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持ってる度会、最後に初の猛打賞 首位打者に届く

03/24 北海道日本ハム2-3横浜DeNA(エスコン)

残り5打席でオープン戦の規定打席に到達する度会は、最初の2打席で連続ヒットを放ち打率を上げる。6回にはバントヒットを決めて猛打賞とすると、9回に5打席目を迎えた。ここは田中正の前に三振に倒れたが、オープン戦の首位打者に立った。先発の大貫は、変化球を自在に操り7奪三振で5回無失点。打線は13安打と活発で、林のタイムリー、大貫の押し出し、石上の内野ゴロで3点を挙げた。上茶谷が2ランを浴びたが、徳山が締めて逃げ切り、最終戦を飾った。

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ポジ [Good]

最終戦の最終打席で規定打席に届く

昨日のブログでも、最終戦で5打席が必要であり、日本ハムの投手力を考えると5打席目が回るような展開は難しいのではないかと書いた。しかし、3点に終わったことは問題があるが、13安打を放った打線の中で、1番の度会には5打席目が回った。最後の最後にきっちりと規定打席に到達するあたり、やはり持っている選手だなと思った。

そして、もちろん自身の力でも首位打者を掴み取っている。最初の打席、左腕の上原に対し、2球ストレートで追い込まれてしまったが、初見のフォークをバットコントロールで拾い、打球はきっちりとヒットゾーンへ飛んだ。止めたバットに当たって、たまたま飛んで行ったようにも見えるが、2ストライクアプローチでバットの出し方を変え、ヒットゾーンへ飛ぶ角度で捉えることができている。

ENEOS時代は、見た目よりも体幹が強くて飛ばす力があり、逆方向へも良い打球を打てるというイメージだったが、2ストライクからこれだけアプローチを変え、バットコントロールで拾うようなバッティングができるとは、本当に驚いた。大学生投手に有力選手が揃った中でも3球団が入札で競合するのも頷ける。

2打席目も1ボール2ストライクと追い込まれたところから、しっかりとアウトサイド低めの変化球、インハイに来たストレートを見てフルカウントに持ち込み、最後はアウトサイド低めのカットボール、簡単ではないボールをキレイに捉え、ライナーでセンター前へ運ぶヒット。言い過ぎかも知れないが、イチローのバッティングを見ているのかと思ったほど。

4回は大貫が押し出しの四球を選び、なおノーアウト満塁が続く状況で打席を迎えた。上原もコントロールがままならず3ボールとしてしまった。1球、ストレートがアウトサイド低めに決まって3ボール1ストライク。続く高めのストレートを思い切り打ちに行ったが、押されてしまい、浅いセンターフライとなって三塁ランナーは動けず。押せ押せで行ける場面ではあったが、唯一の反省は最低限の仕事ができなかったことか。

6回、変則フォームの左腕、河野と2アウトランナーなしで対戦。ここで意表を突くバントを見せた。三塁線の良いコースへ転がり、後ろに守っていたサードが前進して送球するも間に合わず。ものの見事にバントヒットを決め、オープン戦初の3安打猛打賞となった。9回は、ジャスティスのストレートにバットが空を切り、三振に倒れたが、オープン戦の最後の最後で規定打席に届いた。

この最終戦にして、初めての猛打賞を持って来て、難しいと思われた5打席目を迎えることができた。これで度会の名前が、オープン戦の打率ランキングの一番上に登場した。同じく5打席立てば規定打席に到達する読売の佐々木は、3打数1安打で迎えた4打席目で凡退し、度会を上回ることが難しくなり、.400のまま退いた。首位打者を決定付けるバントヒットとなった。

2014年、ロッテの井上以来、ドラフト制以降は10年ぶり2人目となるルーキーでのオープン戦首位打者に輝いた。近年ではオープン戦で打率が4割を超えたのは、昨年のソフトバンクの栗原(.415)くらいで、その前は2015年、当時西武の秋山の.459となる。その年にプロ野球最高の216安打をマークしているが、秋山級の活躍はあるだろうか。

日付球場相手12345
2月25日宜野湾E左飛右飛右安
3月2日北九州H遊ゴ右安死球
3月3日京セラB三振右安中飛中安四球
3月5日横浜M二安三振右2
3月6日横浜M左安一ゴ二ゴ
3月9日横浜L三振四球左安
3月10日横浜L右安二ゴ中飛三振
3月13日横浜S三振左安一ゴ
3月15日横浜E遊ゴ左安三振
3月16日マツダC三飛中安三飛右2
3月17日マツダC右安中飛右安三邪
3月19日横浜B投ゴ右安二飛左飛
3月20日横浜B遊直
3月22日エスコンF左安中飛三振左安
3月23日エスコンF二ゴ一ゴ右2右安
3月24日エスコンF左安中安中飛三安三振
度会隆輝 オープン戦全成績

スタメンで出場した15試合は全てヒットを放っている。ヒットを打ち続けたことも凄いが、各チームの開幕ローテーションが長いイニングを投げ、開幕1軍のブルペンに入る投手たちが最終調整をする今週、特に最後の3連戦で13打数7安打という数字を残しているのが、本当に素晴らしい。

内容としても、初戦はレフト方向へ巧く打ち、2戦目は力強いスイングでライト方向へ打ち返し、3戦目はセンター中心の逆らわないバッティング、そしてバントヒット。この3連戦だけでも度会の魅力が全て詰まっているかのよう。ホームランこそ出なかったが、公式戦に入ってもしっかりとヒットが出ていれば、彼の能力ならいずれ出るだろう。それよりもチームへの貢献を考え、1番という打順において出塁を重視していることも評価できるポイントだと思う。

文句のつけようがない成績でオープン戦を終えた度会。三浦監督も開幕戦での1番ライトでのスタメンを明言した。これは自らの力で掴み取った、文句なしの結果。その中で気になる数字は、得点圏打率.167。1番なのであまり重視されないが、8番が出て投手がバントで送ると、得点圏というシーンは増える。オープン戦はDHを採用していたが、開幕するとこのパターンは増えて来るので、還せるようにしたい。

あとは、四球が56打席で2つ。3月9日を最後に、四球を選べていない。3月20日に代打で11球粘った打席もあったし、選球眼が悪いわけではない。ただ、打てる自信が付いたことで早めに打ちに行くことが多い。好球必打は言うまでもないが、調子が落ちてきた時に、いかに四球で出塁するか。出塁が求められる1番でスタメンを続けるために必要なこと。それが開幕してからできるかどうか。

ここまでの準備は申し分ない。あとは開幕して結果を出すこと。とにかく開幕戦で1本出るかどうか。オープン戦はスタメンで出場した全試合でヒットを打っただけに、開幕戦でそれが止まるとなると雲行きも怪しくなる。とは言え、ここまで見せて来た変幻自在なバットコントロールがあれば、そこまで打てなくなる心配はないと思っている。牧秀悟というとんでもない先輩がいるが、どこまで迫る活躍ができるか。度会の「リューキ」ーイヤーが楽しみで仕方ない。

ポジ要素満載の最終戦

打線は13安打と活発。このところ当たりが止まっていた石上はマルチヒット、5回1アウト1、3塁ではヒットは打てなかったが、内野ゴロ間に打点を挙げ、最低限の役割も果たした。梶原は、宮崎の欠場により5番に抜擢。昨日のブログで書いたが、オースティンの2番を変えずに、宮崎が不在でも梶原に5番を任せられるようになればベスト。この日は、チャンスでは凡退があったが、マルチヒットで結果を残した。二人とも、開幕スタメンには滑り込めただろうか。

大貫は、5回7奪三振で無失点と圧巻の投球。右打者にはツーシームでインサイドを突き、スライダー、フォークが効果的だった。左打者にもカットボール、ストレートでカウントを整え、変化球で空振りも奪った。何度か粘られるシーンがあり、根負けはしなかったが球数が78球とやや嵩んだが、十分な余力があった。

昨年はオープン戦の直前に故障で離脱し、開幕から出遅れた。復帰しても本来の投球ができず、ファームで再調整も経験した。9月になってようやく大貫らしい投球を取り戻し、ホーム最終戦で自身初の完封となるマダックスを達成した。その過程も無駄ではなかったということを、今年の成績をもって証明して欲しい。2022年まで3年連続でチームの勝ち頭となった、2桁勝利の経験者がキャリアハイの成績を残すことで、今永とバウアーの穴を少しでも埋めて欲しい。現状の投球であれば、それは十分に可能だろう。

ビジターゲームなので、リードされていた場合は9回裏はない。そのため、この日に投げさせたい投手は8回まででプランする。開幕直前なのでクローザーとして指名する投手をスタンバイさせるかと思ったが、徳山が登板した。

オープン戦とは言え、1点リードのセーブシチュエーション。金曜の初戦では森原がアウトを取れずにサヨナラ3ランを浴びているが、徳山は堂々の投球だった。150キロを超えるストレートで押し、最後は江越へアウトサイドのコーナーへストレートが決まり、見逃し三振。指にかかったストレートが低めに決まると、1軍の中軸でもそう簡単には打てないだろう。

これで1軍でのデビューが近づいたと思う。ここまで苦労した分、思い切り現状の力をぶつけて欲しい。まだ良かったり悪かったりするとは思うが、進んでいる方向は間違っていない。1軍で場数を踏むことでさらに自信を付け、大きく飛躍して欲しい。

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ヤジ [Bad]

唯一の失点となってしまった上茶谷。万波を歩かせ、好調のマルティネスにボールを見切られ、最後はど真ん中にストレートが行ってしまった。それ以外のボールは、しっかりとアウトサイド低めに集められていたが、フルカウントから連続で歩かせられないというところで、コントロールが甘くなってしまった。投げているボールは悪くないと思うので、勝負所での細かいコントロールを調整し、開幕を迎えて欲しい。

打線は13安打を放ったが、10残塁で3点止まり。4回は、ノーアウト満塁で投手の大貫が押し出し四球で追加点を挙げ、一気に大量点という流れだったが、度会が浅い外野フライ、オースティンは狙い通りの併殺打に倒れた。盗塁死も2つあったが、もう少し得点を重ねたい内容ではあった。

2失点で済んだが、取れる得点を取っていないことで逆転される試合もたくさん出て来る。そういう試合を少なくすることが、最終的に143試合での勝率が高まることに繋がる。こういう試合もあるが、各自が最低限の役割をできるように確認しておきたい。2番オースティンの状態が上がって来れば、もっと得点力のある攻撃ができるだろう。

高い成功率を誇り、12球団トップの盗塁数を誇って来たが、この日は初回の度会、7回の梶原と2つ失敗に終わった。梶原は、アウトコースに外され、完全に読まれた形になった。ここまでの盗塁で相手も警戒して来ている。まずは警戒させることが第一歩ではあるが、今後も成功率を高めて行く上で、相手との読み合いにも勝って行く必要があるだろう。

宮崎がこの日もスタメンを外れた。開幕直前のオープン戦の最終戦で2試合連続でスタメンを外れることはないだろうと思っていたが、体調不良で欠場したとのこと。牧も体調不良で戦列を離れていたが、症状によっては少し影響があるかも知れない。大事を取ったということなので、開幕までに復調できると良いのだが。

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キジ [Other]

オープン戦もこの日で全日程が終了。最終順位は、以下の通りとなった。同率1位で中日、ソフトバンクが並び、DeNAは6位タイ、9連敗スタートの阪神が最下位となった。

チーム勝率
1中日201055.667
1ソフトバンク201055.667
3ヤクルト171061.6250.5
4楽天17962.6000.5
5オリックス15861.5710.5
6日本ハム18765.5380.5
6DeNA18765.538
8西武13661.5000.5
9読売16781.4670.5
10広島19685.4290.5
11ロッテ14293.1822.5
12阪神183141.1762.0
2024年オープン戦勝敗表

以前から書いているように、オープン戦の成績はどうでもいい。ただ、本番モードになった今週の5試合を4勝1敗で、残念ながら森原が打たれてしまったが、負けた1試合も勝ちゲームの内容は作れていた。最後の2試合は1点差の接戦もしっかりと取れたことは期待が持てると思う。

そして、単に勝敗だけではなく、18試合ながら数字も良かった。一番目立ったのが、12球団最多の24盗塁で、高い成功率でこの数字を出せたことは、公式戦にも期待が持てる。ヤクルト戦での爆発はあったが、チーム打率.270も12球団トップで、ルーキーの度会、石上らが引っ張った。

本塁打はソフトバンクに続く2位の12本、チーム防御率も中日に次ぐ2位の2.26だった。やや守備のミスは目立ったが、勝敗のプラス1という数字以上に投打で良い面が目立っていた。

変に浮かれることもなく、不安で縮こまることもなく、フラットな形でこのまま開幕戦を迎えて戦って欲しい。オープン戦はあくまでオープン戦なので、ここからリセットされて本番が始まる。長い戦いなので、うまく行かないこともあるだろうが、全員が最善を尽くして優勝争いに食らい付いて欲しい。

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