05/05 横浜DeNA10-2中日(ハマスタ)
昨年に引き続き開催された、桃太郎電鉄スペシャルデー。先発の坂本が初回の満塁のピンチを切り抜けると、その裏に牧が3ランを放って先制。4回に1点を失うと、ソトから連打で1点を追加し、なおも1アウト満塁で坂本に代打の藤田を送る。藤田もタイムリーで続き5連打。8回に戸柱、倉本、宮本の3発で今季初の2桁得点を挙げ、5回から平田、砂田、入江と繋ぎ、最後は宮國が締めた。入江がプロ初勝利をマークした。
ポジ
2020年ドラフト1位・2位の揃い踏み
前日、7回に試合を決める6号3ランを放った牧。この日は初回、楠本がエラーで出塁し、佐野が歩いた1アウト1、2塁で最初の打席を迎えた。2球目のツーシームが体の付近に来て避けた後、真ん中に甘く入った来たところをミスショットせず、ライトスタンドまで運んだ。2打席連続の3ランは、ヒット1本で3点を先制する貴重な一打となった。
さらに5回にもヒットで出塁した佐野を置いて、高めのストレートを右中間へ運んだ。佐野が一気に生還し、牧も送球間にサードまで進んだ。打撃、走塁共に隙がなく素晴らしいプレーを見せた。少しでも甘くなると、左へ右へとボールに逆らわずに弾き返す。タイミングの取り方が素晴らしいし、ミスショットが少ないので高打率を維持できる。
これでホームラン7本は、11本の岡本和に次ぐ2位タイ。打点も4つ増やして20打点として3位タイ。打率も.333で3位に浮上した。読売は35試合を消化したが、DeNAは28試合。さらに牧は、コロナの影響で6試合欠場しているので、ペースとしてはホームランも打点も岡本和に遜色はない。
まだ5月の初めで個人タイトルの話をするには早過ぎるが、これは2年目のジンクスどころか、4番として三冠王を争うのではないかと恐ろしくなるほどのバッティングを見せている。神奈川の牧、牧が好きだと叫びたい、牧しか勝たん、牧監督、牧様、神とどれだけの賛辞を送っても足りないくらい偉大になって行く。
そんな凄い選手を擁していながらチームとしては体たらくで、牧が望むチームの優勝はまだまだ険しい道のりだ。しかし、この日はちょっとした夢が叶ったというこどもの日でもあった。
先発の坂本は、毎回走者を背負いながらも4回に内野ゴロ間で失った1点だけに留めていた。しかし、4回裏の攻撃で代打が送られて降板。2番手の平田がイニング跨いで好投していたが、戸柱の捕逸で振り逃げとなり、2アウト満塁の場面で砂田に交代した。砂田がここを断ち切って相手に流れを渡さない。
7回から、牧の同期である入江が登板。ちょうど打順が終わった楠本のところに入江が入り、センターに桑原が入る。3イニングを投げさせてプロ初セーブをマークさせるのでは、という予想もあった。
入江は、先頭の郡司にセンターへ抜けるかという当たりを打たれ、牧がダイビングキャッチしファーストへ送球したが、大きく逸れて内野安打。入江だからということはないはずだが、同期が投げているところでアウトにしたいという思いは感じた。
入江は、続くビシエドをツーシームで空振り三振に抑えると、阿部は鋭いフォークで空振り三振。石川昂は、追い込んでからアウトサイドのストレートを投げ込み、見逃し三振。三者連続三振で7回を抑えた。8回も続投し、この日当たっていた三ツ俣から、インハイへのストレートで見逃し三振。2イニングで4つの三振を奪う好投を見せた。
9回も続投するかと思われたが、宮國と交代。プロ初セーブはお預けとなった。チームがリードした状態で、先発投手が5回を投げ切れないなど勝利投手の権利がない場合、その後のリリーフの誰に勝利投手を付けるかは、公式記録員の判断になる。ただし、他の投手よりも1イニング以上長く投げた投手がいた場合は、その投手に付けるのが通常で、該当がない場合は勝利に貢献した投手を公式記録員が選ぶ。
この日は、平田が戸柱の捕逸で3アウト目が成立せず、砂田のリリーフ仰いだので、1回2/3。入江が2回なので、「1イニング以上長く」投げてはいないが、最長イニングだったことと内容も鑑みて入江がプロ初勝利ということになった。
入江と牧が青星寮の風呂で交わした「いつか二人揃ってハマスタのヒーローインタビューに」という瞬間が実現した。
言わずもがなだが、昨年はドラフト1位ルーキーとして期待され、開幕ローテーション入りを果たしたが、全く勝てずに0勝4敗でファーム行きとなり、その後8月に右肘の手術を受けた。今年はリリーバーとして1軍での立ち位置を模索するシーズン。
序盤はコントロールを大きく乱して失点があった。4月12日の那覇では打ち込まれて4失点。しかし、19日にプロ初ホールドをマークし、少しずつ内容が良くなって来ていた。明大の先輩である伊勢も、開幕から14試合無失点と好調で、続いて行きたいという思いもあっただろう。
プロ初勝利は、リリーフだったとしてもやはり嬉しいものだろうし、一つの大きな区切りになる。これをきっかけにどんどんと飛躍して欲しいと思う。まだまだコントロールには不安もあるが、ボールの勢いはリリーバーの中でも有数のもの。フォークやスライダーなどの精度を上げて行けば、勝ちパターンに入って来ることも期待される。
ヒーローインタビューでは、喜びを噛みしめるようにゆっくりと丁寧に一言ずつコメントしていた。最後に2000のギャグを持つ男として、何かやって欲しいというリクエストに対して、封印を解いた。同郷の栃木県で、昨年のファンフェスでも来ていたU字工事の益子氏のギャグ、ごめんねこめんねーを披露した。ちなみに福田氏は熱烈なベイスターズファンだが、ギャグを言っている益子氏はヤクルトファン。
急なことだったので、本人も対応し切れず自己評価としては非常に低かった。ここから活躍し、ギャグでも本来の姿を見せて行ってもらえればと思う。
牧はチームの大黒柱として、既にヒーローインタビューも慣れたものだが、念願のドラフト1位・2位の揃い踏みには、少し感慨深いものもあっただろう。この世代がチームの中心になって、押し上げてもらいたい。京山、知野、細川らファームにいる選手、山本も含め牧世代が飛躍することが、チームの底上げに繋がる。この二人の姿を見て、波及効果があればと思う。
入江と牧の美談が注目されているが、勝利投手は付かなかったものの、手術明けのシーズンでこの日も回跨ぎで好投した平田が、この試合の勝利に大きく貢献したことは、しっかりと明記しておきたい。
よもやよもやの3発、打線変更も奏功
前日の7得点での大勝から、大きくオーダーを変えた。前日は左腕の岡田が先発したが、この日は右腕の福谷。大田に代わって神里を2番に入れた。大田が良い働きをしていたし、福谷は右打者の方が被打率が高く、大田も右投手の方が打率も高かった。わざわざまだ今季ノーヒットの神里に代える必要はないのではと思ったが、もしかしたら福谷との通算の対戦打率で、神里が良い数字を残していたので、対戦経験という部分を重視したのかも知れない。
ショート、サードも大和と伊藤裕から柴田と倉本の左打者に変更。キャッチャーは投手との相性も考慮しているだろうが、左の戸柱に代わった。嶺井が良いバッティングを見せていた中だったので、賛否両論あったかと思う。
神里は初回ノーアウト1塁で、打ち上げてショートフライ。左方向へのポップフライは最悪の結果。だが、牧が3ランを放ってカバーしてくれた。4回は、ソトが二塁打で出塁すると、戸柱、倉本、柴田と連打が続き、変更した打線が見事に結果を出した。坂本への代打、藤田も続いて5連打。5番ソトからの5連打で追加点を挙げるとは想像していなかった。
8回には戸柱がライトポール際へ鋭い当たりを打ち込んで、1号ソロ。さらに倉本もセンターバックスクリーンへこちらも1号ソロで続いた。柴田と桑原が倒れた後、代打で登場した宮本もストレートをライトスタンドへ4年ぶりとなるホームラン。よもやよもやのメンバーによる3発で2桁得点に到達した。
神里も、試合がほぼ決まった後の7回ではあるが、今季初ヒットが出た。柴田もそうだったように、やはり一本出ると全然違ってくるはずだ。こちらの起用は当たったとは言えないが、今後に向けては収穫のある試合になったのではないか。
ヤジ
坂本は、4回裏に3点リードと広がった後の1アウト満塁で代打を送られた。勝ち投手の権利を得られないまま降板となった。少し厳しい采配のように感じた。
しかし、フラフラとした投球だったことは事実。初回は、岡林のヒットの後、2四球で満塁とした。ここまで2試合連続で満塁弾を浴びており、3試合連続となれば新記録。石川昂には真ん中付近に入ったストレートを弾き返され、打球はセンターへ伸びて行ったが、ウォーニングゾーンで神里がキャッチ。何とか無失点で切り抜けた。
その後も、毎回ランナーを背負い、3回には先頭の郡司に四球を与えて齋藤コーチがマウンドへ行った。ここでは阿部と石川昂から連続三振を奪い、良くなったかと思ったが、4回は木下にレフト前ヒット、三ツ俣には左中間を破られノーアウト2、3塁。ここでは、投手の福谷のショートゴロで1点を失ったが、後続を断って最少失点で切り抜けた。
ここまでの登板では、打たれ始めるとビッグイニングにしてしまうことが続いていた。2度はグランドスラムによって1球で4点を失っていたが、ピンチでの投球が大きな課題だった。それを克服できたかと言うと、まだまだという内容だろう。
代えられても文句は言えない内容だったのは確かだが、そこから脱却する上でも5回のマウンドに上げることは必要だったのではないかと思う。この4回の交代で坂本が、どのような成長を遂げられるか。初回の満塁では、吐きそうな表情も見て取れたし、サンスポさんのツイートによると、ビジター用の帽子を被ってマウンドへ行ってしまったとか。緊張なのか、単なるうっかりさんなのかは分からないが、かなり精神的にも追い込まれている様子もある。
内容的に褒められはしないが、5回も何とか踏ん張り、結果として勝利が付いたとしたら、次回以降が大きく変わったかも知れない。甘いかも知れないが、先発投手が揃わない中、坂本という駒が一本立ちすることは非常に大きいと思う。この試合を取るということに重点を置いた起用とは思うが、ロメロや東が同程度の内容の時もそうした厳しさを見せて行くべきではないか。昨年やそれ以前の実績が違うと言われればそれまでだが、そこまで実績があるわけでもないだろう。今永や大貫ではあるまいし。
昨年までも特に坂本には厳しい印象があるので、偏った起用ではなく、しっかりと公平性と将来性を持った起用を望みたいと思う。
キジ
昨日の投稿でも書いた通り、この日は「桃太郎電鉄スペシャルデー」が開催された。桃鉄なのに、始球式がパワプロくんだったことには、ハドソンはもうなくなってコナミからの発売になっているんだなということを痛感した。原作者のさくまあきら氏はベイスターズファンで、この日もスポンサーとしてVIPルームで観戦していた。ちなみに昨年の試合が下記の投稿。
勝ったことはもちろん、何と得点まで10-2と同じではないか。そんなことある?よもやよもやの3人での3発や、9回表の鵜飼の三塁打はそうした奇跡がもたらしたものかと思う程だ。
上記の投稿にも書いた通り、べいすた社長という名前にして、横浜(最新作では中華街)にある球団を買うと優勝しやすくなるなど、自身のベイスターズ好きをゲームにまで入れてしまっている愛が、今年も見事に通じて、2連勝ということになった。
そんな桃鉄デーに行くか迷った挙句、行かなかったため今年の現地初勝利は未だにお預け。坂本に5回を投げさせてあげろとは書いたものの、一番信用してなかったのは管理人。現地に行って坂本が打たれた後悔よりも、行かずにチームが勝利した後悔の方が、結果としてチームが勝つのでそちらを選択した結果。どうでもいい話だけど。
しかし、来年も桃鉄デーが開催されるなら、必ず行くようにしたい。というか、チケット販売時点で教えてくれよ、と。知ってたら3日じゃなくて確実に5日にしたんだけど。毎日行けよという声もあるかと思うが、そこはいろいろと事情もあるんでね。とにかく、さくまあきら氏は来年も元気に来場していただきたいと思う。
さて、2日続けての大勝で借金も4と少し戻した。だが、昨日も書いた通り接戦をものにしたわけではない。TBSで解説していた大魔神も言っていたが、こういう試合は強いし、打てる。だが、接戦になった場合の1点が取れるのとは全然別。まさに3日の試合で1点が届かず、追加点を防ぎ切れなかった。ああいう試合をどれだけ取れるかで、年間の勝率が5割を上回るか、下回るかが変わって来る。
6日は、開幕6連敗の広島戦。中日に5勝1敗としている以上に、ここに負けてしまっている。初戦はいよいよエース今永が復帰登板となる。相手は、前回完封勝利を挙げ、今年既に2勝を献上しているエース大瀬良。開幕戦のようなマッチアップで、どれだけ勝負できるか。
広島打線に打率.321、6試合で45得点を許している状況で、失点をどれだけ防げるかが勝負の分かれ目となるだろう。今永がその流れを変えられるか、それとも飲まれるのか。接戦に持ち込み、それを勝ち切ることができれば、チームはより一層上昇できるはずだ。
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