09/12 横浜DeNA7-1東京ヤクルト(ハマスタ)
今永は初回、山田に高めのストレートを完璧に捉えられて先制のソロを浴びる。2回から4回はランナーを背負いながらも凌ぐ我慢の投球。打線が4回、3本のヒットで1アウト満塁とすると、今永がレフト線へ逆転の2点タイムリー。さらに桑原、楠本のタイムリーなどが続き、一挙5点を奪う。その後も大和の1号ソロなどで着実に加点した。今永は5、6回を三者凡退で片付け、7回1失点で10勝目を挙げた。
ポジ
終わってみればこの日は、今永の日だった。
今季初の中5日での先発。オールスター明け8月からずっと中6日で火曜日に先発し、チームは6戦全勝。9連戦という中で、間隔を詰めて月曜の首位ヤクルト戦にぶつけることになった。立ち上がりは少しコントロールに乱れもあった。先頭の塩見には2ストライクからカットボールを上手く拾われたが、桑原が前進してダイビングキャッチ。毎日のように見られる桑原のファインプレー。
しかし、山田にはインサイド高めを狙ったストレートがやや中に入り、きっちりと捉えた打球は打った瞬間という中段へ飛び込む23号ソロ。前日に0-1で敗れていて得点が取れないという中、先制点は重苦しかった。だが、桑原のファインプレーがあってソロで済んだ。村上はアウトサイドいっぱいのストレートでショートゴロに打ち取った。
2回は先頭のオスナにぶつけてしまったが、サンタナとキブレハンを連続三振。長岡にヒットで繋がれたが原を打ち取った。3回は塩見に二塁打、4回はサンタナを宮崎のエラーで出塁させ、得点圏に走者を進めたが、球数を使いながらも凌いだ。
投球はピリッとしない状態だったが、4回裏にバットで魅せる。宮崎のフェン直の単打の後、大和、嶺井がヒットで繋いだが各駅停車で満塁。今永が打席に立つが、原樹理との対戦成績がなんと5打数4安打だった。投手なのに、ここまで一人の投手から打ち込んでいるというのは珍しい。
その相性通り、初球の真ん中に入って来たストレートをミートし、サードの右をライナーで抜くヒット。宮崎と大和が還って逆転の2点タイムリーとなった。前日は完封リレーを許し、この日も3回まで得点がなく重苦しい雰囲気だったが、その堰を切った。桑原、楠本もタイムリーで続き、佐野が敬遠の後、牧の内野ゴロ間にさらに1点。この時、珍しく一塁へヘッドスライディングを見せた。気持ちは分かるが、ケガが怖いので勘弁して欲しい。
一挙5点のビッグイニングで、今永の投球も楽になった。点をもらった後の5回、2番からの打順で村上も打ち取って三者凡退。6回は7球で簡単に片付けた。ここまで106球だったが、7回のマウンドにも上がった。長岡にヒットを許したが、後続を断った。
7回119球、4安打1失点と終わってみればHQSをマーク。大貫に並ぶチームの勝ち頭となる10勝目を挙げた。2019年以来3年ぶり、自身3度目の2桁勝利となった。2017年は日本シリーズ進出、2019年は2位で初のCSハマスタ開催と今永の2桁勝利がチームも躍進させて来た。
Twitterのフォロワーさんから教えていただいたのだが、これで今永は123回2/3となり、この日124試合目を消化したので、規定投球回まであと僅か。10勝3敗としたが、規定投球回に達している中で一番勝率の良い青柳が12勝3敗となっており、彼が1つ負けると最高勝率のタイトルに手が届く。最高勝率は、1997年に三浦監督が獲得している(当時は連盟表彰なし)。1997年のようにヤクルトを追いあげた今年、それ以来の獲得となるか。
次も中5日かと思っていたが、この球数から見ると中6日で19日の読売戦となりそう。この日、10月3日に神宮でのヤクルト戦が追加された。クライマックスシリーズのファーストステージに回る場合、土、日、月の開催となる。そこで登板するならエース級を週末に置いておくべき。それもあって、19日、25日、10月1日と登板することも予想される。左肩のクリーニング手術の影響があった前の2シーズンだが、今年は規定投球回にも届くかというほぼフルシーズンを戦っている。疲れも出て来ると思うが、最後までエースの投球を見せて欲しい。
ヤジ
騒動になった件は、ここ(Bad)には書かない。良くはなかった原を序盤には攻略できず、今永に口火を切ってもらう形になった。大事な試合ではプレッシャーもかかるし、連戦の疲れもある。だが、集中力を持って、少ないチャンスを確実に捉えてもらいたい。
3回裏は2アウト3塁から楠本、佐野が連続四球で満塁。ここで4番の牧が打席に立つ。初球がボールとなり、ファーストストライクを狙って行ったが、アウトサイドやや低めのスライダーに、合わせるだけのようなバッティングとなり、センターの正面。満塁で投手が困っているだけに、球種、ゾーンをもっと絞り込んで欲しかった。高めをしっかり捉えられる打者だから、もっとゾーンを上げて欲しかった。
2年目で4番を打っているが、ここからCSに入って行けば、よりマークも強くなり、1打席、1球が重くなる。良い経験になってくれると思うが、4番に入っている以上は結果も求められる。ヘッドスライディングで気迫を見せ、6回にはタイムリーも放った。だが、一番求められるのはここぞという場面の一打。相手の4番が異次元ではあるが、チームの中軸として負けない働きを見せて欲しい。
キジ
ベイスターズにとっては、正念場で5連敗を喫していたヤクルトに、やっと一矢報いる快勝だった。だが、死球の騒動で少し水を差してしまった。
エスコバーが8回、村上の右太ももの横へ155キロのツーシームを当ててしまった。もちろん故意ではないし、外国人選手にとっては帽子を取ることと同じ意味である、胸に当てて自分が悪いと謝っている。だが、故意でないから当てても良いということでもない。
野球に死球はつきものだが、7-1の6点差でインサイドの厳しいところを突く必要がない場面ということもあるだろう。投手は打たれたくないし、1位と2位の対戦と言うことで残り4試合だけでなく、その先のCSもあるので、場面に関係なく打たせたくないというのがバッテリーだったと思う。そのコントロールをミスしたことは、エスコバーも謝っているわけだから、事を荒立てる必要はないのだが、それ以前の対戦からの布石もあったのだと思う。
8回裏に佐野が打席に立つと、三塁側ベンチから野次が飛び、それに対して大和が「黙れ」というシーンがあった。これについては、ヤクルトの森岡コーチが自身のInstagramで謝罪している。そこはもうそれで手打ちにすれば良いと思うが、遺恨は少なからず残ったかも知れない。
プロ野球ファンにとっては、村上がどこまでホームランを伸ばすのは大きな関心事。村上がケガで離脱することを望んではいない。ここまで関心を集めているので、当ててしまってはこのような騒動になってしまう。だから、インサイドへ攻めると言っても、なかなか攻め切れる投手はいないだろうなと思っていたが、コントロールミスで当ててしまった。村上に大きな影響がないことを祈りたい。
1つ勝って、何とかマジックは11のまま。だが、ヤクルトは16試合を残しており、自力でほとんど減らすことができそうな状況。次の直接対決は23日からとなるが、ここで負けると今年も目前で胴上げを見る可能性もある。ベイスターズとしては、目の前の試合を勝って行き、負けてマジックを減らすことをなるべく阻止して行きたい。
そうした中、13日の先発はガゼルマンと発表された。9日から1軍に合流して練習しており、バンテリンドームでの先発が予想されていた。8月に合流し、ヤクルト戦で1試合リリーフとして登板し、4失点というだけの状況で、来季の契約を考える上でも見極めが必要となる。ロメロも不安定な投球が多く、ガゼルマンを先発でテストすることで、競う形にするのだろう。
この日、石田が登録抹消となり、試合後に左足首の捻挫と診断されたことが発表となった。10日の登板は非常に良かっただけに残念だ。登板間隔の調整かと思ったが、登板翌々日の抹消だったので少し嫌な予感はあった。Twitterではこの日の試合前にハマスタで練習する姿もあったようで、軽傷とは思われるが痛いアクシデントだ。
13火 D ガゼルマン 14水 D ロメロ 16金 C 濵口 17土 C 東?阪口? 18日 G 大貫 19月 G 今永 20火 T ガゼルマン/上茶谷 21水 G ロメロ 22木 G 上茶谷/東/阪口 23金 S 濵口 24土 S 大貫 25日 S 今永
ファームの試合ができない状況が続いており、東や阪口らの状況も分からないのだが、石田の離脱により1枚足りなくなって来た。ロメロも登録を外れていないので14日に先発し、濵口が16日に回るのではないか。この日の今永の球数からしても、来週については大貫、今永は中6日で回し、次の神宮に中5日で登板するのではないか。
ガゼルマンは13日の内容次第だが、1回限りの見極めの可能性もある。登板後にクリスキーと入れ替えになる可能性もあるかと思う。ここもクリスキーのコンディションが分からないので難しい。上茶谷は20日から登録が可能なので、甲子園で登板する可能性もある。まずは石田の代わりに誰が入って来るか。バンテリンドームから戻った後の練習で見えて来るのではないか。
相性が良いバンテリンドームで今年最後の2連戦。ガゼルマンが未知数で、相手も高橋宏とマッチアップ的には苦しい試合になりそうだが、ガゼルマンが力を発揮してくれることを期待したい。
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