落ち着いた投球。相性が異常に悪い西川にはヒットを打たれたが、マクブルームに対しては、アウトサイドの低めにきっちりと投げ切れていた。
山崎は復帰して初めてのセーブシチュエーションだったが、好守で先頭を打ち取ると、中村健と松山から連続三振で締めた。スプリットのキレはまずまずだったか。ストレートが低めへ良いラインを描いていたように思う。中村健へのスプリットはゾーンに入ってしまったが、結果オーライ。3セーブ目を挙げて、これで乗って行きたいところだ。
投手陣をサポートしたのが倉本の守備。サードで難しい当たりを処理した。特に11回は、山崎としては先頭を出したくないところで、強い当たりのサードゴロで、バウンドが難しくなったところを上手く捕球し、正確なスローイングでアウトにした。少しでも弾いてしまえば、ノーアウトのランナーというところで、この正確なプレーは大きかった。
ヤジ
復帰したことだけでもポジにしても良いくらいなのだが、そこは今永なので厳しく行きたい。相手が大瀬良ということもあり、今永も序盤は0-0での投げ合いを想定していたのではないかなと思う。それがまさかの3点先取。自身にとっても開幕戦ということで、緊張もあったようだ。
何年やっても開幕は緊張するというので、多少やむを得ないところはあると思うが、開幕投手を二度も務め、8回無失点の好投も見せた投手なので、緊張してもしっかりと結果は出して欲しいところ。不運な当たりもあったが、初回に5安打を集中され2点を奪われた。走塁死、牽制死で何とか2点で収まったという感じ。
2回は小園のヒットでピンチを招いたが無失点で切り抜けた。しかし、3回は坂倉のタイムリーで同点を許した。3回までで8安打を許す投球は、これまでファームで見せていたものとは程遠い。だが、昨年も最初の登板はかなり打ち込まれていた。
だが、4回に下位打線を三者凡退に抑えると、5回は堂林から150キロのストレートで三振を取り、西川もカットボールで三振に仕留めた。尻上がりに調子を上げ、6回もマクブルームの詰まったヒットだけに抑えた。7回に打席が回ったところで代打を出されて交代。最初の登板は6回84球、9安打も無四球で3失点。
大瀬良から初回に3点も取れるという幸先の良いスタートだっただけに、しっかりと今永自身が勝って開幕して欲しかったというのが正直なところ。だが、4回以降の投球は次回登板に期待が高まるものでもあった。チームが勝ってくれたことが救いだろうし、次の登板までの気持ちも違ってくる。中6日であればハマスタでの阪神戦。今永らしい投球を見せ、勝利を挙げて欲しい。
キジ
2カード連続で3連敗していた広島戦は、7試合目でやっと今季初勝利。既に2勝を献上している大瀬良が先発した初戦を取ったのは非常に大きいと思う。今永に勝利が付けば言うことはなかったが、2回以降得点が取れない中、リリーフが踏ん張って栗林が降りるところまで得点を許さなかったことが、勝利に繋がったと思う。
本当は7回の1アウト2、3塁や9回の1アウト1、2塁で得点を奪い、勝ち切りたい試合ではあったが、延長の末に全員野球で勝てたことは、今のチームにとっては重要なこと。大勝が続いただけに接戦で勝ち切ったことはチームの力にもなる。
ここまで散々やられているので、反撃しなければならない。7日は2週間前と同じ森下と上茶谷というマッチアップ。前回は上茶谷が6失点、森下には7回まで無得点に抑え込まれて完敗。上茶谷も雪辱を期していると思うので、打線も少ないチャンスを生かして得点を奪って行きたい。4連敗の後の4連勝で星を戻せるか。
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