02/19 練習試合 横浜DeNA1-3広島東洋(アトムホーム宜野湾)
横浜DeNAベイスターズの春季キャンプ第4クール最終日は、13時から広島との練習試合を行った。先発の平良は、初回に甘い球を仕留められ、マクブルームに3ランを浴びたが、久々の1軍の試合で3イニングを投げた。前回5失点の東は、ストレートの球威があり3回無失点。ルーキーの林が、練習試合の初ヒットをマークした。
肘の痛みなく投げられる喜び
トミージョン手術からの復活を目指す二人が3イニングずつ登板した。
先発の平良は初回、秋山を2球で追い込んだが、3球目のストレートが真ん中高めに入り、レフト前へ運ばれた。平良の投球であれば、勝負球はもっとコーナーに投げているはず。このあたりはまだ調整が必要だ。
1アウト2塁から新外国人選手のデビッドソンに対して、アウトサイド低めの出し入れで揺さぶったが、フルカウントからのスライダーが大きく外れて四球。続くマクブルームは低めのシンカーで併殺に取ろうと思ったのだろうが、真ん中高めへコントロールミスし、完璧な当たりの3ランとなった。
四球の後、これだけ甘ければどうしようもない。テレビだったが、ホントにいい音がした。レフトスタンドへ低い弾道で突き刺さったが、ハマスタだったらフェンス上部を直撃していたかも知れない。
その後は徐々にボールがコーナーへ散らばり、西川を牽制で刺すなど、3回まで47球を投げた。肘の痛みもなく、投げられたのはうれしかった」というコメントが、この一歩の大きさを表している。まだ開幕まで1ヶ月以上もある段階なので、ボールの精度はそこまで問わない。この時期に実戦段階に入れていることが何より。オープン戦に入って、平良らしいボールの出し入れを見せて欲しいと思う。
東は、先週のヤクルト戦で2回5失点だった。全てのボールが今一つだったが、特にストレートの威力のなさは心配になった。しかし、その後のブルペン投球では東らしいストレートが投げられていると三浦監督も判断。この日に再び3イニングの登板となった。
地方球場のスピードガンはあまり当てにならないので重視していないが、それにしても明らかに打者の反応で球威を感じられた。坂倉には変化球のみで打ち取ったが、2アウトを取ってから腕が振れて来た。小園にはライト前ヒットを許したが、羽月を打ち取った。
2イニング目は、知野のファインプレーもあり三者凡退。3イニング目は、2アウトから坂倉のセンター左への飛球が風に乗って伸び、桑原のジャンプも及ばず。三塁打となってピンチを迎えたが、大盛をストレートで空振り三振に取った。
まずは結果が出てホッとしただろうか。前回の修正ポイントをきっちりと修正できたことは、評価されるだろう。これで次回以降もローテーションを懸けた登板が続いて行く。
この日、パスポートの盗難被害で来日が遅れていたガゼルマンが合流した。今永、大貫、濵口、石田と名前が挙がるローテーションに、平良と東が復活して入って来れば強固になる。もちろん、ガゼルマン、上茶谷、阪口、京山らもその座を狙う。来週以降、どのような争いが繰り広げられるか楽しみだ。
ウェンデルケンはセットに課題
ウェンデルケンが実戦に初登板。1イニングを無失点で切り抜けはしたが、ランナーを背負い、課題のあった登板になった。
2月19日の段階で実戦に登板するというのは、ウェンデルケンもこれまでにあまりないのではないかと思う。日本での1年目ということで、早い段階で登板することを投手コーチらと話し合った上での登板だと思う。まだ開幕まで1ヶ月以上あるので、ここで全開になる必要もない。
日本のボールやマウンドはどんな感触で、ストライクゾーンはどうなのか、味方の野手との連携や捕手とのサイン交換など、そういった部分を経験しておくことが目的と思う。
この日のストレートは、最速148キロをマークしたという記事もあるが、触れ込みに比べれば、球威は感じられなかった。しかし、前述の通りMAXが出る必要もない。ここから開幕に向けてどれだけ上がって来るか。
この日は、ランナーを出してもクイックではなく、足を上げて投げていた。これは敢えてなのかクイックができないのかにもよるが、リリーフ専門の投手なので、1点を争う展開で簡単に走られるようなクイックでは難しい。このあたりは今後の実戦で見て行く必要があるが、課題であるなら投手コーチが既に指摘し、対策に取り組んでいるはず。
ボールには角度があって、スピードが上がって来れば打ちづらそうなイメージはある。この日も2四球を与えたが低めに外れていた。意図せず高めに浮いて来るような投球ではないのかなと感じた。宇草から空振り三振を取ったチェンジアップも、ストレートの球威があれば、振ってしまうボールになると思うので、オープン戦に入って調整し、開幕にMAXのストレートが行くようにして欲しいと思う。
4番手で登板した森原も実戦は今季初。昨年は手術明けのシーズンで途中移籍。今年はベイスターズの環境に慣れた中で、キャンプからじっくりと調整できている。堂林をファウルフライに取ったストレートも良かったし、フォークの精度も上がって来れば、リリーフとして期待できるのではないか。
林が練習試合初ヒット
2番ショートでスタメン出場した林が、初回の打席で遠藤のストレートに合わせ、レフト線への二塁打を放った。これが練習試合の初ヒット。犠牲フライを放ち、良い当たりもあったが、ヒットにはなっていなかったので、一つ結果が出て本人も安堵しているだろう。
2打席目は、1アウトから四球の蝦名を最低でも進めたかったが、引っ張り切れずにピッチャーゴロとなり、併殺。ここは経験を積み、技術も磨いて、ランナーを進めるバッティングができるようにしたい。3打席目のライトフライも捉えた当たりで、バッティングとしては良かったと思う。
林が守っている間にショートへの打球がなく、注目の守備は見ることができなかったが、外野との連携含めて問題ないのかなと思う。ぜひオープン戦に帯同させて、見てみたい選手だ。
この日、春季キャンプのスポンサーであるマルハニチロからマグロが届き、三浦監督が記者会見を行った。その際にマグロ候補について質問が飛び、三浦監督は林の名前を挙げた。スピード感と自由自在に動き回る姿がリンクしたようで、監督の中にも良いイメージができている様子。開幕1軍を狙って欲しい。
この日は9回に代打での登場だった楠本は、2ボールから島内のストレートをきっちり捉えてライト右へのヒット。これで練習試合は8打数6安打。さすがのバッティングを見せ、あとはいかに開幕に合わせるか。バッティングの能力は既にレギュラークラスなので、守備、走塁を向上させてレギュラー定着を狙って欲しい。
この日は4安打で、ソトの犠牲フライによる1点に終わった。阪神の投手陣ほど良いとは思わなかったが、良い当たりが正面を突いたりと不運な面があった。それほどバッティングが悪いとは思わなかった。ただ、1軍を争う選手としては結果が欲しかったところ。練習試合は残り2試合だが、ベテラン組が既に合流しており、一部の選手は宮崎で行われるB班の練習試合に回ることになりそうだ。恐らくキャンプ休日の20日に決定し、移動することになるだろう。
「チャレンジ」をテーマとして第4クールはこれで終了。21日からは、いよいよ最終クールに突入する。練習試合を2試合行い、23日だけが1日練習日で実質キャンプ打ち上げ。25日からオープン戦を2試合行って沖縄を離れる。3月4日からの本格的なオープン戦で誰が1軍の帯同を勝ち取るか。ボーダーの選手は必至のアピールを見せて欲しい。
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