04/29 中日11-1横浜DeNA(バンテリン)
先発のジャクソンは3回、2アウト1、2塁からカリステにタイムリーを打たれて先制を許すと、中田の2点タイムリー、細川のタイムリー二塁打で4失点。4回は桑原の悪送球で追加点を奪われ、4回5失点で降板した。2番手の森唯も中日打線に捕まり、細川のグランドスラムなどで6失点。打線は松葉に対して、代打蝦名のタイムリー二塁打で1点を返すのがやっと。大敗で3連敗。
ポジ [Good]
7回に代打で今季初打席に立った蝦名が、浮いたチェンジアップを捉え、右中間を完全に破るタイムリー二塁打を放った。そのまま守備に就き、9回の2打席目ではカットボールをライト前に運び、マルチヒットをマークした。
今季はオープン戦で16打数2安打の.125と結果を出せず、ファームで開幕を迎えた。ファームでは18試合で打率は.263だが、OPS.798の好成績。18試合で四死球が19(3死球)あり、ボールを選ぶことができている。
2022年は交流戦にかけて一時レギュラーを掴むかという活躍があったが、昨年は全く結果を出すことができなかった。ファームでは好成績なので、あとは1軍で結果を残すだけ。1ヶ月ほど出遅れたが、この2本のヒットをきっかけに、熾烈な外野手争いに食い込んで行って欲しい。
三嶋がこの日、上茶谷と入れ替わりで出場選手登録され、今季初登板。ジャクソン、森唯が4イニング連続で失点している中、7回に登板。ヒットと四球でピンチを招いたが、福永をスライダーでセカンドゴロ、石川昂には高めへのスライダーが決まって見逃し三振に取り、切り抜けた。
山崎とクローザーを争い、その座に就いていた時は、150キロを超えるストレートと、フォークを多投していたが、変化球はカーブとスライダーのみ。ストレートもスピードは抑え目ながらキレは感じさせた。三嶋と言えばスライダーというイメージなので、ここから現状の体の状態に合わせた投球で、ブルペンを支えてもらいたい。
ヤジ [Bad]
ジャクソンは、立ち上がりにコントロールを乱していたが、2番の山本が8球粘っているうちに、バンテリンドームのマウンドにもアジャストでき、少し落ち着いた。2回は上林、木下から2者連続三振を奪って三者凡退。ここから乗って行ければという感じだったが、1つのプレーから暗転する。
3回、先頭は村松。3球目の浮いたチェンジアップを引っ張って一塁線へ。これを佐野が押さえて、ベースカバーのジャクソンをトスするも、入りが遅れてセーフになった。村松が俊足であることも頭に入っていないし、ベースカバーへのスタートが一歩遅いし、ベース際でスピードが大きく落ちた。こういったフィールディングは自分の投球を楽にするか、苦しくするか非常に大きなポイントになる。
続く松葉はバスターエンドラン。1アウト2塁となって1番の岡林に戻る。まだ本調子とは言えない岡林は、チェンジアップで空振り三振に取り2アウト。最初の打席で粘られた山本を迎え、1ボール2ストライクから歩かせてしまった。調子が良さそうな感じはあったが、左腕に好相性の打者。先制点をやりたくないという気持ちが強過ぎて歩かせてしまった。打線が初回にチャンスを逃し、得点がなかなか入らない状況が、投手を苦しくさせる悪循環。
カリステには150キロのストレートを弾き返され、強烈なライナーが牧のグラブを弾いてセンター前へ到達した。簡単に捕れる打球ではないが、グラブで弾いているので、不可能な打球ではなかった。ボール先行の投球に、野手の集中力に影響を与えているし、牧も得点が取れていない攻撃面の影響がなかったとは言えない。
1点であればまだ何とでもなるところだったが、続く中田はアウトサイドのボールゾーンのカットボールに手を出し、バットの先で打ち上げた打球。これがライトの前にポトリと落ちるヒットになった。中田を迎えて深めに守っていたし、度会の打球への反応では前進しても間に合わない。しかし、無謀にもダイビングしたため、一塁ランナーも還り、二塁打としてしまった。全力で行った結果ではあるが、判断力が不足している。必死に飛び込めば良い訳ではない。
さらに細川にも気持ちが切り替えられないまま、高めのストレートをセンターオーバーのタイムリー二塁打とされ、一気に4失点した。このところあまり得点が取れず、バンテリンドームでの松葉を相手という状況では、かなり苦しいビッグイニングになってしまった。
5回には、2アウト1塁から山本のセカンド後方へ落ちるヒットで、桑原が回転して投げたボールが中継に返らず、そのままボールが三塁ベンチ方向まで転がる間に5点目を許した。一塁ランナーが投手の松葉ではあったが、2アウトのペイオフピッチで自動スタートしており、三塁は間に合わない。打者走者が二塁へ進まないように牽制しつつ返球するだけで良いところ、何故無理な体勢で送球したのか。カウント、ランナーの位置が頭に入っておらず、集中力を欠いていたとしか見えない。言い訳のできないプレーだろう。
攻撃では初回、左腕相手でも1番に入った度会がヒットで出塁。桑原が歩いてノーアウト1、2塁でクリーンアップを迎えたが、佐野は初球のストレートに押され、レフトへの平凡なフライ。今年は左腕をよく打っており、松葉との相性も良い。相手は嫌な状況なのに、あっさりとランナーが進むことすらない凡退。初球を打つなとは言わないが、せめて引っ張ってライトフライで1、3塁という状況を作りたいのにレフトフライではどうしようもない。
牧もストレートに完全に詰まらされ、力のないサードゴロで併殺崩れ。2アウトになってしまっているので、ここで進塁できても遅い。そして、宮崎は今季2つ目という三振。完全なボールゾーンのストレートに手を出してファウルを打つなど、何か普通ではない打席だった。大量点を失った後は、楽に投げて来る松葉を捉えることはできず、蝦名のタイムリー二塁打による1点に終わった。
攻守に精彩を欠いた試合だった。もう一度、1つ1つのプレーで自分が何をすべきか、しっかりと考えて欲しい。とにかく勝ちたい、やらなければならないというだけで動いても、チームとして勝利には結びつかない。こういう低迷した時期こそ、やるべきことを丁寧にやる、さまざまな状況を想定して冷静に判断して行くことが重要だろう。
気持ちが空回りしているからこそ、ベテランの存在も重要。三浦監督がどういうつもりでルーキーを使い続けているのか分からないが、空回りしているうちに取り返しが付かない状況になって行く。ベテランがミスをしないわけでもないが、現在のような状況を落ち着かせる役割を担ってもらうことで、彼らの存在価値がより大きくなるのではないか。単に期待している、何とかしてくれるだろうでは偶然に頼るしかない。進化しなければならないのは、三浦監督自身なのではないか。
キジ [Other]
10点差だろうが、1点差だろうが、負けには変わりない。現地のファンはキツいだろうし、チーム全体がショッキングな負け方ではあるが、移動翌日のデーゲームという中で、不本意ながらも途中から選手を休ませることができた。終盤まで競っての敗戦だとこうは行かない。蝦名が今季初打席に立つことができ、そのまま守備にも就いてマルチヒットをマーク。この日昇格した神里も使うことができた。
目を覆いたくなるような大敗だったが、それでも翌日にはもう次の試合が待っている。下を向いている時間はないので、次以降に向けた準備を整えて行く必要がある。
30日は中川颯が4日以来の先発を務める。リリーフで数試合投げて来て、ここで再び先発のチャンスを得た。24日はあともう少しというところで消えてしまったプロ初勝利を狙って行きたい。相手は小笠原ということで、簡単な相手ではないが、何とか試合を作り、打線の援護を待つ形にして欲しい。
4月は最後の試合。2022年と同じ10勝15敗のスタートとなるか、借金3に戻すか。月間のマイナスを5つ戻すのは容易ではないので、何とか勝って5月へ繋いで行きたい。
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