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2023年振り返り 優勝へ足りない勝負強さ

横浜DeNAベイスターズは2023年、3位に終わり、CSでもファーストステージで連敗して敗退。4月は貯金10の好成績で交流戦でも優勝。6月には首位に立っていただけに、悔しさしか残らないシーズンとなった。2024年の春季キャンプが始まるというタイミングではあるが、2023年を振り返って、2024年はどういうチームになる必要があるのか、考察してみたいと思う。

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優勝へ届かなかった要因

1、2番の出塁率が低く、固定できず

いつから構想があったのかは分からないが、オープン戦の8試合目で1番佐野、2番宮崎というオーダーを組んだ。それまでは森か林が1番に入り、佐野が2番という試合がいくつかあった。当初は、途中で退く佐野、宮崎に打席を早く回す為の打順と思っていたが、オープン戦終盤でも何度か佐野、宮崎の1、2番を組んだ。WBCで牧が不在のオーダーとなっており、開幕オーダーはどうなるのか注目されたが、結局1番佐野、2番宮崎でシーズンに臨むことになった。

ただし、開幕戦は阪神の開幕投手が青柳で、2022年も何度か対策として取り入れていたように、相性の悪い宮崎とソトをスタメンから外すオーダーになった。しかし、2戦目は1番佐野、2番宮崎のスタメン。宮崎は開幕戦で代打から途中出場してマルチヒットをマークすると、打ち続けたが、チームは開幕4連敗。ホーム開幕戦では完封負けを喫し、2戦目から1番佐野はそのままに、宮崎を3番に入れるオーダーに変更した。ここからチームが4連勝して波に乗ったこともあり、2番宮崎というのは僅か3試合で終わった。

2番最強説という話もあるし、2024年のドジャースでは大谷が2番を打つと言われている。OPSの高い佐野、宮崎を上位にして、牧にチャンスで回すという考え方があったのだろう。良い打者が一番多く打席に立つことが望ましいので、理には適っていたと思うが、ゲームではなく人間がやることなので、どうしてもその打順を意識してしまうのだろう。

日本では1番は俊足で、塁に出れば盗塁をし、2番はバントで送るというイメージが強過ぎる。だから佐野に足がないことが物足りなく感じることが多かったかも知れない。宮崎は右に打つのが巧い打者だが、進塁打を意識し過ぎると勿体ない感じもあった。

結果的に103打点で打点王に輝いた牧という勝負強い打者がいるのだから、盗塁やバントというリスクが高く、実際はそこまで得点に寄与しない作戦よりも、普通に佐野や宮崎が打ってチャンスを作ることをイメージしたと思う。特に盗塁もバントもきっちり決められる選手がいないのから、この考えに至ることは理解できる。

ただ、最初から考えていたわけではなく、オープン戦で何となくやってみてこれで行ってみようくらいの印象だった。開幕戦は別のオーダーを組んだが、シーズンの始めに構想したオーダーを僅か4試合だけで変えることになったのだから、良いとは言えないだろう。

53試合目で佐野を1番から3番に回し、宮崎を3番から5番に変更した。それ以降は、関根や桑原を中心に1番は流動的になった。

1、2番のスタメン試合数と、1、2番の組み合わせ上位を見てみる。

1番試合2番試合
佐野66関根53
関根30桑原34
桑原16京田20
大田139
梶原6蝦名5
楠本5大田5
4宮崎3
蝦名2楠本3
知野1オースティン、ソト、梶原、佐野2
大和、知野、神里1
1、2番のスタメン試合数
佐野、関根23
関根、桑原17
佐野、京田15
桑原、関根12
佐野、林9
大田、関根7
佐野、桑原6
大田、桑原6
関根、蝦名4
関根、京田4
楠本、関根4
林、関根4
佐野、宮崎3
佐野、大田3
1、2番の組み合わせランキング

佐野、宮崎の1、2番をやめたが、代わる選手もハマらず、相手投手や状態を見ながら頻繁に入れ替える形になった。しかし、1、2番の出塁率はリーグ最低で、2番は3割を切っていた。こうした状況下で12球団唯一の100打点をマークした牧は、本当に凄いと思う。限られたチャンスをきっちりとモノにしたということになる。本来なら3番や5番ももっと打点を挙げてくれないと困るのだが、1、2番がこれだけ出塁できないと得点チャンスそのものが生まれない。これが得点力が低かった大きな要因だろう。

今永が先発した試合は、チームが11勝10敗1分だった。22先発のうち12試合でHQS(7イニング以上で自責点2以下)をマークしているにも関わらず、この数字というのは、いかに打線が援護できなかったかを示す。8月以降にやや打ち込まれた試合も目立ったが、7月や9月に好投しても勝利に結びつかないことが多かった。

1、2番を打つ選手というのはここ数年、課題になっている。それまで1番を打つことが多かった桑原は、バッティングの特性を考えると下位でフリーに打たせた方が良い結果が出そうだ。首脳陣もそういう考えで、桑原を上位で使わず、5番や6番で起用していた。だが、佐野が3番に回った後の57試合目で初めて2番に起用すると、以降は1、2番で40試合のスタメン出場となった。臨機応変に対応したのだろうが、ブレたとも言える。

今のベイスターズで、1番打者に足を求めるべきなのかは分からない。阪神の近本は理想的なのだろうが、そう簡単に彼のような選手が出て来るわけではない。ヒットを打てるに越したことはないが、まずは四球でもとにかく出塁できる打者が必要だ。どういう順番になるか分からないが、佐野、牧、宮崎に加えて万全ならオースティンも入って来た時に、彼らの前にランナーが出ていることで、相手バッテリーにもプレッシャーを与えられる。

4番手以降の先発投手が誤算

大貫がオープン戦での負傷で開幕に間に合わず、WBC決勝で先発した今永もボールの違いなどによる調整に時間を要した。3月後半に来日したバウアーは、ファームで調整中。開幕ローテーションは、石田、ガゼルマン、笠原、濵口、平良、東となった。

笠原は最初の登板で早々に降板すると、次の機会をなかなか得られなかった。濵口は開幕から4連敗。そうした中で、開幕前は不安もあって6番手となった東がエースの活躍。さらに平良は中10日以上空けての登板ながら好スタートを切り、ガゼルマンも4月に3勝を挙げた。

5月に入ると、東、今永に加えてバウアーがローテーションに入って来た。バウアーは、2試合目と3試合目は非常に苦労したが、6月に入ると東、今永、バウアーで三本柱を形成。強力な3枚で勝ち星を積み重ねた。

だが、大貫はケガから復帰した後も、本来の投球ではなくファームでの再調整となった。平良は6月以降はなかなか彼らしい投球ができず、1軍での先発が減った。ガゼルマンも5月以降はなかなか勝てなくなった。濵口はゴールデンウィーク、交流戦で2度のチャンスをもらったが結果を出せず、ファーム暮らしが続いた。

その中で開幕投手の石田は、登板間隔が不規則な中でローテーションを守った。ただ、23先発でQSが僅かに6というのは厳しい。6回まで投げさせてもらう信頼を得られなかった。

3年連続で勝ち頭だった大貫は、終盤に2勝したが5勝、開幕投手の石田が4勝、濵口3勝、平良4勝と誤算が続いた。バウアーが故障で離脱するまでは、三本柱は非常に強力だったが、4番手以降の先発が誤算で揃わなかった。そのため、週6試合で勝ち越すことが難しく、三本柱で負けると貯金を減らしてしまう形になった。

投手勝率打率防御率平得QSHQS
石田2310130.435.2373.563.562
ガゼルマン13580.385.2404.353.241
笠原2020.000.2355.632.000
濵口13580.385.2644.184.252
平良11650.545.2353.903.253
241950.792.2551.824.12115
今永2211101.524.2453.123.01512
大貫13760.538.2512.503.772
バウアー191162.647.2572.354.31511
上茶谷1010.000.2253.603.000
坂本2020.000.2116.274.000
14374663.529.2473.163.67848
先発投手別のチーム成績。平得=平均得点。打率、防御率も含め、先発が投げている間ではなく試合全体の平均。

2024年は少なくとも今永が抜けることは確定している。勝敗こそ7勝4敗で貯金3だが、148イニングを防御率2.80で投げた投手の穴は、当然ながらかなり大きい。そこを他の投手が担った場合、2023年と同じ力なら大きく負けが込むことも考えられる。

2023年は不振だった4番手以降の投手の奮起と、新戦力に期待するしかないのだが、ローテーション投手の底上げが必要になって来る。

作戦と能力が伴わず迷走

バントの成功率は、セ・リーグでダントツに低い74.6%という数字もある。バントをさせるなら、もっと練習しておくべきで、やろうとしている作戦と選手の能力が伴っていなかった。100%成功しても、得点の期待値がそれほど高くならないバントで、25%以上も失敗しているのだから、チャンスを無駄に潰している側面もあった。

全てのバントを否定するつもりはない。相手投手と自軍打者の調子、相性、場面、後続の打者などによっては有効な時もあるだろう。だが、普段から試合でバントができるように準備をしていなければ、簡単には成功しない。プロの打者であっても、プロの投手のボールをバントすることは簡単ではないし、練習だけでどうにかなるものではない。ファームも含めて、実戦の中でいかにバントの能力を成長させるかも重要なポイントだろう。

2つ先の塁を狙うという積極的な走塁をチームとして目指した。走塁は盗塁だけではないので、その意識は垣間見える部分もあった。だが、結果として走力に不安を持つ選手が多く、走塁で得点力をアップさせることはなかなかできなかったように思う。

盗塁も練習試合やオープン戦では数多く仕掛けるが、その時点で成功率が異常に低く、公式戦に入るとなかなか企画すらできないことが続いた。盗塁は2022年の49から33に大きく減り、盗塁成功率も55.9%でほとんど変わらなかった。

広島が大きく数字を改善させた為、盗塁数、成功率ともリーグ最低。阪神やヤクルトが70%台中盤の成功率をマークしているのに対して大きく見劣りする。バントもそうだが、こういうところでもせっかく出塁したランナーを生かせていない。

パ・リーグで3連覇したオリックスも、盗塁が多い方ではなく、成功率も62.7%と高いわけではない。必ずしも盗塁をするチームにしなければならないわけではないが、終盤の競った展開でランナーが出た場合に足でかき回すことができる存在は大きいと感じる。

村川は守備面など理由があって支配下登録していないのだと思うが、1軍の舞台で通用する走力をさらに成長させるためにも、次のステップに行く必要がありそうだ。それを見極めるためのA班抜擢だと思うので、期待したいところ。

勝ちパターンが総崩れ

2022年は、エスコバー、伊勢、山崎の勝ちパターンが機能。エスコバーと伊勢は70試合以上に登板して30を超えるホールドをマーク。2020、2021年は三嶋にクローザーを譲っていた山崎も復活し、自己最多タイの37セーブをマークした。

2023年、開幕2戦目で山崎が12回裏2アウトランナーなしからサヨナラ負けを喫したが、4月はリリーフが充実した。エスコバーは不安な部分を露呈していたが、伊勢、山崎に加えて難病を克服した三嶋が復活した。三嶋は4月末の7連勝中で3勝を挙げる活躍だった。

さらに、移籍2年目となった森原が抜群の安定感を見せ、来日1年目のウェンデルケンは、オープン戦中に腰の故障で離脱して出遅れたが、次第に実力を見せた。2022年に台頭した入江も含め、7人が高いパフォーマンスを見せ、先発投手の勝ち星を守り抜き、チームは勢いに乗った。

しかし、5月に入ると山崎が2敗を喫するなど打たれることが多くなった。エスコバーは不振に陥り、5月6日に登録抹消となった。山崎は交流戦優勝を懸けた6月19日の日本ハム戦で、延長10回に万波のソロを浴びて4敗目。さらに7月15日には1-0の9回に、坂倉のソロで同点とされると、逆転のランナーを残して降板。交流戦後半に復帰したエスコバーが凌ぎ切れず6敗目となった。

これで三浦監督はクローザーの交代を決断。オールスター明けは森原がクローザーを務め、山崎は中継ぎに回った。伊勢も交流戦明けから勝負どころで打たれるシーンが続き、黒星を重ねた。前年に勝ちパターンを担った3人が揃って外れる状況になり、数字も大幅に悪化した。

2022年2023年
エスコバー70試4勝2敗2S 34H
防2.42 WHIP1.22
40試2勝1敗0S 11H
防4.55 WHIP1.39
伊勢71試3勝3敗1S 39H
防1.72 WHIP1.01
58試4勝6敗2S 33H
防3.22 WHIP1.39
山崎56試0勝2敗37S 3H
防1.33 WHIP0.70
49試3勝7敗20S 8H
防4.37 WHIP1.24

入江も8月11日に登録を外れると、そのままファームでも登板せずにシーズンを終えた。詳細は発表されていないが、肩の故障だったという話もある。そして、三嶋は黄色靭帯骨化症の影響もあったのか、6月末で登録を外れ、ファームでの調整が長くなった。9月に一度復帰するも、すぐに登録を外れてシーズンを終えた。

先発投手が頑張ってもリリーフが支え切れない場面も目に付いたが、打線がここぞで得点できない中でリリーフも踏ん張り切れずに敗れる試合が多かった。特に広島戦はそういう印象が強い。

しかし、ベイスターズにとって大きかったのは、森原とウェンデルケンが素晴らしいパフォーマンスでカバーしてくれたことだ。そして、シーズン当初はビハインドでのロングリリーフを担った上茶谷が、リリーフで力を発揮し、最終的には火消し、セットアッパーもこなすほどになり、チームに大きく貢献した。

さらに、左腕の石川がリリーバーとして成長し、大きな存在になっている。シーズン終盤は、宮城、中川虎を思い切って起用し、結果も残した。

シーズン当初は強力な6枚が揃っていたが、長くは続かなかった。その苦しい中で、少し新しい力が出てきたことは非常に大きい。エスコバーが退団したが、新外国人のウィックを補強し、不振だった伊勢と山崎も復調を期している。

現代野球では終盤の3イニングがどれだけ計算できるかが重要なので、2022年以上の安定した勝ちパターンを築き上げたい。

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痛恨の敗戦TOP3

2023年のリーグ優勝を争う上で、という観点なので、交流戦優勝を自力で決められるのに敗れた6月19日の日本ハム戦、勝てば2位だった10月4日の最終戦は入っていない。

3位 6月27日 広島戦(マツダ)

交流戦の優勝が見え始めた6月15日、ハマスタでの日本ハム戦がノーゲームになった。予備日の19日に振り替えられ、チームは週末のロッテ戦で連勝したことでこの試合に勝てば、初の交流戦優勝を決められる試合になった。

その大事な試合の先発には上茶谷を指名し、ブルペンデーとした。11日に先発した今永は、中5日であれば先発できたし、バウアーも本人が希望する中4日で行けた。だが、その二人は交流戦明けの首位・阪神3連戦に回し、温存する形になった。

上茶谷は4回無失点の好投だったが、リリーフが踏ん張り切れずに逆転負けを喫したが、TQBで上回ることができる1点差での負けで、交流戦優勝は手にした。

交流戦優勝というのはあるが、リーグ戦で見ればまだ半分も終わっていない段階であり、無理をさせなかったが、阪神との3連戦に三本柱をぶつける形になった。ここでしっかりと3連勝し、首位に立った。無理に交流戦優勝を獲りに行かず、阪神戦を重視し、思い通りの結果を得た。これでチームは乗って行けるはずだった。

週明けはマツダでの広島戦。開幕は出遅れ、なかなか調子が上がらなかった大貫が交流戦で2勝を挙げ、3年連続勝ち頭となった先発の柱がいよいよ復調かという状況の中、先発した。

初回に幸先よく床田を相手に先制点を奪ったが、すぐに大貫が吐き出して同点。4回に3安打で満塁とするも、得点を奪えず。6回に戸柱の内野ゴロ間に勝ち越し点を奪ったが、またも大貫が踏ん張り切れず同点。8回に上茶谷が勝ち越し点を奪われ、1点差の惜敗だった。

広島を上回る10安打を放ちながらも2点に留まるという、ベイスターズを象徴するような攻撃の拙さを見せてしまい、リリーフも踏ん張り切れなかった。三本柱の次の4番手の先発として期待が高かった大貫も、全体的に好投しながら、ここ一番で踏ん張り切れなかった。大貫が次に勝利を挙げたのはシーズン終盤の9月25日。

チームは1日で首位を明け渡し、さらにこのカードは広島に3連敗し、阪神との差が開いた。結局、これ以降は首位に立つことはできず、差は日を追うごとに開いて行った。マツダではCSも含めて苦杯が続いたが、それを象徴するような試合だった。

2位 8月4日 阪神戦(ハマスタ)

7月の打撃不振で3位に転落し、阪神との差は6ゲーム。8月4日からのハマスタでの阪神3連戦で一気に差を詰めたいところだった。先発は東と村上で、防御率のタイトルを争う二人の対決は、当然のようにロースコアのゲームになった。

阪神が4回に坂本のタイムリーで先制したが、その後の大きなピンチは東が断ち、1-0でゲームは進んだ。6回裏、2アウトから宮崎がヒットで出塁すると、4番の牧が、村上のインサイドのストレートを捉え、打った瞬間という打球はレフトスタンドへ飛び込む逆転2ラン。

東が逆転した後のイニングを3人で片付ける好投。しかも近本、中野という塁に出したくない打者を抑えた。チームに流れを引き寄せたはずだったが、8回を任された伊勢が、捕まってしまう。

先頭の森下がサードへの内野安打。代走の植田が盗塁を決め、さらに山本の送球がセンターへ抜けてしまう間に三塁へ。ノーアウト3塁となり、大山と佐藤輝は三振に取ったが、ノイジーのバットの先に当たったライトへ飛球を蝦名が追い付けずに、同点タイムリー。

伊勢にとっては不運が続いた失点となり、気落ちしたところをさらに攻められてこの回4失点。その裏、2アウト満塁のチャンスはあったが、佐野が凡退して万事休す。

東の好投に牧が応えて逆転しただけに、このまま逃げ切って勢い付き、阪神に迫りたかった。結局、この3連戦も初戦が響いて3連敗。9ゲーム差となって、優勝争いは極めて厳しいものになった。

1位 7月15日 広島戦(ハマスタ)

7月11日からの倉敷、甲子園での阪神3連戦は、バウアーが痛恨の2ランを2発浴びるなどで連敗し、3戦目を何とか取って1勝2敗。オールスター前最後、ハマスタでの広島3連戦は、今永、東に加えてバウアーを中4日で持って来て、三本柱で必勝態勢だった。

15日の初戦は、今永と大瀬良の投げ合いとなった。5回まで両軍でヒットはデビッドソンの1本だけという投手戦。6回裏、京田がチーム初ヒットを放つと、戸柱もライト線へのヒットでノーアウト1、3塁。ここで今永が見事にスクイズを決め、先制点を奪った。

今永は8回まで5安打無失点の好投で、投打に活躍。8回に代打の藤田が二塁打を放ってチャンスを広げたが、あと1点が取れなかった。

9回は山崎が登板。何とか1点差を逃げ切りたいところだったが、1アウトから坂倉に高めのストレートをレフトスタンドへ運ばれ、同点とされた。これは打った方を褒めなければならないバッティングだが、クローザーとして6月19日に続いて一発を気を付けたい場面で喫してしまった。高めを狙ったストレートではなく、行ってしまったストレートだと、坂倉くらいコンタクトが巧い打者には運ばれてしまう。

同点までならまだしも、デビッドソンにもレフト線への二塁打を打たれ、同点の場面ながらクローザーが交代を告げられるという屈辱。代わったエスコバーは、小園を打ち取った当たりながら不運な内野安打でピンチが広がり、末包を申告敬遠で満塁。會澤はレフトまで運ばれて犠牲フライ。逆転を許した後の9回は、矢崎の前に三者凡退で終わった。

7月は22試合で54得点と、狭いハマスタを本拠地にしながら、記録的な得点力不足に陥った。8回無失点でHQSよりも素晴らしい内容を見せた今永を援護できなかった。投手陣が2.86の防御率をマークしながら8勝13敗と負け越した7月を象徴する試合だった。

そして、この日に6敗目を喫した山崎はクローザーを剥奪された。以後のクローザーは森原、ウェンデルケンがカバーしたが、本来の形ではなくなり、リリーフの運用も苦しくなった。

この3連戦で、三本柱で阪神との差を詰め、相手次第では首位ターンも、というところだったが、残りの2試合も信じられないようなミスが相次ぎ、まさかの3連敗。首位に立つどころか3位に転落してオールスターを迎えることになった。

ブログでも書いたが、この3連戦が優勝争いからの脱落を象徴するようなターニングポイントになりそうだと思ったが、その通りになってしまった。あまりにも酷過ぎる3連戦だったが、今永の素晴らしい投球を生かして勝てていればと「たられば」を言いたくなるような試合だった。

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2024年はどう戦うか

2023年は、防御率では前年の3.48を上回る3.16をマークした。東が1点台の防御率で16勝を挙げ、今永、バウアーも含めた三本柱が好成績を収めた。2022年の勝ちパターンであったエスコバー、伊勢、山崎がいずれも数字を落とす中、新加入のウェンデルケン、移籍2年目の森原がカバーした。

リーグ平均の防御率は2022年が3.36だったのに対し、2023年は3.19まで数字が上がった。リーグ全体として防御率は数字が良くなっているので、チーム成績へのインパクトはそこまで大きくなかった。

攻撃面では、2022年よりも打率、本塁打、OPSなどの数字は下げたが、得点は23点ではあるが増加した。特別大きく作戦の傾向が変わった印象はないが、打点王の牧を中心に得点圏での数字が良かった。

それでも、ここまで書いてきたように先発を援護できず、勝利に結び付けられないことが多く、終盤の競った展開で1点を取ることが出来ず、リリーフが踏ん張り切れない試合が目立った。単純な得点力というよりも、なかなか得点が入らない試合展開でいかに得点を取って行くか、攻撃面が大きな課題だろう。

誰しもが考えている通り、まずは打線の1、2番をしっかり機能させることが重要。1番は足が速い選手、2番がバントの上手い選手に拘る必要はない。ただ、共通していることは、それ以降の打者を生かすためにも出塁率が高いことが一番重要だろう。

単純な数字で言えば宮崎、牧の出塁率が高いので、彼らを1、2番に置けば良いかというと、それも違う。今度は返す役割の選手が不足するからだ。ケガが多い選手なので計算ができないところが苦しいが、オースティンが打線の中に入って来ると、中軸の選手を一人、出塁する側に回し、他のメンバーで還すことができる。

新しく就任したオフェンスチーフを担当する靏岡コーチが、アナリストの経験を生かしてデータの面でもアプローチを考えていくと思うので、そこは進化した打線に期待したいところ。

そして、バントやヒットエンドラン、盗塁といった作戦もどのように采配に繋げていくか興味深い。バントは、統計的にもなかなか得点に結び付かないので、限られた場面で使って行くのが良いのだろう。バントを積極的に使って行くなら、しっかりと実戦でバントができる選手を用意して行かなければならない。

春季キャンプの1ヶ月だけでどうにかなるものではないが、やろうとしている野球に合った練習、選手の陣容づくりが必要だと思う。

投手では今永が抜け、現状はバウアーもいないものと考える先発ローテーションをどう組むか。上茶谷はリリーフのまま、森唯斗や中川颯、ジャクソンなどの新戦力から先発投手を埋めていく想定だろうが、そこがしっかりと決まるかどうか。小園や深沢らの若手がどれくらいそこへ絡んで来るか。

リリーフでは、今年の復調に懸ける山崎、伊勢がどこまで戻って来るか。難病と闘う三嶋、肩の故障でキャンプはB班スタートの入江の復活も必要になって来る。まずは、ウェンデルケンに加えてウィックが力を発揮してくれると厚みが出て来る。終盤の競り合いで得点を許さず、進化した打線が1点をもぎ取って来ることが理想。

もちろん作戦や陣容が充実することが勝利に結びつくが、三浦監督も言っていたように、ここぞの勝負所で勝てるかどうかも大きい。痛恨の敗戦を3つ挙げたが、いずれもそういうポイントで、勝つチャンスがありながらも落としている。チーム全体で、ここという場面で力を発揮できるようになることが求められる。

今回の投稿で挙げた2023年に優勝まで届かなかったポイントに対して、どのような手を打って来るか。春季キャンプ、オープン戦でチームがどう動いて行くのか注目したいと思う。

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