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ガゼルマンが初先発で初勝利 1安打も完封リレー

09/13 中日0-1横浜DeNA(バンテリン)

来日初先発となったガゼルマンは、初回を三者凡退で立ち上がると、2回のピンチも切り抜け、スコアボードにゼロを並べて行く。打線も高橋宏に6回までノーヒットに抑えられ、スコアレスのまま終盤を迎える。7回、先頭の関根がチーム初ヒットとなる右中間への二塁打を放ち、1アウト1、3塁のチャンスを作る。ここで宮崎はサードへの強いゴロで、阿部がバックホームか併殺を狙うか迷ってしまい、ホームへの送球も間に合わずオールセーフ。関根が還って先制点が入った。8回以降は伊勢から山崎に繋いで虎の子の1点を守り抜いた。ガゼルマンは7回無失点の好投で、来日初勝利。

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ポジ

先発として初登板での炎上を払拭

この試合は何と言ってもガゼルマンの好投に尽きる。来日初登板は1イニングで4失点という悪夢になってしまったが、先発として見事にリベンジした。

7月に獲得が発表され、8月に入ってから来日。先発、リリーフともに経験があり、メッツでは2017年に先発で8勝、翌年にはリリーフとして68試合に登板して13セーブを挙げている。過密日程となる9月の救世主として期待された。

ファームでは3試合にリリーフとして登板し、2回2/3で1失点。8月26日に出場選手登録された。ヤクルトとの直接対決の2戦目、石田が逆転を許した後の4回に登板したが、オスナに3ランを浴びるなど4失点。その後、9月1日に登録抹消となり、ファームで調整していた。

9月9日から1軍に再合流。ファームがコロナの影響で試合が中止となった影響もあり、登板なく1軍へ戻ることとなった。順番通りであれば中5日でロメロ、濵口と予想されたバンテリンドームでの2連戦で初先発が濃厚となっていた。

ファームで見た時も、触れ込みとしては150キロ台後半の速球を持っているということだったが、思ったよりもボールは速くないが、投げ下ろしのフォームから低めに集めることができる印象だった。ただ、3試合目の登板では変化球を引っ掛けることが目に付き、もう1週間ほど調整が必要かなと思っていたが、その後すぐに1軍へ登録されたので、個人的には時期尚早ではないかと思っていた。

ヤクルト戦でのリリーフ登板は、相手に勢いが行ってしまっている状況だったので、難しかった。調整も不十分で、場面もやや気の毒だった。もう一度チャンスを与えて欲しいと思ったが、登板なく抹消されてしまった。チーム事情でリリーフとして期待されたが、日本で投げる様子を見る限りは先発の方が良さそうだった。

これまでの登板でも苦戦していた高橋宏とのマッチアップということで、厳しいかなと思っていた。5回投げられるのかという不安があったが、それを吹き飛ばす好投だった。

初回を10球で三者凡退に片付けたが、2回に木下のヒット、A.マルティネスの四球でピンチを招いた。溝脇を低めのツーシームでピッチャーゴロに打ち取り、2アウトながら2、3塁となった。ここで土田が3球目を三塁線へバント。これにはDeNAの野手だけでなく、中日のランナーも混乱させられていた。木下がホームへ向かうも、捕球したガゼルマンが三塁方向へ追い込み、既に三塁に到達していたA.マルティネスが二三塁間で挟まれ、最後はホーム手前で木下がタッチアウトとなった。

土田としては、バントヒットになって木下が還ることを狙ったのかも知れないが、サインではないように思うので、ランナーが対応し切れなかった。ランナーが進まないとしたら一塁がセーフでも2アウト満塁で投手の高橋宏となる。2アウトだったので、さすがにここでバントヒットを狙うのは無理があったかも知れない。

中日の拙攻に助けられたガゼルマンは、3回と4回を三者凡退に抑えた。ストライクを先行させ、低めのボールで打ち取った。木下には11球と粘られたが根負けしなかった。5回は1アウト2塁とされたが、土田のライナーがファーストの守備範囲で、ライナーゲッツー。6回はガゼルマンが素早い牽制球で、岡林を刺した。

7回99球で3安打無失点。5回を投げ切るどころか、HQSをマークする好投。9連戦で苦しい中、イニングを食ってくれて、僅か1点しかない援護の中で勝利投手の権利を持ってリリーフに繋いだ。ベイスターズにとって今年は相性の良いバンテリンドームでの中日戦、リーグでは得点が一番少ない中日打線ということを差し引いても、落ち着いて安定した投球だった。

四死球は2つあったが、コントロールで困る感じもなかった。7月に入団し、8月の初登板でビッグイニングを作られるという部分、2016年に在籍したブロードウェイとダブるところがあったが、短期間で先発に転向して勝利を挙げた。MLBで両方を経験していることが生きた形で、初登板の炎上を払拭するような好投だった。

今後の起用をどうするか分からないが、残りの試合とさらにCSを含め、戦力になってくれる可能性も出てきた。初先発で好投しても自身に勝利が付かないと、その後なかなかうまく回って行かないケースもあるが、伊勢と山崎が1点のリードを守り切って来日初勝利も付いた。今後が楽しみになる、明るい材料だった。

ガゼルマンを盛り立て初勝利をプレゼント

8回裏は、伊勢がピンチを招いたが、両軍合わせてリクエストが3度も行使される珍事だった。先頭の溝脇に浮いたフォークをレフト線に運ばれ、溝脇は二塁に到達。この時、タッチした牧がアピールしてリクエスト。判定の最中に三浦監督がグラウンドに残っていた審判と話していたが、おそらく溝脇がスライディングした際、最初に左脚からベースに入り、そこへ牧がタッチに行ったが届かずセーフ。だが、勢い余って左脚はベースから外れ、右脚とベースの間に牧のグラブが挟まる形になった。それで牧としてはオーバーランを主張したのではないか。

バックスクリーンの映像では、最初に左脚がベースに入る部分でタッチが間に合っていたかを見ているようだったので、三浦監督がその後の右脚がベースから離れているところを確認するように依頼したように思う。結局は、判定としてはセーフだった。

ノーアウト2塁から土田が送って1アウト3塁。ここで代打の三好がサード正面のゴロ。ゴロGOで溝脇がホームへ突入したが、タッチアウト。これに対して立浪監督がリクエスト。これは、アウトのタイミングではあったが、勝敗を分ける重要なランナーだったので、念のため使っておくという感じが強かった。判定通りアウト。

続く岡林の打席で三好が盗塁を仕掛けた。タイミング的にもセーフに見えたが、三浦監督がリクエスト。この回3度目のビデオ判定となったが、これも判定通りセーフとなった。

その後、2ボール1ストライクとなったところで、伊勢がセカンドへの牽制球。これがランナーが戻って来る足の付近に来る完璧な送球となり、三好がタッチアウトになった。キャッチャーからのサインでベースカバーが入った瞬間に投げるプレーだが、タイミングも、送球も完璧だったからこそ刺せた。練習が生きたアウトだった。

9回は山崎が気合十分の投球。セーブシチュエーションは先週火曜から1週間ぶりとなる。阿部には9球粘られたが、最後はストレートを続け、詰まらせて浅いライトフライに打ち取った。

ガゼルマンがヒーローインタビューで名前を挙げていた伊藤も、丁寧かつ投手を盛り立てるようなリードで、ガゼルマンの良さを引き出した。

関根がノーヒットに抑えられている中で、追い込まれた後、やや真ん中付近に入って来たスプリットを拾い、右中間に落とした。完璧に捉えたわけではないが、先頭打者としての長打は非常に大きかった。最終的には相手のミスで得点はもらった形だったが、唯一のヒットが効果的な場面で飛び出した。

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ヤジ

1安打しか打てず、得点も中日のミスでもらったようなもの。もっと援護できれば、というところだが、高橋宏も良かったので難しい。これまでも高橋宏には抑えられているが、打線の援護がなくDeNA戦は1勝3敗。だが、今回はノーヒットノーランをやられるのではないかというくらいの投球だった。プロ初勝利は献上したが、その後は良い印象は与えていない。だが、来季以降に中日の軸になる投手なのは間違いない。

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キジ

2014年にバルディリスの2ランのヒット1本で、2-1の勝利を挙げて以来の「1安打勝利」。6回までノーヒットながら、関根の二塁打だけで勝つことができた。攻撃としては褒められるものではないが、ここまで来たら、とにかく勝つしかない状況で、勝てれば何でも良いというところ。

石田の離脱で先発投手も苦しくなりそうなところで、ガゼルマンが想定以上に素晴らしい投球を見せてくれて、戦力的にも明るい希望が芽生えた。

前日にエスコバーから死球を受けた村上が、2本のホームランを放ち、55号に到達した。日本人としては最多タイの記録。死球の影響もほとんどないようで安心した。55号は大勢のアウトサイドへコース一杯のストレートを、レフトへ引っ張ったような打球でのホームランだった。この打球が打てるからこそ、この記録へ到達したのだと思う。61本まで伸ばせるか注目したい。

ただ、試合の方はヤクルトの投手陣が打ち込まれ、読売に敗れた。ゲーム差は5.5に縮まり、負け数の差は4となった。直接対決は4試合残っているが、まだDeNAに自力優勝は復活していないので、マジック11は点灯したまま変わらない。下記にツイートした通り。

マジックが点灯してしまってからは連勝、連敗で2ゲーム縮まった。最短で9月16日にマジックが消滅する可能性があるが、マジックの有無に関係なく、残り試合数を考えればまだまだ遠い距離にある。先を考えると長いので、目の前の試合を勝って行くしかない。

14日はロメロが先発する。相性の良いバンテリンドームだが、同じ外国人投手のガゼルマンが先発として結果を出したことは、刺激になるだろう。前回の読売戦は、4点をもらいながら、2アウトから歩かせ、8番に3ランを浴びるという最悪の内容だった。ここは汚名返上と行きたい。バンテリンドームでの松葉は要注意。彼の術中にハマるとなかなか得点を奪えない。13日と同じような試合展開になる可能性もあるが、粘り強い戦いで接戦をものにして欲しい。

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