09/20 横浜DeNA6-0中日(ハマスタ)
理想を超えるような、完璧な試合だった。先発のロメロが、先頭の京田にヒットを打たれるも併殺で切り抜け、桑原が2試合連続の初回先頭打者ホームランで先制。前日のVTRを見るかのように始まった試合は、2回までに集中打で5得点。4回には、1アウトから連打でピンチを迎えたが、高橋周のセンター左への大飛球を桑原がファインプレー。ここを乗り切ったロメロは、併殺打で切り抜けながら無失点で9回のマウンドへ。ここも先頭を歩かせるが、4つ目の併殺で2アウト。最後は福田を打ち取って来日初完封をマーク。3連勝で今季初の単独4位に浮上。
ポジ
相性の良い相手も、想像を超える好投
前回14日の読売戦、7回に味方が牧の2ランで勝ち越し、その裏をロメロが三者凡退で抑えた。球数は少なかったが、8回から勝ちパターンのエスコバーを投入しても良い場面だったが、三浦監督は8回のマウンドにもロメロを送った。
昨年はアメリカに入国できずに登板なし。今年はコロナの影響で来日が遅れた。GW明けに1軍に上がったものの調整不足は否めず、5回前後で捕まることが多かった。後半戦に好投を続け、徐々に投球数、投球回数を伸ばして来ていた。三浦監督がそうした背景もあって8回も行かせたことが、この日の完封に繋がった。
昨日の投稿で書いた通り、中日には防御率0.79と好相性だった。だが、それはバンテリンドームでの対戦であり、ハマスタではまだ良いところを見せていなかった。本来の投球ができるようになった後半戦、ハマスタでの初登板でその相性以上のものを見せてくれた。本当の「ロモちゃん」が来日した、そんなデビュー戦だった。
初回に京田にヒットを打たれたが、併殺で流れに乗った。4回には桑原のスーパープレーに助けられた。5回も先頭打者の木下の飛球を佐野がナイスキャッチ。ロメロ自身もファーストゴロでしっかりとベースカバーに入り、好守を見せた。そして、要所で4つの併殺を完成させた内野陣。155キロを超えるボールを投げるが、ボールを動かすグラウンドボーラー。守備がロメロを助け、完封に導いてくれた。
前回は東京ドームのビジターにも関わらず、ヒーローインタビューでネタを披露してしまったが、この日はホームでの初めてのヒーローインタビュー。「I love fans」の後に、ロモちゃんぺ、ウンチョコチョコチョコピーを見せてくれた。そう、この日はこの姿が見たかった。想像を超える好投の後に、妄想していたその姿を見ることができた。
これで3連勝で3勝目。いよいよ実力を発揮したMLBのプロスペクトは、まだまだ白星を積み重ねてくれそうだ。ロメロが先発した試合は6勝2敗2分の勝率.750。いつの間にか、チームの最も勝率の良い先発投手になっている。今年のクリスマスイヴに27歳になる右腕に、早くも来季以降の活躍を期待してやまない。
打線の勢いを呼んだ桑原の一撃、守備でも熱盛
前日はロドリゲスの2球目のナックルカーブをレフトスタンド上段へ運んだが、この日は初球のストレートをレフトスタンド中段へ運んだ。内容は違えど、前日のVTRを見ているかのような始まり。DeNA戦の防御率0.69という小笠原の出鼻を挫き、打線の勢いを呼んだ。2アウト後、オースティンと宮崎の連続二塁打でもう1点追加したことも大きい。
そして、2回はバントがファウルとなり2ストライクを取られたロメロが、ヒットを打ってしまった。MLBではあまり打席の経験がないと言っていたはずだが、思わぬ才能が見つかってしまったか。そして、桑原が2打席連続ヒットとなる三塁線へのタイムリー二塁打。3点目をもたらしただけでなく、長打によって大和、佐野のタイムリーも呼び込んだ。6回に内野安打で猛打賞とし、打率を.317に上げてトップに立った。
守備では、4回1アウト1、2塁で、ロメロの高めに浮いたチェンジアップを弾き返した、センター左への鋭い当たりに追い付き、フェンスに激突寸前でキャッチ。現地で観ていて完全に抜けたと思ったが、捕っていて驚いた。抜けていれば1点を失って1アウト2、3塁。試合の展開そのものも変わっていたはず。熱盛に選ばれたが、これは試合を決めたプレーと言っても過言ではない。
ヒーローインタビューでは控えめな発言に終始した。今年も前半、いろいろなことがあったし、これまでの経緯からも調子に乗らず謙虚でいようという気持ちなのだろう。それももちろん分かる。徐々にでも良いので、皆が知っている、期待しているクワを出して欲しい。
復調気配の佐野、守備でも魅せた
先週は結果が出ず、打率が3割を切りそうになっていた佐野だが、昨日の投稿で復調のキッカケになりそうと書いたが、この日は3安打。2回に5点目となるタイムリーを放ち、5回には木下がバットの先ですくい上げたレフト後方のフライに追い付いて好捕。守備で流れを作り、3回以降は立ち直りを見せていた小笠原からスライダーをレフトスタンドへのホームラン。
試合の流れの中でも重要な追加点だったが、今年は左方向へのホームランがあまり出ていなかったので、佐野の中でも手応えのある打席だったのではないか。そして、7回にも詰まりながらレフト前に落とした。
ホームゲームなので、ヒーローインタビューに3人上がっても良かったのではないかと思う。攻守にそれに値する活躍を見せたと思うが、佐野が復調すれば残りの6連戦に何度もヒーローインタビューに立ってくれるはず。首位打者に立った桑原とは1分の差。佐野が爆発すれば、すぐにでも首位に立てる範囲。その気配は十分に漂っている。
ヤジ
3試合続けて書くことがない。むしろ一番ない。山本くん、守備は良かったからバッティング頑張ろう!
キジ
お互いの先発投手が、対戦成績で防御率0点台ということで、1点を争うような投手戦を想像して行ったのだが、思いもよらない展開になった。そして、1失点完投の今永を超えて完封してしまうとは。外国人投手の完封はウィーランドが2017年に達成している。これも9月だが甲子園の阪神戦だった。
2日連続で完投はDeNAになってからあったのか?と思ったが、2014年の9月9、10日にハマスタのヤクルト戦で達成していた。この時は、久保康友と山口俊が連日の完封勝利を挙げているのだが、梶谷が2試合連続で先頭打者ホームランを放っている。桑原が球団3人目の達成となったが、この時以来。何という一致。ハマスタ、9月、先頭打者ホームランと完投。ハマスタ、8月、広島戦に次ぐ法則になるか?
9月1日以来の4位に浮上。この時は中日と同率で並んでいたので、単独4位は三浦監督になってから初の最上位。だが、一時的な4位の話よりも借金が1桁に戻ったことの方が大きい。もっと早い段階で戻して欲しいと思っていたが、借金11の壁にも阻まれて、なかなか難しかった。残り試合が28試合しかないので、19勝9敗でないと5割に届かないが、諦めずにチャレンジして欲しい。先発投手が非常に安定している今なら、決して夢物語ではない。
21日からは4勝11敗2分と一番苦手としているヤクルトとの3連戦。ここで勝たなければその先はない。初戦は坂本が先発する。2日連続の完投、その前も京山が7回途中まで投げており、リリーフは温存出来ている。まだ6連戦が続くので無尽蔵には出せないが、坂本がしっかりと試合を作り、リリーフに繋ぐことが理想。スアレスにはいつも苦労しているが、打線が今の勢いを維持できれば攻略できない相手ではない。後半戦好調なチーム同士の対戦。どんな3連戦になるか。
それにしてもこの日は暑かった。デーゲームは6月6日以来だが、これだけ快晴だとBAY SIDEは直射日光が降り注ぎ、かなりしんどい。久々に灼熱のハマスタを味わった。逆光だしスコアボードはバックネットのロープに遮られるといったコンディションだったが、いくつか写真を。
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