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桑原、森が好守で流れ呼び込む 延長10回劇勝

07/10 読売4-8横浜DeNA(東京D)

4-4で迎えた8回、エスコバーが2アウト満塁のピンチを招き、吉川にセンター前へライナーを弾き返された。この打球を桑原がダイビングキャッチ。絶体絶命のピンチを救うと、9回にも1アウト1、3塁から中田のライナーを森がジャンピングキャッチし、併殺でピンチを脱した。この2つの好守で流れを呼び、延長10回に佐野と大和の犠牲フライ、伊藤光の2点打で一気に4点を奪って試合を決めた。

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ポジ

6回にロメロをリリーフした田中健のアウトサイドのスライダー、甘いボールではなかったが、大城がミートした打球はまさかの同点2ラン。あれをスタンドまで持って行かれてはどうしようもない。4-4の8回表に牧が併殺に倒れたところで、展開的にかなり厳しい試合だなと思っていた。

8回裏、エスコバーを投入したが、2アウト1塁から重信を打ち取れない。ストレートを投げ続けるも、全てファウルされ16球を要した。最後は中に入り、詰まりながらもレフト前に落ちるヒットとなった。続く代打はエスコバーキラーの石川。歩かせてしまい、2アウト満塁。

ここで、こちらも10打数5安打とエスコバーに強い吉川。3球で追い込むも、またしてもなかなか打ち取れない。球数は40球を超えたが、代えることもできない。吉川への9球目、高めのストレートを捉えた打球は、センターの左前方へのライナー。これは2点タイムリーだと思った瞬間、桑原が現れてダイビング。ボールを掴んで離さなかった。

桑原には何度もスーパープレーを見せてもらっている。もっと凄い、絶対に捕れないようなボールを捕って見せて来た。だが、このダイビングキャッチは、場面からしても歴代でも上位に入るような、インパクトのあるスーパープレーだった。

満塁で2点目を与えないように、少し前に守っていたこともあるが、左打者の打った、少しレフトの方へ切れて行く難しい打球に、素早く反応して完璧な位置で飛び込み、ダイビングの衝撃でもボールを離さず、しっかりと掴み取った。

この打球は、ダイビングキャッチにトライするしかない。打球が落ちれば1点もしくは2点が入り、大勢が9回を抑えて終わる試合になる。エスコバーが重信に16球を要しながらも、オトコハダマッテナゲルダケというように、渾身のストレートを投げ続ける姿を後ろから見ていた桑原が、必死のプレーで救った。エスコバーの喜びようが、それを表していた。

このスーパープレーで試合の流れが変わり始める。だが、9回表は先頭の宮崎がヒットで出塁し、柴田がバントで送るも、森と戸柱が倒れて無得点。9回裏は、平田がマウンドに上がった。

先頭の丸に粘られ、インサイドのストレートを完全に詰まりながらもライト前に落ちる、技ありのヒットを許した。岡本和は打ち取ったが、代打の八百板にライト前ヒットで繋がれて1アウト1、3塁。サヨナラのピンチを迎えた。

中田への初球、インサイドのストレートでやや詰まった打球は、ショートの頭上。森がタイミング良くジャンプして好捕。スタートを切っていた八百板は戻れず併殺となり、ピンチを脱した。サヨナラには関係ないランナーだったが、フォースプレーを防ぐ目的で一塁ランナーが二塁へ行こうとしたのだろう。初球から打ったのは伝達ミスなのか、ライナーゲッツーは想定外だったのか。いずれにしても、ベイスターズにとっては、ラッキーだった。桑原のプレーで変わり始めていた流れが、このプレーで一気にベイスターズに傾いた。

10回、先頭の蝦名が右中間への二塁打で出塁。桑原がバントし、ファーストの中田は三塁に送球するが、逸れてしまいオールセーフ。記録は野選だが、タイミング的にはアウトだったかも知れない。森の好守で併殺に取られた中田と、スーパープレーをした桑原の攻守が逆となり、明暗が分かれた形。

ノーアウト1、3塁のチャンスで佐野がきっちりと犠牲フライ。こういう場面では、まず勝ち越し点を取ることが重要。チェンジアップをしっかりとミートし、十分な飛距離の外野フライを打った。さらに牧のサードゴロを岡本和が弾いてエラー。

ここから関根が8日に続く延長でのヒットで繋ぎ、代打の大和が犠牲フライ。前日13安打でソロ1本含む2点だった打線が、連続犠牲フライで勝ち越し。6回にも宮崎が芸術的なインサイドの捌きで犠牲フライを打っており、1試合で3本というのは、なかなか珍しい。最後は、伊藤光がセンターオーバーの2点タイムリー二塁打を放ち、試合を決めた。

野選に加えリーグワーストの53失策となった読売と、2つの大きな好守を見せたDeNAの守備力の差が、延長にもつれ込んだ接戦の勝敗を分けた形になった。

3回に森の四球から、走力を絡めて2点を先制し、1点を返された後に6回にも、佐野の三塁打から牧のタイムリー二塁打と宮崎の犠牲フライでソツなく2点を追加し、理想的なゲーム運びだったが、6回に2発で追い付かれてしまった。本来はそのまま逃げ切りたい試合だったが、残りの野手、リリーフともにやや劣勢に思えた終盤を凌ぎ、延長で勝てたことは、チームにとっても大きく、自信になる試合だったのではないか。

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ヤジ

ロメロは、毎回のように四球を出し、テンポの悪い投球。それでも、2点の援護をもらって、5回まで1失点で凌いだ。5回を三者凡退に抑えた後、2点の追加点をもらい、乗って行けるかと思った矢先、6回先頭のポランコにレフトスタンドへ運ばれた。

このホームランは仕方ない。だが、続く中田を歩かせてしまった。この日5つ目の四球に、三浦監督が投手の交代を告げた。代わった田中健が大城に2ランを打たれ、同点となりロメロの勝利投手の権利は消えた。

今週は大貫が1点を取られただけで、先発投手は無失点が続いていた。無失点で抑えろとは言わないが、その流れを断ち切るような内容だった。ある程度の荒れ球はロメロの特徴でもあるが、これほど出されるとさすがに。球威は悪くなかったが、勝負球が決まらなかった。

大量失点にならなかったのは、先頭打者を打ち取れていたから。4回以外は抑えていたが、6回はホームランの後の四球で、それが3失点に繋がってしまった。これで次回があるかどうか。9連戦ということで、雨天中止がなかった場合は、もう一度先発があるのかも知れないが、これだったら京山が投げた方が数段良いと思う。

結果、試合に勝てば良いし、采配に正解はないのだが、単純な左右だけで決めているような、疑問に感じる場面もあった。8回に桑原の好守で沸いた後、クローザーの大勢から宮崎がヒットを放ち、代走に関根、神里に対してピンチバンターの柴田を送って勝負に出た。

バントは決まったが、森はあえなく三振。投手のエスコバーに対して送った代打が戸柱だった。大勢は右のやや横手から投げて来る投手なので、普通なら左打者の方が打ちやすい。だが、宮崎にヒットを打たれたところで右打者には.240、左打者は森を三振に取って.134だった。現に、伊藤光には投げにくそうにして、歩かせていた。

それ以外にプロの判断として、戸柱を代打に送るべき背景があったのかも知れない。だが、これだけを見ると左打者で得点圏打率も低い戸柱ではなく、右打者で得点圏打率の高い大和で勝負すべき場面だったのではないか。

戸柱が打てなかったことも結果論だが、逆に大和は延長10回に1アウト満塁で代打として出すことができた。これは、幸運にも9回裏を無失点で切り抜けられたから。大和を使うことなく敗れていた可能性も高かった。もちろん、大和が9回に代打として登場しても打てたとは限らない。ただ、宮崎に代走を出し、ピンチバンターまで使って勝負をかけたはずなのに、起用がチグハグだったように感じた。

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キジ

今週は火曜が雨天中止となり5連戦だったが、3度目の延長戦。2度の延長12回引き分けを経て、チームの集中力、勝負強さも上がって来ていると感じる。この厳しい試合を3勝2分で乗り切ったことは、素晴らしいと思う。今季初の土日連勝。引き分けを挟み3連勝と、負けないまま月曜日を迎えられるのは、気分がいい。

交流戦中の5月27日以来の借金4まで減って来た。4位浮上、2位読売まで2ゲーム差ということよりも、チームで目標としているオールスター前までの5割にチャレンジしてもらいたい。9連戦も含まれているが、4カード12試合なので、単純計算で8勝4敗と全カードで勝ち越せば達成できる。簡単ではないが、先発の状態も上がって来ているので不可能ではない。あとは9連戦でリリーフが持つか。

ヤクルトで大量のコロナ陽性判定者が出ている。DeNAも4月に発生し、大変な状況になった。ここ1週間の感染者は、その頃と同じくらいの数字で、むしろペースとしてはそれを超えるのではないかというくらいになっている。当然ながら対岸の火事ではない。この日、ファームで調整中の上茶谷が陽性判定を受けたことが発表された。

ファームは、週末のヤクルト3連戦が全てコロナの影響で中止となった。12~14日は試合が組まれていない。ヤクルト戦が中止となった読売と練習試合などを行うか分からないが、オースティンや三嶋など、1軍復帰へ向けて調整している選手にも影響が出るだろう。上茶谷の濃厚接触者はいないということだが、現在の状況だと感染が広がっても不思議はない。

4月に続いて不安な状況下で試合をこなしていく形にはなるが、できる対策をやって行くしかない。以前はウレタンのマスクを付けていた監督、コーチ、控え選手も不織布のマスクをするようになっている。どのくらい効果が上がるかは分からないが、やれることをやっている。暑い中でプレーしているスポーツ選手なので、限界はある。大きく広がって、主力がごっそりと抜けることを防ぐしかないだろう。

5試合ではあったが、6連戦を戦った時以上の疲れがあるのではないかと思う。ここから広島遠征とともに9連戦が始まるので、移動日の月曜はじっくりと休み、オールスターまでの5割を合言葉に力を振り絞って欲しいと思う。

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