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大田が決めた「ヨコハマサイコーー」のサヨナラ打

08/09 横浜DeNA3x-2阪神(ハマスタ)

今永と青柳のエース対決。しかし、2回に糸原のレフト頭上への打球を宮本が捕れず二塁打とし、陽川と木浪のタイムリーで2点を先制されてしまう。4回に宮本のセカンドゴロを糸原がエラーし、1点をお返し。6回にはオースティンの内野ゴロ間に同点に追い付く。今永は113球の粘投で9回を投げ切った。9回裏、2アウト1、3塁から代打の大田がレフト前ヒットでサヨナラ勝ち。

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ポジ

決めたのは大田だった。2-2の同点で9回裏を迎えた白熱の試合。楠本が歩き、嶺井はバントを試みたが失敗。1アウトから宮本が送って2アウト2塁とし、代打に宮崎を送った。阪神ベンチは宮崎を申告敬遠で歩かせ、塁を詰めた。ここで大田が代打として起用された。

6月30日の阪神戦では、1点ビハインドの9回裏、桑原を置いてあと僅かで逆転サヨナラ2ランという、フェン直の二塁打を放ち、嶺井のライト前ヒットで神走塁を見せ、サヨナラ勝ちに貢献した。今年は初ヒットも甲子園の阪神戦だったし、阪神戦での活躍は目立っていた。

次は1番の森だったが、ソトもまだ代打として残っていた。阪神としては大田と勝負だったが、初球のフォークがワンバウンドしてしまい、嶺井がサードへ進んだ。2アウト1、3塁と変わり、外野は通常の守備位置になった。これで大きな打球を飛ばすというよりも、コンパクトにヒットを打つという意識に変わったかも知れない。

2球目のアウトサイドのカットボールを引っ張った打球は、三遊間の真ん中を抜くサヨナラ打になった。日本ハム時代も代打ではあまり結果は出ないのでスタメン向きと言われていたが、ここぞでの勝負強さはやはりスター性がある。今永が「左の内転筋にオーラを感じた」という雰囲気も、相手に怖さを与えたかも知れない。

待ちに待ったハマスタのヒーローインタビューが6月30日で、「ヨコハマサイコーー!」を叫んだが、もはや恒例になりつつある。この日もすぐ後ろに控えていたDB.キララに、持っていたアタマデッカチスターマンを渡し、右拳を振り上げながら絶叫した。ファンにとっても最高の時間。本当によく横浜に来てくれた。「タイシサイコーー!」だ。

このサヨナラ勝ちを呼んだのは、楠本の四球だった。相手のコントロールが乱れていたのではなく、先頭打者として9球粘って四球を勝ち取った。得点に結び付きやすいという意味では、ヒットよりも価値があったかも知れない。4回に牧に続いて連打し、得点のチャンスを拡大。6回にノーアウト2塁で牧を進めたバントも得点に繋がった。宮崎が外れたことで5番に入ったが、繋ぎとして自分の役割をきっちりと果たしてくれた。大きく目立たなかったが、ヒーローとして評価すべき活躍だった。

6回の同点劇では、先頭の牧がレフトの前に落ちるヒットを放った。陽川がスライディングも及ばず、少し打球を弾いた。牧は始めからセカンドを狙って全力疾走。陽川が送球を慌てて、ファンブルし投げられず。僅かな隙を突いた素晴らしい走塁だった。

ノーアウト1塁と2塁では全然違う。楠本が送り、代打のオースティンが、鋭い打球のピッチャー返し。青柳が何とか弾くも、セカンドが逆を突かれるような形になり、ファーストへの送球がやっと。その間に牧が生還した。牧が二塁に行っていなければ、同点も難しかったかも知れない。ベイスターズがやろうとしている走塁ができたシーンだった。

青柳との投げ合いで、先に2点を失ってしまった今永だったが、3回以降は修正し、威力のあるストレートで押した。3回以降は木浪のヒット1本だけに抑え、ここも青柳がバスターを仕掛けて来たところを併殺に取った。それ以外は完璧に抑え、阪神に流れを渡さなかった。

岩崎がベンチを外れていたとは言え、救援防御率は2点台前半と強力な阪神。1点でも勝ち越しを与えれば厳しい展開になる。試合前に、9月の連戦をイメージし、先発投手として長いイニングを投げることに拘っていた今永は、100球を超えた9回のマウンドにも上がり、三者凡退。味方がサヨナラ勝ちした為、完投勝利となり6勝目を手にした。

交流戦前から6連戦頭の火曜に今永が先発し、チームに良い流れをもたらしていた。交流戦後は金、土に先発する形になっていたが、後半戦の開幕がズレて再び火曜に戻って来た。6勝目だが、そのうち5勝は火曜に挙げている。「Mr. Tuesday」として、初日にリリーフを休ませた完投は面目躍如の活躍だった。

この日、大和がコロナの陽性判定を受けて登録を外れた。代わってソトと森が登録されたが、森はいきなり1番ショートでスタメン。バッティングは4タコだったが、その強肩を生かした守備で魅せた。5回は、1アウト1塁から青柳がバスターでセカンドゴロ。牧がファースト寄りに動き、素早くセカンドへ送球。ベースカバーに入った森から剛速球でファーストへ転送された。この時、牧がすぐさまファーストに入り、そのボールを受け併殺完成。今永もベースカバーに入っていたが、牧と打者走者の青柳に挟まれるような形になった。

4-6-4という非常に珍しい併殺。ファーストの佐野は、バントに備えて前進していたのでベースには入れず、本来なら投手が入るところだが、牧がファースト寄りに動いたゴロを捕球し、そのままファーストに入った。森の返球は凄いスピードだったが、ベースに入って送球をしっかりとキャッチした。一時、ファーストにも入っていたのでそれも生きたかも知れない。ただ、今永も入って来ているので、一歩間違うと交錯してケガに繋がるため、こういったプレーは気を付けてもらいたい。

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ヤジ

青柳に相性が良い神里が、5日の試合でのスライディングで三ツ俣と交錯して脳震盪特例で登録抹消中。この日も戦列には戻れなかった。関根が死球を受けて骨折。青柳に対して左打者を並べる中で、宮本がスタメン起用のチャンスを得た。

しかし、2回に糸原の痛烈なライナーに対して、上手く落下点に入れず、グラブに当てながら弾いてしまった。真正面への左打者のややラインドライブがかかった打球。これは難しいのは確か。いったんやや右後ろに動いたが、打球が切れて行き、切り返して左へ動いたがジャンプのタイミングも合わず、グラブで弾く形になった。

元来、内野手でプロ入り後に外野へ転向したとは言え、もう数年経っているので、言い訳はできない。打力がそれほどあるわけではないのだから、守備は確実に、走力でアピールしたい立場。ファンとしても捕って欲しいし、本人としても捕れたし、捕らなければならない打球だった。

だが、4回のチャンスでセカンドゴロになってしまったが、糸原が焦ってファーストへ悪送球。これも宮本の足があって、全力疾走しているから。運もあったが、1点は取り返すことができた。9回も嶺井がバントを失敗した後、きっちりと決めてサヨナラ勝ちに結び付いた。守備は猛省しつつ、切り替えてその後のプレーをきっちりできたことは成長と捉え、今後に生かして欲しい。

今永は、2点目の取られ方だけが勿体なかった。次が投手の青柳ということを考えれば、もっとバットの届かないゾーンへ落とす必要があった。3球ストレートで押して、カーブで2-2のカウント。ストレートを読んで来るところにカットで引っ掛けさせようとしたのだろうが、巧く合わせられた。あのボールをセンター前に運んだ打者を褒めるところではあるが、前にも書いた通りパワーピッチャーなのだから、インハイでさらに押して行くべきだった。2回とは言え青柳が相手なのだから、変化球ならバットが当たらないゾーンに投げ、最悪は歩かせても良かった。その後はストレートで押し切れたし、何とか追いつくことができて助かった。

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キジ

STAR☆NIGHT WEEKSとして、スターナイトの次の3連戦もスペシャルユニフォームを着用し、イベントゲームで行われた試合。そのスターナイト第2夜に続き、ハマスタで2試合連続のサヨナラ勝ちとなった。I☆YOKOHAMA SERIESのスペシャルユニフォームに続いて、こちらも3連勝と非常に良い結果になっている。

エース今永を立てているとは言え、12勝1敗の青柳を相手に、簡単ではない試合。青柳を攻略とまでは行かなかったが、116球を投げさせ6回で降ろした。宮崎をスタメンから外し、左打者を並べるという、三浦監督にしては珍しい奇策に近いものを見せた。

ベンチから打者へどういう指示が出ていたかは分からないが、好球必打で勝負が早いベイスターズだが、この日は一人一人がじっくりとボールを選んだ。ソトが復帰したこともあり、オースティン、ソト、宮崎、大田と強力な布陣で、豪華なベンチ。青柳が降り、浜地、湯浅の勝ちパターンも使い切ったところ、ケラーは勝ち越し後もしくは12回裏に残しておくところで、加治屋に対して豪華な代打陣を使ってサヨナラ勝ちをした。どこまでベンチが狙っていた戦法なのか分からないが、見事な勝利だった。

9回裏、ノーアウトで楠本が出塁。嶺井が送ってから代打攻勢というつもりだったのだろうが、嶺井がバントに失敗し、宮本がそのまま打席に入って送る形になった。2アウト2塁で、代打攻勢をどういう意図で考えていたのか。

一番手に宮崎を送ったが、これは当然、申告敬遠になる。ここに苦言を呈している人がいるが、さすがに宮崎を出したら歩かせて来るのは想定しているだろう。監督インタビューで手の内を明かす必要はないので、勝負してくれたらというのは、はぐらかしだろう。それを真に受けて采配を批判するのは、さすがに三浦監督を馬鹿にし過ぎだと思う。

普通に考えれば、首位打者のタイトルホルダーであり、3割を超える打率をマークする宮崎が、一番ヒットを打つ確率が高いので、宮崎で勝負したいと思うはず。だが、一番手で出したということは、二番手の打者で勝負と考えていたのではないか。最初から大田を一番手で出した場合に、阪神が勝負するのか、塁を詰めるのかは微妙なところだ。

先週、現地で宮崎のサヨナラ打を見ておいて言うのもどうかと思うが、それが彼の2020年以来のサヨナラ打だったわけで、得点圏打率も考慮すると、今週も続けてサヨナラ打は考えづらい。個人的には阪神戦での活躍が目立つ大田で勝負は間違っていないかなと思う。

その為、宮崎を出して申告敬遠は想定済で、大田で勝負したのだと思う。大田も歩かされた場合、森のところでさらにソトまで使う気があったのか。一応、ネクストには森がいたようだが、大田の1球目の後にベンチが慌しく動いていたので、準備はしていたように思う。

ベンチが宮崎、大田、ソトの順に使うことを決め、大田でしっかりと決められた。宮崎がまさかの申告敬遠で、大田が決めてくれて結果オーライというわけではないと思う。楠本が出た時点で、そういうシチュエーションで打席に立つことを想定して準備ができたからこそ、大田のサヨナラ打は生まれたのではないだろうか。

重要な初戦を取ったが、2戦目も天敵の伊藤将との対戦となり、厳しい戦いは続く。阪神、ヤクルトと続く今週の6連戦は、今後のベイスターズの行方を占う、今季でも重要な試合になると思っている。CS争い、さらにはヤクルトに迫り優勝争いに発展するのか、Bクラスのチームに取り込まれ、CSボーダーラインが微妙な立場になるのか。

大和が離脱してしまったが、少しずつメンバーは揃い始めている。先発投手も今永の投球で奮い立ってくれるはずだ。この日、全員で青柳に立ち向かったように、伊藤将も攻略して欲しい。4連勝が止まった後、すぐに勝てたことは非常に大きい。この勝利の価値をさらに高める為、この3連戦は何としても勝ち越したい。ハマスタでは6月28日から1分を挟んで9連勝中。平日は全勝で来ているハマスタ阪神戦。2戦目はどんな戦いになるだろうか。

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