03/16 広島東洋3-2横浜DeNA(マツダ)
先発の森唯は、多彩な変化球で的を絞らせず、5回1失点。5つの三振を奪い、低めのチェンジアップが有効だった。打線は森下に3回まで2安打だったが、5回に高から京田、関根のタイムリーで2点を挙げた。その後2つのエラーがいずれも失点に繋がって逆転を許した。度会、林、京田がマルチヒットをマークし12安打を放ったが、牽制で二度刺され、11残塁と課題が残った。
ポジ [Good]
森唯は、140キロの前後のカットボール、ツーシームでボールを動かしつつ、カーブで緩急を付け、フォーク、チェンジアップと2種類の落ちるボールで三振も奪った。クローザーを務めていた頃は150キロのストレートが印象的だが、先発として完全に軟投派の投球をしている。
5回76球と球数もまずまず。経験豊富な投手なので、スタイルを変えても、打者との駆け引きに長けている。カット、ツーシームでゴロを打たせることができれば、少ない球数でイニングを稼ぐこともできる。開幕ローテーション争いに残り、望みを繋いだ形になった。次回はどこで登板するか分からないが、続けて結果を残し、ローテーションに食い込みたい。
度会が13試合連続ヒット。侍ジャパンにも選出されている森下を相手に、最初の打席ではインサイドのカットボールに詰まらせて、サードフライ。しかし、2打席目ではボールが2球先行し、ストレートでストライクを取りに来たところ、高めを逆らわずにレフト前へ運んだ。開幕第2戦で森下が先発する予定なので、2打席見ることができて、ヒットも打てたことは大きいだろう。
7回には大道のインサイド低めのストレートを強振し、ライト線への二塁打とした。ホームランはまだ出ていないが、思い切ったスイングでの長打が見られた。オープン戦は2試合休んでいるが、それ以外の10試合ではヒットを放っている。
レギュラークラスとして、早めに交代していることもあり、マルチヒットは3月5日以来で3回目となった。1番としてレギュラーで出場するのであれば、固め打ちよりも毎試合ヒットなどで出塁できた方が良い。開幕1番スタメンに向けて、着実に進んでいる。
日付 | 球場 | 相手 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
2月25日 | 宜野湾 | E | 左飛 | 右飛 | 右安 | ||
3月2日 | 北九州 | H | 遊ゴ | 右安 | 死球 | ||
3月3日 | 京セラ | B | 三振 | 右安 | 中飛 | 中安 | 四球 |
3月5日 | 横浜 | M | 二安 | 三振 | 右2 | ||
3月6日 | 横浜 | M | 左安 | 一ゴ | 二ゴ | ||
3月9日 | 横浜 | L | 三振 | 四球 | 左安 | ||
3月10日 | 横浜 | L | 右安 | 二ゴ | 中飛 | 三振 | |
3月13日 | 横浜 | S | 三振 | 左安 | 一ゴ | ||
3月15日 | 横浜 | E | 遊ゴ | 左安 | 三振 | ||
3月16日 | マツダ | C | 三飛 | 中安 | 三飛 | 右2 |
林は、森下の変化球を巧く拾ってレフト前ヒット。9回にも栗林のフォークが浮いたところを振り抜き、一二塁間を破るライト前ヒットで、マルチヒットとした。7回のサードライナーも巧く合わせたが、サードの林のファインプレーに阻まれた。昨年CSで活躍したマツダで躍動し、開幕スタメンの争いに踏みとどまりたい。
京田もマルチヒット。5回は、高めに浮いたストレートを被せるように引っ張り込んで、ライト線へライナーの二塁打。ポイントを前に置いたメリットが出たか。 続く戸柱のショートゴロでスタート良く三塁へ進んだ走塁も良かった。6回は、ストレートを今度は三塁線へ強く打ち返し、破った。
ショート以外の守備もこなしているが、林、石上と最後までショートのスタメンを争い、高いレベルの競争にして欲しい。
ヤジ [Bad]
伊勢は、守備にも足を引っ張られて失点し、追い付かれてしまった。それにしても、球威が全然上がって来ない。西巻の守備には助けられたので1失点で済んだが、現状だと厳しい場面で使うのは怖い。一度、自身の投球を見直して来た方が良いかも知れない。
2つのエラーがいずれも失点に結び付いてしまった。6回は、ノーアウト1塁で一二塁間のゴロに京田がバウンドを合わせられずに弾いてしまった。セカンドへ送球する体勢も考えて捕りに行ったとは思うが、まず1つはアウトに取らないといけない場面だった。
8回裏は、守備でバタついた。2アウトランナーなしで、二俣の左中間への二塁打で、中継が乱れて三塁へ進めてしまった。さらに、暴投で決勝点を与える最悪の形。オープン戦とは言え、昨年苦手とした広島を相手に、こういう野球は見せて欲しくなかった。
4回は、ルーキーの高に2度牽制で誘い出されて刺される場面があった。積極走塁はこういうシーンと紙一重な部分はあるが、開幕までに牽制を確認しておきたい。今年は走塁アナリストの佐竹氏の存在があるので、分析はされると思う。
牧が途中出場で2打席立った。9番DH関根の代打として登場し、初球をあっさりと打ち上げてファウルフライ。8回は1アウト満塁の場面で併殺打に倒れた。1週間強の休みとなり、まだ状態が戻っていないのは当然。まずは復帰できたことだけでもポジティブな要素ではあるが、開幕まで2週間を切っており、来週の試合では状態を戻す必要がある。牧が4番に入ることがチームのマイナスにならないようにしてもらいたい。
シャイナーは、試合前までオープン戦は28打数2安打の.071と全く打っていなかった。2月21日の練習試合でも、森唯斗から左中間への二塁打を打っているが、この日も初のマルチヒットを許してしまった。単に森唯斗との相性が良いだけなら良いが、ブリンソンのようにベイスターズ戦だけ異常に打つ存在になりかねない。開幕シリーズで、かつての末包や上本のような存在にならないよう、しっかりと抑えておきたい。
キジ [Other]
昨年のCSもそうだったが、広島戦の典型的な敗戦だった。先制しながら、終盤に追い付かれ、最終的には負けている。ベイスターズは主力がスタメンを外れているし、オープン戦だから投手起用なども通常とは異なるとは言え、あまりポジティブには考えられない試合になった。
オープン戦の勝敗は、公式戦へ何ら関係ないとは言え、残り数試合ほどになって来て、開幕スタメンを意識したオーダーとなり、先発投手も長く投げるようになれば、しっかりと結果も残して行く必要がある。この広島遠征で若手や1軍当落線上の選手はおおよそ見極められると思う。17日は天気が微妙ではあるが、
イースタンはこの日が2024年シーズンの開幕戦。DeNAは、ロッテ浦和でロッテと対戦した。先発は濵口。初回、いきなり高卒育成ルーキーの高見澤のエラーでランナーを背負うと、愛斗にレフト線へのタイムリー二塁打、安田にもタイムリーを許して2失点。しかし、その後は落ち着いた投球で4回を58球で投げ切った。先発ローテーション入りに前進か。
2番手のジャクソンは、マウンドにも苦労したのか、立ち上がりはコントロールが荒れていた。連打で1、3塁とされ、内野ゴロ間に失点。この時に益子の野選も重なったが、後続は併殺と三振で切り抜けた。ハマスタでは157キロをマークしていたが、ストレートは153キロ程度だった。連続四球の場面もあったが、修正して4回1失点でまとめた。次回はエスコンになると思うので、開幕2戦目の登板に向けて良い内容を見せてもらいたい。
高卒の育成野手で、いきなりイースタンの開幕戦でスタメン起用された高見澤。しかも、サードで2回までに2つのエラーをしてしまい、普通なら引きずってしまいそうだが、3回の打席では、1軍での実績十分の美馬の初球ストレートを思い切って振りに行き、ライナーでライト前へ運んだ。
8回は、左腕の坂本に対して、アウトサイド低めへのストレートを見極めて四球で出塁し、同点に繋がるチャンスメイク。9回は、菊地のアウトサイドのストレートを逆方向へ打ち返し、キレイに三遊間を破った。守備ではまだまだやることがたくさんありそうだが、いきなりのマルチヒットは非凡。今後が楽しみな存在だ。
延長戦となり、10回、11回を投げることになった松本隆もピンチを招き、サヨナラ負けのプレッシャーの中で無失点の投球。途中出場の蓮は、外野守備でミスもあったが、タイムリーを含むマルチヒット。ルーキーの井上はヒットで出塁し、盗塁も決めた。西浦はマルチヒットでベテランの存在感を見せ、桑原もゲーム復帰してヒットを放った。
開幕戦は3-3の引き分けに終わり、守備では4エラーでミスが続出してしまったが、若手の活躍で収穫のある試合になった。17日は、平良が先発するようだ。松尾と楠本は引き続きイースタンの試合に出場する。
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