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伊藤怒る「しばくぞ」 最悪の初回も一挙7点で逆転勝ち

09/09 横浜DeNA9-2阪神(ハマスタ)

3ヶ月ぶりの先発となった上茶谷は初回、中野と糸原に連続四球。近本のタイムリー、大山の犠牲フライで2点を奪われた。しかし、2回以降はピンチを招きながら何とか凌いだ。一方、完璧な立ち上がりを見せた藤浪に対し、4回に牧が24号ソロを放って反撃の狼煙を上げる。5回を上茶谷が三者凡退に片付けると、その裏に楠本、伊藤の連打から送って1アウト2、3塁のチャンスで、藤浪が連続の暴投。思わぬ形で逆転すると、さらに4連打もあって一挙7点のビッグイニング。結果的に5回2失点だった上茶谷が4月以来の勝利。最後は京山が2イニング連続で満塁としながら、凌ぎ切った。

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ポジ

「終わった」という立ち上がりも何とか修正

上茶谷は、春季キャンプでも精力的に練習していたし、今年に懸ける意気込みは中継を見ていても感じられた。それだけに期待していたし、やれると思っていた。オープン戦では結果が出ずに開幕ローテーションを外れたが、東が開幕戦で指の皮がめくれるアクシデントがあり、先発の機会を得て好投。4月16日にはマダックスを達成して2勝目を挙げた。

だが、それ以降は打線の援護もなく勝てない日々が続き、次第に打ち込まれる登板が続くようになった。6月の交流戦で足を捻挫し、離脱。さらに7月にはコロナの陽性判定を受け、調整はさらに遅れた。8月になってやっとファームでも結果を残し、やっと先発のチャンスを掴んだ。

それだけに、この3ヶ月の苦労、努力を全てぶつけて欲しかったのだが、いきなり中野を歩かせ、続く糸原も2ボールとなったところで、伊藤が早くもマウンドへ行った。この時、「おい、お前しばくぞ」と言われて、緊張感が少し解けたという。伊藤の気持ちも分かる。ホントに何やってんだよと思った。

それでも糸原も歩かせ、近本にもボールが先行。ストライクを取りに行ったところをライトの右に運ばれ、先制点を奪われてなおもノーアウト1、3塁。初回から試合が壊れそうな状況だった。大山にはインサイドを狙ったシュートが真ん中に入ったが、ライトフライで済んだ。犠牲フライとなって2点目を失ったが、これが1つ目の幸運。そして、2アウト1塁という場面で近本が盗塁を仕掛けなかったことが2つ目。

極めつけは、ロハスの5球目に近本がスタートしたが、フォークが高めに抜けたところをロハスが打ちに行き、この打球がセカンドのベースカバーに入った森の正面。そのままベースを踏み、ファーストへ送球して併殺打となった。

近本がスタートして、ゴロでは併殺は難しいというシーンで、願ってもない打球が飛んで行った。ここを佐藤輝に回さずに切り抜けたことが、非常に大きかった。投げているボール、内容からしてよく2点で収まったという内容。

久しぶりの1軍のマウンドで緊張したとか、この試合への意気込みが空回りしたとか、人間だからそういうことはあるのだと思うが、上茶谷くらいの経験年数、能力、期待値からしてそんなことを言っていられる状況にない。昨年も甲子園で初回6失点でKOされたことがあったが、ホントに取り返しの付かないレベルの立ち上がりになるところだったが、幸運にも2点で済んだ。

2回は落ち着きを取り戻して、本来の投球を見せたかったが、佐藤輝に捉えられた打球がフェンスのヘリに当たって二塁打となる。ホームランとならず、これも幸運だった。しかし、ノーアウト2塁で、これは失点するだろうなと思ったが、木浪が真ん中のストレートをレフトフライ。ある程度捉えた当たりではあったが、これは打者として最悪の結果だろう。打順が下位に向かうので、進塁打でOKという場面ではないが、甘い球を引っ張ることもできずに打ち上げてしまった。これも助けられて、無失点で切り抜けた。

3回も糸原、近本の連打でピンチを招いたが、何とか切り抜けた。4回は先頭の佐藤輝を歩かせたが、木浪がヒットエンドランで空振りし、佐藤輝が盗塁死となった。ここも阪神の拙攻に助けられた。唯一、5回はセカンドゴロ3つで三者凡退。これで反撃への流れは作った。

5回裏に代打が送られ、そのオースティンの打席で暴投2つがあって逆転。上茶谷に4月16日以来の3勝目が付いたが、内容としては決して褒められるものではない。運と阪神の拙攻がなければ、大量失点でKOされてもおかしくなかった。だが、援護の得られなかった登板もあったので、こういう日があってもいい。初回の2点で止められたからこそ、勝利に結び付いた。次回がどんな形になるか分からないが、まず1つ勝てたということをプラスにして欲しいと思う。

伊藤のラッキーな内野安打で流れを掴む

3回までは完璧な投球に思えた藤浪だったが、4回2アウトランナーなしから、牧への150キロのスプリットが真ん中に入り、ソロホームランを浴びた。そして、5回裏は先頭の楠本が初球をきっちり捉えてセンター前ヒット。続く伊藤はフルカウントからの151キロのスプリットに対して、バットの先で引っ掛けたゴロが三塁線に転がった。ドラッグバントのような打球は、藤浪が追いかけるも送球できずに内野安打。

このラッキーなヒットから、森が送って1アウト1、3塁として、上茶谷に代打のオースティンを送って勝負に出た。これで藤浪は力んでしまったか。スプリットを叩きつけて暴投で同点とされると、次のストレートも暴投となり逆転。まさかの形の逆転劇だった。2つ目は、155キロが逆球となって捕るのがかなり難しいとは言え、ワンバウンドしたわけでもなく、梅野の捕逸と言っても良いくらいのものだったが、藤浪にはこれがある。立ち上がりは素晴らしかったのに、本当に分からない投手だ。

これで動揺したのか、オースティンを歩かせると桑原、関根、佐野と連打が続いた。投げ急いで単調になったところをベイスターズ打線がきっちり捉えてノックアウトした。代わった加治屋からも牧と楠本がタイムリーを放って、7点のビッグイニングになった。伊藤のラッキーな内野安打で森がバントで送ることができ、暴投が多い藤浪に対してランナーを三塁に置いたことがこの逆転を呼んだ。

楠本は5回にイニング2安打をマークし、8回にもタイムリー二塁打を放って3安打。大敗となった水曜日の読売戦で、途中出場で2安打を放ったことでこの日のスタメンを勝ち取った。コロナの陽性判定を受けて離脱し、復帰して以降なかなか状態が上がって来ないが、この終盤戦に持ち味のバットコントロールと思い切りの良さが出ている。

牧はまたもハマスタでホームラン。ホントにハマスタでよく打ってくれる。5回のビッグイニングでも、少し浅く守っていたライトの頭を越す2点タイムリー二塁打。まだ打率は.286だが、新人から2年連続の3割もまだ可能性を残している。ハマスタの試合が多い9月に、昨年のような爆発があるか。

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ヤジ

上茶谷は、内容的にはこちらに書くようなものだったのだが、2回以降は結果として無失点だったこと、チームの勝利に結び付いたということは評価すべきだろう。

9-2と7点リードになったため、8回から京山が登板した。4日のマツダで先発したが、上茶谷の昇格によりリリーフへ回る形になった。7点リードにも関わらず、いきなり島田を歩かせた。2アウトは取ったが、近本、大山を連続で歩かせて満塁。ロハスには甘く入ったボールを強振されたが、捉え切れていなかったようでセンターフライ。この日は再三ロハスに助けられた。

8回だけで40球を投じたが、回跨ぎで9回も登板したが、今度は3安打で満塁としてしまう。だが、最後は山本がインハイのストレートでバットが回ってしまい、三振でゲームセット。2回で66球という内容だったが、よく無失点で切り抜けたなという感じ。

7点差で勝ちパターンを温存するために登板しているのに、これだけピンチを招いていれば、ブルペンでは準備せざるを得ないだろう。どうにもならないくらいコントロールできなかったかも知れないが、自分が何を期待され、何をすべきなのか、もっと客観的に考えて欲しい。打たれてはいけない、打たれたくないという自分のことばかりに気が行っていたように思う。9回はヒットを打たれてしまったのでやむを得ないが、8回の3四球は猛省して欲しい。

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キジ

初回、上茶谷が最悪な立ち上がりで、何とか2点で収まりはしたが、その裏の攻撃が5球で終わった。この時点で、かなり厳しい試合になるだろうと思ったし、上茶谷が勝利投手になる未来など見えなかった。

3回までは上茶谷がいつ追加点を奪われ、炎上するのかという雰囲気だったし、森のヒットからバントで送ってのチャンスはあったとは言え、得点を取れる雰囲気もあまりなかった。3回までは完全な負けゲームで、ワンサイドゲームになりそうな気配すらあった。

それが、牧の一発で流れが変わり始め、楠本の積極的なバッティングの後、伊藤のラッキーな内野安打で一気にベイスターズへ流れが傾いた。前日は、4点を取った後、2アウトからの四球と一発だけ避けたい場面での配球、コントロールミスで一気に流れを失ったが、野球はホントに怖いし、それが面白さでもある。

この日も負け、そのまま阪神戦を連敗すると、いよいよ2位も危うくなり、3位争いに飲み込まれそうな雰囲気もあったが、阪神のミスも絡み、運もあって逆転での大勝となった。これでハマスタの阪神戦は、火~金の平日は全勝。ガールズフェスタだった土日だけ2敗したという結果となった。10日はハマスタ阪神戦は最終戦となり、デーゲームだが勝って締められるかどうか。

ドラフト1位の高卒ルーキー、森木が先発して来る。前回はプロ初登板で、6回3失点で敗れている。メモリアルゲームを提供することが多いだけに、またやられてしまわないか不安ではある。石田はここ2試合、内容が良くないので先発ローテーションの生き残りを懸けるつもりで、きっちりとした投球を見せて欲しい。再びハマスタに戻ってチームの雰囲気も良くなり勝てたので、ハマスタ17連勝のような勢いを付けて行きたい。

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