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今永がノーヒットノーラン!球団52年ぶり、札幌D初

06/07 北海道日本ハム0-2横浜DeNA(札幌ドーム)

今永が、2回に与えた清宮への四球以外は完璧に抑え、球団としては1970年の鬼頭以来、52年ぶりとなるノーヒットノーランを達成した。札幌ドームでは初めての達成となった。打線は、加藤の両サイドを突く投球に苦しみ、8回まで無得点。9回に宮崎の2点タイムリー二塁打で今永を援護した。

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ポジ

加藤との投げ合いで緊張感、ビジターで喜び控えめ

生きているうちにベイスターズの投手が達成するノーヒットノーランは見られないんじゃないかと思うくらい、縁がない記録だったが、ついに達成者が現れた。

5月6日の復帰以来、段々と状態を上げて来ていた今永。5月17日には今季初完封も達成していた。この日も6連戦の頭に先発し、日本ハム打線を封じて行った。2回2アウトランナーなしから清宮に対してボールが先行し、歩かせた。

後から思えば勿体ない四球となったが、後続を断つと伸びのあるストレートに、カーブ、チェンジアップ、カットボールを嶺井の要求通りに投げ分け、凡打の山を築いて行った。日本ハム先発の加藤も負けず劣らずの投球で、二人の左腕による白熱の投手戦となった。

ノーヒットで迎えた6回裏1アウト、今川の痛烈なピッチャーライナーを反応良くキャッチ。ノーヒッターにはこういったファインプレーが付き物。少しでもズレたり弾いたりすればヒットになっていた当たりで、大記録の達成を予感させた。

6回で加藤が降りても、リリーフから得点を奪えず0-0の緊迫した展開が続いた。そうした中で、ノーヒットを意識するよりも負けられないという気持ちが強かったのだろう。このまま9回まで得点を奪えず、9回をノーヒットで抑えても記録を達成できないという形に終わりそうな気配も漂ったが、宮崎の2点打で援護をもらえた。

9回、独特の緊張感に包まれる中、先頭の代打の淺間にフルカウントからコースギリギリのストレートで見逃し三振を奪う。続く今川にもフルカウントとなり、アウトサイドのストレートで見逃し三振。これはボールと思ったが、勢いもあって球審にストライクと言わせた。

あと1人となり、野村を2球で追い込む。3球目はアウトサイド低めにストレート。打球はフラフラとライトのフェンス際まで飛んで行ったが、蝦名がキャッチしてノーヒットノーランを達成。

マウンドに選手が集まって歓喜が爆発すると思ったが、今永は冷静に、真顔でハイタッチ。マウンドの土を慣らしてからベンチへ下がって行った。大野雄大みたいにガッツポーズでイジられたくないのかと思ったが、「ここは自分たちのホームではないから」という理由のようだ。日本ハムのホームであり、相手とファンをリスペクトしての対応ということか。

さらに、ベンチに戻ると「ヒーロー?俺?」と広報に何度も確認していた。宮崎が打ってくれたとは言え、さすがにここは今永しかいないだろう。ヒーローインタビューの受け答えも冷静で、早くも次の登板に向けた意気込みを口にしていた。

日本ハムは来年から、北広島市に完成するエスコンフィールドに移転する。札幌ドームでのNPBの公式戦は行われるか分からないが、激減するのは間違いないし、交流戦や日本シリーズなどでベイスターズが試合をすることはほぼないだろう。そうした中で、まだ札幌ドームでは誰もノーヒットノーランを達成しておらず、ラストイヤーでしっかりと歴史に名前を残した。

グラウンドの広さはもちろん、フェンスの高さ、ファウルグラウンドの広さなど投手に有利な球場だが、まだ誰も達成していなかったというのも少し意外。ダルビッシュや大谷、有原らメジャーリーガーも成し得なかったことを果たした。

ハマスタでノーヒットノーランというのは、さらに難しいことではあるが、またもう一度、今度はホームゲームで達成し、球場全体が歓喜で包まれる瞬間を見たいものだ。

大記録を援護した宮崎、殊勲の一打

大野雄大が5月6日に9回までパーフェクトに抑えながら、味方が得点を奪えずに延長に入ってヒットを浴びたことは記憶に新しい。この日も、8回まで得点を奪えず0-0の展開。しかも今回はビジターでサヨナラ勝ちもできない。9回表に得点が奪えない場合、9回裏を抑えて少なくとも10回裏も投げなければノーヒットノーランを達成できなくなる。

そんな中、先頭の佐野がヒットで出塁。すぐさま代走に森を起用し、桑原がバントを決めた。1アウト2塁。先週の大活躍で3番に抜擢された蝦名が、四球を選んでガッツポーズ。1アウト1、2塁で牧を迎え、逃げることはできない。

だが、ここで石川直が素晴らしい投球を見せ、1ストライクからインサイド低めのコーナーに、角度のある146キロストレートを投じ、追い込む。3球目のフォークが絶妙な高さから鋭く落ち、牧が空振り。3球三振に打ち取られた。牧への2球は本当に素晴らしいボールだった。

2アウト1、2塁となり、得点圏打率が2割を切っている宮崎。正直、牧でダメなら仕方ないと思っていたので、無得点に終わる覚悟はしていたし、期待もそれほどしていなかった。だが、2球目のストレートが浮いたところを宮崎が逃さず、右方向へ弾き返した。打球は前進守備のライトの頭を大きく越え、フェンスにワンバウンドで当たった。2者が還る貴重な、貴重な一打になった。

これで得点圏打率もやっと2割を超え、少しずつ上がって来た。規定打席まではまだ19打席足りないが、.318とさすがの数字を残している。この日から5番に入ったが、宮崎の打点が伸びて行けばチームの得点力も違って来る。このまましっかりと5番に座ってもらいたい。

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ヤジ

もう少し早く援護点を、という試合展開なのだが、0-0の投手戦で進んだからこそ生まれた大記録かも知れない。

ただ、初回の佐野の走塁は反省が必要。1アウト2塁から蝦名の詰まったセンターフライで、打球が落ちると判断してスタートしてしまった。それほど深く守っていなかったし、捕れそうな位置に松本剛が走って来ていたので、すぐにスタートという感じではなかったように思う。守備位置をきちんと確認できていたかどうか。

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キジ

球団として52年ぶりの達成ということで、横浜移転後は初めてとなる。これまで何度もノーヒットノーランをやられて来たが、ついにベイスターズで達成する投手が現れた。齋藤コーチも現役時代に惜しいところまでは行った記憶はあるが、9回をノーヒットで迎えるという記憶もあまりなかった。

Twitterのフォロワーさんに指摘されて確認したが、2012年5月12日に三浦監督がハマスタで8回までノーヒットに抑えていた。9回先頭の桧山に打たれて達成はならなかった。これはおそらくテレビ見ているはずだが、覚えていない。ちょうど先月、ニッカンでその日のことを三浦監督が振り返る記事があった。

【DeNA】三浦監督「何年前よ、9回に桧山さんに…」自らのノーヒットノーラン未遂振り返る - プロ野球 : 日刊スポーツ
DeNA三浦大輔監督(48)が7日、自らの「ノーヒットノーラン未遂」を思い出した。6日に中日大野雄大投手が阪神を相手に10回2死まで完全投球。自らも8回までノ… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkans...

かつては西武の西口など、惜しいところまで行って打たれるケースはいくつかあったが、この日は最後までボールの質が落ちなかった。嶺井のリードも的を絞らせなかった。バッテリーで達成した大記録なので、嶺井の尽力も讃えたい。

白熱の投手戦を演出した日本ハムの加藤も見事な投球だった。しっかりとインサイドに投げ込むことができるし、変化球も良いコースを突いていた。ただ、驚いたのが交流戦は毎週火曜に3試合に登板し、6回、7回、6回の計19回を投げて無失点。それにも関わらず一つも勝てなかった。それも凄い話で、最後はノーヒットノーランを達成される援護のなさ。かつての三浦監督を超えるくらいの状況だ。リーグ戦が再開すれば先発する曜日も変わるかも知れないので、勝たせてあげて欲しい。

嬉しい記録達成のすぐ後に心配な情報も入って来た。石井琢朗コーチが、6日に体調不良を訴え、小脳梗塞と診断されて入院中ということだ。齋藤隆コーチも、春季キャンプ中に小脳梗塞を発症し、入院した経緯がある。まさか同じことが石井コーチにも起こるとは。

しかも、今年の交流戦では唯一の遠征である札幌というタイミングだった。しばらくは入院となる見込みで、今後の回復含めて心配されるところ。当然ながら健康が一番なので、今は療養に努めてもらえればと思う。

石井コーチが不在の中、ビジターでの交流戦が続いて行く。2戦目は、昨日の投稿で書いた通り上茶谷が先発。ファームでの結果は良くなかったが、ベンチはボールに問題はないと判断しているのだと思う。今永の大記録に乗って続けるか、今回もまた打ち込まれるか。

日本ハム先発の上原は、交流戦から先発に転向し、こちらも2試合で無失点。右打者を.188と抑えているが、左打者には.289と苦手にしている。左腕を得意としている関根を中心に、左打者が鍵となりそうだ。交流戦はここまで5カード全てで初戦を取れているので、勝ち越しを狙って行きたい。

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