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2度追いつくも 勝負勘ない継投で勝ち越し許す

09/16 東京ヤクルト6-3横浜DeNA(神宮)

先発の石田は、初回に山田の併殺打の間に先制を許すと、2回はサンタナに15号ソロを浴びた。打線は3回に大田、桑原の連続二塁打で1点を返すと、牧の内野ゴロ間に同点とした。4回に村上のソロで勝ち越されるも、5回に佐野のタイムリーで再度同点に追いつく。しかし、5回に石田が塩見のタイムリーですぐに勝ち越しを許すと、6回は山崎が山田、オスナに一発を浴びて3点差となる。終盤は打線が繋がらず、そのまま逃げ切りを許した。

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ポジ [Good]

先発の石田が2点を先行され、前回の対戦で7回まで1点と苦しんだ小川ということで苦しい立ち上がりだったが、打線は最低限の仕事がきっちりできて5回までは理想的に得点を重ねた。

2回裏にソトの好守で併殺を取り、3回表の攻撃前には円陣が組まれた。先頭の大田がストレートをセンターの右へ弾き返す二塁打。続く桑原はバントの構えも見せたが、2ボールからのストレートをライト線へ二塁打。いずれもストレートを逆方向へ打ち、まず1点を返した。

3番の佐野は膝元のスライダーを拾ったが、上がり過ぎてしまいライトフライ。しかし、きっちりと引っ張り進塁打になった。牧は、前進守備を敷いていない状況で、2球で追い込まれてから着実にセカンドゴロで同点とした。毎回ヒットが打てるわけではないので、2つのアウトで同点としたのは良い攻撃だった。これを続けて行きたい。

村上のソロで再び1点をリードされた5回、大田がインサイド高めのストレートに詰まりながらもレフト線に落ちる二塁打で再びチャンスメイク。今度は桑原がバントで送り、佐野が同点タイムリー。ここまでの攻撃の流れは非常に良かった。

体調不良で9月3日に特例2023で登録を外れた大田は、復帰してからノーヒット。ここ2試合はスタメン出場し9打数ノーヒットで内容もあまり良くなかった。それでも、連勝していた流れもあってか、この日もスタメンで起用され、3安打をマークした。これで復調してくれると心強い。

3点ビハインドの場面ではあるが、7回から登板した中川が2イニングを無失点に抑えた。先頭の長岡にいきなり3ボールとしてしまったが、ファウルで粘られても根負けせず、9球目でピッチャーゴロに打ち取った。打球への反応も良かった。

153キロのストレートはもちろん威力があるが、コントロールがある程度まとまっていた。ナックルカーブは少ないながら意識させられれば良いし、この日はフォークが良い高さから落ちていた。宮城もそうだが、こういった場面で場数を踏んで接戦でも使いたくなるような投球を続けて欲しい。

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ヤジ [Bad]

本当に2位になる気があるのか疑いたくなる継投だった。気持ちはあっても、やはり勝負勘がないのだろうか。先発投手出身の監督だけに「5回まで投げる」というところに異常な拘りがあるように見受けられる。

三本柱以外の投手は、5回まで投げていれば好投してもあっさりと代えるが、5回までは代えるべき内容でも代えない。もちろん143試合のリーグ戦を戦っているわけなので、毎日先発が5回持たずでは困るし、代えられない日もあるだろう。

この日は7連戦の5試合目。前の2試合を観ると、14日は東が9回途中まで投げ、エスコバーがリリーフした。前日は平良が7回まで投げ、ウェンデルケンと森原が締めている。つまり、それ以外の投手は使っていない。残り2試合があるとは言え、ある程度投手を使える状況にある。

そして、2位を狙う上で、デーゲームで広島が負けた状況で、ゲーム差を縮める大きなチャンス。加えて前回の石田は4回まではまずまずの投球も、5回に一挙5点を取られており、信頼に値する先発とは言えない。

石田は、初回いきなり塩見、濱田の連打で1、3塁とされ、山田は強い当たりのサード正面のゴロで併殺に打ち取ったが、その間に先制を許した。2回はサンタナにインサイドのストレートをバックスクリーン右へ運ばれた。

前回に比べると、ストレートの球威、変化球のコントロールともに良くなかった。尻上がりの投球になる可能性はあるが、失点を重ねるようであれば次の投手を考えるべき出来だった。

同点に追いついた後の3回裏は、ソトの好守で長岡を併殺に取っていたことから、投手の小川から始まった。バッティングが良い投手だが、まず1アウトを取れたことで相性が最悪の塩見、濱田も打ち取り三者凡退。しかし、4回に村上がストレートを捉え、レフトスタンドへの勝ち越しソロ。サンタナ、オスナにも甘い球が行ったが、何とか外野フライで済んだ。

5回表に先頭の大田が二塁打。3回は桑原に打たせたが、ここは「同点とするために」バント。佐野のタイムリーで追い付いた。だからこそ、5回裏を無失点で抑え、同点のまま後半へ入って行きたい場面だった。

1アウトから長岡に3ボール1ストライクとしてしまい、5球目は際どいコースをボールと判定されて歩かせた。下位打線なので、石田が何とかこの回を投げ切ってくれればという思いはあったのではないか。だが、前の打席に良い当たりとは言え打ち取っている長岡を歩かせてしまったことで、小川がバントで送って、得点圏で塩見を迎えることになった。

塩見 5-4 .800 1本 2打点
濱田 6-4 .667 0本 1打点

これが試合前までの石田との対戦成績で、最初の打席に二人ともヒットを放っている。2アウトとは言え、得点圏にランナーを背負ってこの二人と対戦すれば、得点を奪われる可能性は高い。個人的にはここで代えると思ったが、ベンチは続投だった。

案の定、塩見に2球目のストレートを弾き返され、サードの頭を越えるタイムリー二塁打。そして、驚いたことにここで上茶谷にスイッチした。代えるつもりがあるなら何故塩見のところで代えなかったのか。まだ同点だから、2アウトだから石田が打ち取ってくれれば、そんなところだろう。

選手を信じるのも大事なことだが、まずこの日の石田が信じて良い状況なのか判断が必要だ。そして、前述のように好投している時でもあっさりと5回で交代することもあり、信頼はそもそもないように思う。だから、信じて任せたというより、5回を投げて切っていないから続投したとしか思えない。

同点とするためにバントしたのに矛盾するが、ここで1点勝ち越されるくらいまでなら問題ないと思っていたのではないか。2度も同点に追いつき、その直後に失点したら流れが悪くなるのは当然。小川から3点は取っていたが、前日を見ても打線の状態が良いわけではないので、その流れになってしまった時に反撃できるかの判断ができていないのではないか。

勝負勘のない継投で勝ち越しを許し、ヤクルトに試合の流れを渡してしまった。「勝ちにつなげられなかったのは自分の責任」という通り、この試合に関しては勝てたかどうかは別だが、運用で綻びが見えた。残り試合も少なくなり、優勝はもうないが、少しでも良い形で終えるためにはミスが許されない。勝ちに行って勝つ野球を見せて欲しい。

そして、1球で濱田を打ち取った上茶谷は、次の回に打席が回る石田のところにそのまま入っており、2アウトランナーなしで戸柱を代打に起用。1点ビハインドとなった展開で残り4イニングあるなら、回跨ぎはあまり望ましくないが6回も投げてもらった方が良かった。

上茶谷を下げてしまった以上、6回に誰が投げるのかというと、1点差のままついて行けばチャンスがあるので、勝ちパターン以外で考えると山崎というのは妥当と思う。現状ではまだ伊勢>山崎なのだと思う。中川の方が良かったのは結果論。宮城もまだそこまでの信頼は得ていない。

山崎は、山田とオスナにいずれも、彼がツーシームと呼んでいる、タイミングも外せない半速球をホームランにされた。先頭の山田には4球続けてこのボールを投げている。サインを出しているのは山本だが、バッテリーとしてどういう認識なのだろう。

まず、ストレートをゾーンに自信を持って投げられないことが原因。昨年の復活はこれができたからだと思う。そして、その影響で「ツーシーム」に頼り過ぎる。ストレートを十分に意識させられておらず、あまり変化せずにゾーンに投げてしまうので、打ちやすい半速球になっている。その認識が山崎にあるかどうか。

カーブやカットを投げたりしているが、修正ポイントはそこではない気がする。本来のストレートが取り戻せないので、ごまかしながら投げているが、終盤のリリーフはそれで務まるほど甘くない。呼び方はどうでもいいが、「ツーシーム」がしっかりと低めのボールゾーンに落ちて行って空振りを取れる、スプリットにならない限り、復活はないと思う。単純に落ちるようにするというだけでなく、ストレートの速さを打者に意識させてこそ、変化球が生きる。

ここからまだ6年の契約がある。ずっとクローザーを務めることは難しいにしても、勝ちパターンの中で輝く彼をファンは観たいと思っている。その場しのぎの改善ではなく、今後のピッチングデザインをどう描くか、プランを持って改善に取り組む必要があるだろう。投手キャプテンとしての立場もあるだろうが、今は自分のことだけを考えても良いのではないか。そういう意味で三嶋がいればなと思ってしまう。

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キジ [Other]

この日、デーゲームでCSを争う広島、読売がともに敗れた。今週は広島とは勝敗が一緒でゲーム差がずっと変わらずに来ていた。ナイターで行われたヤクルト戦に勝てば2位が近づき、読売との差を広げることができるチャンスだった。

一度もリードできなかったので、勝てた試合とは言えない。5回、追い付いた後に牧もヒットで続いて1アウト1、2塁とし、神宮の鬼・宮崎を迎えただけに一気に行きたかったが、後続のソトも倒れて勝ち越せなかったことも響いた。それにしても、首を傾げたくなる継投があり、勝たなければならない試合を落とした。

勝数広島 残9DeNA 残12読売 残12
799-0 .568
788-1 .56112-0 .557
777-2 .55411-1 .550
766-3 .54710-2 .54312-0 .539
755-4 .5409-3 .53611-1 .532
744-5 .5328-4 .52910-2 .525
733-6 .5257-5 .5219-3 .518
722-7 .5186-6 .5148-4 .511
711-8 .5115-7 .5077-5 .504
700-9 .5044-8 .5006-6 .496
広島が読売に勝ち越しているため、勝率で並んだ場合は広島が上位

広島とゲーム差が開いたわけじゃないから大丈夫と思っている人もいるかと思うが、気持ちの切り替え方としてはそれでもいいし、個人の受け取り方だろう。だが、事実として残り試合で広島との3ゲーム差を縮めなければならないわけで、差が変わらずに進めば進むほどその機会は減って苦しくなる。変わらないというのは実質的には少し開いたようなものだ。

17日からはカードが変わって、甲子園で阪神との2連戦。優勝を決めた阪神は、CSに向けた調整やタイトル争いになって来る。主力のメンバーも若いので、そこまで戦力的にも変わらない。CSを考えると、バウアーが投げられるか微妙とは言え、8月末の甲子園で連敗した13勝9敗のDeNAよりも、17勝5敗1分とカモにしている読売が上がってくる方が良いに決まっている。岡田監督がもし解説者だったら優勝予想したというDeNAを叩きに来るだろう。

初戦は、優勝翌日の先発を避けた村上。MVP有力候補とも言われるWHIP 0.73を誇る投手だが、不思議なことにDeNAには0勝1敗とセ・リーグで唯一勝っていない。CSファイナルにDeNAが上がって来た場合に甲子園で対戦することにもなるので、ここでしっかりと良いイメージを作りたいだろうから、全力で来ると思っている。2戦目はブルペンデーという報道もあったが、阪神のブルペンは強力なので、かえって点が取れないと思う。伊藤将でもどちらでも得点は期待できないが、何とか連敗せず抜けたい。

広島は中日と戦うが、対戦成績は10勝10敗1分。1勝1敗ならまだ望みはあるが、ここで連勝されると20日に直接対決があるとは言え、2位は絶望的になる。そういう意味でもこの日に2ゲーム差とできなかったことは、大きく不利な状況に追い込まれたと言える。

2位ばかりも見ていられない。読売とのゲーム差も2.5のまま変わらなかった。24日からのハマスタでの3連戦がヤマ場になると思うが、それまでに少しでも広げておきたいところ。DeNAの選手たちができるのは目の前の試合を勝つことになるのだが、他のチームの勝敗も含めてファンはヤキモキする日々がしばらく続きそうだ。

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