04/23 広島東洋3-4横浜DeNA(マツダ)
2回に京田の2点タイムリーで先制し、先発の東も3回に菊池のソロは浴びたが、6回まで1失点の好投。7回からエスコバーへ継投するも、マクブルームのソロなどで逆転を許す。しかし、8回に佐野のソロで追い付くと、9回は栗林から代打の楠本がタイムリーを放って再逆転。山崎が締めてこのカードを勝ち越し。ナイターでヤクルトが敗れたことで5年ぶりの単独首位となった。
ポジ [Good]
ミスも目立った試合だったので、「ナイスゲーム」と胸を張って言うことはできないかも知れない。しかし、ミスは起きてしまうものなので、それをカバーして試合に勝ったということが一番重要なことだろう。
先発の東は、中10日の先発となったが、この日もストレートに力があり、チェンジアップが有効だった。菊池には泳ぎながらも前で捌いた打球でレフトスタンドまで運ばれたが、4割超えの秋山、前日ホームランの西川ら左打者をしっかりと抑え込んだ。
6回79球で3安打1失点と余力もあったように思えたが、今週は勝ちゲームでは先発が8回を投げていたため、エスコバーや伊勢の間隔も空いていたこともあって、継投策に出た。
しかし、エスコバーはマクブルームのソロで追い付かれ、東の勝利投手の権利は消えてしまった。さらに1アウト2、3塁のピンチを残して降板。代わった入江は松山をショートゴロに打ち取ったが、大和の体勢が悪く、西川のスタートも良かったため勝ち越し点が入った。
苦しい展開となったが、8回表にターリーから佐野がすぐさま同点ソロを放った。キャプテンの一打でエスコバーの負けを消し、カバーした。
8回裏は伊勢を投入したが、ストレートが抜けてシュート回転し、コントロールに苦しんだ。菊池にヒットされ、上本が送って1アウト2塁。秋山を苦しみながらフォークで三振に取ったが、ワンバウンドのため山本がファーストへ送球。これを佐野が落球してしまい、アウトを取れず。
通常の伊勢ならまだしも、この日はあまり良くなかったので、あまりにも痛いエラーとなった。マクブルームも歩かせて1アウト満塁。絶体絶命のピンチで失点を覚悟したが、西川は強い当たりのファーストゴロ。佐野が体で止めて、ホームをフォースアウト。続く矢野もショートゴロに打ち取った。
ストレートが思い通りにコントロールできていなかったが、矢野に対しては追い込んでからストレートを続けた。抜けてしまっていたので怖いところだが、よく投げさせたと思う。2つファウルがあった後、フォークを投じ、矢野は当てるだけになってしまった。このタフな状況で落ち着いて凌いだバッテリー。成長を感じた場面だった。
伊勢がエラーをカバーし、無失点で切り抜けると、9回表は1アウトから関根のヒットが出て、山本が送り、2アウトながら得点圏に走者を進めた。ここで、この日は休養でベンチスタートの宮崎を代打に送る。一塁が空いているので申告敬遠されることは織り込み済だろう。
伊勢に代打の楠本を出し、栗林の初球ストレートを打ち返し、しぶとく一二塁間を破った。勝ち越しタイムリーで再逆転に成功すると、山崎が登板。エスコバーの思いも汲んで、三者凡退で試合を締めた。
2回の先制点も、1アウト2、3塁から山本がファウルフライに倒れたところで、京田が追い込まれながらもセンターへ運んで2点タイムリーとした。移籍初のタイムリーは、山本も救う一打だった。
野球はチームスポーツ。大きなミスがあった場合、試合の勝敗に直結してしまうことも多いが、他の選手がカバーすることもできる。この試合はまさにチーム一丸となってカバーし合い、全員で掴み取った1勝だと思う。
3年目を迎えた三浦監督も、先を見据えている。前日、開幕からの15試合連続安打が止まった宮崎をスタメンから外した。今、出続けることよりもシーズンを通して活躍してもらうことが重要。代わってサードに入った京田は、エラーが1つあったものの、攻守に存在感があった。オープン戦で準備してきたことが出せたと思う。
先発起用もそうだし、4月は無理をせずに戦って来ている。正直、5割を確保できれば良いが、少しそれを下回ることも想定していたと思う。それでも、無理をせずに貯金3、5年ぶりの単独首位という結果になっている。
まだ4月は6試合残っているが、良い形で次の5月のステップに入って行けるように、全員の力を結集して戦って欲しい。
ヤジ [Bad]
7回はエスコバーが登板したが、その初球をマクブルームに今季1号の同点ソロとされた。高めのストレートだったが、完璧に捉えられた。本人も言い訳はしないと思うが、慎重さが欠けていたかも知れない。その後も西川のヒット、デビッドソンは歩かせ、暴投もあってノーアウト2、3塁。坂倉は浅いセンターフライで勝ち越しは許さなかったが、変化球をコントロールできず、ストレートにもいつもの力がなかった。
降板後、ベンチでグラブやペットボトルを投げつけ、自分への怒りを露わにしたエスコバー。鉄壁のセットアッパーだとしても、毎試合抑えられるわけではない。結果的に14日以来、9日ぶりの登板になってしまったことも裏目に出てしまった。連投、連投で心配になるエスコバーだが、あまり空き過ぎても良くないことが多い。それでもエスコバーは欠かせない投手。熱い気持ちは分かるが、変なところで怪我をしても良くないので、気持ちは抑えて欲しい。
1点リードして勝ちパターンの継投で逃げ切るのがチームの形でもあるが、逆転されたセットアッパーだけが悪いのではなく、追加点を奪えなかった打線にも責任はある。
佐野は起死回生の同点ソロは放ったが、状態としては下降気味。この日は宮崎に休養を与えたので、やむを得ない面もある。だが、やっぱり打線の中心でもある牧がキーになって来る。はっきり言って、今週のバッティングは、今までに見たことないくらい酷い内容だった。
過去2年見ていて、牧のタイミングの取り方であれば、大きな不振はないなと思っていたのだが、ここまでの状態になってしまうとは思わなかった。しっかりとタイミングが取れていないので、自分のポイントで打てていない。当てただけになったり、振り遅れたりしている。
3回は1アウト1、2塁でカウント3-1となり、玉村も苦しいところ。スライダーがど真ん中に入って来たが、力ない打球でファウルフライに倒れた。通常の牧なら3ランだったかも知れないくらいの甘い球。人間なので打てない時はあるし、WBCの影響もあるだろう。三冠王の村上だって苦しんでいる。
それでも、チームの顔であり中心打者なので、自分で乗り越えるしかない。不振と言ってもやはり牧は怖いと恐れられなければならないし、打てなくとも顔で四球を取るくらいは必要だ。ルーキー時代からベテランのようだが、まだ3年目なので、不振で焦りもあるかも知れない。
もともと積極的な打者だが、今は結果を気にして当てに行ってしまっているように見える。もっとどっしりと構えて欲しい。不振の原因は見えているだろうか。疲れが原因なのだとしたら、思い切って登録を外れるのも一つだろう。ボールの問題はあったにせよ、今永には1ヶ月近い時間を与えているのだから、5月以降の戦いを考えれば今、牧の状態をいかに戻すかを考え、ベストな選択をすべきだろう。
キジ [Other]
またしてもこの言葉が出て来るとは。「最高の日曜日」。そして、ゲームのない月曜日もそのまま続いて行く。まだ僅か17試合が終わったに過ぎないこの時期ではあるが、単独首位という言葉にほんの一時だけ喜びを噛みしめたいと思う。
単独首位が2018年4月23日以来、ちょうど5年ぶりというようなチームなのだから、4月の単独首位で大騒ぎするなよと言われても、そりゃ少しは舞い上がるというもの。
順 | チーム | 試 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 | 差 |
1 | DeNA | 18 | 11 | 7 | 0 | .611 | – |
2 | 広島 | 21 | 12 | 9 | 0 | .571 | 0.5 |
3 | 阪神 | 19 | 9 | 10 | 0 | .474 | 2.0 |
4 | 読売 | 20 | 9 | 11 | 0 | .450 | 0.0 |
4 | ヤクルト | 20 | 9 | 11 | 0 | .450 | 0.0 |
4 | 中日 | 20 | 9 | 11 | 0 | .450 | 0.0 |
2018年は結局この日を最後に下降線を辿り、最終的に3年連続となるCSを逃して4位となった。5月以降に単独首位に立てば、中畑監督最終年の2015年以来となる。これも、オールスター前の前半戦最後に首位に立っていながら、最終的に最下位となった。ウキウキのキヨシが史上初の大転落で退任するという結果になったが、あの時に選手として在籍した三浦監督も記憶に残っていることだろう。
今年の話に戻ると、今週は長崎、佐賀の地方ゲームとマツダで5試合のビジターだった。それを考えれば3勝2敗と勝ち越して横浜へ戻れるのは非常に良かったと思う。石田が素晴らしい投球をしたし、東も好調を持続。そこへ今永と大貫が戻って来て、来週への期待も高まる。
25日からハマスタで、BLUE☆LIGHT SERIES ~SPRING~が開催される。火曜夜から水曜にかけて天気が少し心配だが、青い光に包まれるハマスタで、6連勝中の勢いでヤクルトに立ち向かって欲しい。初戦は3戦3勝、防御率1.02のサイスニードが濃厚。ただでさえ相性が悪いのに好調とあれば、今の打線で点を取るのは至難の業。それでもハマスタの力を借りて、何とか攻略して欲しい。
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