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21世紀初の15勝投手 東が投打に活躍、2位へ望み繋ぐ

09/20 広島東洋1-3横浜DeNA(マツダ)

2位へ負けられない直接対決。初回、天敵の大瀬良から牧が29号2ランで先制すると、先発の東は4回までパーフェクトピッチング。5回、末包に右越えの二塁打を許すも6回まで1安打無失点。7回表に2アウト1、2塁から自らのタイムリーで追加点を奪うが、その裏に不運な当たりが続き、堂林の内野安打で1点を返されるも、後続を断った。ウェンデルケンから森原に繋いで逃げ切った。

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ポジ [Good]

期待に応える投球を見せたエース

既に優勝はなくなってしまったが、残る最上位である2位となり、ハマスタでCSファーストステージを開催するのが当面の目標となる。2ゲーム差の2位広島とは、これが最後の直接対決。敵地での負けられない試合は、順番通りの今永ではなく、10連勝で14勝2敗、広島にも3勝を挙げていた東を持って来た。数字上も安定感も彼しかいないという感じだった。

初回に2点をもらい、重要な試合ではあるが、極端に慎重になる必要がない状態でマウンドに上がれたことも大きかった。いつも通り、ストライクゾーンに力のあるストレートとキレのある変化球を投げ込み、打者を抑えて行った。4回までは危なげなくパーフェクトピッチング。3回には下位打線を3者連続三振に取った。

5回1アウトから、高めに入ったカットボールを末包にライトオーバーの二塁打とされた。得点圏にランナーを背負ったが、落ち着いて後続を断ち、6回も三者凡退。1安打無失点の素晴らしい投球を見せた。

7回表、先頭の宮崎がヒットで出塁するも、ソトと山本がいずれもフライアウトでランナーが釘付け。8番の林がセンター前ヒットで1、2塁となり、東に打順が回った。前回の中日戦で、あとは完投に向けて9回のマウンドに上がるだけという場面で打ちに行き、2点タイムリー二塁打を放った。同じようなイメージで、アウトサイドのフォークに合わせると、サードのグラブをかすめた打球がレフト線へ転がった。少し前に守っていたが、宮崎でも余裕を持って二塁から還れる最高のタイムリーになった。

6回まで65球の東は、中5日が続く日程になるが、8回くらいまで行けそうだった。だが、7回裏は先頭の矢野が、ストレートに詰まりながら、打球がセカンドの後ろに落ちるポテンヒットで二塁打となってしまった。さらに小園の一二塁間への高いバウンドのゴロは、ソトが捕ってベースカバーの東へ送球するも間一髪でセーフ。セカンドに任せてもいいコースだったが、ソトが捕りに行き、東のベースカバーも僅かに遅れたか。

ノーアウト1、3塁のピンチとなり、堂林。チェンジアップに泳ぎ、引っかけた打球だったが、これも内野安打になり、1点が入ってなおもノーアウト1、2塁。3本とも打ち取った当たりだったが、不運にも3連打となり、一発逆転の大ピンチ。

ここで東がギアチェンジ。末包に粘られるも、最後はアウトサイドのチェンジアップで完全にタイミングを外して空振り三振。マクブルームにはインサイドのストレートを続け、中に入ったが押し勝ってライトフライ。デビッドソンにもストレートで押しまくり、最後はアウトサイドにチェンジアップ。山本の好リードは、東のコントロールに信頼があるからこそ。最優秀バッテリー賞に相応しい、素晴らしい投球だった。

この日もビジターのヒーローインタビューだが、何度も「祐大」の名前が出た。最多勝投手がこれだけ認め、相性が抜群のバッテリー。これを最優秀バッテリーに選ばずして何なのかと思う。セ・リーグは東と山本で文句なしだろう。

ウェンデルケン、森原の勝ちパターンがしっかりと抑え、11連勝で15勝目を挙げた。11連勝は1983年の遠藤一彦氏の12連勝以来40年ぶり、15勝は1999年の川村丈夫氏以来、24年ぶりとなる。ベイスターズにとっては、21世紀初の15勝投手となった。

これで11勝で2位の大竹、戸郷が残り試合での先発が現実的には2、3試合なので、最多勝は確実。単独での獲得も間違いないだろう。来週、再来週とCSを争う読売との大事な一戦に登板する。今年は13連勝で負けないままレギュラーシーズンを走り切り、左腕として最多勝を獲得した先輩である野村弘樹氏に並ぶ17勝を挙げてもらいたい。

エースを、チームを勇気づけた4番

4番も当然、この試合の重要さを理解していた。相手は、天敵の大瀬良。2020年9月5日のマツダで負けて以来、大瀬良はDeNAとの15戦で9勝負けなし。不敗神話と言われるほど相性が良かった。天敵が見せた1球の失投を、凄まじい集中力で見逃さなかった。

先頭の大田が、立ち上がりにややコントロールが定まらない大瀬良のボールをしっかり選んで歩いた。桑原が送り、佐野は際どいコースを見逃し三振。2アウトとなって牧が打席に入った。2球で追い込まれてしまったが、アウトサイド低めへの変化球を落ち着いて見極め、フルカウントまで持って行った。

大瀬良のペイオフピッチ、ストレートが真ん中やや低めに来たところをきっちり捉えた。打球は左中間スタンドへ十分届く飛距離。大台の30本にリーチをかける、29号先制2ラン。この先制点は、満を持して投入されたエース東にとっても非常に大きかったはずだし、ビジターで重要な一戦を戦うチームに勇気を与えた。

得点には至らなかったが、他の打席でも2四球を選んだ。ボールがよく見えており、集中力もある、非常に良い状態になっている。9月はまだ.282だが、ここからの爆発があればシーズン通算の打率も3割に乗せられる。ハマスタであと1本以上ホームランを放ち、3割30本100打点の強打者たる成績を誇ることができそうだ。ベイスターズでは2017年のロペス、日本人では2016年の筒香以来となる。ぜひ達成してもらいたい。

宮崎がさすがのマルチヒットをマーク。7回は、東のレフト線へのヒットで、二塁から激走で生還した。阪神戦では珍しく5タコで2三振だったので、少し心配したが、2017年以来の首位打者が見えて来た。現在427打席で、年間最終に17打席足りない。しかし、17打席を凡退として打率を計算すると、395-126で.319となる。

2位の西川が復帰して打ちまくればまだ逆転される可能性はあるが、この時点でも特例の首位打者の可能性が高い。逆に心配なのは、2位やCSが懸かっているので、打率が落ちて来てもあまり休ませるわけにも行かないので、それにより打率が急降下すること。そこはベンチが上手いバランスで起用して行くしかない。

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ヤジ [Bad]

4回の1アウト1、2塁で一気に行きたいところだったが、大瀬良も初回から調整し、尻上がりの投球だったので追加点を取るのが難しかった。東の自援護という形にはなったが、7回に追加点が取れたことは大きかった。

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キジ [Other]

野球界の話題は、大谷の手術、そしてオリックスの優勝。既に阪神が優勝を決めたセ・リーグは、3チームによるCS争い。ベイスターズにとっては、2位を狙う上で負ければほぼ可能性がなくなるという重要な試合。

東でやられたら仕方ないと思えるくらい、今年の東は素晴らしい。心配だったのが、天敵の大瀬良から得点できるかという部分だったので、初回に2ランを放った4番の牧の活躍も非常に大きかった。ついに大瀬良に黒星を付け、不敗神話を打ち破ったことは、CSに向けても大きいだろう。

3連勝で貯金7まで戻した。これは7月15日以来となる。ベイスターズはシーズンの最終結果で貯金2桁というのは1998年しかない。この日の敗戦で広島も1桁になったが、残り9試合を6勝3敗以上で乗り切って、2桁貯金を達成して欲しい。

勝数広島 残6DeNA 残9読売 残9
789-0 .557
776-0 .5548-1 .550
765-1 .5477-2 .543
754-2 .5406-3 .5369-0 .532
743-3 .5325-4 .5298-1 .525
732-4 .5254-5 .5217-2 .518
721-5 .5183-6 .5146-3 .511
710-6 .5112-7 .5075-4 .504
勝率で並んだ場合は直接対決により、広>読、広>D

この日の結果で、広島とDeNAが62敗となり、負け数が並んだ。DeNAは引き分けが1つ少ない分、全勝すると広島を勝率で上回る。直接対決がゼロになったので、両チームが全勝した場合の比較になり、広島が自力でDeNAを上回ることはできない。たが、DeNAと読売の直接対決が4試合残っており、読売が全勝した場合の.532に対し、DeNAは直接対決以外の5試合を勝っても.529なので、読売は自力でDeNAを上回ることができる。

マジックナンバーは、他の全チームに自力優勝(今回は優勝マジックではないので、自力で上回ること)がなくなることが前提なので、いわゆるマジックは点灯しない。単純にクリンチナンバーが9.0になった。残り9試合で9.0なので、苦しい数字だ。分かりづらいが、2位の可能性は依然として広島が有利であるが、DeNAが逆転する可能性も広がって来たということ。

数字上の話なので、DeNAとしてはハマスタでの中日2連戦に勝ち、CSに向けた重要な読売3連戦へ入って行きたい。この日の先発を変更した今永は、24日からの読売戦に回るようだ。東も92球で交代しており、次も中5日で26日の読売戦に登板するだろう。読売も戸郷、メンデス、山崎伊を持って来るようで、2年連続のBクラスを阻止するため、全力で来るだろう。差を維持したまま決戦に入りたい。

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