08/31 横浜DeNA3-2中日(ハマスタ)
濵口が2回に阿部のソロで先制を許したが、すぐさまソトのソロで同点。しかし、3回に土田の併殺打の間に勝ち越しを許し、中日の流れでゲームが進む。5回、戸柱がライトへ同点ソロを放つと、6回に牧の併殺崩れの間に1点が入り逆転。8回はエスコバーがピンチを招くと伊勢がリリーフし、切り抜けると、9回は山崎が三者凡退で締めた。再び連勝で8月を締め括った。
ポジ
最少失点で切り抜けHQSをマーク
濵口が7回2失点のHQSをマークし、7勝目を挙げた。ルーキーイヤーの2017年は10勝を挙げたが、それに次ぐ2番目の勝利数となった。4月に新型コロナウィルスの陽性判定を受け、約2ヶ月離脱したことを考えれば、ローテーションの柱として十分な働きと言える。投高打低のシーズンではあるが、防御率2.43も素晴らしい数字。
この日は、初回に大島を歩かせ、2回には真ん中に入ったフォークを阿部に完璧に捉えられ、先制ホームランを許した。2球で追い込んだだけに、勿体ない1球だった。ソトのホームランですぐに追いついてもらったが、3回の先頭、投手の勝野に浮いたチェンジアップを弾き返されて二塁打。岡林のバントで三塁を少し見て送球が遅れ、内野安打となった。
ここで土田は速い球足のショートゴロ。6-6-3の併殺打に取り、その間に勝ち越し点を与えたが、最少失点で切り抜けた。あまり良い立ち上がりとは言えなかったが、切り替えて立ち直った。4回、5回はランナーを出したが落ち着いた投球で無失点。
同点に追い付いてもらった後の6回は、2アウト1、2塁とこの日最大のピンチ。ここで代打の平田を迎えたが、最後はアウトサイドの高めのストレートを引っ掛けさせ、深い位置へのショートゴロ。森の強肩で刺して、ピンチを切り抜けた。狙ったボールと違ったと思うが、最後は気持ちで抑えた。勝ち越し点をもらった7回は、連続三振を奪い3人で片付け、吠えた。
結局、四球は初回の大島だけ。自信を持ってゾーン内に投げ込めているし、早めに追い込むことができている。悪い時の濵口はストレートに自信が持てず、コースを狙い過ぎてカウントを悪くする悪循環。今季も6月はそういう部分が覗いていたが、7月以降は1点台の防御率をマークしている。初戦の今永がストレートの力で抑え、2戦目がチェンジアップを駆使した緩急の濵口というコントラストも、うまくハマっているかも知れない。
負けられない9月も、チームを勝利に導くピッチングを期待したい。
打てそうで打てない嫌な雰囲気を払う
濵口が先制点を許したが、2回裏に宮崎が左中間のフェンス下部を直撃する打球を放つ。しかし、岡林のクッションボールの処理と送球が絶妙で、宮崎がセカンドであうと。しかし、ソトは高めのストレートをライトのポール際へ運ぶ同点の14号ソロ。初回も大田のライナーを勝野が良い反応で併殺に取ったが、良い当たりだった。勝野はそれほど良くないのかなという立ち上がりで、打てそうな気配もあった。
だが、3回以降は球威のあるストレートと、低めに決まるフォークに手を焼き、なかなかヒットも出なかった。打てそうで打てないまま中盤に入り、少し嫌な雰囲気になりかけたところ、5回2アウトランナーなしから、戸柱が4号同点ソロを放った。
最初の打席では、フォークをファウルで逃げた後、低めのカーブで空振り三振を喫していた。5回の打席では初球のカーブは高めに外れ、3球目にまた同じような高めのカーブが来たところを捉え、ライトスタンドへギリギリ飛び込む打球になった。バンテリンドームならフェン直かなという打球に、勝野もショックを受けた様子だった。
いつでも打てるという立ち上がりから、リードを許した後は攻略の糸口がなかっただけに、次が投手という場面での一発は非常に効果的だった。勝野としてもホームランだけは避けたい場面で、痛恨の1球になった。
守っては、8回にエスコバーが歩かせたランナーを残し、1アウト1塁で伊勢が登板したところでビシエドを三振に仕留め、阿部の打席でスタートした土田を好送球で刺した。濵口はもちろん、最少の1点リードで勝ちパターンの3人もリードし、守り切った。
今年は嶺井がメインで出場しているが、バッティングの調子も良く、濵口との好相性で戸柱の貢献も大きい。ヒーローインタビューで久しぶりに「最高でーす!」の連呼があったが、嶺井と共にバッテリーを支えて欲しい。連戦が続く9月は、さらに役割が重要になって来るはず。
通算200セーブの報告と、三嶋への思い
8月24日に通算200セーブを京セラドームで達成した後、この日のハマスタで201セーブとなった。勝ち越し点は牧の併殺崩れだったこともあり、リリーフ陣を代表して最後を締めた山崎がヒーローインタビューに立った。
ハマスタのファンに自らの言葉で通算200セーブ達成と感謝を伝えた後、「先日発表があった通り、三嶋さんが一生懸命戦って行く中で、ブルペンとして一日も早く復帰できるように、僕たちも一生懸命頑張って行きたいと思っておりますので、皆さん、三嶋さんにもエールを送っていただけると助かります」とコメントした。
涙が出そうになった。昨日の投稿では書かなかったが、ヤクルトに3連敗し気持ちが沈んだままの火曜日の昼間に、三嶋が胸椎黄色靭帯骨化切除術を受けたことが発表され、さらにショックを受けた。
5月8日に右肩の張りで登録抹消されて以来、ファームで11試合に登板している。しかし、間隔を空けながら試しているような様子で、保存療法で様子を見ながらも好転しないようなら、今永がそうだったように右肩のクリーニング手術を受けるのではないかと、個人的には思っていた。来季の開幕から逆算すれば、8月のうちに決断してギリギリ間に合うかどうかというタイミング。
だが、発表されたのはクリーニング手術ではなく「胸椎黄色靭帯骨化」。調べてすぐに出て来るのは大隣の例。国の難病に指定されており、明確な治療法が確立されていない。過去にもプロ野球選手、特に投手が発症したケースがいくつかあるが、いずれも長く現役を続けられていない様子。
個人差もあるだろうから、三嶋も同じとは言えないだろう。だが、復帰が簡単ではないことは分かる。「自分を信じて、前を向いて」という三嶋のコメントも、クリーニング手術、もしかするとトミージョン手術よりも大変な復帰への道のりとなることが分かっていての決意だ。当然ながら山崎を始めチームのメンバーをそれを分かっている。
ブルペンを代表して、山崎がその気持ちを表現した。特に山崎は、この2年の不振の間、代わってクローザーを務めた三嶋と良きライバルでもあり、良き先輩と後輩であった。結束してタフな登板をこなしてきたブルペンとしても、三嶋への思いは強いだろう。
三嶋が安心して復帰に向けたリハビリができるよう、自分たちがブルペンを支え続けるという思い。この日、一部夕刊紙にポスティングの話は出たが、これは前から分かっていることで、シーズンが終わった後での球団との話の中で決まること。今はリーグ優勝そしてポストシーズンに向けて全力で臨むことしか考えていないと思う。
この日、シーズン31セーブ目を挙げた。山崎の自己最多はルーキーイヤーの2015年と2018年の37セーブ。チームが逆転優勝をするのであれば、自己最多を塗り替え、40の大台に乗るくらいでなければならない。連戦の中で、なかなか代えが利かないクローザーは負担が強いられる可能性もあるが、何とかチームのために投げ抜いてもらいたい。
来年のことは分からないが、三嶋と山崎が揃うブルペンがもう一度見れたらと思う。三嶋にエールを送るとともに、復帰を待ちたい。
ヤジ
3回の濵口のバント処理とか、もう少し早く打てればとか、細かい部分はあるが、接戦を勝ち切って、再び連勝の流れに持って行ったことは素晴らしい。チームとして力が付いている。
キジ
記録的な快進撃を見せた8月も、この日が最後の試合となった。スカッとした勝ち方ではないが、投手陣が頑張り、打線も要所でソロが2本出て、勝ち越し点は4番の最低限のバッティングでもたらされた。大勝よりもこういうどっちに転ぶか分からない試合を取れるようになったことが、7月以降の強さになっている。
8月は18勝6敗と大きく勝ち越した。しかし、その6敗中、4敗がヤクルト戦というのが悔しい限り。2022年の月別のチーム成績は下記の通り。
月 | 試 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 | 打率 | 防御率 | 得 | 失 | 本 |
3 | 6 | 3 | 3 | 0 | .500 | .236 | 5.17 | 26 | 34 | 4 |
4 | 19 | 7 | 12 | 0 | .368 | .244 | 3.78 | 59 | 78 | 14 |
5 | 22 | 11 | 11 | 0 | .500 | .253 | 3.92 | 77 | 101 | 17 |
6 | 23 | 11 | 12 | 0 | .478 | .256 | 3.23 | 86 | 81 | 18 |
7 | 19 | 10 | 7 | 2 | .588 | .251 | 2.87 | 66 | 58 | 15 |
8 | 24 | 18 | 6 | 0 | .750 | .262 | 2.93 | 90 | 73 | 27 |
計 | 113 | 60 | 51 | 2 | .541 | .253 | 3.43 | 404 | 425 | 95 |
.750の勝率をマークしているので当然だが、全ての数字がシーズンベスト。投手陣は、5月以降は月を追うごとに数字が良くなっている。8月は2.93にはなったが、ヤクルト戦での16自責点があっての数字。たらればではあるが、実質的には2.50を割る数字で戦えていた。
快進撃の8月は終わり、9月が始まった。20勝6敗だった1997年は、9月は9勝11敗と伸び悩み、マジックを減らして行くヤクルトのペースに付いて行けなかった。特に今年は過密日程となっているので、少し調子を落とすと一気に連敗になりやすいし、離脱も大きく響く。リスクは大きいが、勝って行くしかない。
1日はロメロが予告先発として発表された。正直なところ、前回の内容からしても、東や阪口が先発した方が良いとしか思えないが、彼らがまだ登板できない理由があるのか、中日との相性を重視したのか分からないが、ロメロにとっても過密日程やその後のCSでチャンスをもらえるかどうかという立場。背水の陣で臨んで欲しい。
中日は、来週20歳の誕生日を迎える上田が先発。前回はヤクルト戦で5回無失点に抑え、勝利投手の権利を得たが、リリーフが追い付かれてプロ初勝利はならず。その前も読売戦で7回1失点の結果を残している。打線の援護に恵まれていないが、2試合はいずれも結果を残しており油断はできない。サンプルは少ないが、左打者は苦労するのかなという左腕。大田、牧、宮崎、ソトと右打者が揃う中軸で攻略し、9月を勝ってスタートしたい。
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