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守備の差で明暗 1998年以来のハマスタ阪神戦8連勝

09/10 横浜DeNA7-0阪神(ハマスタ)

プロ2試合目の登板となった阪神の森木から、初回に牧が先制タイムリー。3回は満塁から楠本が2点タイムリー、戸柱のセカンドゴロを山本が悪送球してさらに2点。8回に桑原が2点タイムリーを放ってダメ押し。先発の石田はストレートの走りが良く、6回を2安打無失点の好投で5勝目を挙げた。

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ポジ

森の強肩、桑原の反応

1点をもらった後、2回表の石田は1アウトからマルテにヒットを許し、佐藤輝には際どいところを見られて四球。2アウト1、2塁となり、8番の坂本はやや勝負を避けた形で歩かせ、満塁。投手の森木との勝負となるが、ストレートを三遊間に運ばれた。深い当たりで内野安打になりそうだったが、森が強肩も生かしてファーストへ素早い送球。際どいタイミングでアウトにし、石田を救った。

森の送球のスピードがなければ、タイムリー内野安打で同点となり、さらに1番中野に戻るという場面になっていた可能性が高い。バッティングではなかなか結果が出ないが、やはり肩と走力は魅力がある。

3回には、2アウトから近本が放った右中間への大きな打球に、桑原が追い付き、ナイスキャッチ。これくらいの守備だと、桑原なら当然と思えてしまう。ややバットの先に当たった打球に反応し、風も逆ということを計算しつつ、落下点へ最短距離で入っている。桑原だからダイビングもせずに追い付いた打球だったと言えるのではないか。

阪神は、3回に2点を失った後、戸柱のセカンドゴロを山本が悪送球。打者の足を考えれば、そこまで急いで投げなくてもというプレーで、判断力が不足していたように思えた。8回も、ショートに回った山本が、大和のピッチャーゴロでセカンドへ入るのが遅れ、落球した。一瞬、自分がベースに入ると思っていなかったような動きも見られたので、事前の確認が不足していたのではないか。

いずれも得点に結び付いてしまった阪神の守備のミス。前日もバッテリーエラーで逆転を許したが、この2連戦は特に、守備の差が明暗を分けた。阪神は、投手陣はダントツでリーグNo.1だと思うし、だからこそ順位予想で1位にしたのだが、それを支える守備がなかなか改善して来ない。守備のミスで大きく流れを失う点が、ヤクルトを追いかけられなかった大きな要因かと思う。

かつて、1998年の優勝を率いた権藤さんも、マシンガン打線や大魔神らのリリーフ陣ではなく、内野の守備力を誇りにしていた。投手以外はゴールデングラブを独占した内野手は鉄壁だった。ベイスターズの今年の躍進も、守備が良くなったことも一因としてあると思う。桑原や森だけでなく、宮崎も衰えなく健在で、佐野も頑張っているし、牧、ソトらも守備が良くなっていると思う。

6番楠本が機能

3回、先頭の桑原が二塁打で出塁し、関根にはバントのサインは出なかった。関根が最低でもランナーを進めるバッティングをしてくれるだろうというベンチの信頼。関根はバントの構えで揺さぶりをかけながらボールを見極め、四球で繋いだ。佐野のファーストゴロがバントと同じ結果になり、1アウト2、3塁と追加点のチャンスが広がる。

初回にタイムリーを放っていた牧は、ストレートで空振り三振。続く宮崎には2ボールとなったところで申告敬遠を選択した。東京ドームではホームランを放っているが、9月に入って打率も2割を切っており、状態が良くない宮崎。一方、東京ドームで途中出場からマルチヒット、前日もヒーローとなる3安打を放っている楠本は状態が良くなっている。正直、宮崎よりも楠本で勝負してくれた方が期待できると思っていたが、その期待に応えるライト線への2点タイムリー二塁打。

ソトが6番に入ることが多かったが、前日から楠本が入り、宮崎が歩かされたり、ランナーを残したところをしっかりと還す役割ができている。6番楠本が機能し、ベイスターズの得点力が増した。ヤクルト戦、小川にも相性が良いソトをどうするか注目したい。

久しぶりに小気味良い石田

初回は2三振を奪って三者凡退の立ち上がり。2回は援護点を吐き出す悪癖が出そうになったが、森の好守で救われた。3回も再び三者凡退だったが、4点の追加点をもらった4回に、先頭打者への四球。陽川にも繋がれたが、坂本を打ち取って切り抜けた。

二度の得点をもらった後のイニングを何とか無失点で切り抜けたことで、長いイニングを投げられた。5、6回は躍動感のある投球。6回を終えて2安打無失点、91球というところだったが、100球となる前に代打を出されて交代した。5点リードがあったので、もう1イニングというところだったが、8月20日の広島戦で7回にピンチを招いて降板し、その後同点に追い付かれたという経緯もあったので、差を詰められる前に勝ちパターンを投入して、すんなりとゲームを終わらせたかったのだと思う。

ストレートに力があって軸として使えたのが大きかった。やはりストレートがあってこそ、変化球が生きるのはどの投手も同じ。変化球も全体的に低めに集めることができた。久しぶりに石田の小気味いい投球を見ることができた。

唯一注文を付けるとしたら、2回は2アウト1、2塁で8番の坂本。強打の捕手なら、無理して勝負をせずに9番の投手で、ということも必要だが、.198という打率だった坂本を警戒しつつもしっかりと打ち取り、次の回を9番からという巡りにして行くのも、先発投手のゲームメイク能力として必要なこと。

もちろん、東京ドームでロメロがミスしたように、ここで長打を打たれるのが一番やってはいけないことなのでリスクはある。だが、石田クラスの先発ならそうした点も理解しているはずなので、隙のない野球をして欲しいと願っている。

これで5勝目。今年は開幕ローテーションに入り、最初の登板で勝利を挙げる良いスタートを切ったが、コロナの陽性判定を受け、約2ヶ月の離脱。復帰後はローテーションの一角として及第点の活躍を見せている。5勝は2017年に6勝を挙げて以来。キャリアハイは2016年の9勝なのでちょっと難しいが、残り試合でも勝ち星を積み重ね、CSでも貴重な戦力として期待したい。

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ヤジ

攻撃は先制、中押し、ダメ押しで7得点。投げても完封リレーと言うことなし。5点リードで、勝ちパターンのリリーフを温存できる状況にも関わらず、7回から入江、エスコバーを投入したが、バタバタと追い上げられた形で終わるよりも、きっちりと抑えてゲームを締めたかったのだと思う。宮崎の状態も良くないため早めに下げたいので、点差を詰められると交代しづらくなってしまう。投手も大変だが、野手にとっても9連戦なので、上手く休息を取って乗り切って欲しい。

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キジ

ハマスタ阪神戦は11勝2敗で終了

かつてハマスタは阪神のホームかと思うくらいに大暴れされた。1998年以来、24年ぶりにハマスタでの阪神戦で8連勝。今年のハマスタでの阪神戦は11勝2敗と大きく勝ち越し、この日が今シーズン最後の試合となった。

4月は阪神が開幕9連敗を喫するなど状態が悪く、4月19日からの3連戦でDeNAが3連勝。ガールズフェスタとなった5月13日は雨天中止、14、15日はいずれも阪神が大勝した。6月28日からの3連戦は、マリノスコラボで3連勝し、8月9日からの3連戦でもスターナイトウィークスで3連勝。

今回は9日が5月13日の振替でガールズフェスタが行われ、2連戦だった。ユニフォームは通常だったが連勝となり、合計で8連勝となって締めた。

DeNAが2位となった場合、ハマスタでCSファーストステージが開催されるが、再び阪神と対戦する可能性がある。2019年は、阪神が公式戦の最後に6連勝で広島を逆転して3位に入り、その年はハマスタで阪神が強く、1勝2敗で敗れ去った。今年はあまりにも相性が良かっただけに、逆に少し不安になるくらいではあるが、そうなった場合は同じ戦いができるようにして欲しい。

マジック阻止なるか、CSは安全圏へ

ナイターではヤクルトが、3回だけで12点を奪われて広島に大敗。ゲーム差は6.5となったが、まだまだ遠く、優勝争いとは呼べない距離だ。再び5敗差となったが、次の試合で直接対決の数が減る為、11日にヤクルトが勝つとマジック11が再点灯する。

全勝ヤ残V勝率
11257251218
2De12264562216.60314-4.610
313162663124.5293-15.532
413262673112.5212-16.525
513060673132.5212-16.525
612657681174.5212-16.525
「直」は各チームのヤクルト戦の残り数。「全勝」は各チームが全勝した時の勝率。「ヤ残」がその勝率を上回るために必要なヤクルトの残り試合の成績。「V勝率」はその時の勝率。

この日、阪神に勝ったため3位とは6ゲーム差。そこから1.5ゲーム差の中に広島、読売がいる。この日の勝利でCS進出はかなり濃厚になったかなという感じだ。

勝数DeNA阪神広島読売中日
75勝11-10
74勝10-1112-017-0
73勝9-1211-111-013-016-1
72勝8-1310-210-112-115-2
71勝7-149-39-211-214-3
70勝6-158-48-310-313-4
CS進出ライン

DeNAが残り試合で5割程度ならCSはもちろん2位も決定的になる。71勝、72勝くらいに負けが込んでも、残り試合を1敗か2敗で乗り切るチームが2つなければ3位には滑り込める。もちろん、何が起こるか分からないので、残り21試合をほとんど負けるというくらいの急落があれば別だが、数字的にはもう絶対的有利な状況だ。

11日からハマスタでヤクルト2連戦があるが、「直接対決」としか呼べないだろう。少なくとも首位攻防戦ではない。ヤクルトは2つ負けたとしても、さほど大きくはない。ベイスターズにとっては天王山かも知れないが、ヤクルトにとってはただの1試合だろう。正念場と言った方が相応しいかも知れない。

負けたらマジックが点灯し、ヤクルトの優勝は秒読みになる。同時にヤクルト戦の負け越しも決定する。現状では引き分けが2で同数の為、勝率が並んだらヤクルトの優勝となるので、追い越すしかなくなる。

苦手にしているサイスニードが前日に投げてくれて、しかも負けていることは好材料。小川は前回のハマスタで勝利を挙げているが、打線の大量得点に護られた形。原も前回は勝てていない。DeNAの先発が試合を作れば、勝機は見えて来る。

あとは、村上を中心とした強力打線を抑えられるか、という点になる。大貫を中8日にして持って来た。個人的には、上茶谷を持って来た方が良いと思っていた。今年も2勝を挙げているが、ルーキー時代からヤクルトに相性が良い。大貫は前回、5回までは無失点で抑えたが、6回に村上の3ランを浴びた。それだけに、村上を恐れた投球になってしまう懸念がかなりあると思っている。ただ、結果論だが上茶谷の出来を見ると、ヤクルト打線だったら序盤でKOだったかも知れない。

12日は、今永を中5日で先発させることになりそう。バンテリンでは濵口と、ガゼルマンの先発起用が見込まれている。ロメロの登録も外していないので、14日はガゼルマン先発でロメロがブルペンで待機ということになるのか。先発であれば、ファームで投げている東、阪口の方が優先すべきと思うが、外国人も来季の契約に向けて見極める必要があるので、そういった事情だろう。しかし、東は本当にどうしているのか。ファームの試合が今週、全て中止となってしまったので、状況が分からない。

CSに向けても投手陣をどう整えて行くかという点はあるが、まずはヤクルト2連戦に全力で臨むほかない。今永に全てを託せるように、とにかく初戦が重要だ。「ここで、全てが決まる。全員で決める。」とあるが、リーグ優勝という意味では、11日の試合が最重要となる。ここで負けると、既に可能性は低くなっているが、完全に断たれると言っても良いと思う。日曜のハマスタのデーゲームは一度も勝っていないが、この試合はトーナメントのつもりで戦って欲しい。

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