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救世主現る 大貫が完封逃すも今季初勝利

05/28 中日1-3横浜DeNA(バンテリン)

大貫と高橋宏の投げ合いとなり、試合は早いペースで進む。5回表に京田がヒットで出塁、続く戸柱の打球はファースト正面のゴロだったが、ビシエドの悪送球で1、2塁。林のヒットで満塁となり、佐野が押し出し四球を選んで先制。さらに関根が2点タイムリーでリードを3点に広げる。大貫は8回まで2安打の好投。9回2アウト1、3塁となったところで山崎に交代。完封を逃したが今季初勝利。山崎は石川昂に強襲ヒットを打たれて1点を許したが12セーブ目。

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ポジ [Good]

大貫が4月29日の同じバンテリンドーム以来の先発。その時は初回に失点し、3回と5回に追い付いてもらった後にも失点する投球になってしまい、4回1/3で4失点。翌日に登録抹消となり、ファームでの再調整となった。6人のローテーション投手が結果を残していた為、なかなか出番がなかったが交流戦前に先発のチャンスを得た。

2年目の2020年に10勝を挙げ、ローテーション投手に定着した大貫。雨の甲子園で先発し、1回で降板した後、中3日でチャンスをもらったのが当時のナゴヤドームでの中日戦だった。ここで8回1失点の好投を見せてシーズンの1勝目。この球場、中日戦とはもともと好相性だった。

そこから3年、いずれもチームの勝ち頭となり、ローテーションを守り続けて来たが、今年はオープン戦中に肉離れで離脱。4月下旬に1軍へ復帰したが2試合で勝ち星が挙げられなかった。ファームでの再調整でさまざまな部分を見直し、このバンテリンドームで先発した。

初回いきなり岡林にヒットを打たれたが、大島が3ボール1ストライクから打ち上げてくれて助かった。前日4安打の細川には、インサイドを攻め続け、最後は詰まらせてショートゴロ併殺打。4回は2アウトから石川昂に高めに浮いたスライダーを叩かれ、ライトのフェンスの一番上に当たる二塁打を打たれた。あと僅かでホームランだったが、ギリギリ入らず先制点を与えずに済んだ。

3点の援護をもらった後の5回裏は、下位打線を三者凡退で片付け、きっちりと勝てる投手の投球ができていた。その後は3点リードをバックに大胆な投球で、球数も少なく凡打の山を築いた。9回は2アウトまで来たが、細川にヒットを打たれ、一発同点の場面でベンチが交代を決断した。

難しい判断だが、117球に到達したところで、4回にあと僅かでホームランという当たりを打たれている石川昂との対戦だけに、交代もやむを得ないところ。代えずに同点弾を浴びる方が後悔が残る。1点取られるまでは続投と思っていただろうが、一発同点の場面を招いてしまったので仕方ない。プロ初完封は逃したが、素晴らしい投球で今季初勝利を手に入れた。

0-1での敗戦を2つ含む4連敗中だったが、運も味方に付けて、先制点を取るまで無失点で凌ぎ、その後は大胆な攻めも見せて8回までゼロを並べた。完封はならなかったが、苦境のチームにとっては救世主となった。

攻撃面では、4回まで高橋宏に圧倒されていた。桑原の当たり損ねのゴロが内野安打となったが、それ以外は完璧で、ノーノーにならなくて良かったと思ったくらい。しかし、5回に京田が口火を切るヒットを放つと、戸柱の打席でヒットエンドラン。戸柱はファースト正面へのゴロ。セカンドも十分間に合うタイミングだったが、ビシエドの送球がサード方向へ大きく逸れ、オールセーフ。

併殺でこの回は終わっているはずが、1アウト1、2塁のピンチとなり、高橋宏の投球にも狂いが生じて行く。この日スタメンに抜擢された林が、アウトサイドのストレートをレフトへ運んで満塁。大貫は三振に倒れたが、1番に返って佐野。

ここまで満塁では5打数ノーヒットの佐野だが、際どいコースを狙った高橋宏のストレートがいずれも外れ、5つ目の押し出しとなり先制点。満塁が続いて関根の初球。高橋宏が投げ始めたところで関根が手を挙げた。

タイムをかけるのが遅すぎて球審に認められなかったとその時は思ったが、実際は関根が高橋宏のセットポジションが止まっていないとアピールしたものだった。三浦監督も出て来て球審と話をしたが、ボークは認められずにストライクとなった。

VTRで見る限りは確かにほとんどセットポジションを止めずに投げていた。それをきっちりと指摘する関根はさすがだが、最近の審判はボークをしっかりと取っていない。気まぐれで取られても困るので、しっかりと徹底して欲しい。

関根は1ストライクを取られ、続く2球目もスプリットが際どいコースに決まって2ストライク。だが、ここでしっかりと気持ちを切り替えることができた。2球ボールのストレートを見極め、再びスプリットがゾーンに入って来たところをレフトへ打ち返した。林も還る2点タイムリーで3-0とした。

この3点目がこのゲームでは非常に大きかった。大貫も5回以降は3点あることによって大胆に投げられた。

戸柱は、大貫を引っ張る好リード。5回は正面のゴロだったが、エラーを誘うラッキーボーイとなった。得点には至らなかったが、マルチヒットをマークした。京田も最初の得点の口火を切り、マルチヒット。守備でも大貫を助ける好守があった。桑原にもダイビングキャッチがあり、守備力の差が勝敗を分けた試合になった。

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ヤジ [Bad]

大貫に余裕を持って完封を狙わせることができなかったのは、6回以降に追加点が取れなかったから。4点、5点あれば、1点取られるまでは交代しなくても良かったので、完封できたかも知れない。交代の采配ではなく、問題は別のところにある。

7回は、ほとんど打つ気がない大貫に対して、橋本がストライクを投げられずに歩かせ、佐野がセンターの左へ二塁打。ノーアウト2、3塁というチャンスだった。関根で1点を取りたかったが、急にアウトサイド低めのコーナーにスライダーとストレートが決まり、詰まらされてサードゴロ。これではランナーが動けない。

楠本に代わってベンチスタートだった宮崎が代打で起用されると、田島に交代。初球のスプリットを打ち上げてしまい、打球はレフト定位置、正面への飛球。これで三塁ランナーの大貫がタッチアップのスタートをした。きっちりと送球が返って来て、大貫はホームの手間でタッチアウト。

大島の肩がそれほど良くないのは分かるが、正面で捕球体勢も万全だった。よほど逸れないと普通の野手でもセーフにならないタイミング。次が4番の牧で、ランナーが投手の大貫ということを考えれば、大島が正確に送球した時点で戻すべきだと思う。珍しく田中浩康コーチの判断が良くなかったのか、バックの指示を大貫が聞き逃したか。走塁に慣れていないとしても、後者は考えづらい。

9回は先頭の戸柱がヒットで出塁したが、林と大貫が続けてバント失敗。このところバントのミスが多数目に付く。バントは簡単ではないが、チームとして成功率を高められるよう、練習で確認が必要だろう。

7回の決定的な場面で得点できなかったが、大貫がその後もしっかりと投げ、9回も何とか山崎がビシエドを打ち取ったので事なきを得た。打力があるチームが相手だったら命取りになりかねない逸機だった。この日も5回に3点を取っただけに終わったので、交流戦に向けて得点をいかに取るか、チーム全体で再確認しておきたい。

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キジ [Other]

交流戦を来週に控えて、まずは連敗を止められたことは非常に良かった。今週は2勝4敗と厳しい週になってしまったが、最低限負け越しでも1つずつ取ることはできた。ビジターだったので多くは望めないが、投打の噛み合わせがうまく行かない週でもあった。

来週から交流戦に入り、さらに6月に入って行く。残り99試合ということで、先はまだまだ長い。交流戦で何が起こるか分からない。昨年はヤクルトが7月2日にマジックを史上最速で点灯させながら、コロナの影響をもろに受けたとは言え、一時ベイスターズと4ゲーム差となった。

現状、阪神がかなり凄い勢いで走っていて、追い付くのは簡単ではないが、まだ優勝争いをどうこう言う時期でもない。いかに交流戦を5割以上で乗り切り、チームとして夏場に備えて行くか。4月こそ素晴らしいスタートを切ったが、ストロングポイントと思った先発投手陣が、まだ思ったほどの数字を残せていない。

バウアーが日本へのアジャストに取り組んでいるし、ここで大貫も戻って来たことも大きい。梅雨時で雨天中止も想定される中、先発ローテーションをどう回して行くか、引き続きベンチワークが重要になるだろう。

個人的に好きな投手である高橋宏は、WBCの決勝でも投げ、素晴らしいボールを持っているが、この日の敗戦で1勝6敗となった。打線の援護、守備力、そして勝負どころでの投球と、一時的に凄いボールを投げられても、勝つことは難しい。プロ野球は難しい世界だと改めて思う。

それにしても、大貫のヒーローインタビューを、誰もいない一塁側ベンチで一人見ていた高橋宏は、何を思ったのか。切ない光景ではあったが、中日の、日本のエースになる通過点の一つになると思う。バウアーも苦しんでいるが、素晴らしいボールに加えて、日本の打者を抑える為の投球にアジャストできれば、勝っていけるのではないか。

交流戦は、まず最初にビジターで仙台の楽天モバイルパークからスタート。ちょうど梅雨前線の影響は受けないようなので、屋外の球場だが消化できそうだ。GET THE FLAG SERIES 2023となる週末の西武戦は、台風2号の影響も受けそう。5日(月)に予備日があるが、それでもどうか。せっかくローズが来て、権藤さん始め1998年のメンバーが来るのに。個人的にも2試合現地の予定なので、天気予報を頻繁に見る週になりそう。

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